愛知県Anne’s Garden主宰。一般社団法人日本ハンギングバスケット協会理事。日本フラワーデザイナー協会(NFD)1級フラワーデザイナー。個人邸や店舗、ショーガーデンなどのガーデンプランニングや植栽管理のほか、コンテナガーデンスクールや日本ハンギングバスケット協会認定試験スクール、フラワーアレンジメントスクールなど複数の教室を主催。地植えの庭からコンテナ、ハンギング、フラワーアレンジメントまで、屋内外あらゆるシーンを花で彩る美しい暮らしを提案。新刊『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行:KADOKAWA)は、2026年10月5日発売(予約受付中)。
武島由美子
愛知県Anne’s Garden主宰。一般社団法人日本ハンギングバスケット協会理事。日本フラワーデザイナー協会(NFD)1級フラワーデザイナー。個人邸や店舗、ショーガーデンなどのガーデンプランニングや植栽管理のほか、コンテナガーデンスクールや日本ハンギングバスケット協会認定試験スクール、フラワーアレンジメントスクールなど複数の教室を主催。地植えの庭からコンテナ、ハンギング、フラワーアレンジメントまで、屋内外あらゆるシーンを花で彩る美しい暮らしを提案。新刊『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行:KADOKAWA)は、2026年10月5日発売(予約受付中)。
武島由美子の記事
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みんなの庭

花が空に舞う庭|紫陽花を吊す、新しい初夏のガーデンスタイル
アジサイを吊す——かつては“非常識”だった挑戦 アジサイは重たい。そして日陰の植物。だから、ハンギングには向かない。かつてハンギングバスケットのコンテストで、アジサイを用いるのは非常識とされていました。それでも武島由美子さんは、アジサイのハンギングを作りました。もう10年以上前のことです。その作品は、コンテストには入賞しませんでした。 アジサイやニコチアナ、ダイアンサス、アンゲロニアなど、白〜グリーンの花で組み合わせた繊細な表情のハンギング。 「でも、好きだから作り続けてきたんです。だって、すごく素敵だもの。それだけなんです」 軽やかに笑う武島さんは、全国で講師を務めるハンギングバスケットの達人です。好きだから作る。吊す。愛でる。 ガーデンチェアにアジサイのハンギングを飾って。 今では小さなポット苗が市場に出回るようになり、アジサイをハンギングに使うのは珍しくなくなりました。時代の変化が、静かに彼女の感性と重なり始めたようです。 ガーデンストーリーでは、そんな“アジサイハンギング”の先駆者による、珠玉の庭を訪ねました。 半円の魔法——アジサイで描く、ふわりと浮かぶ“丸” ピンクのつるバラとアジサイのハンギングの共演。 壁に浮かぶ淡いピンクのアジサイ。まるで空に浮かんだ花の雲のようです。この美しい丸みは、じつは簡単にできるものではありません。小ぶりなアジサイの苗の中から形とボリュームのバランスを見極め、ひと鉢ずつ慎重に選び、さらにバスケットの中で崩れないよう差し込む角度や配置を吟味し、形作っていきます。 「まん丸」がきれいに決まった瞬間は、まさにガーデナーの腕の見せどころ。まるでアレンジメントのように見えますが、ハンギングバスケットのアジサイは水切れにさえ注意すれば、季節とともに色が変わり、秋まで長く楽しめます。 「色変わりする種類も多く、秋になると、春とはまた違ったシックな表情を見せてくれるんです」。それもまた、武島さんがアジサイを愛し続ける理由です。 ブルー一色のみずみずしいアジサイのハンギング。丸く形作るのがキレイのコツ。 そして、誰も見たことのない景色へ——“アジサイのタワー” 華やかさ、緻密さ、スケール感――どれをとっても、新しい可能性を切り拓くアジサイのタワー。 