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春の庭に無数の白花を! 初心者でも失敗しない「ユキヤナギ」の育て方と剪定のコツ

春の庭に無数の白花を! 初心者でも失敗しない「ユキヤナギ」の育て方と剪定のコツ

Optimarc/Shutterstock.com

しだれる枝に雪が積もったように白い花を咲かせる「ユキヤナギ」。優美な姿から手入れが難しそうに見えますが、実は暑さや寒さに強く、病害虫も少ないため初心者にも育てやすい庭木です。本記事では、失敗しない基本の育て方から、美しい樹形を保ち、毎年たくさんの花を咲かせるための育て方と剪定のポイントをご紹介します。

ユキヤナギの基本情報

ユキヤナギ
tamu1500/Shutterstock.com

植物名:ユキヤナギ
学名:Spiraea thunbergii
英名:Thunberg spiraea、Thunberg’s meadowsweet
和名:ユキヤナギ(雪柳)
その他の名前:コゴメバナ(小米花)、コゴメヤナギ(小米柳)
科名:バラ科
属名:シモツケ属
原産地:日本、中国
形態:落葉低木

ユキヤナギ(Spiraea thunbergii)は、バラ科シモツケ属の落葉低木。株立ちで枝が長く枝垂れ、白い花とも相まって優しげでしとやかな雰囲気です。日本や中国を原産とし、本州から西のエリアで多く見られます。

日本の気候に適して寒さにも暑さにも強く、病害虫の心配も少ないため、初心者にも育てやすい庭木の一つです。花壇や公園などに植えられることも多く、目にしたことがある人も多いはず。毎年春になると、株いっぱいに愛らしい白い小花を咲かせる姿が、ガーデナーにも人気の高い植物です。

春風にそよぐ満開のユキヤナギ。nukopic/Shutterstock.com

ユキヤナギの花や葉の特徴

ユキヤナギ
Anastasiia Malinich/Shutterstock.com

園芸分類:庭木・花木
開花時期:2~4月
樹高:1~2月
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:白

ユキヤナギの開花時期は2~4月。4月頃に一番の見頃を迎えます。丸い5枚の花弁の小さな花が枝先にたくさんつき、柳のように垂れ下がって咲きます。

ウメやサクラなど、春を代表する花木とも開花期が重なりますが、ユキヤナギの開花期は2~3週間ほどと、他の花木よりも長く咲いているため、長期間観賞でき、さまざまな春の花とのコラボレーションを楽しめるのも魅力です。花もちもよく、枝を切って花瓶に活けても1週間ほど楽しむことができるため、切り花としても人気があります。

ユキヤナギの紅葉
Edita Medeina/Shutterstock.com

春の開花期はもちろんのこと、花後も明るい緑葉を茂らせて夏を越し、秋になると美しく紅葉します。紅葉した枝は切り花に利用されることもあります。また、ユキヤナギの葉は先のとがった楕円形で、互い違いに生える互生です。

ユキヤナギの名前の由来と花言葉

ユキヤナギ
High Mountain/Shutterstock.com

ユキヤナギという和名は、葉や弓のようにしなやかに枝垂れる枝の姿がヤナギに似ていること、白い小花をたくさん咲かせ、まるで雪をかぶったかのように見えることから名づけられました。また、小さな花弁が地面に散り敷く様が、砕けたお米を撒いたように見えることから、「小米花(コゴメバナ)」や「小米柳(コゴメヤナギ)」という名で呼ばれることもあります。

ユキヤナギの学名であるSpiraea thunbergii (スピラエ・ツンベルク)の、Spiraeaはギリシャ語で螺旋(らせん)で、葉のつき方がらせん状であることが由来です。また、thunbergii は植物学者のカール・ツンベルクから取られています。

ユキヤナギの花言葉は、「愛らしさ」「静かな思い」「気まま」「殊勝」など。

ユキヤナギの花の可愛らしさから「愛らしさ」、静かさを感じる楚々とした佇まいから「静かな思い」、枝が風に自由に揺れる様子から「気まま」、小さな花がたくさんつく様子から「殊勝」が、それぞれの花言葉の由来とされています。

ユキヤナギの種類

ユキヤナギといえば、白い小花を咲かせる姿が思い浮かびますが、じつは変異が多く、矮性種や高性種、開花期で見ても早生種から晩生種までいろいろな品種があります。品種名が付いたものは多くありませんが、いくつか代表的な品種をご紹介しましょう。

‘フジノピンク’ Spiraea thunbergii‘Fujino Pink’

