ガーデニングをする上で欠かせない作業の一つに水やりがあります。皆さんはどのように水やりしていますか? 広い敷地の庭であればホース、鉢植えや狭い範囲に対してはジョウロを使っていますよね。ここではジョウロの種類と選び方についてご紹介します。使い道やシチュエーションに合ったジョウロを選ぶことができれば、より快適なガーデニングライフを送ることができますよ。

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「ガーデニングじょうろ」って何?

ジョウロ

皆さんはジョウロと聞いてどんな物をイメージされるでしょうか。今はガーデニングに適した専用のジョウロのことを「ガーデニングじょうろ」と呼び、一般的な物よりデザイン性に優れ、実用的なだけでなく、置いてあるだけでも様になるものが多くあります。そのため室内外で使うことができ、使わないときはインテリアの一部としても違和感がありません。室内外の雰囲気に合わせてデザインやサイズなどお気に入りの物を見つけましょう。

ジョウロにはどんなものがある?

ジョウロ

ジョウロにはサイズはもちろん、口の形状や素材など用途に応じてさまざまな種類の物があります。ここではそれらの種類と選び方について解説します。

水が入る容量はさまざま

ジョウロはそのサイズによって水を入れられる容量が変わってきます。小さな物であれば500ml、大きな物では10Lほどとそのサイズは幅広く、使用箇所によって最適な物を選ぶ必要があります。

例えば小さいジョウロは持ち運びやすく、室内などの限られたスペースに置いておく際にも場所を散りませんが、容量が少ないため広い場所などでは何回も水場への往復が必要になってしまいます。かたや大きいジョウロは広い場所の水やりも往復の回数は少なくて済みますが、容量が多い分重く、持ち運びが大変です。

一般的には室内観葉に対して使うのであれば500mlから800ml程度のジョウロが向いています。またベランダなどで鉢植えやコンテナなどへの水やりをする場合は2Lから3L程度のジョウロが使いやすいです。

水1Lは1kgの重さがあるので、10Lの容量いっぱいに水を入れれば10kgの重さになります。たくさんの水をまく必要がある場合でも、持ち運びやすい容量のもののほうが扱いやすいでしょう。

水を出す口の形は大きく2種類

ジョウロ

次は、ジョウロの口の形についてです。大きくは細口とハス口の2つに分けられます。またハス口を外し、細口に変えられるジョウロもあります。

細口のジョウロは水差しのように、かけたい場所にピンポイントで水やりをすることができます。小さな鉢や植物自体に水をかけたくない場合などに向いています。

ハス口のジョウロはシャワーのように水を拡散させながら水やりをすることができます。一度に広い範囲への水やりができることと、拡散により水流を弱め、用土が飛び散るのを防ぐことができます。またハス口を上向け、下向けにすることで拡散面積や水流の強弱を調整することもできます。ちなみに種まき後の水やりなどはハス口を上向きにし、より柔らかい水流での水やりがおすすめです。

細口は要するにパイプ状になったところから水が出てくるので、ハス口の細かな穴から水が出るよりもたくさんの水が出てきて、水やりにおいては優れているようにも見えます。しかし、そうとも限りません。

用土には腐葉土などの有機質が含まれていることが少なくありませんが、この有機質は水をはじく性質があります。水がはじかれるところにたくさんの水をかけても、吸い込まれずに流れて水は無駄になってしまいます。しかしハス口であれば広い範囲に少しずつ水をかけることで、用土の中にある有機質が少しずつ水になじみ、水を吸い込むようになります。水と有機質をなじませるためには、ハス口の柔らかな水流が有効です。

見た目に影響する! 素材

ジョウロ

ジョウロは大きさだけでなく、素材によっても雰囲気が大きく変わります。ここでは代表的なジョウロの素材と特徴について解説します。

●ブリキ、トタン

屋外のガーデン、特にジャンクガーデンなどと雰囲気が合い、置いておくだけでも様になります。女性に人気の素材です。素材の特徴としては比較的丈夫で使い込むほどに経年変化により風合いが増し、庭に溶け込むようになります。