庭の小道の先を曲がると、そこには見たこともない景色がありました。まるで滝のように咲きこぼれる、アジサイのタワー。淡いブルーやライムグリーン、ピンクの花々が、幾重にも重なりながら、縦に連なって空間を彩る姿は、まさに“誰も見たことのない”景色です。 脚立に乗って植え込む武島さん。 これは、園芸専門の吊り鉢「グリーンシャンデリア」を使い、複数のアジサイ苗をひとつの作品のように組み上げたもの。脚立の上で作業しながら、「うわぁ、ぜいたく~!」と笑顔がこぼれる武島さん。その表情は、まるで少女のように生き生きとしていて、目の前の花をひとつずつ並べながら、未来の景色を想像しているようでした。 このタワーは、庭を訪れるお客様へのサプライズ。でも何よりまず、自分が思い切り楽しむための景色です。ガーデニングは、手を動かして“今”をつくる作業でありながら、植物と共に生きていく“未来”を仕込む時間でもあります。 枝垂れるようなフォルムにしたくて、去年の秋からポットで育てていたユーフォルビアが名脇役として活躍。 「生きているものだから、思ったとおりにはならないこともあるけど、そこがいいんです。変化していくから、毎日ちょっとずつ違う楽しみがある。明日はどんなふうになってるかな」 このタワーには、 “今この瞬間”の美しさだけでなく、“これから”を楽しみにする心が宿っています。贅沢なのは、たくさんの花ではなくて、「楽しむ心」にこそあるのかもしれません。 品種の進化が、創作の翼を広げてくれる 「昔に比べて、アジサイでできることが格段に増えました」と武島さん。品種改良が進み、従来の大輪の西洋アジサイに加えて、色が繊細に変化する“色変わり種”や、しなやかに枝垂れる“ラグランジア”のような新しい系統も登場。さらに、素朴で愛らしい表情のヤマアジサイも多彩なバリエーションがあります。 淡いブルーからグリーン、ピンク、ベージュへと移ろう花の色は、時間さえもデザインの一部にしてくれるアート素材です。枝垂れるフォルムを活かせば、ハンギングに自然な流れが生まれ、風が通るたびに、庭に生きた動きが加わります。 「品種が進化したことで、“こうしたい”というイメージが、現実にできるようになってきたんです。だから、やりたいことがどんどん湧いてきます。アジサイって、可能性がある花だなって思います」 その言葉には、花と生きることを楽しむ人だけが持つ、静かな情熱が宿っていました。 咲き誇るバラと、アジサイが響き合う コンテナやハンギングに植えられたさまざまなアジサイが、庭の入り口を華やかに彩る。 この庭を訪れると、アジサイがただ吊されているだけではないことに気づきます。ふと目を向ければ、アーチにはつるバラが甘やかな香りとともに咲き誇り、足元には宿根草や一年草が風にそよぎ、自然なリズムを刻んでいます。 「バラが咲き終わっても、庭が寂しくならないように。アジサイがそのあとの主役を担ってくれるんです」 白花を集めたホワイトガーデンの奥、アジサイの吊り鉢を飾ったアーチの下には、緑陰が涼しげなベンチ。 その言葉どおり、アジサイは“バラの庭”の余韻をつなぎ、季節のバトンを受け取るように、次の景色を演出してくれます。たとえば、白いアジサイに寄り添うアスチルベ。紫のアジサイの足元を彩るみずみずしいギボウシ。それぞれの色が呼応しながら、庭という空間に繊細なハーモニーを奏でています。 “植物で絵を描く”ということ 公道に面した前庭。コンテナ、花壇、ハンギングと、さまざまな手法で奥行きの狭いエリアを立体的かつ華やかに演出。 この庭は、技術や知識だけでは辿りつけない場所にあります。植物を「並べる」のではなく、「描く」。光と風と時間を読みながら、“庭というキャンバス”に立体的な絵を重ねていく――。アーティスティックな感性が息づく世界です。 植物だけでなく雑貨も使いこなして絵になるシーンを。 「庭って、ひとつの空間でいろんな表情がつくれるんですよね。