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アジサイを部屋に飾る新常識。ギフトにもぴったりな「こじさい」の魅力

アジサイを部屋に飾る新常識。ギフトにもぴったりな「こじさい」の魅力

アジサイといえば庭やベランダなど屋外で育てるイメージが強いですが、そんな常識を覆すのが、吉岡麗子さん・真美子さん姉妹が手がけた新シリーズ「こじさい」。遺伝的に小型化された愛らしいサイズ感で、水漏れを防ぐインナー付きのバスケットに入っているため、買ってきたらすぐに室内のインテリアとして楽しむことができます。ご自宅のちょっとしたスペースを彩るのはもちろん、そのまま贈れるギフトとしてもぴったりの「こじさい」の魅力を詳しくご紹介します。

派手さより、奥深さ。吉岡麗子さんが生み出すヤマアジサイ

初夏の柔らかな光が差し込み、しっとりと露を帯びたアジサイが街を彩る季節が巡ってきました。アジサイの鉢ものが出回りのピークを迎え、花店の軒先を彩るなか、その繊細な美しさに目を奪われ、ふと足を止めた経験がある人も多いのではないでしょうか。

埼玉県深谷市。全国屈指の暑い街に数えられるこの地で、人々の心を癒やす繊細なアジサイを作り続けているのが、吉岡麗子さんです。ポインセチアの名手として農林水産大臣賞など数々の栄冠に輝いた吉岡さんは、今、ヤマアジサイの可能性を追求する育種家・生産者として、全国の花好きを静かに、しかし確実に虜にしています。

自身の名を冠した傑作’うるは’が魅せる色彩の魔法

小さな花が手毬状に集まる花姿がかわいい’うるは’。

最初にご紹介するのは、‘うるは’です。その名を聞いて、ピンとくる方はまだ少ないかもしれません。しかし、一度この花を目にした人は、その繊細な美しさとやさしい色の移ろいに、静かに心を奪われていきます。

吉岡さんが手がけるオリジナル品種の中で、ひときわ強い思い入れをもって世に送り出されたのが、このヤマアジサイの’うるは’です。吉岡さんが自身の名前「麗」の一字から名づけて品種登録を行った、特別な一品です。

この花は、吉岡さんがヤマアジサイ生産のパイオニアとなるきっかけを作った、’伊予獅子てまり’の枝に突然変異が生じた偶然(枝変わり)から生まれた、貴重な品種です。枝変わりとは、遺伝的な変異によって親株と異なる性質を示す枝が現れる現象のこと。

長年、’伊予獅子てまり’と向き合ってきた吉岡さんだからこそ、見逃さずにいられたのでしょう。小さな奇跡に気づき、丁寧に選び出して生産化するまでには、日々花と向き合い続ける生産者の目と愛情が不可欠です。

明るいピンクの色が愛らしい’伊予獅子てまり’。

‘うるは’という名のとおり、やさしく麗しいこの品種の最大の特徴は、その透明感溢れる色彩のグラデーションにあります。手毬咲きの小輪多花性で、花は直径約3cm。1輪は小さくても、無数の花が集まって丸い手毬状に咲く姿は、繊細でありながらも存在感があります。

その上品で楚々とした佇まいは、「ジャパンフラワーセレクション2017-2018」においてベスト・フラワー(優秀賞)とライフデザイン特別賞をダブル受賞。専門家からも高く評価されました。生産数は多くはありませんが、入手した愛好家の間で口コミが広がり、今では問い合わせが絶えない人気品種です。

花色の移ろいは、時間をかけてゆっくりと進みます。咲き始めは淡いライムグリーンから柔らかな白へ。やがて繊細なピンクの色をまとい、さらに開花後半にはやさしいグリーンへと色変わりし、いくつもの表情が楽しめます。このように、ひと鉢で非常に長い期間、異なる表情を愛でることができるのも、’うるは’が愛好家に支持される理由のひとつです。

ライムグリーン、白、ピンク。どの色も柔らかく、癒やしの色。

ヤマアジサイ特有の繊細な枝ぶりも、’うるは’の魅力です。剪定した小さな花房を切り花として室内に飾れば、その佇まいはまるで一輪挿しにいけた野の花のよう。鉢植えで楽しみながら、剪定した花を部屋に飾るという、2度の楽しみが存分に味わえます。

