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- 【春に咲く白い花12選】庭を明るくする草花・庭木/人気の種類と育て方
白い花は「清楚」「透明感」「明るい」といったイメージがあります。個性の強い花色とも組み合わせやすく、景色に調和をもたらす白い花は、ガーデンでも大活躍。この記事では、春に白い花を咲かせる人気の植物をピックアップしてご紹介します。
目次
春に白い花を咲かせる一年草
一年草は、植え付けから1年以内に枯死するライフサイクルの短い植物です。ここでは、白い花を咲かせる一年草についてご紹介します。
ノースポール
ノースポールは、クリサンセマムという名前でも流通しています。原産地は北アフリカで、キク科フランスギク属(レウカンセマム属)の一年草です。開花期は12〜5月。花色は白で黄色い花心の小菊に似た花を次々に咲かせます。草丈は15〜30cm。強健な性質で、初心者でも育てやすい植物です。植え付けの適期は10〜4月。
日当たりがよく、水はけ、水もちのよい腐植質に富んだ土壌に植え付けます。鉢栽培の場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きい鉢を準備し、市販の培養土を使うと便利です。水やりは乾燥したら与える程度にし、多湿にならないように管理します。
秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬くらいからは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花。開花期はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。茂りすぎて草姿が乱れた場合は、切り戻すと再び盛り返してたっぷりと咲いてくれます。一年草でライフサイクルが短いため、夏に枯れ込んだら抜き取って処分します。繁殖力が強く、こぼれ種で増えることがあります。
スイートアリッサム
スイートアリッサムは、アブラナ科イワナズナ属(ロブラリア属)の一年草です。原産地は地中海沿岸北部〜西アジアで、高温多湿に弱い傾向があります。開花期は3〜5月、10〜12月で、花色は白のほか、赤、ピンク、紫など。草丈は10〜15cmで這うように広がるので、花壇のエッジなどに重宝します。
ポピュラーな植物で、花苗店で容易に苗を入手できます。植え付け適期は10〜11月か3月頃。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に混ぜる粒状タイプの薬剤を利用するのもおすすめです。花がらはまめに摘んで株まわりを清潔に保ち、生育して草姿が乱れてきたら切り戻すと、盛り返して再び開花します。夏越しはできないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。
デイジー
デイジーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さにはやや強く、暑さに弱い性質。草丈は15〜40cmで、花壇の前段や縁取りなどに向いています。生命力は旺盛で、初心者でも育てやすい花です。
デイジーは、花茎を伸ばした頂部に花径2〜5cmの花を咲かせます。花色は白のほか、赤、パステルピンクなど。開花期は12月下旬〜5月上旬と長く、最盛期は4月頃です。多くの系統・品種があり、一重咲き、八重咲きなどがありますが、フラワーショップや園芸店、ガーデンセンターで手に入れやすいのは八重咲きです。
日当たり・風通しのよい場所を好みます。植え付け適期は11月中旬〜12月上旬。この時期以外でも開花株が手に入るので、3月までには植え付けましょう。水はけ・水もちのよい土づくりをし、苗を植え付けます。アブラムシがつきやすいので、植え付けの際に土に混ぜ込む粒剤タイプの薬剤を利用するのもおすすめです。乾いたら水やりし、肥料は花が咲く時期に開花を促進するタイプの液肥を与えるとよいでしょう。終わった花はまめに摘み取っておくと、次から次につぼみが上がってたくさん咲きます。開花後は枯死して越年しないので、抜き取って処分します。
春に白い花を咲かせる多年草(宿根草)
多年草(宿根草)は、一度植え付ければ長い期間にわたって毎年の開花を楽しませてくれる植物です。ここでは、春に白い花を咲かせる多年草についてご紹介します。
宿根イベリス
宿根イベリスは、アブラナ科マガリバナ属(イベリス属)の多年草です。
原産地はヨーロッパで、寒さに大変強い性質。開花期は4〜6月。一つひとつの花は小さいのですが、花茎を伸ばした頂部にまとまって咲き、花房になります。大変花つきがよく、株を覆うようにたっぷりと咲くのが特徴です。草丈は15〜20cm。這うように伸びるので、グラウンドカバーとしても利用できます。