同じ植物でも、植え方や組み合わせで、まったく違う印象になる。だから、ハンギングだったり、コンテナだったり、地植えだったり、いろんな“景色”を作るのが楽しいんです」と武島さん。 アジサイを吊す、という発想の先に広がるのは、庭という表現のフィールドを自由に遊ぶ、大人の創作の時間です。 花のある人生の一歩を かつては“非常識”といわれていたアジサイのハンギング。でもそれを、“好きだから”作り続けた武島さん。その先に咲いたのが、誰も見たことのない、美しい風景です。 今では多くの品種が流通し、技術も広がり、アジサイは再び注目を集める花になりました。でも、ここにあるのは流行ではなく、長い時間と情熱によって育まれた“信念の庭”。 この景色を見ながら、「私も、花とともに生きる時間を楽しみたい」 そう思ったなら、それがもう、庭づくりの一歩目です。
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ガーデン

【冬のおしゃれな庭づくり】地植え+鉢植え+花壇+ハンギングで実現! 立体感で魅了する美しい庭
コンテナ、花壇、ハンギング、リースの4重奏の立体ガーデン ここは公道に面したエリアで、道ゆく人の目を楽しませる武島邸のフロントガーデンです。春にはつるバラがフェンスや壁に咲き誇り華やかそのものですが、バラが姿を消す冬も彩り豊かで見応えたっぷり。奥行き2mほどの場所ながら、手前から「コンテナ」「花壇」「ハンギング」、扉にかけた「リース」というように、さまざまなガーデニング手法を組み合わせ、視線の先を下から上まで花と緑で彩り、華やかなフロントガーデンを実現しています。 冬の庭の素材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いため、地植えだけでは視線が下に集中し、庭が平面的な印象になりがち。これらの素材で華やかさを演出するには、いかに「立体感」を出すかがポイントです。武島さんの「コンテナ」「花壇」「ハンギング」「リース」で構成された4重奏の立体ガーデンを詳しく見ていきましょう。 ① 一番手前は、石積みの花壇の下に置いたコンテナ。透明感のある水色のビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’とミニサイズのハボタンを寄せ植えにした奥行き15cmほどの横長のコンテナがズラッと並びます。シンプルな寄せ植えを繰り返し並べることで、花壇の縁がトリムのように彩られ、おしゃれ度アップ。 ② 高さ50cm、奥行き30cmほどの石積みの花壇には、パンジーとシルバーリーフのダスティーミラー、ストックを植栽。ストックは冬の花材の中では草丈が30〜40cmと高く、立体感が出る貴重な植物。甘い香りがするのも魅力です。柔らかなペールトーンでまとめながらも、パンジーに濃い色をプラスしてアクセントに。 ③ ハンギングバスケットの1つは、コンテナの寄せ植えと揃えたビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’の単植。花壇にハンギングスティックを挿して飾っています。草丈の低いビオラの花を目線の高さで堪能できるのが、ハンギングバスケットの魅力。 もう1つのハンギングバスケットは、アイボリーのガーデンシクラメンやサーモンピンクのパンジー、イエローやシルバーのカラーリーフを用い、ペールトーンでまとめたもの。こちらは、フェンスにS字フックで引っ掛けています。 ④ 一番目線が高くなる、扉にかけたリースは、ハボタンとワイヤープランツの寄せ植え。リース形の寄せ植えを、このように扉などに垂直に飾る場合は、高低差があまり出ない素材を選んで、ギュッと詰めて植えるのがポイント。隙間があると土がこぼれ落ちてしまいます。 玄関扉の横には、スクエアのコンテナの寄せ植えを。ブルーのパンジー‘シエルブリエ’を囲むようにシルバーや斑入りのリーフをたっぷり使い、冬のイメージを表現した上品な1鉢。