いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
井上園子 -ライター/エディター-

いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
井上園子 -ライター/エディター-の記事
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ガーデン&ショップ
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪15 宮城「スワローテイルガーデン」
閑静な住宅街の中で 牧歌的な風を感じさせるショップ 仙台市郊外の閑静な住宅地の中にあるスワローテイルガーデン。店先の小さな庭に設けられたはちみつ色の石積みが、異国情緒を放っています。この石積みは、オーナーである小野雄大さんがイギリスの石を英国式の工法で積んだ壁、ドライウォール。ほんの数メートルの壁ですが、コッツウォルズの風景を感じさせています。 石積み+ナチュラルな草花の 素朴な演出にほっこり 石積みには、野に生えているような楚々とした草花が寄り添い、牧歌的な風景が演出されています。この本場さながらの石積みは、セメントを使わずに石を載せるだけという英国式工法で、熟練の技術と勘が必要。国内で最初に英国に渡って資格を取得した神谷造園(愛知県岡崎市)の神谷さんに学びながら、さらに本場でも研鑽を積み、技術を習得しました。現在国内でたった3人しか認定されていない難易度「レベル3」を保持しており、常に次なる高みを目指して技術を磨いています。 ふんわりとした姿の草花を合わせて、石積みの重い印象を軽減。 庭の雰囲気を盛り上げる 数々のオーナメントも必見 小さなガーデンの雰囲気を盛り立てているのは、イギリスから仕入れた、重厚感のあるオーナメントやコンテナ類。大小さまざまのアイテムが見事に石積みと響き合いながら、軽やかな植物とバランスよく調和しています。 植栽の中にひっそりと配したバードバスとカエルのオーナメント。全形を見せないのが自然な庭を造るポイント。自然体な庭づくりからは、小野さんの人柄や植物との向き合い方が感じられます。 子どもの頃から親しんだ風景が 現在つくり出す風景につながる 子どもの頃、庭に咲いた花を部屋に飾るのが大好きだったという小野さん。母方の実家は田畑に囲まれた茅葺きの古民家で、そんな風景に親しみながら育ちました。その頃の記憶が、現在抱く心の原風景になっていると言います。 「園芸というより植物全般やそれを取り巻く環境に興味がありましたね」。子どもの頃から抱いていた「植物や園芸のことをもっと知りたい」という思いに押され、高校卒業後は、タイやマレーシアの農場を一年ほどかけて見て回り、帰国後は園芸の学校に入学。園芸学校では室内装飾・インドアグリーンを専攻していました。けれど、それだけでは飽き足らず、専攻以外にも面白そうなことは何でも参加し、学校が長期休みに入ると、校内の圃場やハウスで栽培の管理を自主的に行ったり、造園の講習にも頻繁に出席。さらに、都内のインテリアショップやアンティークショップも、時間をつくっては見に行くという生活で、あらゆる感性に磨きをかけていきました。 園芸の学校を卒業した後は、通訳をしていた祖父の影響もあってニュージーランドに渡航した小野さん。ニュージーランドでは、古いモノや拾ってきたモノをさりげなく取り込んだり、自然な植栽を楽しんでいる人が多く、日本のガーデニングとは異なる‘無作為な庭づくり’に感動を受けました。毎日新たな刺激を受けるにつれ、「日本の庭園についてもきちんと学ぶ必要があるのでは?」と感じ始め、帰国後すぐに、鎌倉の造園会社に入社しました。 何世代にもわたって受け継いだものを大事にしながら、自身の趣味を反映させている家が多い鎌倉。土地柄、借景を生かした庭も多かったため、自然に見せる手法や剪定の技術を学びました。学校だけでなく、ニュージーランドや鎌倉で、あらゆることを吸収していったのです。 英国の香りが満ちあふれる 居心地のよい建物内 東日本大震災をきっかけに、奥様の明日香さんと仙台に戻り、以前から考えていた園芸店を自宅でスタートさせた小野さん。住まい兼を兼ねたショップは、イギリスにあるような小さな家がコンセプトです。