日本の山々に自生していたヤマアジサイは、日本の気候風土によくなじみます。木々が生い茂る森の中で育つヤマアジサイは、西洋アジサイに比べて日射量を必要としません。朝日があたり午後に半日陰になる場所や明るい日陰が適した環境です。

ヤマアジサイの血を引く’うるは’も同様です。夏の直射日光に当たると葉焼けをしやすいので、気をつけましょう。‘うるは’は庭植えもできますが、鉢植えで育てた方が管理しやすいタイプです。鉢の置き場所は、シェードガーデンや屋外でも屋根や庇のあるところが向いています。水切れをしないように、1日1回(夏場は午前、午後の2回など)、しっかり水をあげてください。

ヤマアジサイの魅力を広めるパイオニアへの歩み

アジサイ苗
吉岡さんの美しい温室で育つアジサイ。色づいてから出荷します。

吉岡さんの原点は、実家の花農家です。ユリなどの鉢花を生産する父の背中を見て育ち、自然と植物への興味を深めていきました。テクノ・ホルティ園芸専門学校で専門知識を学んだあと、花店での勤務経験を通して、消費者のニーズや花の魅せ方を肌で感じていきます。

その後、埼玉県内の著名なポインセチア生産者の元で研修を積み、その美しさと奥深さに魅了され、自身も生産者の道を歩むことを決意します。吉岡さんの作るポインセチアは、その品質の高さはもちろん、ひとつひとつの株に愛情を込めて向き合う真摯な姿勢が評価され、瞬く間に人気を博しました。2001年の「オールジャパンポインセチアフェア」での大賞をはじめ、農林水産大臣賞も受賞するなど、「吉岡麗子ブランド」として確固たる地位を築きました。

そんな吉岡さんがヤマアジサイの生産を始めたのは、今から10年以上前のこと。とある山野草専門店で出会った’伊予獅子てまり’の、小さく丸みを帯びた可憐な花房に心を奪われたのがきっかけでした。

アジサイ‘伊予獅子てまり’
色づき始めの‘伊予獅子てまり’。淡いピンクが徐々に色づく。

今でこそ、鉢花として広く流通するようになったヤマアジサイ‘伊予獅子てまり’ですが、吉岡さんが生産を始めた当時はまだ珍しい存在でした。吉岡さんは、その魅力をいち早く見出し、世に広めたパイオニアです。

ヤマアジサイは前述したとおり、古くから日本の山々に自生していたアジサイの一種です。西洋アジサイのような大輪で圧倒的な存在感や華やかさとは異なり、どこか控えめで、楚々とした風情を漂わせるのが最大の魅力。派手さはないけれど、心にそっと寄り添うような、奥ゆかしい美しさをもっています。   

吉岡さんのアジサイ作りを力強く支えるのが、妹の真美子さんです。当初は一般企業に就職し、家業を継ぐつもりはなかったという真美子さんですが、退職後に姉の手伝いを始めたことで、その才能が開花します。

かつて企業で培った視点を活かしてPR用カタログ作成やラベルデザインを担当し、さらに今では生産現場にも深く関わり、アジサイの育種にも携わっています。生花店育ちの麗子さんと、企業センスをもつ真美子さん。それぞれの視点が融合することで、「吉岡麗子ブランド」は唯一無二の輝きを放つようになりました。

1年という年月をかけるアジサイ作りの舞台裏

美しいアジサイの鉢植えが私たちの元に届くまでには、1年近くもの時間と、大変な手間がかかります。これは、夏に植えて晩秋から初冬に出荷されるポインセチア(生産期間は約3~4カ月)と比べると、非常に長い期間です。アジサイ作りは、1年がかりの大仕事なのです。   

アジサイ生産の年間スケジュール

5月上旬(ゴールデンウィーク頃): 来シーズンに向けた準備がスタート。親株から健康な枝を選んで切り取り、小さな苗用のポットに挿し木をします。   

5~11月頃: 挿し木をした苗を、屋外の管理しやすい場所で育てます。夏の暑さや病害虫から守りながら、じっくりと根を張らせ、株を充実させます。   

年内(11~12月頃): 寒さから苗を守るため、ハウス(温室)の中へ移動させます。春に美しい葉が育つために、残っている葉を手で1枚ずつ取ります。   

1月: 育った苗を、いよいよ出荷用の鉢へと植え替えます。ここから、春の開花に向けて本格的な管理が始まります。

1月~春(開花期): ハウスの中で、温度や湿度、日照などを適切に管理しながら、ひとつひとつの鉢に丁寧に水やりを行います。美しい花を咲かせるための、もっとも重要な時期です。  