植え付けの適期は、3〜4月か10月中旬〜11月頃。日当たり・風通しのよい場所を好みます。多湿を嫌う性質があるので、腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで土づくりをして植え付けます。盛り土をして周囲より高くするのも一案です。乾いたら水やりをし、3〜4月、10月中旬〜11月に緩効性化成肥料を施します。終わった花はまめに摘み取っておくと、次から次につぼみが上がってたくさん咲きます。
春に白い花を咲かせる球根植物
球根植物は、地下茎が肥大して翌年の生育のための養分を蓄える能力がある植物のことを指します。ここでは、秋に球根を植え付けると春に白い花を咲かせる植物をご紹介します。
スノーフレーク
スノーフレークは、ヒガンバナ科スノーフレーク属(レウコユム属)の球根植物です。原産地は中央ヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さに強い性質。開花期は3月中旬〜4月中旬。花茎を伸ばした先にベル形の白い花を連ねます。花弁の縁にはグリーンのドットが入り、とても可愛らしい咲き姿を見せてくれます。草丈は20〜45cm。
植え付けの適期は、10〜11月。日向〜明るい半日陰、風通しのよい場所を好みます。腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで土づくりをし、深さ7〜8cmに植えます。複数植える場合は、約10cmの間隔を取りましょう。乾いたら水やりをし、開花前の3月上旬と開花後の4月下旬に液肥を施します。咲き終わった花は花首で摘み取ります。数年は植えたままにしてもかまいませんが、大株に育ったら地上部が枯れた直後に掘り上げて分球し、植え直します。
スノードロップ
スノードロップは、ヒガンバナ科マツユキソウ属の球根植物です。原産地は東ヨーロッパで、寒さに強い性質。2〜3月頃に白い花が開花し、花弁に小さくグリーンがのるのが特徴です。草丈は30cmくらい。聖書にはアダムとイブがエデンの園から冬の国へ追放されたときに、天使が雪をスノードロップの花に変えて2人に希望を与えたというストーリーがあります。
スノードロップは10月頃に球根を植え付けます。深さ1〜2cmに植え、複数植える場合は5cmほどの間隔を取りましょう。開花中は花がらを摘んで株まわりを清潔にし、10日に1度を目安に液肥を与えて株の勢いを保ちます。夏前には葉を枯らして、休眠に入ります。休眠中でも乾かさないほうがよいので、掘り上げずそのままにしておきましょう。大株に育った場合は掘り上げて分球し、植え直します。
チューリップ
チューリップはユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さには強いですが、夏の暑さは苦手です。開花期は4月頃。花色は白のほかに赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cm。
球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるよりは、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにするとよく映えます。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。球根植物ですが、暖地では球根を太らせることが難しいので、一年草として扱うのが無難。寒冷地では地上部が枯れたら掘り上げて風通しのよい場所で管理し、秋に再び植え付けます。
春に白い花を咲かせる庭木
春の訪れを告げる「花木(かぼく)」は、シンボルツリーとして庭で存在感を発揮します。ここでは白い花をたっぷりと咲かせ、素晴らしいシーンを演出する花木をご紹介しましょう。
ハナミズキ
ハナミズキは、ミズキ科サンシュユ属(ヤマボウシ属)の落葉高木です。原産地は北米東部〜メキシコ北東部で、寒さ、暑さともにやや弱い傾向にあります。最終樹形は8mにもなりますが、剪定によって樹高をコントロールすることができるので、一般家庭では4m以内におさめておくとよいでしょう。ハナミズキの開花期は4月中旬〜5月中旬。花色は白のほか、ピンク、赤があります。大変花つきがよく、開花期に満開になる様子は見応えがあるので、庭のシンボルツリーとして活躍します。
植え付けの適期は、12〜3月。日当たり・風通しのよい場所を選び、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、苗を穴に入れて土を埋め戻して植え付けます。毎年5月中旬〜下旬に緩効性肥料を与えましょう。また、休眠期の12〜2月か開花後の5月に、伸びすぎている枝や込み合っている部分の枝を剪定します。