ユキヤナギ
kurutanx/Shutterstock.com

ユキヤナギの代表的な園芸品種。つぼみは濃いピンク色ですが、開花すると内側が白っぽくなり、淡いピンクの花となります。「紅花ユキヤナギ」や「桃色ユキヤナギ」、「フジノピンキー」という名で呼ばれることもあり、切り花品種としても親しまれています。

‘オウゴン’ Spiraea thunbergii ‘Ougon’           

オウゴンユキヤナギとも呼ばれ、葉色が黄色っぽいのが特徴。花後もリーフプランツとして利用でき、秋の紅葉も楽しめます。

‘蒲田早生’           

切り花用に品種改良されたもので、主に生け花に利用されています。草丈が少し低く、花も小さいのが特徴。早咲きの品種です。

斑入りユキヤナギ 

葉に白い斑が入った品種。一般的なユキヤナギよりも葉が細く、ランダムに斑が入っています。開花期には白い花が斑入りの葉によく映えて、優しい雰囲気の姿が目を引くでしょう。

ユキヤナギと間違われやすい花と見分け方

春に花を咲かせる花木の中には、ユキヤナギに少し似た印象の花もあります。ここでは、ユキヤナギに似ていて開花期も近く、間違われやすい花について、花の姿やユキヤナギとの違いをご紹介しましょう。

シジミバナ

シジミバナ
Guta Timmen/Shutterstock.com

遠目に見ると、緩やかに伸びる枝や、枝一面に咲く白い小花がユキヤナギにそっくりな印象のシジミバナ。ユキヤナギと同じバラ科シモツケ属の低木です。園芸種として栽培されていた八重咲きの品種が先に見つかり、その後一重咲きの野生種が発見されたという珍しい経緯を持つ植物です。

園芸種として栽培されているものは八重咲きなので、花を見ればユキヤナギと区別することができます。ユキヤナギは5枚の花弁が平らに並んで咲きますが、シジミバナは8枚の花弁が重なるように咲いており、花全体にやや厚みを感じるでしょう。また、シジミバナのほうがや柄が短く、葉はユキヤナギのほうが細長い形をしています。ユキヤナギに少し遅れて開花し、枝もユキヤナギのように下垂しません。

コデマリ

コデマリ
Lazartivan/Shutterstock.com

伸びた枝に白い花が咲く様子が、ユキヤナギに少し似ているコデマリ。こちらもバラ科シモツケ属の落葉低木で、庭木にもよく利用されています。名前の通り、手毬のように花が集まって咲くのが特徴で、すぐに見分けることができます。

ユキヤナギとコデマリの葉はどちらも細い楕円形ですが、ユキヤナギのほうがより細長い形状です。またコデマリのほうが、葉のふちのギザギザがより目立つでしょう。

ユキヤナギの栽培12カ月カレンダー  

開花時期:4月
植え替え適期:2月中旬~3月下旬、10月~11月
肥料:1~2月、5月
植え付け:2月中旬~3月下旬、10月~11月

ユキヤナギの栽培環境

ユキヤナギ
丈夫で栽培しやすいユキヤナギは、公園の植栽や生け垣などにもよく利用されます。zzz555zzz/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

ユキヤナギは日当たり・風通しが良い場所で管理しましょう。大きく成長するので、地植えをするのが一般的です。丈夫なので土壌は選びませんが、過湿の環境下ではうどんこ病をはじめとする病害虫にかかる恐れがあるので、注意が必要です。    

耐寒性・耐暑性

ユキヤナギは耐暑性、耐寒性ともに優れている植物です。マイナス10℃~35℃と幅広い温度帯に耐えるので、日本でも育てやすいでしょう。

ただし、真夏になると厳しい暑さで弱ってしまう恐れがあります。遮光布で日差しを遮るなど、適宜対策を行いましょう。

ユキヤナギの育て方のポイント

ユキヤナギ
zzz555zzz/Shutterstock.com

用土

ユキヤナギの用土は、水はけと栄養がポイントです。水はけがよい土は根をすこやかに保ち、病気や根腐れを予防します。

栄養豊富な土は、ユキヤナギを大きく丈夫に育ててくれます。堆肥や腐葉土を混ぜ込んだ、弱酸性~中性の土壌をつくりましょう。

地植えをする場合、土壌が粘土質だと感じたら軽石や腐葉土を混ぜ、砂質なら堆肥を混ぜ込むなど、植える場所の土質に合わせた調整が必要です。

水やり

地植えにした場合、根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。ただし、植え付け直後は乾燥しやすいため、しっかりと水やりをしましょう。また、夏に極端な乾燥が続く時は、株の状態に応じて、様子を見ながらたっぷりと水を与えます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで十分に水やりをします。