5月のゴールデンウィーク頃に挿し木を行い、11月までは屋外で管理。その後、温室に移動して大切に育てます。吉岡さんが拠点を置く深谷市は夏の猛暑で知られる熊谷市の隣に位置し、アジサイにとっては過酷な環境です。枯らさないよう、ダメージを受けないよう、吉岡さんはひと鉢ひと鉢の状態を日々確認し、最適な管理を心がけています。

「こんなに長い時間をかけて育てているので、無事に美しい花を咲かせて、お客さまにお届けできるか、本当にひやひやしながら見守っています」と吉岡さんは語ります。

そして、吉岡さんのアジサイ作りにおける大きなこだわりのひとつが、ひと鉢ずつの水やり。アジサイ栽培では、効率化のために底面給水(トレーなどに水を溜めて鉢底から吸わせる方法)を採用する生産者も多いなか、吉岡さんはあえて手間のかかる水やりにこだわります。「効率よりも、ひとつひとつの花としっかり向き合い、コミュニケーションを取りたいんです」。

その言葉どおり、日々の水やりを通して、アジサイのわずかな変化も見逃さず、異常があればすぐに対応できるように、常に気を配っています。ゴミひとつ落ちていない、美しく整えられた温室の様子からも、吉岡さんの丁寧で几帳面な仕事ぶり、そして花への深い愛情がひしひしと伝わってきます。   

アジサイの水やり
圃場で水やりをする真美子さん。日焼け対策万全です。

色のグラデーションが楽しめる‘てててまり’

アジサイ‘てててまり’
涼しげな色が魅力の‘てててまりブルー’。

「ジャパンフラワーセレクション2019-2020」でベスト・フラワー(優秀賞)とカラークリエイト特別賞のダブル受賞を果たした’てててまり’は、妹・真美子さんが育種を手がけたオリジナル品種です。

花色はブルーとピンク。咲きはじめの淡い色から徐々に色づき、ひとつの花がグラデーションになる様は美しく、見る人の心を強く惹きつけます。

この‘てててまり’は、ヤマアジサイと西洋アジサイを交配したもの。ヤマアジサイのもつコンパクトな樹形と、西洋アジサイの花付きのよさや育てやすさ、両方の優れた性質を、見事に受け継いでいるのが特徴です。管理方法は、基本的には西洋アジサイに準じるため、比較的育てやすいとも言えます。   

アジサイ‘てててまり’
愛らしいピンクの‘てててまりピンク’。

アジサイの花色は、土壌の酸度(pH)によって変化することが知られています。酸性の土壌では青色が、アルカリ性の土壌ではピンクが強く現れます。‘てててまり’も例外ではなく、美しいブルーとピンクをそれぞれ出すために、土の種類や肥料の種類を変え、管理方法も分けて生産しています。そのため、ブルーとピンクでは、ボリューム感や咲き姿にも少し違いが見られるのも、ユニークな点です。そして、品種名の「ててて」は、吉岡さんの地元、埼玉県北部の方言で、驚きや感動を表す言葉だそう。その名のとおり、見る人が思わず「ててて」と声をあげる美しさです。

もっと身近に、もっと自由に。暮らしに届ける提案

新品種の開発だけでなく、既存品種の魅力を新たな形で提案する企画商品にも、吉岡さん姉妹は積極的に取り組んでいます。その代表が「ぽじさい」シリーズです。   

ヤマアジサイは、西洋アジサイに比べて花房が小さく、その分、たくさんの花を咲かせるのが特徴です。この個性を最大限に活かそうと考えられたのが「ぽじさい」。通常よりも小さな3寸(直径約9cm)のポットに、まるで花がこぼれ落ちるように、たくさんの花を咲かせて仕立てています。この「ぽじさい」は、他の植物と組み合わせて楽しむ寄せ植えの材料として使いやすいのはもちろん、「小さな鉢で気軽にアジサイを楽しむ」という、これまであまりなかった新しいスタイルを提案しています。限られたスペースでも飾りやすく、かわいらしい姿は、アジサイの楽しみ方を大きく広げました。既存の品種がもつ本来の魅力を引き出しながら、現代のライフスタイルに合った美しい形で見せる「ぽじさい」は、まさに吉岡さん姉妹のセンスとアイデアが詰まったシリーズと言えます 。 

