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育て方が超簡単な【ゴムの木】は初心者にピッタリの観葉植物! 種類も豊富なおすすめ11選付き

育て方が超簡単な【ゴムの木】は初心者にピッタリの観葉植物! 種類も豊富なおすすめ11選付き

ゴムの木は観葉植物の中でも屈指の育てやすさが魅力! 豊富な種類の中から選べて、剪定で好みの樹形にしたり、挿し木を楽しむこともできる、いわば、初心者が腕を磨くにはピッタリのゲートウェイプランツです。今回もオザキフラワーパークの後藤さんに、ゴムの木のいろんなことを、教えていただきました。

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ゴムの木ってどんな木?

フランスゴム

ゴムの木は、ゴムの原料となるラテックスという樹液が出る植物の総称で、さまざまな種類があります。そして、どの品種もとても強靭な生命力を誇ります。
原産地の東南アジア諸国や南アフリカ、ラテンアメリカ以外でも、寒冷地を除く世界各地で帰化した自生種を見ることができます。
多くの種類の中で、私たちが観葉植物として目にするゴムの木は、主にクワ科のフィカス属に分類されるものです。

フィカスは常緑・落葉樹合わせて世界中で800種類以上あるといわれ、現在記載されている顕花植物(花を咲かせ結実し、種により繁殖する植物)の中で最大の種属の 1 つです。

属名のフィカスとはラテン語のイチジクを指し、その名のとおりイチジクの実がなります。
しかし、観葉植物のフィカスは改良された園芸品種のため、イチジクがなることはありません。
実はならずとも、人々を魅了してやまないのは、美しく神々しさを感じさせる葉と、いかにも亜熱帯の植物らしいエキゾチックな容姿。

ゴムの木は葉の出方もかなり特徴的。
葉は頂端分裂組織のサヤの中で発育し、新しい葉が発育するにつれてサヤも大きくなります。 そして成熟するにつれてサヤを脱いでゆき、サヤはやがて脱落します。

フランスゴムのサヤ
成熟した葉がまるで蝶が脱皮するようにサヤから出てくる。写真は「フランスゴムの木」という種類のゴムの木。
脱ぎ捨てられ脱落したサヤ。この新葉誕生のプロセスにも面白みを感じる。

どの品種も自生地の環境が過酷なため、その遺伝子を受け継ぎ、耐乾燥・耐陰性が高く、数ある観葉植物の中でも屈指の育てやすさ。初心者の方に、特におすすめです。

値段の幅は広く、マニアが好むような希少種は数万円しますが、オザキフラワーパークでは398円のミニサイズから買うことができます。
また、テーブルに置くようなサイズも1,000~4,000円の間で数種類あります。

ゴム豆知識クリップ

【ゴムの木と人類の文化】
ゴムの木は、聖書(旧約・新約共に)の中にもエピソードが描かれており、また自生する亜熱帯地域では信仰の対象としている部族も数多く、宗教的伝統を通じて人類の文化に多大な影響を与えてきました。
ちなみに、植えられた日付が分かっている中で最も古い現存するゴムの木は、紀元前 288 年にスリランカのティッサ王によってアヌラーダプラの寺院に植えられた「スリ・マハ菩提樹」(下写真)で、これが人類最古の植樹とされています。

スリ・マハ菩提樹
Boyloso/Shutterstock.com

ゴムの木の種類

ゴムコラ

ゴムの木にはとても多くの種類があります。単に観葉植物の「ゴムの木」として販売されているものの多くは、インドゴムの木(学名:フィカス・エラスティカ)です。

街の園芸店では「ゴムの木」という名称のほかにも、フィカス・ウンベラータのように「フィカス・○○」と学名を商品名にして販売されているケースもあり、小規模なお花屋さんでは前者、オザキフラワーパークのような専門店では後者のケースが多いです。