肥料 

ユキヤナギは肥沃な土を好み、肥料を与えることでより美しく充実した花姿を楽しむことができます。1~2月頃に寒肥として、有機質肥料や緩効性の化成肥料を与え、開花後には、お礼肥を与えて樹勢を回復させましょう。また、花芽分化期を迎える秋にも追肥をすることで、花付きよく美しい花を咲かせてくれます。肥料を与える際には、緩効性のものを株元に置きます。      

注意する病害虫

ユキヤナギは基本的に丈夫なので、病害虫についてもあまり気にしなくてよいでしょう。ユキヤナギに発生しやすい病気には、葉が粉をまぶしたように白くなるうどん粉病があります。また、枝が密集すると風通しが悪くなり、アブラムシやカイガラムシなどの害虫が発生することがあります。

病害虫の予防には、風通しよく育てることが効果的。枝が込みすぎないよう、適宜剪定しましょう。病害虫が発生してしまったら、ブラシやヘラなどで取り除いたり、適切に薬剤も使って、早めに対処しましょう。

ユキヤナギの詳しい育て方

ユキヤナギ
maruco/Shutterstock.com

苗の選び方

ユキヤナギの苗を選ぶ際は、まず株の根元に注目しましょう。枝が複数、根元から立ち上がっている、節間が詰まったものがおすすめです。

また、葉の色が濃く、黄ばんだり斑点が出たりしていないことも大切です。枝や幹にカイガラムシをはじめとする病害虫がついていないかどうかもチェックしましょう。

植え付け・植え替え           

ユキヤナギの植え付けは、2~3月が適期。早咲きの品種であれば、10~12月に行うのがおすすめです。

これらの適期を逃しても、真夏を除く季節であれば問題なく行うことができます。また、一度地植えにして植え付けたら、基本的に植え替えの必要はありません。株分けや移植をする場合には、植え付けの適期と同じく2~3月に行うとよいでしょう。

剪定・切り戻し

ユキヤナギは自然樹形でもさほど株姿は乱れませんが、成長が早く、枝がよく茂るので、風通しよく育てるためには剪定をするとよいでしょう。花木を剪定する際には、花芽がつくられる時期や花芽が付く場所を考慮して行うことが大切。剪定の際に花芽を落としてしまわないように注意が必要です。

ユキヤナギは、新梢にできる側芽が花芽となり、翌年に花が咲きます。花芽の数が多いため、全ての花を落としてしまう心配は少なく、初心者でも剪定しやすい花木です。秋から冬にかけて花芽がつくられ、この時期までに新梢を充実させると花付きがよくなるので、ユキヤナギの剪定は、開花が終わった直後に行うのがポイント。ただし、開花後すぐに行うと、剪定後の枝も長く伸びるので、コンパクトに育てたい場合には剪定時期を遅らせ、株の大きさと花付きのバランスがよい時期を探してみるとよいでしょう。

剪定の際には、枯れこんだ枝や古い枝、混み合った不要な枝を地際から間引きます。勢いのある長い枝は花芽が付きにくいので、短い枝の発生を促すように、翌年の伸びをイメージしながら残りの枝を1/3~1/2程度残して切り詰め、サイズを調整しましょう。

また、切り詰め剪定だけでなく、数年に1回、全ての枝を株元から刈り込むように剪定すると、枝の更新が促され、生育がよくなります。切り詰め剪定では株が暴れる場合は、花後すぐに刈り込み剪定をすると柔らかい樹形に収まり、コンパクトに育てやすくなります。

増やし方

ユキヤナギは比較的簡単に増やすことができる庭木です。一般的によく行われる方法は挿し木ですが、大きく育った株なら株分けでも増やすことができます。

【挿し木】

插し木は新芽の時期(4月中旬~5月上旬)を除き、3~9月までいつでもできますが、秋に行うと苗木が冬に枯れてしまうことも多いため、3月頃がおすすめです。前の年に伸びた枝を10cmほどに切って挿し穂を作り、2時間ほど水揚げしてから、挿し木用土または赤玉土など養分のない清潔な土に挿して、たっぷりと水を与えます。日陰で乾燥させないように注意しながら管理し、4~5月頃に新芽が出たら、植え替えて育てましょう。

