いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
井上園子 -ライター/エディター-
いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
井上園子 -ライター/エディター-の記事
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ガーデン&ショップ

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪21 京都「cotoha」
京都の路地裏にある 隠れ家的存在の観葉植物専門店 専門コーヒーの香りと独特な雰囲気が漂う袋小路。インドアグリーンをメインに扱う植物の専門店「cotoha」はその一角、ツタに覆われた古びた建物の2階にあります。1階はカフェと雑貨店で、ゆっくり楽しめるショップが集まっています。 期待に胸を膨らませ急勾配の木の階段を上ると、まるで植物園の温室のような瑞々しい空間が。想像以上のグリーンの量に圧倒されます。 のびのびと枝葉を広げる観葉植物はみな、オーナーの谷奥俊男さんが自ら沖縄や鹿児島の生産農家に赴いて選んできたもの。現地で生産者に会い、育った環境、樹形の魅力などを一株ずつ自身の目で確かめながら仕入れています。珍しい品種はもちろん、曲がりくねった自然樹形のものも積極的に仕入れているので、空間をデザインするのにぴったりのグリーンが揃っています。 京都らしいこの古い建物は、もとは燃料倉庫で、その後は写真のスタジオとして使われていたもの。当時の高い天井と、大きく取られた半円形の窓をそのまま生かした店内には、どこかクラシックな趣が漂っています。それぞれの時代の名残が、空間に深みを与えて。 アンティークアイテムと合わせて 植物の生命力が感じられる空間を提案 オープンして約6年の「cotoha」。それまでは西陣の実家の生花店で切り花の販売をしていた谷奥さん。「生きている植物をもののように扱い、売れ残ったら廃棄という流れに疑問を持ちながらやっていたんだよね」。そんな思いを抱えながら販売していた観葉植物を自宅で育ててみると、次第に成長するその姿に繊細さやたくましさ、おもしろみを感じ、愛おしく思うようになりました。そして「育てる植物を販売しよう」と方向性が明確に定まり、実家の生花店から独立して観葉植物の専門店「cotoha」をオープンさせたのです。 店内では観葉植物と併せてアンティークの家具や雑貨も販売。什器や飾りにも巧みに使い、空間に雰囲気と立体感をもたらしています。どこを切り取っても絵になるそのあしらいは、おしゃれ感度の高い人たちの間でもインテリアのお手本として話題です。 あちこちのガーデニングショーやイベントで空間提案をすることも多い「cotoha」。最近は、東京ドームで開かれた世界らん展に、「ランとグリーンのある暮らし」をアンティークのアイテムと併せて展示提案し、好評を博しました。店舗でもワークショップやセミナーを開催し、「植物があることの重要性と楽しさ」を常に発信しています。 店名の「cotoha」は「古と葉」という意味。「古いものと植物で、暮らしに潤いを」という思いが込められています。 充実した植物ライフのために アフターフォローに注力 こんなにも多くの人に支持されている「cotoha」ですが、最初の年は失敗も多く、お客様に教えていただくことも多かったと谷奥さん。「実践することが何よりですね。自信を持って説明して販売できるよう、必死に研究しました」と振り返ります。その真摯な姿勢とインテリアセンスが評判を呼び、話題の人気店に成長しました。 お店が軌道に乗り3年ほど経った頃、新規の客数の伸びに対して、リピーターが減っていることに気づきました。その原因を探るべくいろいろリサーチしたところ、「購入後しばらくすると枯れてしまった。我が家には無理」という声が多く、さらにその枯れた原因を確認してみると「部屋は常に締めきっている」「部屋に日が入らず暗い」といったパターンでした。多くの人が本来あるべき状況からは大きくかけ離れた環境で植物を育てていることを知った谷奥さん。