ただ、フィカスが付かなくても観葉植物でゴムの木の仲間はとても多く、インドアプランツの定番ベンジャミンも、学名はフィカス・ベンジャミナといい、ゴムの木の仲間です。

また、一見して塊根植物に見えるガジュマルや、コアラの主食として有名なユーカリも、じつはゴムの木の仲間です。

ゴムの木は同じ品種でも、店頭ではまるで異なる品種のように販売されているものがあります。
その代表的な例は「ノーマル樹形」「ねじれ(曲がり)樹形」

ノーマル樹形は自然のままの樹形を指し、ねじれ樹形は人の手によって幹に力を加え、長い時間をかけてスパイラル状(螺旋状)や編み込みなど、独特の樹形に作られたものです。
ねじれ樹形はノーマル樹形よりも価格が割高になりますが、アーティスティックな樹形を楽しみたい方に人気です。

ねじねじゴムの木
いったいどうすればこのような幹を作ることができるのだろうか・・・。  Pix:ombra7/Shutterstock.com

ねじれ樹形の商品は、幹の要所要所をロープで引っ張った状態で長期にわたり生育させたり、ワイヤーで幹の成長を誘導するなど、人の手によってある意味無理やり不自然な樹形に作り上げられていますが、これにより株の寿命が短くなったり、お手入れが煩雑になったりすることはなく、後述する通常の育て方で大丈夫です。

ゴムの木の育て方

置き場所と日常のお手入れ

ゴムの木room
Pix:Ground Picture/Shutterstock.com

熱帯地域原産で太陽光が大好きなゴムの木ですが、観葉植物として購入したものは、直射日光に長時間あたると葉が日焼けをおこしてしまうため、レースのカーテン越しにやわらかい陽射しが入る場所で管理してください。

基本的にどの品種も耐陰性がとても高いため、直射日光にさえ気をつければ、置き場所はそこまで気にしなくても大丈夫です。

ただし、冷暖房の風が直にあたる場所は厳禁です。
エアコンの人工的な風に長時間あたり続けることにより、植物が本来持つ代謝機能が阻害されてしまうためです。

とはいえ、植物が健康に育つためには、光・水・風が必要不可欠。前者2つに対し、風は室内栽培では不足しがちですが、空気の循環を促してくれる重要な要素です。これを室内で補うには、サーキュレーターの使用をおすすめします。

ゴムの木の葉は、葉水が大好きです。葉水は葉の代謝を高め、病害虫の予防にもなるため、四季を通して葉水を毎日行うと色艶のよい健康的な葉が育ちます。

Pix:JOHN CHEESEBURGER/johncheeseburger.com

ちなみに、葉水後、葉についた水滴が乾くと水道水に含まれるカルシウムなどの成分が白い跡となって残ります。
白い跡は葉に害を及ぼすことはありませんが、ホコリが溜まりやすくなるため、目立ってきた場合は霧吹きで水を吹きかけて、キッチンペーパーやタオルなどで優しく拭いてあげてください。

ゴム豆知識クリップ

【屋外で育てるとみるみるうちに・・・】
昨今の日本の気候は亜熱帯化が顕著なため、屋外での鉢植え栽培も可能ですが、真夏の直射日光下では葉が焼け、焼けた葉はしばらくすると落ちてしまいます。しかし、ゴムの木は高い環境適応力を持つため、落葉するたびに徐々に日焼け耐性の強い葉に生え変わっていきます。
と同時に樹勢も増していき、集合住宅のベランダで栽培している場合は、あっという間に上の階のベランダに達してしまうため、こまめに剪定する必要があります。
ちなみに剪定を怠ると、写真下のようになります(品種はフランスゴムの木)。

フランスゴム4年の歴史

ただし、このように屋外で栽培できるのは関東以南の太平洋側に限った話で、降雪量の多い地域では冬場の夕刻以降は屋内に取り込むようにしてください。

幼児およびペットのいるご家庭では置き場所に要注意!