壁はコッツウォルズのハニーストーンに似た色を選び、屋根の傾斜は現地の角度を参考に。緑の木のドアを開けると、イギリスの香りがさらに強く味わえる世界へ突入です。 室内はイギリスで買い付けてきたというツールや雑貨でいっぱい。暖炉のあるリビングのような空間は、誰かの住まいを訪れたような落ち着いた時間が流れています。 小野さんはイギリスに行くたびに、あちこちのディスプレイをチェック。特に、コッツウォルズのテットベリーという小さな村にある何軒かのアンティークショップがお気に入り。「ショップ巡りはとても刺激になりますよ。この村はリッチなエリアなので、置いてあるものがみんな素敵なんです」。 父方も母方も、祖父が通訳だったことから、幼い頃から海外の人や物に親しんでいた小野さん。「イギリスのトラッドなファッションが昔から好きですね。あまり時代に流されずに、カッチリしたところが好きなんです」。そんな伝統を重んじるイギリス人は、おとぎ話や愛らしい動物が大好き。このショップでは、そんな文化も感じることができるアイテムがいっぱいです。 スワローテイルガーデンの ディスプレイあれこれ 季節ごとにチェンジするスワローテイルガーデンのディスプレイ。イギリスのウインドーディスプレイの雰囲気を意識して飾り付けをしています。その素敵の秘密をご紹介。ぜひ、ベランダのコーナーやもてなしのシーンづくりの参考にしてください。 【ガーデンアイテムは、明るく清潔感が漂うように】 ガーデンツールや雑貨も泥臭い印象にならないように、清潔感を大切に一般的な雑貨と同じ感覚で飾ります。春や夏など開放的な気分になる季節は、明るいカラーにまとめて楽し気に演出しましょう。 【チェアも什器に活用】 テーブルセットの一つであるチェアも立派な什器に。何を置いてもしっくりなじみ、ぬくもりのあるシーンが演出できます。居心地のよい空間づくりにぴったり。 【ドライフラワーもマストアイテム】 なんだか物足りない──そんな場所にはドライフラワーを添えてみましょう。ニュアンスのある色味のものを選べば、落ち着いたシーンを描けます。ほんの少し添えるだけで、絵になるシーンに。 【冬ごもりの時季は、あたたかみを添えて】 寒い時期は外の風景を取り入れながら、心もあたたまるシーンを演出します。野山に行けばいくらでもある枯れ枝は、ディスプレイで活躍する重要アイテムです。花瓶などに数本挿して、動物のオーナメントを添えれば、ォーカルポイントに。この年のクリスマスは、あたたかみのある上品なブラウンでまとめました。「冬の時期のピーターシャムナーセリのようなキラキラ感を取り入れています」。 キッチンツールで アットホームな楽しさを おたまや木べら、キャニスターなどのキッチンツールは、空間に安心感やぬくもりを感じさせるのにぴったりのアイテム。クロスやお菓子などを合わせて、楽しく演出しましょう。 テーブルコーディネートは つややかさと透明感が肝要 大切な人をおもてなしする日は、テーブルセッティングに特に力を入れたいもの。上品にまとめるためには、次の3つが大切です。①色を揃えて少なくとどめること。②ガラスも使って透明感を出すこと。④植物をほどよい分量でさりげなく添えること。 こだわりのスイーツ&ティーも並ぶ 夢のような空間 ショップ内には、「秘密の庭の小さな焼き菓子店」と名付けられた小さなスイーツ&紅茶コーナーがあります。スイーツは、近所で小野さんの母が営むレストラン、「Salon de Cafe MANNE (サロンド カフェ マンナ)」のもの。こだわりの材料で作られたタルトやシフォンケーキ、クッキーが並びます。そして10種類以上ある紅茶は、ドイツのロンネフェルト社のもの。香り高く深い味わいが、優雅なティータイムを演出してくれます。 小野さんのイチオシアイテム 「コッツウォルドストーン」 イギリスのカントリーサイドでよく見られる石積み。庭や牧場の仕切りとしてだけでなく、橋や川岸、建物の塀にも用いられています。イギリスでは景観条例が厳しいので、自然に溶け込むこの石積みが最適なのです。 小野さんは庭の施工も手掛けているので、現在日本各地で石積みをしています。地場産の石を使うこともありますが、雰囲気を出したいエントランスなどには、やはりコッツウォルドストーンがおすすめです。 