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マストバイ‘おしゃれプランツ’丈夫で、よく咲く、小さな庭のベスト9
限られたスペースの庭やベランダで育てる花を選ぶのは本当に悩ましい! そんなときは、おしゃれな庭を作っている人に学ぶのが近道です。小さな庭を楽しむ日々を綴って大人気の前田満見さんが、15年以上の庭づくりの経験からセレクトしたベスト9をご紹介。植えっぱなしでOKのものや、こぼれ種でよく増えるもの、開花期間が長いもの、日陰でもきれいに咲くものなど、おすすめポイントが絶妙! この秋冬が買い時、植え時です!
目次
植えれば必ず咲く球根花、早春の妖精「スノードロップ」
スノードロップ/球根/開花期2〜3月
木枯茶色の土の中から、真っ先に顔を出すスノードロップの和名は待雪草。下萌えの頃、いち早く春を告げるスプリング・エフェメラルの一つです。その名の通り、雪のように純白で、草丈10cm足らず。花径は1〜1.5cmと極小の花です。
落葉樹の足元で朝露をまとった花弁をふっくらと閉じて咲いているスノードロップは、人差し指で触れると、今にも零れ落ちそうな雪の雫のようです。
春を心から待ちわびるガーデナーにとって、新たな季節の歓びと希望を与えてくれる特別な花。晩秋に植えると翌年の早春に出会えます。まだ植えるのは間に合います!
植えっぱなしでOKの麗しの「ジャーマンアイリス」
ジャーマンアイリス/球根/開花期5〜6月
凛とした立ち姿、波打つ大輪の花びら、芳しい香り……アイリスの仲間の中で最も華やかで優雅な花が咲くジャーマンアイリス。別名「虹の花」ともいわれる通り、花弁がバイカラーのものや覆輪になるものなど、バリエーションに富み多彩です。
わが家では、シックな紫系とピンク系の花色をセレクトして、山モミジの株元に。和の雰囲気にもしっくり馴染みます。
また、青味がかった真っ直ぐ伸びる葉も清々しく、花の前後も観賞価値が高い。多湿を避けて植えるだけで、植えっぱなしでほぼ無肥料という管理のしやすさも嬉しい特徴です。
こぼれ種でよく増える「オダマキ‘ピンクランタン’」
オダマキ‘ピンクランタン’/宿根草/開花期5〜6月
淡いピンク色の花びらと黄色いシベが優しげで温かみを感じる花姿。山野草の風鈴オダマキのような楚々とした風情もあり、春風にチラチラ揺れる様子が何とも可憐で癒やされます。同じ時期に咲く、背景のブルーベルとも調和します。
草丈40cm前後で細く伸びる茎の先に俯くように花が咲き、繊細な見かけによらず生育旺盛。耐寒性もあり、こぼれ種でよく増えるのも魅力です。
和の庭にも似合う魅惑の花色「つるバラ‘レイニー・ブルー’」
つるバラ‘レイニー・ブルー’/落葉樹/開花期5〜6月
数あるバラの中でもこのバラを選んだ一番の魅力は、何といってもロゼット咲きの灰色を帯びた薄紫の花色。そのしっとりと品のよい花姿に、どことなく和の風情を感じます。
わが家では、和室から見える場所に、野アヤメや山アジサイ、小菊など、和花と合わせて植栽しています。また、シュラブ系の小中輪房咲きなので、狭い場所に植栽できるのも嬉しいところです。‘レイニー・ブルー’と一緒に絡み咲くのはクレマチス‘ビエネッタ’。白い花びらと花心のコントラストが美しく調和します。
驚異的な開花期間を誇る「クレマチス‘白万重’」
クレマチス‘白万重’/宿根草/開花期5〜11月
端正なつぼみから、幾重にも花弁を重ね、淡黄緑色から白色へ変色しながら咲き進むクレマチス‘白万重(しろまんえ)’。表情豊かな優美な花は、花もちがよいうえ花期も長く、秋まで咲きます。
花の終盤には、ポンポン菊のような花姿で目を楽しませてくれます。また、半日陰でも育ち、花つきも良好。わが家では、北東の庭の入り口に植栽しています。新旧両枝咲きのフロリダ大輪系なので、冬に葉が枯れてきたら株全体の半分以下に切り詰めて、来年に向けてリセットさせます。
半日陰もOK! 「クレマチス‘カイウ’」
クレマチス‘カイウ’/宿根草/開花期5〜10月
毎年新しいつるが伸び出る性質の新枝咲きのクレマチス‘カイウ’。壺形やベル咲きの花が多い、ヴィオルナ系のグループの中で唯一、白花が咲く種類です。小指の先ほどしかない小さな小さな小輪のベル形の花は、先端がクルンと反り返るところが何とも愛らしく、花茎が細くて長いので、フワフワと浮遊しているように見えます。
また、肉厚の花は、花もちがよくて花期が長いのも嬉しいところ。見かけによらず生育旺盛で、半日陰でも育つ強健さも魅力です。
梅雨時期に庭が華やぐ「シャンデリアリリー」
シャンデリアリリー/球根/開花期6〜7月
カノコユリの仲間のシャンデリアリリーは、すらりと伸びた花茎に下向きの反り返った花弁の花が次々と咲き、まさにシャンデリアリリーの名に相応しいゴージャスな花姿。わが家には、ピンクフレーバー、レッドベルベット、ピンクジャイアントの3種類を植えっぱなしにしていて、一輪、また一輪と色鮮やかな花が開花する度に、庭が華やぎます。
また、梅雨の時期に開花するので、ジメジメした空気を一掃し、心まで晴れやかな気分にさせてくれます。草丈80cm以上にすらりと伸び上がるので、小さな庭で立体感のある景色になるのもメリット。年を重ねるごとに、この花の華やかさに魅了されています。
粋な模様花「アサガオ‘江戸風情’」
アサガオ‘江戸風情’/一年草/開花期7〜11月
アサガオにはさまざまな花色がありますが、この白と濃紫色の絞り模様が粋な朝顔‘江戸風情’に出会ってから、わが家の夏に欠かせない花になりました。一つとして同じ模様がなく、毎朝目にする一輪一輪が一期一会。半日花の儚さもまた、この花の魅力です。
さらに、窓辺に設えると、ハート形の葉が愛らしいグリーンカーテンとなり、夏の強い陽射しを遮ってくれます。その光景はわが家の夏の風物詩に。また、花後に実る種子を採ることで、来年、再来年と花の命を繋いでいく喜びも実感できます。
よく増える金平糖のような愛らしい花「清澄シラヤマギク」
清澄シラヤマギク/多年草/開花期10〜11月
細く分岐した褐色の花茎と薄紫色の小花が特徴の清澄シラヤマギク。満開時は、まるで金平糖を散りばめたよう。その愛らしさとフワフワと風に揺れる野趣溢れる風情に癒やされます。また、地下茎でよく増えるので、株分けして移植する楽しみもあります。菊の中で一番好きな品種です。
西洋カマツカの下で木漏れ日を浴びる程度の日差しの中、草丈70〜80cmほどになりますが、自立してくれるので、あえて切り戻しはせず自然樹形で育てています。清澄シラヤマギクと一緒に咲く黄金色の花は、アワコガネギクです。花径1cmほどの極小花で、小さな庭で咲かせても圧迫感がなく、毎年咲いてくれる長い付き合いになる植物です。
Credit
写真&文 / 前田満見
まえだ・まみ/高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。
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