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ゴムの木は、幼児および犬や猫などペットのいるご家庭では、確実に触れることのできない場所で管理してください。
万一、幼児やペットが誤って樹液を口にした場合は速やかに医療機関を受診してください。

樹液成分のラテックスは付着したり口にすることによりアレルギー症状が出ることがあり、重度の場合は痙攣などの神経症状を起こすこともあります。最初は軽度の症状でも時間と共に重篤化する可能性もあり、夜間の場合であっても救急診療を受診することをおすすめします。

夏の管理温度、冬の管理温度

ゴムの木管理温度

夏は20~30℃といった人間が過ごしやすい温度が理想的です。
冬は10℃以上を保つようにしてください。頻繁に10度以下になると防御のために葉を落としますが、また生えてくるので心配はいりません。

しかし、ゴムの木は基本的に四季を通して温暖な亜熱帯出身の植物のため、防寒対策を行うことをおすすめします。

防寒対策としておすすめしたいのがマルチング
マルチングはココファイバー(椰子の繊維)や、バークチップ(松の樹皮を細かく砕いたもの)を土の表面に敷き詰めることにより鉢内の温度を保つ手法で、見た目もリッチな感じになり、インテリアとしてもグレードアップします。

ココファイバーによるマルチングの様子。 Pix:JOHN CHEESEBURGER/johncheeseburger.com

水やり

成長期にあたる春〜秋(3〜11月)は、土の表面がしっかり乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。

休眠期の冬(12〜2月)は成長も緩慢になるため、土の表面がしっかり乾いた状態から3日ほどしてから、同様に鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。おおよそですが、週1程度のサイクルで水やりをする感じです。

ただ、元来乾燥に強いため、2週間程度なら水を与えなくても枯れることはありません。

成長期、休眠期共に注意してほしいのは、受け皿にたまった水を放置しないこと。
これを放置すると根腐れの原因となるため、水やり後30分ほどしたら、受け皿にたまった水は全部捨て、受け皿は常に乾いた状態を保つようにしてください。

肥料/活力剤等

置くだけ肥料

成長期には土の上に置くだけでOKの「置き肥」を株元から離れた鉢の縁あたりに置いてあげるとよいでしょう。
または、「ハイポネックス」などの液体肥料を2週間に1回与えるのもよいでしょう。

活力剤は「メネデール」を2週間に1回与えると、より丈夫な株に育つことが期待できます。

ゴムの木は、どの種類も多肥を好むものではありません。与えすぎると枝が無駄に伸びる「徒長」につながり、また根を傷める原因にもなるため、必ずパッケージに記載の規定量を守ってください。
特に、斑(ふ=斑点のような模様)のある品種は、肥料を与えすぎると、模様が消えてしまう「先祖返り」という現象を引き起こす原因となるため、むしろ規定量より少なめに与えるとよいでしょう。

剪定

ゴムの木は原種が高木のものが多く、好環境で育てるとかなりの速度で成長するため、気づいてみたら天井に到達していたということも。このため、ある程度大きくなったら剪定を行ったほうがよいです。

高さ調整の剪定は、ちょうどよい高さのところで、そこから上をバッサリと切る摘心(てきしん)というカットを行います。
摘心は成長点を切るため、ゴムの木の上へ上へと伸びようとする力が横へ分散します。そのためわき芽がどんどん出て、横方向に広がるボリューミーな樹形を作ることができます。
ただし、ゴムの木の剪定には注意が必要です!

ゴムの木はどこを切っても白い乳液状の樹液が出てきます。下の映像を見ていただければ分かるように、飛び出すというよりは滲み出てきます。

この樹液はラテックスと呼ばれる物質で、ゴム製品の原料となるものです。
これが皮膚に付着すると、樹液が含有するタンパク質に体がアレルギー反応を起こし、かぶれや湿疹を発症することがあります。
肌の弱い強いにかかわらず、剪定は樹液が付着しないように十分気をつけるか、ゴム手袋などを装着して行ってください。
万一樹液が付着した場合は、すみやかに石鹸などで洗い流してください。

[ゴムの木から滲み出るラテックス]