イギリス人がこよなく愛する草花、お菓子、紅茶、おとぎの世界。それらすべてを取り込んで、トータルでガーデンライフを提案しているスワローテイルガーデン。イギリスのエッセンスがぎっしりと詰まった空間は、しばしの間旅行気分にさせてくれる本格的な演出です。ぜひ訪れてください。アクセスは、仙台市地下鉄南北線泉中央駅よりバスで約15分。 【GARDEN DATA】 スワローテイル ガーデン 宮城県仙台市泉区将監12-11-9-2 TEL: 022-725-6998 https://www.facebook.com/Swallowtail-garden-1426701067608819/ 営業時間:11:00~18:00(冬季は17:00ごろ閉店) 休日:日曜日、月曜日
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暮らし
グリーンコーディネーターに教わる! インテリアを観葉植物と雑貨でおしゃれに飾るコツ
インドアグリーンで自宅はどこよりも心地よい空間に 多忙な毎日を送るRIKAさん。自宅にいる時間を日々大切に暮らしています。出かけないときのほとんどはLDKで過ごしているため、インテリアはナチュラルなカフェ風スタイルに設えて、心地よい空間づくりを心がけています。 壁は漆喰をDIYで塗装。家具はウッディなものを中心に、ライトやシェルフなどにはアイアンやスチール製のものをセレクトしています。ブラウンと白を基調にした落ち着きのある色でまとめられた空間に、動きとつややかさをもたらしているのがインドアグリーン。大好きな雑貨とグリーンをポイントに配しながら、瑞々しい癒しの時間を演出しています。コーナーのグリーンはヒメモンステラ。 インテリア空間はスッキリとまとめて瑞々しさと清潔感をアップ 「インテリア空間をデザインすることは、用いる植物は違えども、ガーデンをデザインすることと基本的には同じで、バランス感覚が重要」とRIKAさん。ただし、趣味の場であるガーデンとは異なり、室内は生活の場なので気を付けたい点がいくつかあります。RIKAさんが最も重要視していることは、‘スッキリとさせて清潔感を持たせること’。雑貨や植物を楽しく盛り込むベランダとは異なり、室内では、ほっとひと息つける心地よさを追求しています。 限られたスペースに、さまざまな植物を絶妙なバランスでレイアウトしたベランダガーデン。ジャンクなアイテムで無造作感を出し、楽しげな雰囲気を演出。 ベランダ、インドアどちらもグリーンが引き立つよう、極力にぎやかな色のものは使わないことが鉄則。ベランダではビビッドなカラーをアクセントとして少量使っています。 大きさの異なるグリーンを計画的にバランスよくレイアウトする インテリアでも、フォーカルポイントとなるような大きめのグリーンを1点置くようにしています。庭でいうシンボルツリーのような存在になるものです。シンボリックなグリーンを置いたら、これを軸にしてグリーンをバランスよく配していきます。フィカス・ウンベラータの葉は大きめですが、葉色が明るく光も通すので、圧迫感がなく、インドアプランツのシンボルツリーにぴったりのグリーンです。 鉢を置くことができないスペースには、ワイヤーやマクラメを使ってハンギングを。ベランダ側の壁を有効に使い、一幅の絵画のようなシーンを楽しんでいます。吊ったグリーンは、ディスキディア・フォルモサナと斑入りのポトス。棚の上にあるグレーの鉢にはリプサリスを。 チェストの上は、雑貨とグリーンを飾る場に。壁にかけたシダの絵を中心にして、カシワバゴムノキ、セローム、シェフレラなどの鉢を雑貨と並べました。小さいものはボックスや古材を台にして高低差をつけ、美しいバランスを取っています。 リプサリスやサンセベリアなど、多肉植物をまとめたコーナー。枝を伸ばすミルクブッシュやチランジアは、スタンドを使ったり縦長の器に入れたりして、それぞれの個性を際立たせています。 ダイニングとキッチンの境目となるアイランド型キッチン台のコーナーに、やや大きめなグリーン・ヒメモンステラをレイアウト。キッチンとダイニングの空間をやんわりと仕切る役目を担っています。 テーブルやキッチン台の上には、コンパクトなグリーンを飾っています。