「これでは店も園芸業界も衰退してしまう」と危機感を募らせ、販売時の説明に加え、購入後のフォローにも力を注ぐようになりました。 観葉植物を育てながらベストな生育環境を分析して、きちんとデータ化している谷奥さん。お客様が育てようとしている環境を聞いて、どういった種類が合い、どういう管理が必要かということを分かりやすく、的確にカウンセリングしています。最近評判なのが、LINEを使っての個別アドバイス。植物は育てる環境が変わると葉を落としたり元気がなくなったりしますが、それが生理的なものなのか、不調なのか、初心者には見極めが難しいもの。お客様が写真をLINEでお店に送ることで、原因や今の状況を判断してもらえます。「初期に判断ができれば、枯らすことはありません」と谷奥さん。細やかなフォローで、お客様のストレスが軽減し、ショップのリピート率アップにつがっています 「今の園芸店は、店頭でもお客様が購入した後も、‘育てる’でなく‘延命している’感じがします。仕入れたときが最高にいい状態というのでは、お客様にストレスを与えますし、結果園芸から離れてしまいます。だから、僕は植物を仕入れる際に、生育環境を目で確認してます。そしてこの空間に徐々に慣らし、お客様にお届けた後もフォローすることを心掛けています。それは、この店の客数を増やすということだけでなく、園芸離れに歯止めをかけることにつながり、結果、園芸界に活気が戻ると思うからです」 最近では、ハウスメーカーやインテリアコーディネーターから講習会を頼まれることもしばしば。大学の教授と観葉植物がもたらす効果や最適な土などの研究を重ね、オリジナルの用土も開発・販売をしています。 谷奥さんのイチオシアイテム 「cotoha」のオリジナル用土・セラミックソイル 「cotoha」では、オリジナルの用土を開発・販売しています。室内で育てる観葉植物は、特に保水性、排水性が高く衛生的であることが重要。「cotoha」のオリジナル用土は、セラミックで作り、これらをクリアした安心の室内用用土です。最近は、個人や店舗のインテリア用としてだけでなく、病院での採用も増え、多方面からの信頼を得ているとか。 この用土は、一般的な鉢植えはもちろん、テラリウムなどにもおすすめです。乾燥してくると白く、湿っている状態だと茶色くなるので、水やりの目安が分かりやすいのもポイント。肥料は液肥を施してください。 落ち着いた路地裏で、京都を満喫しながら観葉植物を選べるショップ「cotoha」。植物の楽しみ方のみならず、ベストな栽培法や植物が人にもたらす効果、お客様へのサポートなど、とことん追求し、形にしている谷奥さんの熱意が満ちたショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、JR二条駅より徒歩約5分、地下鉄東西線二条城前駅より徒歩約7分。 【GARDEN DATA】 cotoha 京都府京都市中京区西ノ京職司町67-38 TEL:075-802-9108 営業時間:11:00~18:00 定休日:水曜日 http://www.cotoha.me Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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ガーデン&ショップ

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪17 三重「こるれおーね」
西欧の片田舎にワープ感覚の 予約制のショップ 葉擦れの音が心地よい雑木の間に見え隠れする建物。西欧の童話に出てくるような風景です。ここは、庭づくりと資材販売業を営む竹内弘法さんのアトリエ兼店舗「こるれおーね」。普段は工事に出てしまっていることも多いため、予約制のショップとなっています。 まず出合うのは、フランス瓦を載せた建物に囲まれた小さな緑の空間。右側は、竹内さんが建てたアンティーク雑貨を販売するコーナーで、正面と左側は、かつての母屋の外装に手を加えたもの。ふんだんに使われた石の構造物や無造作に置かれた古道具と相まって、映画のセットのような風景となっています。 