【株分け】

大きく成長して株が込んできたら、株分けをして増やすのもおすすめです。植え付けに適した2~3月に株を掘り上げ、4~5本の枝を1株として株を分割し、それぞれ植え付けましょう。多少根を傷つけても、新しく根を伸ばしてカバーしてくれるため、心配しなくても大丈夫です。

【実生】

たくさんの苗をつくりたいときには、種まきをして増やすこともできます。ユキヤナギはこぼれたねから芽を出すこともあるくらい、簡単に発芽します。実生苗は親とは異なる性質を持つこともあるので、ひょっとすると自分だけの新品種がつくれるかもしれません。園芸品種として流通している‘フジノピンク’も、実生苗から生まれた品種なのだそうですよ。

ユキヤナギが花を付けないときは

ユキヤナギ

花付きよく枝いっぱいに花を咲かせるユキヤナギ。でも、せっかく育てているのに花が咲かなかったらがっかりしてしまいますよね。ユキヤナギが花を付けない時は、次のような原因が考えられます。

日当たり         

ユキヤナギは日の当たる風通しのよい場所を好むため、日陰に植えると成長が悪くなったり、花付きが悪くなることがあります。また、紅葉が見られる品種なのに秋に紅葉しない場合も、日照不足が考えられます。生育環境をもう一度見直してみましょう。

剪定       

ユキヤナギは秋~冬にかけて花芽を成長させます。そのため、この時期に剪定して花芽を落としてしまうと、翌年は花付きが悪くなります。剪定は花後に行うとよいでしょう。また、古い枝や細い枝は花付きが悪いため、思い切って剪定して株の更新や成長を促してやると、より美しい姿が楽しめます。

根腐れ           

ユキヤナギは基本的に土壌を選びませんが、粘土質の土壌など水はけの悪い場所に植え、常に水分がある状態が続くと、根腐れを起こして花を付けなかったり、枯れてしまうこともあります。根腐れを起こしてしまった場合は、掘り上げて傷んだ部分の根を取り除き、水はけのよい土に植え直しましょう。

ユキヤナギを育てる際のポイント

ユキヤナギ
Sann von Mai/Shutterstock.com

美しく枝垂れるユキヤナギの姿をつくるには、剪定がポイント。ユキヤナギは大きく成長するので、サイズをコントロールするには、毎年花が終わったタイミングで剪定するとよいでしょう。枝の先だけを切り詰めるのではなく、不要な枝は地際から切り取りましょう。また、古い株は花付きが悪くなったり、枯れた枝が目立ちやすくなるため、数年に1回刈り込み剪定をするとよいでしょう。ユキヤナギは株が暴れやすいので、狭い場所では管理が難しくなりがちです。植え付けの際に、十分なスペースを確保して植え込み、適切な剪定をすることで、より美しい姿を楽しむことができますよ。

ユキヤナギは地植えにすれば、基本的に植え替えは必要ありません。しかし、何年も育てていて株の生育が衰えた時は、株の周囲に穴や溝を掘り、そこに肥料と新しい土を混ぜたものを入れて土壌を改良することで、根が成長しやすくなります。また、株分けをして株を更新するのもよいでしょう。

ユキヤナギは切り花としても魅力的

ユキヤナギ
Lisavo/Shutterstock.com

ユキヤナギは、早春を告げる代表的な花木として、主に1~3月にかけて切り花が流通します。

水揚げの際は、枝の切り口に切れ目を入れることで吸水性が高まります。また、エアコンの風が直接当たるような乾燥する環境は避けましょう。こまめに水を替え、元気がなくなってきたら短く剪定をして活け直します。

ユキヤナギのテーブルリース
海野美規さんによるweb上フラワーアレンジメントレッスン「ユキヤナギと小さな花のリース」についてはこちら

しなやかで柔らかい枝ぶりを活かし、丸めてリースに仕立てる楽しみ方もあります。

開花期のユキヤナギはもちろん、花後や夏の青葉、秋の紅葉など、四季を通じてさまざまなアレンジが楽しめます。優美な姿が、花束やアレンジメントに華やぎを添えてくれますよ。

初心者にも育てやすいユキヤナギは庭木にぴったり!

ユキヤナギ
captainX/Shutterstock.com

可愛らしい真っ白な花姿が楽しめるユキヤナギ。丈夫で育てやすく、手入れもしやすいため、庭木としても管理しやすい花木です。剪定もそれほど難しくなく、成長も早いので、ガーデニング初心者でも美しい花を咲かせることができます。庭に手入れがしやすい花木を植えたいな、と探している人は、ユキヤナギを育ててみてはいかがでしょうか?

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