ここは特に清潔感を維持したい場所なので、鉢皿とセットになった鉢に人工用土(セラミス)を使用することも。 水をやる時は、洗面所やキッチンのシンクに持って行き、鉢底の穴から流れ出るほどたっぷりと。その後、しっかり水が切れてから鉢皿に戻しています。 雰囲気の異なるグリーンも使ってインテリアの表情をより豊かに 室内外で共通するイメージは、‘ナチュラル’。しかし、やわらかいナチュラル一辺倒ではなく、ポイントで野生味のある力強いグリーンを加えて雰囲気に変化をつけ、空間の表情に奥深さを与えています。 小鉢を並べたチェストの前には、ダイナミックに茎を伸ばすリュウビンタイを。ブリキのバケツに入れてワイルドさを強調。 照明のレールを活用し、流木につけたビカクシダをハンギング。ネジを取り付けた流木2カ所にワイヤーを巻き付けて輪を作り、そこにS字フックを引っかけて吊り下げました。取り外しが簡単なので手入れも楽で、時々お風呂場に持って行き、葉や根元にシャワーでたっぷり水をかけてメンテナンスをしています。 雑貨と合わせても、スッキリ感は忘れずに 雑貨が大好きなRIKAさんは、グリーンと合わせて、美しくも楽しいLDKを演出しています。「空間をより魅力的に見せるには、すべてが調和していることです」。自己主張の強い派手なモノは避け、こまごましくならないように気を付けています。では、それぞれのコーナーに使われているインドアグリーンと、その魅力をご紹介しましょう。 シェフレラなどコンパクトなグリーンと、スクエアの雑貨類をリズミカルにレイアウト。アルファベットのオーナメントをアクセントにして遊び心を。 白い産毛をまとったユニークなブレインカクタス。ブック形のボックスの上に置いて、控えめな愛らしさをぐっと引き立てています。 ベランダでも活躍しているキャベツボックスは、インドアグリーンを飾るのにもピッタリ。濃緑葉のコーヒーノキと黒板を配して、ビターなコーナーを演出。 チランジアを鳥かご型ワイヤーバスケットに乗せたディスプレイ。洋書風のボックスをそばに置き、彩りを控えたシックなコーナー。 リプサリスやドルステニア・フォエチダの傍らに配したのは、タビビトノキの真っ青なタネ。2枚重ねた板を台にして糸巻きと飾り、立体感を出しながらクールなカラーにまとめています。 ドライフラワーも合わせてシーンに軽やかさをプラス 草花のドライなども、グリーンと一緒に飾るのがRIKAさん流。瑞々しい植物とは相反する乾いたアイテムですが、緑や茶色などのナチュラルカラーならグリーンとの相性は抜群です。グリーンにはない軽やかさをもたらしてくれます。 ベランダで咲いたアジサイ‘アナベル’をドライフラワーにするために、枝にとめ付けてハンギング。 おしゃれな園芸店などで販売されているウラボシ科の植物、ドリナリア・クエルシフォリアの貯水葉。数枚を束ねただけですが、サンセベリアを飾ったメンズライクなコーナーで、おしゃれなオーナメントとして存在感を発揮しています。 お掃除をラクにしてくれるアイテムを積極的に使って サボテンなどのトゲがあって運びにくい植物や、こまごましいものをまとめた台は、掃除の度に動かすのは面倒なもの。そんなときは、キャスター付きの鉢カバーや木箱を使うと、移動がぐっとラクになります。 例えば、重量のあるハシラサボテンは、キャスター付き木製の鉢カバーに入れてディスプレイ。 セロームやコーヒーノキ、アイビーなどのこまごまとした小鉢は、キャスターの付いたキャベツボックスの上にまとめて飾り、塊で楽しむコーナーに。これらの商品はRIKAさんがアドバイザー&コーディネーターをしている「みどりの雑貨屋」で扱っています。 光の弱い場所にはフェイクグリーンを使う エアプランツなどのフェイク。 光が入らない場所や、高い位置で世話がしにくい場所にグリーンが欲しい場合は、フェイクを活用するのがオススメとRIKAさん。無理して植物を育てても、育てる側にも植物にもストレスがかかります。「フェイクだからと排するのではなく、その場所に似合うモノを選んで、自由に飾って楽しんでいます。エアコンのホースなどの目隠しにも活躍してくれますよ」。明るい場所でグリーンと組み合わせて飾っても◎。フレキシブルに使って楽しみの幅を広げましょう。 パーセノシッサスシュガーバインのフェイク。 アジアンタムのフェイク。 