コンテナも高さのあるものやプランタースタンドを用いることで、目線を上にコントロールすることができます。 レンガを積んだプランタースタンドにピンクの豪華な寄せ植えを。庭のアーチの両側に、対になるように設置している。 ガーデンチェアで作る冬の庭のハイライト 庭の中には数カ所にガーデンチェアが置かれており、その背もたれもハンギングバスケットやリースを飾る場所として活用しています。椅子の両脇に置いた寄せ植えとハンギングスティックに吊した背後のバスケットは、ピンク系のパンジー&ビオラでコーディネート。ここでも下から上まで目線の先を花が彩るように演出しています。 フリル咲きのパンジー、ハボタン、アイビーの3種を使ったリース。 白と黒のコントラストが美しいハンギングバスケットを飾ったチェア。手前に対のハボタンとドドナエアの寄せ植えを置いて。 ハンギングバスケットは地面のない場所でも飾れるのがメリットですが、引っ掛ける場所を必要とします。ガーデンチェアはテラスなどでも手軽にハンギングバスケットが飾れるツールとして活用でき、庭風景にもナチュラルになじむのでおすすめです。 コンテナ+ハンギングの花材を揃えて印象的に バラのアーチの正面は、視線が集まりやすいフォーカルポイントです。武島さんはガーデンシェッドの壁面を利用してハンギングバスケットとコンテナをコーディネートし、華やかなシーンを作り出しています。メインの素材となるスキミアとパンジー、ハボタンは両者共通させ、脇役となるリーフ類はスキミアのつぼみの色に合わせつつ、それぞれの鉢の形に合う銅葉を選んでいます。壁を背にして半球状のハンギングバスケットを作る場合は、中央部を高く、コンテナは後方から前方へ草丈を低く作るのがきれいに見えるセオリーです。 コンテナの後方を彩るのはロフォミルタス‘マジックドラゴン’とドドナエア。ハンギングバスケットではヘーベとドドナエアを。 花瓶に飾ったパンジーにも、ハンギングバスケットとコンテナの間をつなぐ効果が。 連続ハンギングバスケット+地植えで作る花咲く小径 細い棒状のハンギングスティックを使い、ハンギングバスケットを連続させた庭の小径。ハンギングスティックは土に差すだけで、どこでも手軽に花を吊して飾れる新しいツールで、細くて目立たず風景の邪魔にならないのも魅力です。ピンクのグラデーションがかわいい大輪のパンジー‘ピーチシェード’を植え、ハンギングも足元の花も揃えて小径を華やかに演出しました。 大輪で華やかなパンジー‘ピーチシェード’。 空中に浮かぶようなハンギングバスケットは、冬枯れの庭で存在感抜群。凝った花の組み合わせにしなくても、花付きのよい種類を選べば1種類でもかわいく仕上がるので、ハンギングバスケット初心者にもおすすめです。 室内から庭を眺める時間も長くなる冬だからこそ、武島さんのようにさまざまな手法を組み合わせて庭を立体的に演出し、美しい庭景色を楽しみたいですね。新しいツールも活用し、まだまだ店頭にたくさん並ぶパンジー&ビオラで新しい冬の庭づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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ガーデン

【画期的!】庭中に浮かぶパンジー&ビオラ?!新ガーデンツールで変わる冬の庭景色