ゴム豆知識クリップ

【コロンブスのおかげで開けた白い液体の未来】
なぜゴムの樹液は水分でなく白い液体ラテックスなのでしょう? 
じつは、ゴムの木も基本は他の植物同様、幹や茎、枝の中を通る維管束(植物の血管みたいなもの)に流れているのは水分なんです。ただ、水分の中に天然ゴムの粒子が分散して漂っているためにあのように白く見えるのです。
なぜゴム粒子が含まれているのかはまだ解明されていません。
しかし、遠い昔にコロンブスがハイチ島でこの白い液体に出会い、欧州に持ち帰ったことにより、今日の私たちの生活が豊かになったことは確かです。
ちなみに、樹液のラテックスから作られるゴム製品は、工場や農園でその道のプロにより製造されています。安全のため、ご自宅で観葉植物のゴムの木から“自家製ゴム”を作るのはお控えください。

増やし方

Pix:platycerium_n_green/Instagram.com

ゴムの木は、挿し木や取り木で簡単に増やすことができます。
増やす方法は主に、カットした部分に発根剤を塗ってそのまま土に挿しておく方法と、水を入れた容器に挿しておく方法の2通りがあります。

写真は後者の水耕栽培で、写真を提供していただいたplatycerium_n_greenさんが、カットしたゴムの木(フィカス・バーガンディー)の葉を水を入れたボトルに挿し、1年が経過した状態です。
ご覧のように、しっかりと発根しているのが確認できます。

植え替え

2~3年に1回は植え替えを行いましょう。
ゴムの木は生育旺盛なため、比較的早いペースで鉢内は根でギッシリと埋め尽くされてしまいます。

そして根詰まりを起こしたゴムの木は、根で水分を吸収するのに限界を感じ、幹や枝の途中から気根といわれる根をいくつも出すようになります。

ゴムの木の気根
太い幹から無数に気根が出ている様子。

ただ、それはそれでワイルドで面白いと、気根が出た姿を好む方もいますが、ゴムの木にしてみたら、根が満遍なく水や養分を吸える状態のほうが好ましいはず。ですから、植え替えのたびに2回りほど大きな鉢に替えてあげてください。
ちなみに、植え替えは真夏と真冬を除き、気温が23〜25℃くらいの時期に行い、使用する鉢土は市販の観葉植物用土で大丈夫です。

病害虫

カイガラムシ
ゴムの木の葉に付着したカイガラムシ。 Pix:olpo/Shutterstock.com

ゴムの木に発生しやすい害虫は、カイガラムシとハダニ。かかりやすい病気は、カビの一種である炭疽病です。
これらの病害虫予防に最も効果があるのは、風通しのよい場所での管理と日々のお手入れ(=葉水)です。万一発生、あるいは罹患した場合は、薬剤を用いて退治あるいは治療を行ってください。

管理場所で風通しが確保できない場合は、前述のようにサーキュレーターを用いて室内の空気を循環させてあげると、病害虫予防に効果があります。

オザキフラワーパークのおすすめゴムの木11選

オザキフラワーパーク後藤さん
「僕もいくつかのゴムの木を育てています」と、ゴムの木LOVEの後藤さん。

毎回さまざまなおすすめ観葉植物をチョイスしていただいている後藤さんに、今回はおすすめのゴムの木を11本選んでいただきました。
先月ゴムの木が100本以上入荷したというオザキフラワーパークですが、ゴムの木は店頭に並べば瞬く間に売れていく超人気商品。ここでしか買えない高品質なゴムの木を求め、近隣のみならず、遠くから車で3時間かけてくるお客様もいらっしゃるのだとか。

まずは、そんなオザキフラワーパークのゴムの木の売り場風景を、ちょっとのぞいてみましょう。

【オザキフラワーパークのゴムの木売り場】

※下記の商品をお求めの際は、事前に店頭在庫をご確認ください。

おすすめ1:「フィカス・アルテシマ(大)」

フィカス・アルテシマ(大)
高さ191cm(鉢含む:以下同) 横87cm 価格24,000円(税込)
フィカス・アルテシマ(大)
フィカス・アルテシマ(大)
鉢カバー:外径41cm 内径35.5cm 深さ41cm 価格22,000円(税込)