シルバーリーフのフェイク。 照明レールにはしごを吊るし、グリーンのフェイクをたっぷり飾ってアレンジ。 エアプランツのフェイクも充実。異なる高さ、フォルムのものを合わせた、絶妙なバランスのコーデイネート。シックな色味の中、赤いローズヒップがアクセントカラーに。 ベランダのオリーブを室内に取り込んで楽しむ この年は鉢を麻布でカバーして、ぬくもりのあるディスプレイに。 毎年クリスマスが近くなると、ベランダで育てているオリーブをリビングに取り込み、オーナメントを飾り付けて楽しんでいます。オリーブは丈夫ですが、空調の風が当たらないような場所に置きましょう。 手入れのポイントは「自然に近い状態にすること」 RIKAさんが心がけていること。それは、異なる植生の植物を一緒に育てていながらも、それぞれが好む状態=自然界に近い環境を作ることです。室内だと、つい水をやりすぎてしまいがちですが、乾湿のメリハリをつけてやるようにしています。また、植物はエアコンなどの人工的な風を嫌うので、直接当たらないように心がけています。 葉水も病気予防に有効で、葉に元気がなくなってきたら、お風呂場で葉をしっかり濡らすようにしています。そうすると、たちまち元気を取り戻すのだそうです。また、施肥には液体肥料「ペンタガーデンValue」を愛用。この肥料には、植物の光合成を活性化させるALAが入っているので、暑さ寒さ、日照不足などによる体力低下で元気がなくなったときに効果があります。 ベランダガーデンから、植物の癒しを実感したRIKAさん。インドアグリーンを暮らしに取り入れたことで、生活空間全体に癒しがもたらされました。観葉植物は、成長が速く成果がすぐに現れる喜びがあり、雑貨類とも相性がよいので組み合わせる楽しさがあります。そんな楽しさいっぱいのインドアグリーンライフが、RIKAさんのグリーンコーディネーター人生に深みを与えてくれています。 併せて読みたい
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ベランダガーデニング
ベランダガーデンを植物と雑貨でおしゃれに飾る「素敵なコーディネートとは?」
念願のベランダガーデンづくりに長年かけて磨いたセンスを注ぎ込んで 11年ほど前からベランダガーデンを始めたRIKAさん。以前から植物に囲まれた生活に憧れてはいたものの、転勤が多かったため、ベランダに本格的なガーデンの作り込みをすることはできませんでした。そして今のマンションに定住したのをきっかけに、念願のベランダガーデニングライフがスタート。それまであたためていたアイデアや育ててみたかった植物を盛り込み、ベランダとは思えない緑あふれる空間に仕上げました。 それほど大きくない鉢植えで構成しているのに、こんなにも瑞々しい空間が完成。 空間づくりのキーワードは「植物×古びたモノ」 かつて訪れたインテリアショップ『THE GLOBE』(東京都・世田谷区)の一角に設けられたジャンクな庭に、大きな衝撃を受けたというRIKAさん。その庭の制作者はガーデンスタイリスト・川本諭さんでした。「植物×古びた道具」で見せるジャンクで独特な空間づくりは、それまでにはないガーデンの世界。その味わいのあるカッコよさに魅了され、川本さんが植栽を手掛けたカフェ『CHUM APARTMENT』(東京都・目黒区)にも訪れました。そこでも「植物×古びたモノ」でカッコよく演出された「計算された無造作感が生み出す美」に感銘。この2つのガーデンとの出合いが、今のRIKAさんの空間づくりに対する考え方の基礎を形づくったのでした。その後、そういった視点で洋書などを眺めながらセンスアップを図り、現在のようなベランダが生まれました。 お気に入りの植物や雑貨をかわいらしく見せる6つのポイント 美しく、心地よい空間が広がるRIKAさんのベランダガーデン。さまざまな創意工夫が集まり、この庭ができています。なかでも特に意識していることが「力みを感じさせずに、無造作に見せる」こと。川本諭さんが手掛けた庭で刺激を受けて以来、RIKAさんのベースになっているセオリーです。また、生活感を出さないことも大きなポイントです。それでは、それらを含めた6つのポイントにクローズアップしてみましょう。 