冬はハンギングバスケット作りにベストな季節 濃いパープルに覆輪が入るパンジー‘横浜セレクション フレアブルー’やハボタン、ネメシアなどを組み合わせたシックなハンギングを玄関前に。 「パンジー&ビオラは毎年、目が釘付けになるような魅惑的な花色が登場するので、創作意欲がかきたてられます」と話すのは、武島由美子さん。ハンギングバスケット協会の理事を務め、これまでたくさんの生徒を育成してきたハンギングバスケットの達人です。 クリスマスを演出した庭へ続くレンガの小径。ガーデンシェッドの壁にもハンギングバスケットを。 ハンギングバスケットとは、植物を立体的に楽しむガーデニング手法の1つで、球体や半球体の容器に植物を植え込み、チェーンやフックを使って吊して飾ります。地面を使わず、玄関先やベランダなど狭い空間を華やかに彩ることができるのが魅力。彩りが寂しくなりがちな冬でも、武島さんの庭ではそこここでパンジー&ビオラのハンギングバスケットが華やかです。 パンジー‘シエルブリエ’を使ったハンギングバスケット。雪をイメージさせるシルバーリーフやイベリスとともに。 「冬の花の代表、パンジー&ビオラはユニークで素敵な色合いが豊富ですが、草丈が低いので、庭植えにするとせっかくのかわいい花が目立たなくなってしまいます。でもハンギングバスケットなら、目線の高さで花の美しさを強調することができるんです」(武島さん) スキミアやパンジー、ハボタンなどを組み合わせたコンテナとハンギングバスケットをコーディネート。 ハンギングバスケットは鉢植えと異なり、目線やそれ以上の高さに飾れるため、まるで絵画を眺めるように花を堪能できるのが魅力。寄せ植えのコンテナを組み合わせれば、さらに華やかな演出も楽しめます。ただし、ハンギングバスケットは引っ掛けるための頑丈な場所が必要になるため、これまでは飾れる場所が限られていました。 庭のどこにでもハンギングバスケットが飾れる「ハンギングスティック」 パンジー&ビオラのハンギングバスケットが連続し、バラのスタンダード仕立てのようなフォーマルな雰囲気も新鮮。 「でも、今年からはハンギングスティックという新たなツールの登場で、庭のどこでもハンギングが楽しめるようになりました。ハンギングスティックは支柱のような直径1.5cmほどの細い棒状で、目立たないのでハンギングの花がすごく映えるんです。シンプルな作りなのに、丈夫で重さのあるバスケットもしっかり支えてくれ、とても気に入っています」(武島さん) ハンギングスティックは二股になった下部30cmを土に挿し、上部の丸い穴にフックでハンギングバスケットを吊り下げて飾ります。庭はもちろん、深さが30cm以上あるコンテナにも使用可能で、どこでも簡単にハンギングバスケットが楽しめる画期的なツールとして、2024JHBS(日本ハンギングバスケット協会)新器材・装飾アイデアコンテスト金賞を受賞しました。 高さ違いのハンギングスティックでリズミカルに小径を彩って。 まるで花が浮かぶように空中を彩るハンギングバスケット。さまざまな植物を組み合わせるハンギングバスケットは作るのにコツが必要ですが、パンジー&ビオラ1種だけに絞ってもこんなに華やか。ハンギングスティックを使えば複数のハンギング鉢を連続して飾ることもでき、これまでにはなかった見応えのある冬の庭景色が作れます。 「庭のような広い空間に連続して飾るときは、パンジーやビオラ1種類だけのほうが印象的かもしれません。昔からある品種ですが、透明感のあるブルーのビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’は、冬中花上がりが素晴らしくおすすめ。大輪の‘ピーチシェード’も庭の中でよく目立ちます。どちらも手に入りやすい品種なのもいいですね」(武島さん)。 左/パンジー‘ピーチシェード’。右/ビオラ ‘ビビ ヘブンリーブルー’。 奥行き30cm程度の花壇でもハンギングスティックが活躍。 ハンギングバスケットは、空間を彩り豊かに演出し、季節感や創造性を楽しむガーデニングテクニックです。設置する場所や植物の選び方で個性を発揮でき、手入れをしながら植物の成長を見守る喜びも得られます。ハンギングスティックのような便利なツールも活用し、新しい冬のガーデンづくりを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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ガーデン