インドや東南アジアが原産のフィカス・アルテシマは、黄色い斑が入った存在感のある葉が魅力。
樹高がかなり高くなるため、ラテン語で最も背が高いことを意味する「アルテシマ」と名付けられました。

写真の株は樹高191cmとかなり大きく、また、太い幹がゆるやかな螺旋を描いているため、お部屋で亜熱帯感を存分に楽しみたい方におすすめです。

鉢カバーは、どことなく月面を彷彿させる模様。この2つを合わせることにより、有機質と無機質が融合したような独特の印象を醸し出してくれます。
もちろん、鉢カバー無しの本体のみでもお買い求めいただけます。

乾燥に強いため、前述の基本に則って育てていただければ、初心者の方でも簡単に育てられます。

おすすめ2:「フィカス・アルテシマ(小)鉢付き」

フィカス・アルテシマ(小)
高さ56cm 横28cm 価格7,450円(税込)
フィカス・アルテシマ(小)

小ぶりのアルテシマで、オレンジ色の陶製の鉢とのセット。
ヒビが入ったような模様に釉薬で光沢を与えることにより、ノスタルジックな中にもモダンさを感じさせる鉢が、螺旋状の幹のアルテシマを引き立てます。

アルテシマの迷彩模様のようなこの色彩は眺めるたびに元気をくれるので、部屋に活気が欲しい方におすすめです!

写真のものは高さ56cmですが、どんどん伸びていくので成長がとても楽しみな株です。

おすすめ3:「フィカス・ベンガレンシス(大)」

フィカス・ベンガレンシス
高さ102cm 横68cm 価格9,800円(税込)
フィカス・ベンガレンシス

くっきりした葉脈のある美しい葉のフォルムとユニークな樹形が人気のフィカス・ベンガレンシスは、インドのベンガル地方が原産のためこの名がつきました。

現地では菩提樹(霊樹)を意味するバニヤンツリーとも呼ばれ、宗教的に神聖な木として崇められています。
そんな神秘的な魅力と、独特の樹形もあいまって、ゴムの木の中でも1、2を争う人気品種です

前述の基本に則って育てていただければ、初心者の方でも簡単に育てられます。

おすすめ4:「フィカス・ベンガレンシス(小)」

フィカス・ベンガレンシス
高さ53cm 横29cm 価格3,480円(税込)
フィカス・ベンガレンシス

ベンガレンシスの小さい株です。
大きいものよりも樹形はシンプルですが、小株ながらも螺旋状の幹はやはり存在感がありますね。

葉の色彩がシンプルな分、よけいに幹の存在感が目立ちます。
成長も早いので、今のこの価格はお買い得です。

おすすめ5:「フィカス・ティネケ」

フィカス・ティネケ
高さ48cm 横27cm 価格3,480円(税込)
フィカス・ティネケ

アイボリー、オリーブ、グリーンの迷彩模様の地色に茜色の葉脈が走る、とても美しい葉が魅力のフィカス・ティネケ。
インドや東南アジアが原産で、現地では20mに達する株もある、とても大きく成長するゴムの木です。
といっても、鉢物はそこまで大きくはなりませんが、写真の48cmほどの株も、大切に育てていただければ2〜3年で大人の身長くらいまでには余裕で成長します。