Point1〔高低差をつくり、メリハリをつける〕 キャベツボックスを重ねて、空間を有効利用。背景にしつらえた白いフェンスにも、グリーンや雑貨をバランスよく配しています。 ポイント2〔前後に重ねて奥行きを出す〕 アイテムを前後に重ねることで、シーンを重層的に見せています。奥に配した木の車輪は、厚みがないのでオススメ。 ポイント3〔向きにばらつきを持たせて置く〕 それぞれのラインを揃えて整然と飾るのではなく、角度を振るようにしてあしらうことで、シーンに動きが加わっています。雑然とした印象を与えない絶妙なバランスも見事。 台として使ったキャベツボックスに対し、プレートの向きをずらして配し、小さな鉢の愛らしさを引き立てる舞台に。 ポイント4〔無造作感を出す〕 小さな鉢を重ねて転がしラフに飾ることで、シーンに遊び心がプラス。古びたアイテムは、特にこういった無造作なスタイルがよく似合います。荒れた印象にならないように乱用は避けて。 ポイント5〔人の気配を感じさせる〕 ホウキやジョウロ、スコップなどのガーデン道具は完全に見えない場所に収納するのではなく、庭を飾るアイテムの一つとして活用しています。そうすることで人の気配を感じさせることができ、空間にあたたかみや安心感を生まれます。 ポイント6〔ポイントで差し色を入れる〕 全体的に自己主張が強くない素朴な色や素材を選んでいますが、ぼんやりした雰囲気にならないように、アクセントカラーになるものをポイントでプラス。赤いスコップが、緑の中でキリリと効いています。 限られたスペースで、大好きなグリーンと雑貨を巧みに使いながら、居心地のよいベランダガーデンを演出しているRIKAさん。力みを感じさせないナチュラルな空間ですが、それは細やかな計算によって生み出されたものです。ぜひ参考にしてみてください。次回は、‘難を転じて福となす’技をご紹介します。 併せて読みた
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園芸店
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪5 兵庫「みどりの雑貨屋」
雑貨好きにはたまらないショップ「みどりの雑貨屋」 生活提案型の大型ショッピングモール・西宮ガーデンズ内にある「みどりの雑貨屋」。このショップではモールのコンセプトにふさわしく、グリーンと雑貨でつくる潤いある生活を提案しています。商品はマニアックというよりも、「ガーデニングの初心者も手軽に始めてもらいたい」という思いでスタッフが選んだものばかり。‘育てやすいグリーン×雑貨’に特化した、ありそうでなかなかないショップです。 ‘かわいい’がぎっしり詰まった宝箱のようなショップ ショップに一歩足を踏み入れると、たくさんのグリーンと愛らしい雑貨の森に入り込んだような、ファンタジーな世界にワープした感覚を覚える「みどりの雑貨屋」。100㎡ほどの空間には細い通路がめぐらされ、小さいながらもさまざまなシーンに出合えます。商品数はとても多いのですが、センス良く整然と並べられているので、気持ちよく売り場を見て回れます。 グリーンはすべて、鉢や雑貨と一緒に並べられています。コーディネートに不慣れなビギナーでもイメージしやすいよう、こまやかな提案がなされています。 ショップの中央に設けられたパーゴラが、売り場のシーンの切り替えに大活躍。いろいろなものを置いたり吊ったりと、楽しく飾った見どころの多い空間です。 マクラメやワイヤーバスケットなど、ハンギングアイテムもたくさん。 愛らしい寄せ植えも参考にしたいものの一つ。ベランダガーデンにオススメのオリーブの木も、実付きを考えて2品種以上選べるよう、いろいろな品種が用意されています。 悪条件の場所にオススメのフェイクのグリーンも充実 店内にはたくさんのグリーンがありますが、販売の回転が速いこともあり、どれも瑞々しい状態を維持。スタッフ全員で万全な管理を行っています。しかし、「玄関やトイレなど光が入らない空間にもグリーンを飾りたい」という声が多く寄せられたことから、フェイクのグリーンも多数扱っています。 「最近のフェイクはとてもよくできているので、植物と同じぐらい瑞々しさを感じさせてくれます。特に室内や、日当たりや風通しの悪いスペースなどにオススメですね」と、ショップのコーディネーターであるRIKAさん。