【剪定不要も!】ブッドレアの育て方|鉢植え・花壇で気軽に楽しむ最新コンパクト品種と管理のコツ
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ブッドレアは、夏を中心に長期間にわたり美しい花を楽しめる庭木として、初心者にもおすすめの丈夫な植物です。特に近年は、鉢植えや花壇で手軽に楽しめる非常にコンパクトな品種が多数登場し、その人気がさらに高まっています。この記事では、剪定の手間がほとんどかからず、省スペースでも豊かな花を咲かせる最新のコンパクト品種に焦点を当て、ブッドレアの魅力を最大限に引き出す栽培方法と管理のコツを、プロが詳しく解説します。
目次
ブッドレアの基本情報

植物名:ブッドレア
学名:Buddleja
英名:Butterfly Bush
和名:フサフジウツギ(房藤空木)
科名:ゴマノハグサ科
属名:フジウツギ属
原産地:アメリカ、アフリカ、アジア
形態:低木
ブッドレアの仲間は、アメリカの熱帯から亜熱帯地域、アフリカ、アジアなどに約110種が知られています。ほとんどの種類が低木で、日本にもフジウツギなどが自生しています。寒さにあたると落葉します。
以前から多く栽培されているのは、中国原産のダビディーです。あまり大きくならない低木で、穂状の美しい花が夏を中心に長く咲きます。花色が豊富で園芸品種が多く、初心者でも育てやすいです。生育旺盛で種子からよく繁殖するので、日本や北アメリカ、オーストラリアなどで野生化しています。
近年は交配種が多く登場し、極矮性の品種やシルバーリーフのユニークな品種もあります。特に剪定などの手間がかからず、連続開花性などにも優れる、極矮性の品種は鉢植えや花壇で気軽に楽しめることから流通が増えています。
無数の小花が円錐形の房になって咲くブッドレア。Steffen Hauser/Shutterstock.com
ブッドレアの特徴・性質

園芸分類:庭木、花木
樹高:0.5m~3m
開花時期:7月~10月
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:白、黄色、オレンジ、赤、ピンク、青、紫
以前から栽培されている一般的なブッドレアは、樹高3mくらいまで生育します。ただし地際近くで毎年強剪定すれば、1.5mほどの高さに収めることができます。強剪定したほうが枝数が増えすぎず、花が大きくなる傾向があります。
花は春から伸びる新しい枝に咲き、夏も弱らずよく開花します。甘い香りと蜜が多い花に蝶がよく集まることからバタフライブッシュという英名があり、蜜源植物としてバタフライガーデンによく植えられます。
花色は、藤色や青、濃い紫などの定番のブルー系のほか、赤、ピンク、白、黄、オレンジなど。また花色が変化する品種や、玉状のユニークな花を咲かせる種類もあります。
病害虫の発生が少なく、適した環境では放置気味の管理でよく育ちます。寒さにも強く、全国のほとんどの地域で地植えできます。ただし種類や品種によっては、強い寒さに耐えられないものがあります。
ブッドレアの種類・品種
ブッドレア・ダビディー Buddleja davidii

中国原産の落葉低木で、藤色の美しい花を咲かせます。多くは樹高1.5~3mほどですが、最大で5mくらいまで大きくなります。全国で栽培でき、性質も丈夫で育てやすいです。国内では埼玉県の秩父や岡山県などで野生化しています。
‘ロイヤルレッド’ Buddleja davidii ‘Royal Red’

赤紫色の花穂が美しいダビディーの園芸品種です。アメリカで作出され、古くからよく栽培されています。
ブッドレア・グロボーサ Buddleja globosa

チリ、アルゼンチン原産で、タマフジウツギの和名があります。濃い黄色~オレンジ色のボール状の花には甘い芳香があり、高さ5mほどまで生育します。寒さにはあまり強くないので注意が必要です。
‘サンゴールド’ Buddleja x weyeriana ‘Sungold’

ダビディーとグロボーサの交配種。黄色~オレンジ色の鮮やかな花が美しく、高さは2mほどになります。耐寒性もあり、最低温度の目安はマイナス25℃です。
‘フラワーパワー’ Buddleja x weyeriana ‘Flower Power’

ダビディーとグロボーサの交配種で、生育は旺盛です。紫色からピンク、オレンジ色に徐々に変化する花色がユニークです。
‘シルバーアニバーサリー’ Buddleja ‘Silver Anniversary’ (=Buddleja ‘Morning Mist’)

美しいシルバーリーフが魅力の種間交配種(B. loricata x B. crispa)です。枝先にドーム状に咲く白い花は甘い芳香があり、8~10月のやや遅めの時期に開花します。樹高は1~1.5mで、耐寒性の目安はマイナス10℃です。
「藍姫」 Buddleja ‘blue chip’