コブシ
コブシは、モクレン科モクレン属の落葉高木です。原産地は日本、韓国。昔から日本で自生してきた植物だけに、暑さ寒さに強く、放任してもよく育ちます。最終樹形は8〜10mになりますが、毎年の剪定によって樹高を抑えることが可能です。コブシの開花期は4月上旬で、大変花つきがよく、見応えのあるシーンを作り出してくれます。
植え付けの適期は1月〜3月上旬。大きく育つので、スペースを確保しておきましょう。日当たり・風通しのよい場所を選び、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込み、苗を穴に入れ、土を埋め戻して植え付けます。毎年5月と9月下旬に緩効性肥料を与えましょう。剪定の適期は開花後の4月下旬。伸びすぎている枝や、込み合っている部分の枝を剪定します。
ハクモクレン
ハクモクレンは、モクレン科モクレン属の落葉高木で、原産地は中国南部。最終樹形は20mにも達し、幹が太くなりますが、樹高は毎年の剪定によって抑えることが可能です。ハクモクレンの開花期は4月頃。葉より先に花が咲くので、美しい花のフォルムが際立ち青空によく映えます。
植え付けの適期は1月〜3月上旬。枝葉が広がりやすいので、広いスペースを確保してください。日当たり・風通しのよい場所を選び、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込み、苗を穴に入れ、土を埋め戻して植え付けます。毎年5月と9月下旬に緩効性肥料を与えましょう。剪定の適期は開花後の5月上・中旬。伸びすぎている枝や込み合っている部分の枝を切り落とします。
コデマリ
コデマリは、バラ科シモツケ属の落葉低木で、原産地は中国南東部。枝が四方に向かってアーチ状に枝垂れる株立ち性の樹形です。自然樹高は2mほどですが、枝にボリュームがあるので、毎年の剪定で1.5mほどにおさめるとよいでしょう。成長の速度はやや速いほうです。
開花は4〜5月。白い小花が集まってドーム状になり、枝を覆うようにたっぷりと咲く姿は、低木ながらシンボルツリーのような存在感を発揮します。
日当たり・風通しのよい場所を選び、腐葉土や完熟堆肥を施した、肥沃な土壌に植え付けます。寒さや暑さに強く、管理しやすい樹種です。花芽が9月頃にできるので、花が終わったら、すぐに剪定を。自然に樹形が整いますが、根元から次々と新しい枝が出てくるので、古い枝や込み合っている枝を地際で切り取って整理しましょう。4〜5年に1度、地際ですべての枝を切り取ると、株が若返ります。
ユキヤナギ
バラ科シモツケ属の落葉低木で、原産地は中国。枝が四方に向かって弓なりに枝垂れる株立ち性の樹形です。自然樹高は2mほどですが、枝にボリュームがあるので、毎年の剪定で1mほどにおさめるとスッキリとまとまるでしょう。成長の速度は速いほうです。開花は4月頃で、白またはピンクの花が枝を覆うようにたっぷりと咲く姿は見応えがあります。
日当たり・風通しのよい場所を選び、腐葉土や完熟堆肥を施した、肥沃な土壌に植え付けます。寒さや暑さに強く、ビギナーにも育てやすい樹種です。花芽が9月頃にできるので、花が終わったら、すぐに剪定を。込み合っている部分を間引くように付け根で切り取り、風通しをよくします。数年経った古い枝があれば、根元から切り取りましょう。
庭やベランダで白い花を楽しむポイント
白い花は、ほかのどんな花色にも合わせやすく、扱いやすい万能タイプ。暖色系にも寒色系にも、また反対色同士の組み合わせにもよく馴染みます。さらに多色を組み合わせたために煩雑な印象になりがちなシーンでも、白い花を入れると調和役となってきれいにまとまるので、花色コーディネートを楽しむなら、白い花は必須アイテムといえるでしょう。
また白い花といっても、イエローがかった白、ピンクを帯びた白、青みを感じる白と、キャラクターがあるので、白い花のみでまとめたホワイトガーデンをつくるのも素敵です。その際は、花のサイズの大小や、花形のフォルムの違い、草丈の違いなどでメリハリをつけるのがポイント。清楚な雰囲気が癒やしを誘うホワイトガーデンに、ぜひチャレンジしてみてください。
春の庭を明るくする白い花を育ててみよう
一年を通して、たくさんの花色の草花が出回るようになるシーズンは春です。さまざまな色調のカラーコーディネートを楽しむ中で、白い花は主役にも脇役にもなる、使い勝手のいい存在。ここでセレクトした白い花は、いずれも人気が高くて育てやすいものばかりなので、ぜひ庭に迎え入れてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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