5月の緑がまぶしい季節になると、会津の母が必ず送ってくれるのが、笹でもち米を包んで茹でた「ひし巻き」です。笹の爽やかな青い香りがふんわり漂い、これを食べると、なんとなく夏はもうすぐだなあと感じます。きな粉をつけたり、バターやチーズでアレンジしたり、もちもち美味しい会津の郷土料理。簡単につくれるので、ぜひ子どもの日などにチャレンジしてみてはいかがですか。
「ひし巻き」は会津の伝統料理で、母は会津にお嫁にきてから覚えたといいます。ご近所の方からおすそ分けでいただいて、初めてこのひし巻きを食べたときの正直な感想は、「なんでこれが美味しいんだろう?」だったとか。そんな気持ちのまま10年ほど経ったとき、ふと笹のほのかな香りが美味しいと感じたそうです。「食べ慣れる」というのは、こういうことをいうのでしょうか。それからは毎年、ご近所さんにつくり方を教えてもらい、母もつくるようになったそうです。とても素朴な味わいで、子どもたちにも人気です。

ひし巻きのつくり方
会津の伝統料理のひし巻きは、笹の葉に巻いて茹でることで、笹の香りがほんのり移ります。甘い青豆きなこをたっぷりまぶしていただく、子どもたちも大好きなおこわです。
【材料】(5個分くらい)
もち米(乾燥)1カップ、笹の葉10枚程度、い草5本程度
【準備すること】
もち米を洗ってからたっぷりの水に4時間以上浸し、使う30分ほど前に水切りしておく。
笹の葉は洗っておく。乾燥した葉を使う場合は、茹でてから水に浸しておく。
い草は水に浸すか、軽く茹でて柔らかくしておく。(茹ですぎると切れやすくなるので注意)。
【つくり方】
<笹の巻き方>
- 笹の葉を両手で持って円すい形をつくり、丸めた笹の中にもち米を入れる。

- もち米を入れた部分に、笹の葉先と葉元をかぶせてふたをする。

- ふたをした部分に、もう1枚の笹を2つ折りになるようにかぶせる。

- 重ねた右の部分を下から回して包む。左の部分も同様に包み、三角形にする。

- ひし巻きの中心を押さえながら、い草の先10㎝ぐらいの位置を左親指で押さえる。
- 右手にい草の残り部分を持ち、右角の裏から表へ回しかける。
- 手前の角を左側から裏を通して表に回しかけ、残った左角の裏を通して中心にもってくる。
- 10㎝ほど残したい草を使って片結びにする。
- 片結びしたい草の余分な部分は切り、1本は長いままにする。
- でき上がったひし巻きは5個ずつまとめ、片結びにする。
*巻き方が難しい場合は、『簡単!絶品!便利! なタケノコの常備菜「台湾風肉懆(バーソー)」』でご紹介した巻き方でもつくることができます。もち米がこぼれないよう、両脇をしっかり笹で包んでください。
<巻いた後>
11. 大きな鍋にお湯を沸かし、10を入れて落とし蓋をし、中火で20分ほど茹でる。
12. 茹で上がったら、風通しのよいところに下げて水気を切る。

13. きな粉大さじ1、砂糖大さじ1、塩少々を混ぜたものをまぶして食べる。

毎年大量に送ってもらうので冷凍しておき、食べるときに蒸し直すか、ジップロックに入れて電子レンジで温めていただきます。きなこ砂糖の他、バターで焼いたり、チーズをかけても美味しいです。残ったきな粉は、はちみつを加えてきな粉棒に。きなこは会津特産の青豆きなこがコクがあって美味しいです。

<笹の葉>https://tomiz.com/item/00186302
<い草>https://tomiz.com/item/00263501
会津を含め、東北地方で採れる青大豆を使った青豆きなこは、甘みと旨みの強い美味しいきなこです。近頃はスーパーでも販売しているほか、ネット購入もできます。



奥州会津総本店 会津迎賓館 寿し万
Credit
制作&レシピ/本間のぞみ
会津郷土料理研究家。福島県会津若松市生まれ。デザイン事務所のアシスタントを経てガーデニング雑誌編集部に入社。庭のある暮らしや食に関する記事をつくる中で、さまざまな食のプロに出会い魅了され、和菓子店、ベーグル店、ビストロなどで経験を積む。現在2人の子どもを育てながら、地元の母がつくった会津野菜や食品を使ったレシピの提供中。
Photo/3and garden
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