特に注意してほしいのは置き場所。耐陰性に富むゴムの木とはいえ、この美しい葉模様は日照が乏しい場所で管理すると、ここまでくっきりとは出ません。

かといって直射日光は厳禁なので、とにかくレースのカーテンなどで遮光した明るい場所で管理することが肝となります。あとは前述の育て方に則っていただければOKです。

おすすめ6:「フィカス・ウンベラータ」

フィカス・ウンベラータ
高さ46cm 横32cm 価格3,480円(税込)
フィカス・ウンベラータ

アフリカ熱帯地域が原産のフィカス・ウンベラータ。葉が大きな品種のアイコン的存在で、こちらも街中でよく見かけると思います。
全体的に主張が強めの樹形が多い他のフィカスの仲間に比べると、葉が可愛らしいハート形をしているためか、優雅な印象があります。

ウンベラータの名前は、ラテン語の日傘(ウンベラ)に由来します。この大きな葉を日傘に見立てるなんて、名付けた人はなかなか洒落たセンスをしていますよね。

フィカス・ウンベラータは風水の世界でも名の通ったゴムの木で、ハート形の葉は愛の象徴であり、また「永遠の幸せ」「夫婦愛」という花言葉も持つため、運気をもたらすゴムの木とされています。
そのあたりを詳しく知りたい方は風水師を訪ねてください。

育て方は前述の基本に則っていただければOKです。

おすすめ7:「フィカス・ジン(メリクロン苗)」

フィカス・ジン
高さ32cm 横21cm 価格1,980円(税込)
フィカス・ジン

蒸留酒みたいな名前ですが、このフィカス・ジンは、なかなか希少なゴムの木で、置いてある店も少ないと思います。
僕も育てていますが、モザイクアートのような、アーティスティックな葉がとても印象的です。
新芽は赤みがかっているのですが、徐々にアイボリーとグリーンに変化していくため、その過程もとても美しいです。

ちなみに、メリクロンとは、昨今のバイオテクノロジーにより生み出された育苗方法で、植物の成長点組織を完全無菌環境の下で培養して育苗する手法を指します。
この方法の利点は、ウイルスなどの感染を完全に遮断し、形の整った苗を大量に生産できることです。

つまり、通常売り場では形のよいものから売れていきますが、メリクロン苗はどれもが均一に形が整っているため、当たりハズレがなく、しかも健康な苗、ということです。

数量限定なので、興味を持たれた方はお早めに。

おすすめ8:「フィカス・ルビー」

フィカス・ルビー
高さ48cm 横32cm 価格1,480円(税込)

フィカス・ルビーは、インドおよびマレーシア原産。
3色の斑が入った葉の美しさに、つい時間が経つのを忘れて見とれてしまいます。
葉の裏面は小種名のごとくルビーのような深い赤色で、表裏それぞれが異なる表情で楽しませてくれます。

育て方は前述の基本に則っていただければOK。とにかく、この美しい葉の色彩を保つためには明るい場所での管理がマストです。もちろん直射日光は厳禁で。

ルビーは光量が足りないとすぐに葉を落としますが、明るい場所に移動すれば元の美しい葉を出してくれます。

おすすめ9:「フィカス・バンビーノ」

フィカス・バンビーノ
高さ51cm 横28cm 価格3,480円(税込)
フィカス・バンビーノ
フィカス・バンビーノ

西アフリカのカメルーン西部からシエラレオネあたりが原産のフィカス・バンビーノは、フィカス・リラタという種類に属しており、正式にはフィカス・リラタ・バンビーノといいます。
園芸品種としては、英国王立園芸協会の庭園功労賞も受賞している由緒あるゴムの木です。

くっきりとした葉脈が美しい葉は皮革のようで、出始めのうちは先端がシャープなのですが、しばらくすると丸みを帯びた可愛らしい形になります。

他の品種に比べて成長が遅いので、あまり大きくしたくない方にはおすすめです。
写真の商品は幹が綺麗に螺旋を描いており、かなりおしゃれですよね。

育て方は前述の基本に則っていただければOKですが、バンビーノはとにかく葉水が大好きなので、頻繁にしてあげてください。

バンビーノもなかなか手に入れることのできないレアな品種なので、ぜひこの機会に。

おすすめ10:「ガジュマル」

ガジュマル
高さ22cm 横14cm 価格398円(税込)
ガジュマル
ガジュマル

このラインナップにガジュマルがあって、「え?」と驚く方も多いのではないでしょうか。
ガジュマルはその見た目から「塊根植物(コーデックス)」と思っている方が多いのですが、じつは学名を「フィカス・マイクロカルパ」といって、れっきとしたゴムの木の仲間なんです。