質感はとてもよい一方、経年で錆びたり塗装がはげたりすることがあり、プラスチック製に比べてやや重量があります。

●ステンレス

スタイリッシュなデザイン性に優れています。小型の物が多いため室内での使用に向いています。素材の特徴としては耐食性がありサビに強く、また耐熱性が高く強度もあります。注意することとしては、亜鉛やアルミニウムなどの金属と接触させたまま放置すると腐食を起こすことがあるため気をつけましょう。ブリキ、トタン製よりも耐久性がありますが、やはりやや重いタイプです。

●プラスチック

さまざまな形と色があり、サイズ展開も豊富です。素材の特徴としては軽く、錆びることはありません。ただ金属と比べると強度面では弱く、また長期の紫外線により劣化することがあります。使用後は放置せず日の当たらない場所で保管することが望ましいでしょう。

ジョウロの選び方

ジョウロ

ジョウロは先述したようにバリエーションが豊富で、自分の使用目的に合った物を選ぶことが大切です。ここではどこをポイントにしてジョウロ選びをすればよいかを解説します。

水量はちょうどいいか?

水やり

ジョウロを選ぶ際に最も大切なのは水がどのくらい入るかという容量です。一鉢にあげる水の量を把握することで最適な容量のジョウロを選ぶことで、水場へのむやみな往復を防ぐことができます。植物や用土により水やりの水量は変わってきますが、目安としては5号鉢であれば100mlから200ml程度、7号鉢以上であれば600ml以上を必要とします。実際の経験を積み重ね、どの程度の水が必要なのかを知ることで、最適な容量のジョウロが見つけられることでしょう。

毎日使えるか?

水やり

夏場ともなれば毎日使うことになるジョウロ。使用頻度が高くなっても負担にならず、いつでも使いたいと思える物を選ぶことが大切です。特に重さはジョウロの大きさに比例して重くなるということをよく考える必要があります。実物を持ってみたり、インターネットなどで重量表示を確認したり、水の入ったあとも想定したりしてみましょう。とても素敵なデザインでも、水を入れたら重すぎて水やりが億劫になってしまっては元も子もありませんよね。まずは毎日でも使えるサイズ感を意識しましょう。

気に入ったデザインか?

ジョウロ

水やりを面倒くさい作業と思わないためには、使いやすさだけでなくデザインも重要です。「また使いたい」と思える好みのデザインの物を見つけることで水やり時間がとても楽しいものとなるでしょう。

室内で使う場合は、あまり大きすぎるとインテリアの中で目立ってしまうこともあるので、部屋の雰囲気になじむかどうかも重要になります。

ジョウロ以外にも! 水やりアイテム

水やり

植物の種類や鉢の大きさ、水やりの範囲によってはジョウロではまかないきれない場合もあるでしょう。そんなときのジョウロ以外の水やりアイテムについて解説します。

ホース

ホース

花壇など地植えの植物や比較的広い面積を一度に水やりする場合はホースでの水やりがおすすめです。ホースの口の先端に散水ノズルを付ければシャワー状やミスト状、ジェット噴射など多様な水やりができて便利です。重めのホースリール一体型を使えば、安定感もよく片付けも楽にできます。

近年は蛇口とホースをつなぐコネクターが共通化され、簡単にノズルを取り替えたりすることができる製品もあります。

水差し

水やり

用土の飛び散りの心配が少ないため、周囲を汚したくない室内の小さな鉢植えや葉に水をかけたくない植物への水やりなどに向いています。

霧吹き

霧吹き

観葉植物やチランジア、多肉植物やサボテンに葉水をする際に使います。葉水は湿度保持、乾燥予防のための二次的な水やり作業で、また、病害虫対策としても効果があります。室内園芸の場合、鉢元への水やりだけだと地上部が乾燥してハダニが発生する場合がありますが、ハダニは水気を嫌うため定期的に行うことで予防することができます。

またタネまきをした後にジョウロの水流では種子が流されてしまうような場合は、霧吹きで用土表面を濡らすことで水やりをするときにも利用できます。

植物への水やりのコツは?

