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ボリジは星形の青い花が咲くハーブ! 特徴や育て方、利用方法と注意もご紹介

ボリジは星形の青い花が咲くハーブ! 特徴や育て方、利用方法と注意もご紹介

DarkWildWaters/Shutterstock.com

美しいブルーの花色が魅力的なボリジは、さまざまな利用法があるハーブの1つです。ここでは、ボリジの基本情報や特徴、名前の由来と花言葉、育て方、利用方法などについて、詳しくご紹介します。

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ボリジの基本情報

ボリジ
Paul Stout/Shutterstock.com

植物名:ボリジ
学名:Borago officinalis
英名:Borage、starflower
和名:ルリヂシャ(瑠璃萵苣)
その他の名前:スターフラワー、ルリジサ、ルリチシャ、ボラゴソウチシャ
科名:ムラサキ科
属名:ルリヂシャ属
原産地:南ヨーロッパ
分類:一年草 

ボリジの学名は、Borago officinalis(ボラゴ・オフィキナリス)。スターフラワー、ルリヂシャなどの別名も持っています。ムラサキ科ルリヂシャ属の一年草で、原産地はヨーロッパ。寒さに強い一方で、日本の高温多湿の夏をやや苦手とするようです。草丈は30〜100cmで、背丈の低い花と高い花との間をつなぎ、花壇の中段あたりで活躍します。

ボリジのライフサイクルは、以下のとおり。秋に種子を播いた後に育苗して冬越しさせると春には生育期に入ってぐんぐん成長し、初夏にかけて開花します。花が終わると枯死し、半年ほどで生命を終えてしまいます。とはいえ、こぼれ種で増えるほど強健な性質なので、種子を採取しておけば毎年楽しめます。

また、ボリジはハーブの1種で、「心を穏やかにする」「気分を引き立てる」として、古くから利用されてきました。花もエディブルフラワーとして食べることができます。ただし、葉には微量の有毒成分を含むため、常用したり大量に摂取するのは控えましょう。

ボリジの花や葉の特徴

ボリジ
Krzysztof Slusarczyk/Shutterstock.com

園芸分類:ハーブ
開花時期:4月中旬〜7月
草丈:30〜100cm
耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
花色:青、白

開花期は4月中旬〜7月。つぼみはピンクですが、開花すると涼しげなブルーの5弁花が現れます。愛らしい星形の花は花弁がやや反り返り、中央に黒い雄しべが目立つのが特徴です。花色はブルーが最もポピュラーですが、白もあります。

ボリジは茎が太くてしっかり自立し、よく分枝してこんもりとした草姿になります。葉は互生につき、葉の長さは5〜20cmくらい。全草が産毛で覆われています。

ボリジの名前の由来や花言葉

ボリジ
Golden Shark 2/Shutterstock.com

ボリジは英名で、ラテン語の学名「Borago」がなまったものとされています。「Borago」の由来は諸説ありますが、一般にはイタリア語やフランス語で「綿毛」を意味する「Burra」からきており、全草が産毛で覆われている特徴を表現したものとされています。

和名はルリヂシャで、漢字で「瑠璃萵苣」と書きます。「瑠璃」は青い花から当てられたもの。「萵苣」はキク科の一年草の総称で、レタスの和名でもあり、「青い花を咲かせるレタス」という意味になります。

ボリジの花言葉は「心変わり」「勇気」「憂いを忘れる」など。「心変わり」は栽培している土壌の酸度によって花色が変わることや、ピンクのつぼみが開くとブルーの花が咲くことから。「勇気」は、古代ギリシャでは、勇気を与える薬とされていたことから。「憂いを忘れる」は、薬用としての効果からといわれています。

ボリジの品種や近縁種

白花種

ボリジ‘アルバ’
‘アルバ’ aniana/Shutterstock.com

ボリジの白花種である‘アルバ’は幻想的な白い花を咲かせる品種。日本ではあまり見かけませんが、産毛により茎葉もシルバーがかり、ホワイトガーデンの花として人気があります。

クリーピングボリジ

クリーピングボリジ
Traveller70/Shutterstock.com

ボリジの近縁種で、小型の多年草。ハーブとしては利用できませんが、淡い水色の可愛らしいベル形の花を咲かせます。名前のとおり、草丈10cmほどで横に這うように育ちます。

ボリジの栽培12カ月カレンダー

開花時期:4月中旬〜7月
植え付け:10~11月中旬、4月〜5月上旬
種まき:10月頃、4~5月

ボリジの栽培環境

ボリジ
Paul Stout/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい屋外で栽培します。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】水はけ、水もちのよい環境を好みます。日本の高温多湿の環境を嫌うので、水はけのよい土壌づくりをし、風通しよく管理することがポイントです。

耐寒性・耐暑性

ボリジの生育適温は15〜20℃です。秋の種まき後、冬の寒さにはマイナス5℃程度まで耐えますが、冬越しさせる場合は株元にバークチップなどをマルチングし、霜対策をしておきます。

ボリジの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行うようにしましょう。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、ボリジは乾燥気味の環境を好み、いつもじめじめとした状態になると根腐れすることがあるので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。その後は追肥の必要はありません。