原産は熱帯アジアやハワイやオーストラリアなどの西太平洋で、近いところでは沖縄にも自生しています。

ガジュマルの名前の由来はいくつかあるのですが、茶色い幹の部分から出る何本もの気根(根の一種)が絡まる感じが、沖縄の方言も混じり、からまる→ガジュマル、になったという説が有力視されています。

ちなみに、この気根はコンクリートも突き破って成長するほどの強さがあります。見た目の可愛さに反して、生命力はかなり攻め気味なんです。

樹形の可愛らしさもさることながら、この丈夫さも人気の理由で、観葉植物初めの一歩をガジュマルで迎える方も大勢います。
成長も早く、写真のガジュマルも前述の基本通りに育てていただければ瞬く間に大きくなりますよ。

おすすめ11:「フィカス・バーガンディ」

フィカス・バーガンディ
高さ170cm 横80cm 価格19,000円(税込)
フィカス・バーガンディ
フィカス・バーガンディ

ラグジュアリーな品格を感じさせる葉の色が魅力のフィカス・バーガンディ。
別名「黒ゴム」とも呼ばれ、葉が漆黒に近い赤紫色=バーガンディのため、この名がつきました。

でも、出始めの葉はどちらかというとルビーレッドのような色をしているため、黒と赤の2色のコントラストを楽しむことができます。このカラーテイストは、どこか大人の色気を感じさせますね。

写真の株は、幹の螺旋が主張しすぎない絶妙な巻き具合のため、シックな葉色も相まって、どんな空間にもマッチします。この1鉢を置くだけで、お部屋の格調を高めてくれるでしょう。

あまり成長が早い品種ではないのですが、高さが170cmあるので存在感もバッチリ!
育て方は基本通りでOKです。

後藤さんのおしゃれ技フィカス・バーガンディ

フィカス・バーガンディ
フィカス・バーガンディ

高さ170cm 横80cm 価格19,000円(税込)

ティランジア・ストリクタビックス(エアプランツ) 直径30cm 価格3,980円(税込)

鉢カバー 外径41cm 内径35.5cm 深さ41cm 価格22,000円(税込)
= 合計価格44,980円(税込)

僕はゴムの木に、エアプランツ(ティランジア)を合わせるのが好きです。今回は、大人の魅力漂うフィカス・バーガンディに、ティランジア・ストリクタビックスを吊して遊び心を加えてみました。

アダルトな品格が漂う中にも、尖った少年のような冒険心が垣間見える、そんなプランツに昇華したんじゃないかなと思います。

仕事も遊びも妥協しない大人の方、いかがでしょう?(笑)

編集後記

いかがでしたでしょうか、ゴムの木特集。
こうやって記事を作っていると、いろんな発見があったり、その植物に対する見方が変わったり、また愛着が湧いたりするのですが、じつは、かかりつけのクリニックにもグネグネした幹のゴムの木が待合室に置いてあり、ちょうど記事を作っているタイミングだったこともあって、まじまじと見ながら葉を触ったりしていたんです。

そしたら、隣にいた年配の方に「あなた、この木がお好きなのね」と言われ、つい「いやぁ、不思議な木ですねぇ」と知らない体で返答したため「これはゴムの木と言ってね・・・」と私が診察室に呼ばれるまでの間、10分間にわたり熱烈講義を受講させていただきました。
ご老体は増やすのがお好きで、増やしてはお友達にあげているのだそうです。

とまぁ、ゴムの木は人の輪も広げる「輪ゴム」、なのでしょう。お後がよろしいようで。
この記事を読んで育ててみようと思った方は、お気に入りのゴムの木に出会えるといいですね!

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