水やり

植物を育てる上で大切な水やり。正しい方法を知って水やりすることが重要です。ここでは水やりの基本とコツについて解説します。

植物によって水の必要量は違う! しっかり調べる

植物

まずは植物の種類についてよく知ることが大切です。その植物の自生地の環境を調べましょう。そこが乾燥している場所なのか、それとも湿潤な場所なのか。それによって求める水分量が変わってきます。また同じ植物でも生長の段階や根張りの状態、植えてある環境や用土の種類によっても変わってきます。特に鉢植えの場合は水やりの影響が顕著に表れます。水やりの頻度が多い場合、根腐れが起きますし、頻度が少なすぎると成長が緩慢になったり、水切れにより枯死してしまったりすることもあります。植物の解説サイトに記載されている頻度を参考にしつつ、土の乾き具合を観察し、経験するなかで最適な水分量を把握しましょう。

基本的な水のやり方のセオリーはありますが、同じ用土を使っても環境によって乾き方は異なります。自分の栽培環境での水やりのペースをつかむことができれば、栽培の腕もグッと上がります。

たっぷり与えて受け皿に溜まったものは捨てる

水やり

水やりのポイントはあげるときは、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えることです。鉢土の中をたくさんの水が上から下へと流れることで用土に水分が補給されるとともに、土の粒の間にある空気も入れ替わり、根の周りに新鮮な酸素が供給されます。

また、根は土中の栄養分を吸収する際に植物の生育を阻害する物質を放出していますが、水やりによって洗い流されることで、根の生長や養分の吸収がよくなります。

解説サイトなどで「水やりは控えめに」などの文言がある場合、誤解しがちなのは毎日ちょこちょこと水やりをしてしまうことです。しかし、これでは用土の中の酸素が入れ替わらないので、よい水やりとはいえません。「控えめ」とは一回の水やりの量は変えずに、与える頻度を少なくするということです。たっぷりと与えて、表面の用土がすっかり乾くなどした後に再度しっかりと与えましょう。

その際受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるので捨てましょう。そして水は必ず株元に与えましょう。葉や茎などにかかってしまうと弾かれて十分な水量が行き届かない場合があります。

季節や時間帯を考慮する

水やり

季節により水やりの頻度とタイミングを変えることもポイントの一つです。各季節の水やりのタイミングについて解説します。

●春

春は日中の気温は上昇するものの、朝晩の急な冷え込みの心配があります。そのため水やりは暖かい午前中(7:00~12:00)頃がおすすめです。用土の乾き具合を見ながらよく乾いていると感じたら水やりをしましょう。このときに急にたっぷりと水を与えてしまうと根腐れの心配があるので与える水量は徐々に増やしていくようにしましょう。目安としては1~2日に1回程度です。

●夏

夏は日中の気温が高くなり、気温が30℃を超えるような日は鉢内が蒸れて根を傷める原因となることがあります。水やりはできるだけ早朝(~9:00)か夕方以降、涼しくなる時間(17:00~)にしましょう。鉢のサイズによってはすぐに乾いてしまう季節です。様子をよく観察しながら必要に応じて1日1回以上、たっぷりと与えることが望ましいです。

また、植物は夜温が下がらないと体力を消耗してしまいます。日が沈んだら植物全体にシャワーや霧吹きでサッと水をかけることで温度を下げるのも、植物の生育を助けます。

●秋

朝晩の暑さは比較的落ち着いてきますが、日中はまだまだ暑い日が続きます。そのため水やりは午前中(7:00~12:00)を目安として与えましょう。またこの時期は植物の成長も徐々に緩慢になってくる時期です。落葉などがある場合、それに伴って水やりの頻度を徐々に減らしていきましょう。

植物は、葉があるときは根から水を吸って葉から蒸気として放出する蒸散(じょうさん)を行います。落葉してからは蒸散がなくなるため、葉があるときと同じ水やりをしていると用土の水分が多すぎる状態が続くので、葉が落ちたら水やりは頻度を減らしましょう。

常緑樹は通年葉がありますが、気温の低下とともに蒸散の量も減りますので、同様に秋以降は水やりを減らしましょう。

●冬

夜の冷え込みにより、用土内に多くの水分があると凍結の心配があります。そのため夕方以降の水やりは控え、暖かい日の午前中に必要最低限をあげるようにしてください。水やりの目安は1週間に1〜2回程度ですが、休眠中や土に湿り気がある場合は必要最低限の水やりに留めましょう。