悪条件になる場所では、こういったもので対応すればストレスなく過ごせますね。 室内での管理が難しい多肉植物。うまくいかない時は、本物のように瑞々しいフェイクを使ってみませんか? アートフラワーも充実。上品な色合わせで、アンティーク調の雑貨と親和性が抜群。ブーケ状になっているので、おもてなし時のコーナーづくりにぴったりです。 コンテナも什器も要チェック売り場にあるものすべてが商品 おしゃれなコンテナも充実。大きさ・色・形などバリエーション豊かに並びます。いずれもグリーンや雑貨に合わせやすいデザインのものが選ばれているので、ビギナーさんでも考え込まずに購入することができます。 大きなコンテナは土が入るとずっしりと重くなってしまうので、女性でも扱いやすい軽い素材のものも取り扱っています。色は植物や雑貨となじみやすいアイボリーやグレーのものが中心。使う側の目線に合わせた商品選びが感じられます。 また、コンテナを飾っている什器も販売されており、商品の雰囲気を引き立てるように黒や木製のもので統一されています。「ナチュラルなものやメンズライクなテイストは、グリーンが美しく映えるし、雑貨とも合わせやすいんです」とRIKAさん。 キャベツボックスは、オランダの農家で使われていたものを忠実に再現した、ショップのオリジナル商品。細部までこだわり、材を釘だけでなくカスガイでもとめて、底面をメッシュにした本格的な仕上がり。強度も抜群です。 おしゃれなコーナーづくりに欠かせないアイテムも 植栽に忍ばせたり、コンテナに添えたりと、シーンの雰囲気を高めてくれるアイテムもバラエティー豊富に揃っています。たくさんある中から、お気に入りの一点を探すのも楽しい時間です。 洋書の世界のようなお手本にしたいディスプレイ 小さなスペースを巧みに生かし、さまざまなテイストで提案している見ごたえのある‘グリーン×雑貨’の楽しみ方。ディスプレイは月に2~3回と頻繁に変えているので、行くたびに新たなシーンが楽しめます。眺めているだけでもセンスアップにつながること請け合い。 緑色の花瓶とボタニカルアート、ボックスなどを盛り込んだ、つややかなコーナー。 異なるテイストのコーナーが、スムーズに、そして自然に移り変わる見事なディスプレイ。小さなスペースでいろいろ楽しみたい人に、とても参考になる技です。 ガラスのケースに並ぶ、乙女チックな趣のアイテム。やさしい花色のバラと一緒に飾っても素敵。 クラフトのリースも大人気。リースひとつでシーンの雰囲気がガラリと変わるので、ぜひ季節ごとに替えてみて。 RIKAさんイチオシのグッズはコレ!ウッディボックスキャリー みどりの雑貨屋がオススメするのは、「グリーンを部屋に飾る時は鉢カバーにもこだわってほしい」という思いで作ったオリジナルの木製カバー。色は落ち着いたブラウンで、空間のスタイルやテイストを問わずに使えます。作りはキャベツボックスと同様で非常に丈夫。底部にキャスターをつけることができるのも、オススメポイントの一つです。 サイズはLとSの2つ。8号サイズが入るL(W29.5 × D29.5 × H31 cm)と、6号サイズが入るS (W23 × D23.5 × H24.5 cm)。 グリーンと雑貨で見せる‘かわいい’空間づくりにこだわった「みどりの雑貨屋」。‘おもちゃ箱をひっくり返したよう’をイメージして展開された店内には、植物から広がる楽しさのアイデアがたっぷり詰まっています。ぜひ、お気に入りのアイテムを見つけに訪れてみてください。アクセスは、阪急電鉄神戸線「西宮北口駅」から直結する阪急西宮ガーデンズ内。 【GARDEN DATA】 みどりの雑貨屋 所在地: 兵庫県西宮市高松町14-2 阪急西宮ガーデンズ 1階 東モールTEL: 0798-65-4187URL: http://midorinozakkaya.com/ 営業時間:10:00~21:00定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪1 岩手・雫石「花工房らら倶楽部」・ガーデンデザイナーが教える「寄せ植え上手」のコツ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア