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花の庭巡りならここ!「十勝六花」が咲き誇る「六花の森」

花の庭巡りならここ!「十勝六花」が咲き誇る「六花の森」

北海道を代表する、老舗の菓子メーカー「六花亭」。その包み紙に描かれる「十勝六花」を実際に咲かせようと、「六花の森」がつくられました。散策道々に姿を現す、楚々とした表情の花々に癒されること間違いありません。園内には美術館や記念館、カフェ&ショップもあり、ゆっくりと楽しまれることをオススメします。

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包装紙に描かれた十勝六花をはじめ
さまざまな野花が咲き乱れる

2007年9月にオープンした「六花の森」は、北海道に拠点を置く「六花亭」が運営するガーデン。約10万㎡の敷地を持ち、大人の足で2時間近くかかる規模なので、ゆっくりと時間をかけて散策するのがオススメです。

みなさん、少し北海道についての記憶をたどってみてください。北海道旅行の際に土産物を選んでいる時や、百貨店で大人気の「北海道展」へ出かけた時。そう、ホワイトチョコレートや「マルセイ バターサンド」を買ってほくほくした時のことです。北海道を代表する「六花亭」の包み紙には、カラフルな十勝六花が描かれていて「捨てるには忍びないな」という気持ちになったこと、ありませんか?

六花の森

「六花の森」ができたいきさつは、「六花亭」の「花柄包装紙」から。そこに描かれているエゾリンドウ、ハマナシ、オオバナノエンレイソウ、カタクリ、エゾリュウキンカ、シラネアオイは、坂本直行画伯の手によるものです。これらの花々を現実に咲かせたいという想いから、このガーデンが開かれました。

構想の通り、「六花の森」では、4月にカタクリやミズバショウが開花し、4〜5月にはシラネアオイ、エゾリュウキンカが。5月にエゾカンゾウ、エゾノシノブが咲き、6〜8月にはハマナシが見頃に。7〜8月にはノリウツギが爽やかに咲き誇り、9〜10月にはエゾリンドウが楚々とした咲き姿を見せてくれます。

季節を通して、野趣あふれる花々が群生し、いっせいに開花する様子は見応え満点。山歩きの途中で山野草が咲き乱れる景色に出合った時の感動にも似ています。とはいえ、「六花の森」の花々は野に咲くそのままの姿というわけではなく、人工的にならないよう自然な様相に見せるメンテナンスの賜物です。素晴らしいバランスで保たれる、野に咲く花々の景色をぜひ堪能してください。

六花の森

「六花の森」園内には美術館や記念館も点在し、自由に出入りできます。建物を見つけたら、立ち寄りながらの散策もいいですね。忘れちゃいけない、園内のカフェ「六’café」にもぜひ足を運んでください。ここでしか食べられないメニューもありますよ! 併設のショップには、「六花亭」の多彩なお菓子がずらり。ぜひ「十勝六花」の包み紙におさまったお土産を持ち帰りましょう。

ランダムながらも群生して咲く
北の大地ならではの雄大な姿に感動!

六花の森

5月中旬には、数万株のオオバノエンレイソウが咲き乱れます。茎の頂部に咲くピュアホワイトの花とグリーンのコントラストが美しく、群生してどこまでも広がる景色には感動のため息がもれるに違いありません。生命力が強く、よく繁茂するため写真のような林床はもちろん、園内の至るところで見かけることができます。同時期には、エゾノハナシノブ、ニリンソウ、シラネアオイ、クロユリなど、楚々とした山野草も見頃です。

六花の森

写真手前に咲く、濃いピンクの花はハマナシ(ハマナス)で、見頃は6月下旬〜8月です。日本原産のバラで、一重の花姿は野趣感たっぷり。数百株が植栽され、初夏の園内を明るく彩ります。奥に見える、芝生で整えられた丘には、帯広出身の彫刻家、板東優(ばんどうまさる)氏の作品「考える人(ロダンから)」を屋外展示。ハマナシを愛でながら、丘の上まで足を運んでみましょう。

六花の森

9月になると、エゾリンドウが見頃に。スラリと茎を立ち上げて、小ぶりの青い花を多数つけるたおやかな姿が魅力です。数百株が植栽されており、晴れた日にはわずかに花弁が開く様子を楽しめます。同じ時期には、花茎を立ち上げた先に黄色い小花をいっせいに咲かせるアキノキリンソウも開花。紅葉を楽しむなら、10月中旬以降がオススメです。

クロアチアの古民家を移築して作られた
記念館や美術館が園内に点在

六花の森

園内にはいくつかの美術館や記念館が点在しているので、散策がてらに立ち寄ってみましょう。写真は、クロアチアの古民家を移築して作られた、「坂本直行記念館」。坂本直行画伯は「六花亭」の包み紙のデザインを手がけたことでも知られ、館内には多数の絵画が展示されています。

六花の森

写真は、「サイロ記念館」の内観です。坂本直行画伯が、表紙絵や挿絵を手がけた児童詩誌『サイロ』。その第1号から600号までの表紙が、壁から天井までところ狭しと飾られています。ほっこりと味わいのある絵柄一つひとつに見入って、時間を忘れてしまいそうです。

ここでしか食べられないスイーツも登場!
ショップではお土産選びに迷う楽しみも

六花の森

ガーデンをゆっくり散策して少し疲れたら、園内の「六’café」で休憩を。「六花の森」開園時間の30分後にオープンします(開園時間はシーズンによって異なります)。閉店は閉園時間と同じで、L.O.は30分前まで。ここでしか味わえないのが、「六’café マルセイ バターサンド」。隣の工場から届く、でき上がったばかりの「マルセイ バターサンド」をいただけますよ!

六花の森

併設のショップは広々としたスペース。ゆっくり吟味してお土産や旅の記念に選ぶのもいいですね。定番の「マルセイ バターサンド」はもちろん、和菓子・洋菓子ともに多彩なラインナップに目移りしてしまいそうです。新商品や季節商品のチェックもお忘れなく!

Information

六花の森

所在地:北海道河西郡中札内村常盤西3線249-6
TEL:0155-63-1000
http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index2.html

アクセス:とかち帯広空港から車で約15分
JR帯広駅から車で約30分
帯広・広尾自動車道 中札内I.C下車 約10分

オープン期間:4月26日~10月20日(2019年) ※例年4月下旬〜10月中旬

休園日:なし

営業時間:10:00~17:00(4月26日〜5月31日、9月1日〜9月23日)、9:00〜17:00(6月1日〜8月31日)、10:00〜16:00(9月24日〜10月20日)

料金:大人540円、小中学生500円

駐車場:80台(無料)

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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