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印象的な見た目の曼珠沙華! 花言葉や意外と簡単な育て方を紹介

印象的な見た目の曼珠沙華! 花言葉や意外と簡単な育て方を紹介

皆さんは曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか? お彼岸の頃に咲く曼珠沙華に不吉な印象を持っている方も多いのではないでしょうか。不思議な魅力を持つ花ですが、この記事では曼珠沙華という植物について、言い伝えや特徴、名所などを詳しく解説します。

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曼珠沙華の特徴! 葉はない?

ヒガンバナ

曼珠沙華はヒガンバナ科ヒガンバナ属に分類される多年草で、ヒガンバナとも呼ばれています。

日本全土で見られますが、もともと日本に自生していたのではなく、古い時代に中国から人為的に持ち込まれたと考えられています。

多くの植物とは違い、曼珠沙華はまず花が咲いてその後葉が伸びる、という変わった生態を持っています。

曼珠沙華は毒に注意!

曼殊沙華

曼珠沙華の球根には毒があり、これを食べると「彼岸(あの世)」に行くという言い伝えがあります。それが「彼岸花」という名前の由来の一つといわれています。そういった話からも不吉なイメージを持たれがちな曼珠沙華ですが、他にもさまざまな名前や特徴を持っています。

曼珠沙華のさまざまな別名

名前

曼珠沙華にはたくさんの別名があります。ここからはそれらの名前について詳しく説明していきます。

「彼岸花」「リコリス」は同じ?

ヒガンバナ

名前について整理すると、曼珠沙華は俗称で、和名(正式な日本語名)はヒガンバナ(彼岸花)といいます。学名ではリコリス・ラディアータ(Lycoris radiata)。この名前は「リコリス属のラディアータという種」ということを意味するので、ヒガンバナはリコリスの一種であるといえます。一般に「リコリス」といった場合は、マメ科の植物であるスペインカンゾウ(リコリス)や、それを原料にしたお菓子を指すことがあります。

曼珠沙華にはたくさん別名がある!

ヒガンバナ

ヒガンバナの別名には「曼珠沙華」以外にも、「死人花」「幽霊花」「毒花」「痺れ花」「天蓋花」「狐の松明」「葉見ず花見ず」など、たくさんあります。これらは花の姿や、毒があること、咲く時期や仏教の経典、お墓の周辺によく植えられたことなどからつけられたものです。

不吉? じつは「おめでたいことの兆し」

曼殊沙華

「曼珠沙華」という名は仏典に由来しており、サンスクリット語で「天界の花」という意味を持っています。この名前は天から花がひとひら降ってくるという吉兆からきていると言い伝えられています。仏教では曼珠沙華は白くて柔らかい花とされており、それを見た者の悪業を払うと信じられています。

曼珠沙華にまつわる多くの迷信

曼殊沙華

仏教では縁起がよいとされている曼珠沙華ですが、毒を持つという特性から暗い迷信も数多く生まれています。

例えば、曼珠沙華を食べると毒で歯が抜けるとか、曼珠沙華を摘むと手が腐るといったものがあります。これらは曼珠沙華の毒から子どもたちを守るため、この花に近づかないよう親たちが言い伝えたという説があります。

また、赤い花姿が炎を連想させるため、曼珠沙華を持って帰ると火事になるという迷信もあります。

さらに、曼珠沙華を摘むと死人が出るという迷信もあります。これは土葬が主流であった古い時代に遺体をモグラなどから守るために、曼珠沙華をお墓の近くに植えていたことから始まったといわれています。

赤花だけじゃない! 曼珠沙華の品種

ヒガンバナ

曼珠沙華といえば赤い花を咲かせるものが有名ですが、品種改良により30以上もの種類があります。ここからは一風変わった曼珠沙華についてご紹介していきます。

白いシロバナマンジュシャゲ

白花曼殊沙華

シロバナマンジュシャゲは、その名の通り白い花を咲かせる曼珠沙華です。ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種で、自然交配力が弱いため珍しい花です。

日本全土で見られますが、特に九州などの日本南部に多く自生しています。

黄色のショウキズイセン

ショウキズイセン

別名ショウキランとも呼ばれるショウキズイセンは、黄色い花を咲かせる品種です。四国から沖縄にかけての日本南部で多く見られ、10月上旬から中旬にかけて咲きます。

色によって変わる! 曼珠沙華の花言葉

花言葉

曼珠沙華の花言葉は、花の色によって異なります。

赤い花は「情熱」「再開」「想うはあなたひとり」「あきらめ」。

黄色の花(ショウキズイセン)は、「深い思いやりの心」「陽気」「元気な心」「追想」。

白い花(シロバナマンジュシャゲ)は、「またあう日を楽しみに」「想うはあなたひとり」などです。

曼珠沙華の成長スケジュール

スケジュール

曼珠沙華は多年草で、秋雨が降りお彼岸の頃になると芽を出して花を咲かせます。花が枯れて冬になると葉を出します。そのまま冬越しして春になると光合成が盛んになり球根に栄養を溜めます。夏には葉を枯らして休眠期に入ります。こうしてまた翌年に花を咲かせるという繰り返しです。

一面に咲く曼珠沙華を見たい! 曼珠沙華の名所と見頃

ヒガンバナ

一面に曼珠沙華が広がる光景はとても美しく見応えがありますが、そんな曼珠沙華の名所を地域ごとにご紹介します。ぜひ一度は見頃の時期に行ってみてはいかがでしょうか?

【関東地方】

茨城県 行方市 西蓮寺(9月下旬)

埼玉県 幸手市 権現堂公園(9月中旬~10月上旬)

神奈川県 大和市 常泉寺(9月中旬~下旬)

【東海地方】

岐阜県 海津市 津屋川堤防(9月中旬~下旬)

愛知県 半田市 矢勝川・新美南吉記念館周辺(9月下旬~10月初旬)

【東北地方】

岩手県 北上市 如意輪寺(8月下旬~10月中旬)

宮城県 大崎市 羽黒山公園(9月中旬以降)

【関西地方】

京都府 亀岡市 穴太寺周辺(9月中旬~下旬)

奈良県 御所市 葛城一言主神社周辺(9月中旬~9月下旬)

【九州地方】

福岡県 八女市 ヨシビ棚田(9月中旬~下旬)

福岡県 うきは市 つづら棚田(9月中旬)

曼珠沙華は育てられる? じつは育てやすい!

ヒガンバナ

曼珠沙華は病気や害虫に強く、丈夫で初心者でも育てやすい植物です。地植えでは数年は植えっぱなしにしていても、毎年花を咲かせてくれることでしょう。

個性的で印象の強い曼珠沙華

ヒガンバナ

見た目も個性的で印象的な曼珠沙華は、きっと庭でも存在感を発揮してくれるのではないでしょうか。丈夫で初心者でも育てやすい植物なので、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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