【秘密の花園】森を背に彩られるバラと宿根草とアジサイの庭
奥行き30cmにも満たないつるバラと草花の花壇 愛知県日進市の住宅街、遠くから見てもすぐにその家だということが分かるほど、通りに面して花々が美しく競演する武島邸。奥行き30cmもない石積みの花壇に、 ‘レイニー・ブルー’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’、‘たまかずら’など数種類のつるバラが植栽され、そのやさしい色合いのバラの間に、窓辺のアジサイが心地よいリズムで鮮やかな彩りを添えます。 (左)房咲きの花をたわわにつけるつるバラ‘たまかずら’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’。(右)ブルーのロベリア‘カリブウォーター’や優しいイエローのペチュニア‘ステファニー’、ガザニア‘ビーストシルバーフォックス’が筒バラの花色を引き立てつつ株元をふんわり覆う。 バラの株元と花壇の手前に置かれたコンテナには、ブルーとイエローの小花がふんわりと咲いています。花々があふれんばかりの華やかさながら、色を絞った色彩計画のもとにデザインされた壁際の花壇は、一幅の絵画を見るような美しさです。しかし、この表の庭は武島さんの庭のほんの一部に過ぎません。 淡い紫色のつるバラ‘レイニー・ブルー’にブルーとイエローの小花がよく似合う。 森を背に華やかに彩られるメルヘンチックなバラと宿根草の庭 知る人ぞ知る秘密の花園は、玄関脇の小道を進んだその奥、森の緑を背にして広がっています。広さ約200㎡の庭は、森に向かって少し高くなるように傾斜がつけられており、緩やかにカーブするレンガの小道は、その先の景色を見え隠れさせながら歩みを誘います。頭上から甘い香りが降り注ぐバラのアーチ、背丈を超えて林立する何百本ものジギタリスとデルフィニウム、白花がレースのように咲き集うホワイトガーデン。小道の先に開ける景色には常に新鮮な驚きがあり、ひと巡りする頃には感嘆のため息を使い果たしてしまいそうです。 竹の抜根から始まった苦労の庭づくり バラとジギタリスの群落が競演。 「ここは、もともと竹林だったんですよ」と話すのは、庭主の武島由美子さん。ガーデン設計施工の「アンズガーデン」のデザイナーとして活躍しながら、ハンギングバスケット協会の理事も務め、講師として全国を飛び回るかたわら庭の手入れをしています。 花々の優雅な競演を前に、にわかに想像し難い竹林の風景ですが、実際に今でも花の間から竹がひょっこり生えてくると言います。 「竹って地下茎でつながっていて、地中に縦横無尽に根が張り巡らされているんですよ。それを取り除かないと花が植えられないので、最初は竹との格闘の日々。それはもう庭づくりっていうか、『開拓』でしたね(笑)」 庭主で「アンズガーデン」の代表を務める武島由美子さん。ハンギングバスケット協会の講師として九州から北海道まで全国を回る忙しい日々を送りながら、庭の手入れを行っている。 草花の素朴なガーデンに新たに加わった初夏の女王、バラ そんな苦労をしてでも武島さんを庭づくりへと駆り立てたものは、花が好きというシンプルな思いです。文字どおり竹林を拓いて得た土地を耕し、道をつくってガーデンの骨格を整え、花を植え、庭づくりを続けてきました。 「最初の頃は、素朴な宿根草とか一年草だけの庭だったんですが、いつからかそういう素朴な草花にも似合うオールドローズとかイングリッシュローズが登場して一気に魅了され、バラも育て始めたんです」。しかし、なかなか上手に咲かすことができずに、往復500kmの距離もいとわずコマツガーデンの講座に通い、バラ栽培を勉強したといいます。 (左)茎が細く華奢な雰囲気で咲く‘フランソワ・ジュランヴィル’。ガーデンには草花との相性がよい小輪〜中輪のバラが選ばれている。(右)宿根リナリアやジギタリスと咲く淡いピンクのバラ。 