ガーデニングをするなら水やりアイテム以外も揃えよう

ガーデングッズ

素敵なジョウロを見つけたら他の物もお気に入りの物を見つけたいですよね。ここでは水やりアイテム以外のガーデニングアイテムをご紹介したいと思います。

○必須アイテム

●プランター、鉢

地面に直接植えられない場合はプランターや鉢を使いましょう。移動も簡単なので組み合わせながら好きな配置を考えながらのガーデニングも楽しいです。サイズや素材もさまざまなので、お気に入りのジョウロに似合う物を選んでみてはどうでしょうか。

●シャベル、スコップ

用土をすくったり、穴を掘る際に使用したりします。すくう部分の上部に足がかけられないものを「スコップ」、かけられるものを「シャベル」と定義しています。プランターや鉢での栽培であればサイズの小さなスコップがおすすめです。大きな植物の植え替えや穴を掘る際は力の入れられるシャベルがよいと思います。

●土入れ

鉢などに用土を入れる場合は土入れがあると便利です。狭い隙間にもまんべんなく土を入れることができます。

●ガーデニング用のハサミ

樹木などの剪定やハーブや宿根草の切り戻し、果実の収穫などに使います。サイズや素材も多様です。用途に応じたものを選びましょう。文具用のハサミでは、カットする際に怪我をするケースもあるので気を付けましょう。

●グローブ

手を覆い、保護するものです。剪定や除草時などは小枝やトゲ、害虫など素手では危険が伴う場合があるので必ず着用しましょう。軍手は編み目が粗く、土をいじると手に直接土がついてしまうのであまりおすすめ出来ません。

●ウェア

汚れても気にならない作業着があると便利です。専用のものはハサミなどの道具がしまえたり、汚れが目立たなかったりと使い勝手のよいものがあります。立ったり座ったりと入った動きも多いので、ストレッチ素材のものや、ハサミなどをちょっと入れておけるポケットがたくさんついたアウトドアパンツやワークパンツなども便利です。

○便利アイテム

●ガーデニングシート

ガーデニングシートを敷いた上で作業することで用土の散らかりが少なく、片付けも楽になります。シートのフチが高くなっているものは、土を広げてもシートの外まで広がらず、周囲を汚さないで作業ができます。

●遮光ネット

日射が強く、葉やけを起こしてしまうような場合に使いましょう。遮光率もバリエーションがあるので最適なものを選びましょう。晴天の直射日光を100%としたときに、光量を半分にできるのが「遮光率50%」の遮光ネット。30%分だけ遮れるのが「遮光率30%」の遮光ネットです。正確に光量を制限したい場合は遮光率が明記された専用のネットを使用するのがよいですが、簡易的に光を遮りたいのであればポーチの日よけとして販売されているオーニングなどでも十分役に立ちます。

●ふるい

用土の粒の大きさをそろえることができます。また用土の目詰まりの原因となる土の微塵(みじん)も取り除くことができ、水はけのよい用土作りが行えます。ふるいの目の粗さを選ぶことができるので適したものを選びましょう。

根が細いもの、株が小さいものには粒の小さな土を、根が太いものや株が大きいものは粒が大きい土を使うと、根や株のサイズに合った土づくりができます。

●土壌酸度計

酸度を測ることで適した土壌かどうかの判断ができます。酸性土壌だと、ヨーロッパ原産のハーブ類などが育ちにくいことがあるので、pHが低い場合はpH6程度になるように石灰や牡蠣殻などをまいて酸度を調整しましょう。逆に、石灰をまいてpHが高くなると、酸性土壌を好むツツジやブルーベリーは育ちにくくなってしまいます。この場合はピートモスなどの酸性の資材を加えることで酸度の調整を行います。

●フィールドカート

座って作業ができ、また小物の収納もできます。車輪が付いているので移動も簡単です。

毎日使うものだから! 自分にぴったりのジョウロを見つけよう

ガーデニング

毎日のガーデニング作業を楽しくするために、使用頻度の高いものはお気に入りのものを使いましょう。そうすることで「やらなければ」ではなく「やりたい」に気持ちが変わることでしょう。特に水やりは必須作業なので、これまでのポイントを押さえることで自分にぴったりのジョウロを見つけることができるでしょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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