伊予獅子てまりの「ぽじさい」
‘伊予獅子てまり’の「ぽじさい」。

アジサイを部屋に飾る、新発想の「こじさい」シリーズ

2025年に本格デビューしたシリーズが、「こじさい」です。さまざまなアジサイを育て、多くの人に愛される「ぽじさい」を手がけるなかで、吉岡さん姉妹のなかに「もっともっと小さなアジサイがあったら、気軽に楽しめるのではないか」という思いが芽生えました 。その思いを結実させたのが、この「こじさい」シリーズです。矮化剤に頼らず、交配によって遺伝的に小型化された最新シリーズで、その第一弾として登場したのが’ちっちゃ’です。

‘ちっちゃ’は、ジャパンフラワーセレクション2026鉢物部門 春審査会にて、ベスト・フラワー(優秀賞)と、グッドパフォーマンス特別賞のダブル受賞を果たしました。

こじさい‘ちっちゃ‘
こじさい‘ちっちゃ‘。花つきがよいことも特徴です。

花色はブルーとピンクの2色、とはいえ、単に1色ではなく、グリーンや花色の濃淡が混じり合ったような、深みのあるニュアンスカラーが特徴です 。この絶妙な色合いは、「さすが吉岡さんのアジサイ!」と唸らされる、洗練された仕上がりです。その色はやがて変わり、次の写真のような緑色にも。

「こじさい」の特徴は、そのコンパクトさ。3号(直径約9cm)という小さな鉢を、さらにかわいらしいバスケットに入れています 。花の大きさ自体は「ぽじさい」と同程度ですが、バスケットアレンジによって、より飾りやすく、ギフトにもぴったりの装いとなりました。

バスケットに入っている理由は、「買ってきたら、そのまますぐに家の中に飾って楽しんでほしい」という、吉岡さん姉妹の強い願いから。バスケットの中には、水やりの際に水がこぼれないよう、受け皿代わりになるプラスチック製のインナーがセットされているため、特別な準備は不要。そのままお気に入りの場所に置くだけで、空間が華やかになります。

「明るい窓辺など光が入る場所に置いて、インテリアの一部として楽しんでもらえるようにと考えました」と吉岡さん姉妹は語ります。アジサイというと、どうしても庭やベランダなど屋外で育てるイメージが強いですが、「こじさい」の登場によって、ひとり暮らしの部屋やマンションの限られたスペースでも、気軽にアジサイの美しさを楽しめるようになりました。これは、アジサイの楽しみ方を大きく変える、画期的な提案と言えるでしょう。

こじさい
圃場の中での「こじさい」。

「ぽじさい」「こじさい」「ちっちゃ」。覚えやすく、どこか愛嬌のあるネーミングも、吉岡さん姉妹のセンスを感じさせます 。

「こんな花があったら、かわいいよね」「こんな風に飾れたら嬉しいよね」。常に買う人の気持ちに寄り添いながら、自由な発想で新しいアジサイの魅力を提案し続ける吉岡さん姉妹。彼女たちの手によって、アジサイの世界は、これからもますます豊かに、そして美しく広がっていくことでしょう。これから先の未来に咲く吉岡さんのアジサイも、どうぞお楽しみに。

【数量限定】吉岡さん姉妹の逸品と出会う

吉岡さん姉妹の人気アジサイ‘うるは’と、‘てててまり’を、『花時間マルシェ』では数量限定で販売しています。自分用にベランダやお庭で育てて楽しむほか、大切な方へのギフトとして贈るのもおすすめです。

花のある暮らしを提唱して30年以上の歴史をもつ花の総合メディア『花時間』が運営するネットショップ『花時間マルシェ』で吉岡さん姉妹の紫陽花をチェック!

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