樹高50~90cmの画期的な極矮性のブッドレアとして登場し、有名になった品種です。ほぼ不稔性の交配種で野生化する心配がなく、剪定は基本的に必要ありません。日本では「藍姫」の名で流通しています。種子ができないので、青紫色の花が長期間咲きます。終わった花は長期間残るので、摘み取ったほうがよいでしょう。
赤色の花を咲かせる類似品種に、「紅姫」があります。
「パグスター」シリーズ Buddleja Pugster Series

極矮性で多く流通している注目の品種です。青や紫、白、ピンクなどの花色があります。樹形はコンパクトでよくまとまり、花穂はボリュームがあって目立ちます。
同様に優れた人気の矮性品種として、オランダで育成された「バタフライキャンディー」シリーズがあります。
ブッドレアの栽培12カ月カレンダー
開花時期:7~10月
植え付け:1~6月
植え替え:1~3月
肥料:5~10月
挿し木:6~7月
ブッドレアの栽培環境

適した環境・置き場所
日当たり・水はけのよい場所を好みます。最低でも半日以上日が当たる場所で育ててください。また大きく育った株は、非常に強い風が当たると枝が折れることが多くなります。吹きさらしのような場所は避けたほうがよいでしょう。
生育温度
15~35℃が生育温度の目安です。高温に強く、春から秋まで長期間生育旺盛です。
冬越し
ダビディーとその園芸品種などは、マイナス30℃近くの低温に耐えます。北海道などの北限に近い地域では冬に地上部が枯れ、宿根草のように生育します。
グロボーサなど種類によっては耐寒性がやや低く、最低温度の目安はマイナス8~マイナス10℃です。
ブッドレアの植え付け・植え替え

植え付け(地植え)
鉢植えを地植えする場合は、1~6月まで植えることができます。小さな株やグロボーサなどの耐寒性が強くない種類は、4~6月に植えるとよいでしょう。
根鉢の2倍の深さ、2~3倍の幅の植え穴を掘り、掘り上げた土の3割程度の量の腐葉土を混ぜて植え土とします。周囲より少し高く土を盛って株を植え付けます。
植え替え(鉢植え)
根詰まりしやすいので、1~2年に1回、冬の1~3月頃に植え替えてください。根鉢をあまり崩さす、一回りから二回り大きな鉢に植えます。
用土
鉢植えには、赤玉土小粒7に腐葉土3を混ぜた一般的な用土を使います。ピートモスは水もちがよいので、配合するのは避けたほうがよいでしょう。大株を大きめの鉢に植える場合は、さらに川砂などを1~2割混ぜて水はけをよくしましょう。
ブッドレアの育て方・日常の手入れ

水やり
用土の過湿を嫌います。鉢植えは、表土が乾いてから水やりしてください。水やりしすぎて常に用土が湿っていると樹勢が弱り、花付きが悪くなります。
地植えの場合は、根付けばほぼ水やり不要です。ただし、夏に雨が降らず土壌がひどく乾燥したら、水やりしてください。
肥料
地植えの場合は、肥料を与えなくても比較的よく育ちます。早く大きく育てたい場合は、3月に緩効性化成肥料などを与えます。
鉢植えで育てている場合は、5~10月にリン酸が多めの液体肥料を月1回、規定の倍率に薄めて与えてください。
病害虫
目立った被害のある病害虫の発生は少ないです。風通しが悪いと、新芽付近などにアブラムシが発生します。また夏にベランダなどで乾燥が激しいとハダニが発生し、葉にかすり状の斑点ができます。いずれも見つけ次第、早めに薬剤等で防除してください。
手入れ・花がら摘み
咲き終わった花穂は、見つけ次第切り取るとよいでしょう。ダビディーの品種などは種子ができるのを防ぎ、次の花も咲きやすくなります。種子ができない品種も花がらが長期間残って見苦しいので、切ったほうがよいでしょう。
ブッドレアの作業

剪定
生育が早いので、剪定は重要な作業です。特に樹高が人の背丈ほどに高くなるものは、剪定は必ず行うようにしてください。放置すると樹姿が乱れやすく、花付きが悪くなります。また枝が密集して風通しも悪くなり、害虫が発生しやすくなります。
新芽が出てきた早春が剪定の適期です。落葉した冬に行うこともできますが、冬越しの際に寒さによるダメージを受けやすくなります。
増やし方
6~7月に挿し木で増やすことができます。花やつぼみのない新しく伸びた枝を、10~15cm葉のすぐ下の位置で切り、新しい葉を2~3枚残して挿し穂とします。葉が大きい場合は半分に切ってください。
赤玉土小粒や川砂などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾燥させないように管理します。
ブッドレアの栽培ポイント

- 日当たりと水はけのよい場所が適する
- 水の与えすぎなどの過湿に注意
- ひどい乾燥は避ける
- 背丈が高くなるものは剪定を毎年行う
暑さと寒さに強く、多くの花を長期間楽しめ、初心者でも育てやすいブッドレア。極矮性の魅力的な品種が登場し、さらに用途が広がりました。庭木としてだけでなく、花壇や鉢植えなどでも美しい花を楽しめます。近年人気の矮性の品種の栽培から、気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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