【鉢植え】

植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。鉢栽培では肥料成分が水やりとともに流失しやすいので、2週間に1度を目安に、液肥を与えて株の勢いを保ちます。

注意する病害虫

農薬
Happy_Nati/Shutterstock.com

【病気】

ボリジに発生しやすい病気は、うどんこ病です。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分します。食用しない場合は、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

【害虫】

ボリジの栽培では、害虫が発生する心配はほとんどありません。

ボリジの詳しい育て方

苗の選び方

葉の緑色が鮮やかで、節間が短く茎ががっしりと締まった丈夫な株を選ぶとよいでしょう。大きく育った苗は植え付けの際に根を傷つけやすく、根付かないことがあるので、葉は7~8枚程度までで花がついていないものがおすすめです。

植え付け・植え替え

ガーデニング
Vlyaks/Shutterstock.com

植え付け適期は、種子から育てて育苗した場合は10〜11月中旬、花苗店で苗を購入する場合は4月〜5月上旬です。

一年草で開花後に枯死するため、植え替えの必要はありません。枯れた姿をそのままにせず、早めに抜き取って処分しましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗より1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。ボリジは直根性で根をいじられるのを嫌うため、根を傷つけないよう注意します。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりをします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、苗をポットから出して根鉢をくずさずに植え付けましょう。ボリジは直根性で根をいじられるのを嫌うため、根を傷つけないよう注意します。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておきます。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきましょう。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えます。

種まき

ボリジの種
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ボリジはこぼれ種で増えるほど強健なので、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

種まき適期は、一般地で10月頃、発芽適温は20℃前後です。冬の気温がマイナス5℃以下になる寒冷地では4〜5月の春まきにするとよいでしょう。

まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子を播いてごく薄く覆土します。最後にたっぷりと水やりしておきましょう。発芽までは雨の当たらない明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水を与えます。7〜10日で発芽するので、発芽後は日当たりのよい場所で管理します。本葉が1~2枚ついたら苗を取り出し、黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて根を傷めないように植え付けます。育苗を続け、本葉が4〜5枚ついたら花壇や鉢などに、根鉢をくずさずに植え付けます。冬越しの際は、バークチップなどで株元にマルチングを施して霜よけ対策をしておきましょう。

このように種まき用トレイに播くほか、庭や鉢に直まきすればより手軽に楽しめます。

日常のお手入れ

園芸バサミ
mihalec/Shutterstock.com

【支柱の設置】

ボリジの茎は中空で倒れやすいため、生育期に入った頃に支柱を立てて、麻ひもかビニタイで誘引しておきましょう。

【花がら摘み】

ボリジは多数の花が咲くので、終わった花は花茎の元から摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【枯れ葉の整理】

枯れ葉をいつまでも放置すると、病害虫を引き寄せる原因になります。見つけたらまめに整理しておきましょう。

【マルチング】

真夏は土壌の乾燥や高温化を防ぐために、バークチップなどを株元に敷き詰めるマルチングをしておくとよいでしょう。また、真冬は霜よけとして、同様にマルチングをしておきましょう。

ボリジの増やし方

ボリジは、種まきをして増やすことができます。

【種子の採取法】

種まきして増やす場合は、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種子を採ります。ボリジの種子は落ちやすいので、あらかじめ袋かけをしておくとよいでしょう。採取した種は密閉袋に入れ、種まき適期まで保管しておきます。

ボリジの利用方法

ボリジ
JPC-PROD/Shutterstock.com

ボリジは、花を観賞する以外にも、さまざまな利用方法があります。ここでは、主な利用方法についてご紹介します。

料理に使う

ボリジはエディブルフラワーとして食べることができるため、食卓を彩るのに活躍します。サラダに飾って華やぎを添えるほか、ケーキや料理のトッピングに利用してもOKです。花を食用にする際は、ガクを外して利用しましょう。若い葉はサラダやおひたし、天ぷら、スープ、バター炒めなどに。ただし、いずれも少量のアルカロイドを含むため、大量摂取は避けてください。

ドリンクに使う

ボリジはハーブティーに利用できます。花の美しさを利用して、ハーブティーに浮かべてもいいですね。また、白ワインに花を入れるとブルーからピンクへと変わるので、楽しい演出もできそうです。製氷皿に水とともに花を入れて冷凍庫で凍らせれば、素敵なアイスキューブになります。

コンパニオンプランツとして使う

ボリジの花はミツバチをよく引き寄せる特徴があるので、ミツバチの活動によって受粉が促されるイチゴやラズベリーなどの近くに植えるとよいでしょう。

ボリジに含まれる有毒成分とは

ボリジ
matteo sani/Shutterstock.com

ムラサキ科の植物には、天然毒素のピロリジジンアルカロイドが含まれていますが、ボリジも例外ではありません。日本国内では、ピロリジジンアルカロイドによる健康被害は報告されていません(2022年11月まで)が、大量摂取しないようにしてください。

ボリジを育てて生活に彩りを

ボリジ
weha/Shutterstock.com

透き通ったブルーの星形花が愛らしいボリジは、庭で愛でる以外に、エディブルフラワーやハーブティー、コンパニオンプランツとしても利用できるのが魅力です。ぜひ庭やベランダなどに迎え入れてみてください。

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