「バラと宿根草では土壌づくりが違うんですよね。土壌を豊かにしようと思って堆肥を庭にまいたら、バラの枝がグングン伸びて葉っぱばかり茂ってしまったことがあって。堆肥はチッ素分が多いことが原因なんですが、バラにはバラに適した肥料があるということを学びました」 ガーデンシェッドやベンチなど、ガーデンファニチャーと植物がコーディネートされたフォトジェニックなコーナーが庭のそこここに。雑草対策として、見えないように草花の間には段ボールが敷かれている。 そうした失敗も経験しながら、草花中心だった庭にはだんだんバラが増え、手入れの仕方もバラ中心に変わっていきました。年が明けると、1月末までにバラの剪定と誘引を1週間かけて行い、バラの芽出しの頃とその2週間後には病害虫予防として2回ほど薬を散布。5月になると400本以上のバラが次々に咲き出し、開花を待って2週間に渡り開催されるオープンガーデンには、全国からたくさんのファンが来訪します。それが終わるとバラにお礼肥えをたっぷりやり、宿根草は切り戻してさっぱりさせます。 「この庭は草花が多いので、バラの株元がすっかり覆われてしまわないように、雑草の除去はもちろん、宿根草も結構短く切り戻しておきます。そうでないと、カミキリムシの被害サインのオガクズに気づきにくくなってしまいますからね」 バラと交代でシェードガーデンを彩るアジサイたち (左)日陰になりやすい部分には、ライムイエローのヒューケラやタイツリソウ‘ゴールドハート’などのカラーリーフを下草にして、空間を明るく演出。(右)ピンクの絞り咲きアジサイ‘衣純千織(イズミチオリ)’をヒューケラやペチュニアと寄せ植えにして花台へ。 バラと交代に庭を彩るのは、アジサイ。森に隣接したシェードエリアには、アジサイやギボウシ、ヒューケラ、アスチルベなど半日陰を好む植物がふんだんに植栽され、暗くなりがちなエリアが華やさを増してきます。ハンギングバスケット協会の理事も務める武島さんの庭では、地植えだけでなく鉢植えやハンギングバスケットでもアジサイが活躍。鬱々とした梅雨の時期に、鮮やかな花色で庭を彩ります。 (左)斑入りのギボウシやツワブキとともに日陰を彩るアジサイ‘ラグランジア’。(右)鉢植えにした銅葉のアジサイ‘ブラックダイヤモンド’がシェードエリアのフォーカルポイントに。 アジサイのハンギングをガーデンチェアの背に飾ったコーナー。 「7、8年ほど前からアジサイのハンギングを作っていますが、当初は植生の違いから、アジサイのハンギングは認められませんでしたが今ではコンテストにも並んでいます。アジサイはよく目立ちますし、ハンギングは目線より上に花を持ってくることができるので、庭づくりでも重宝しますよ」 秋の庭の楽しみと、もう1つの楽しみ 庭のバラは四季咲きが多く、秋にもまた見頃を迎えます。 「秋はバラの花数は少なくなりますが、フジバカマなどの宿根草がたくさん咲いて、春とはまた違った雰囲気になります。いつからかフジバカマに、渡りをする蝶として知られるアサギマダラが毎年くるようになって、その美しい蝶と再会するのも庭の楽しみの1つなんです」 そしてもう1つ、最近になってうれしい出来事があったと武島さん。 「昔、私が庭に置いた植木鉢が原因で、主人が大怪我をしてしまったことがあって、以来、花なんか見たくないというくらい花嫌いになっちゃったんです。だから、これまで庭に見向きもしなかったのに、ある日『うちのバラはきれいだなぁ』ってポツリと。それを聞いて本当にびっくり! 私的にはまだ会心の出来でバラを咲かせられたことはないのだけど、その一言に心の中でガッツポーズ(笑)」 今ではご主人のサポートもあり、庭にはご主人お気に入りのシーンもたくさんあります。それをiPad(アイパッド)で撮るのが会社へ行く前の日課になっているとか。そのiPadの中に、庭のアルバムのページが増えていくのが、武島さんの庭づくりの大きな楽しみに加わりました。




