まるで西欧の古い農家を移築したかのような建物ですが、一般的な古い家屋(母屋)の外壁に石を張り付け、ニッチを設けたり、鎧戸風なあしらいを施したりと、竹内さんが渡欧時に目にした魅力的なシーンが、さまざまな形で再現されています。空間づくりの基本的なイメージは、イギリスやフランスの片田舎の風景です。 たくさんの雑木が植わる小さな空間では、素焼き鉢に植えたリーフ類を古びたテーブルやスタンドに添えるようにディスプレイ。絶妙なバランスで、さりげなくコーディネートがなされています。 ほんのり暗い建物内には、イギリスやフランスで買いつけた古道具を陳列。ビターなシーンづくりに活躍しそうなラインナップ。 地元のものを生かした 庭づくりを提案 店頭で資材販売を行っていますが、竹内さんの仕事のメインとなるのは、「庭づくり」。西欧の風景を意識しながらも、「地元の環境に合わせた庭づくり」を提案しています。 この周辺は、クヌギ、コナラ、ウバメガシなどが自生する自然豊かな場所。これらの環境を破壊して新たな住空間をつくるのではなく、共存していく方法を絶えず考えながら、お客様の希望を形にしています。 庭づくりの参考として、自宅・アトリエの前にサンプルガーデンを設けています。ここでは元から植わる雑木をうまく活用し、自然体なガーデンを提案しています。 雑木を活用する上で重要なのは、樹形や葉の形が醸す雰囲気で植栽場所を決めるだけではなく、木の性質・特性を踏まえた「機能性」も考えてレイアウトすること。例えば、西日が強かったり風が強く吹いたりする方角には、クヌギ、コナラなどしっかりガードしてくれる丈夫な雑木を植栽して日差しや風当たりを緩和。逆に、庭の中心や住居の前などには、ヤマモミジやアオダモなどのスラリとした繊細な木で、日当たりを確保しながら心和ませる効果を持たせるなど、雑木の利点をうまく活用しながら、レイアウトしています。 抜群のセンスを持ちながら、何でもこなしてしまう器用な竹内さん。「こるれおーね」を開業する前には、一般の会社で事務作業をしたり、造園会社で公園施工に携わったりする、サラリーマンの時代がありました。しかし、「もっと自身の感性に近い世界」に近づくために退職し、以前から興味があったイギリスの庭づくりを学びに渡英。日本でイングリッシュガーデンがもてはやされる少し前の頃でしたが、洋書などで見た「石を使った庭づくり」に、強く興味をそそられたのです。 イギリスの造園会社に飛び込んで石積みなどの修業を重ねた後、フランスにも数回渡り、見聞を広めた竹内さん。フランスで見た「無造作で愛らしさを感じる素朴な庭」に心動かされ、戦利品を持ち帰るような気分で帰国しました。 早速、イギリスやフランスから石材や古道具などを仕入れ、自宅の敷地で庭づくりをスタート。まずは、古い母屋を改装して小屋をつくり、徹底してフランスらしさを演出しました。「その当時、フランスのナチュラルな雰囲気が時代にフィットしたんですよね。今考えると、あの頃は海外にばかり目を向けていたな」と、竹内さんは振り返ります。 庭づくりが軌道に乗ってくると、地元の良さを再認識する余裕が生まれ、地産の石や樹木の活用を考え始めました。このあたりの黄色みを帯びた石は、イギリスやフランスの石と馴染みがよいので、竹内さんは部分的に混在させて使用。さらに、植物もこのあたりに自生するウバメガシなどの雑木を使用することで、鳥や虫がたくさん棲息するようになるそう。「土づくりも地元の土をよく研究して行っています。植物も、ここの風土に合った地元のものを選ぶことで、無理のない庭づくりが行えます。健やかな庭づくりが、健やかな暮らしにつながっていくよね」と竹内さん。 古くからある知恵も取り込み、 住空間もデザイン 海外で得たノウハウを自宅の敷地全体に盛り込み、ヨーロッパテイストに仕上げて約23年経った2017年、煉瓦や石など、ヨーロッパのアンティーク資材を用いながら、木造りや土壁などによる日本的工法を取り入れ、新しい住居を敷地内に建て始めた竹内さん。仕事の合間を縫って、手間をかけながらじっくりと家づくりをしています。 着手して3年目のぬくもり感あふれるこの家には、こだわりの手法がいっぱい。「便利でなくてもいいんです。かつて大工だった親父が言っていた『家を建てることとは』のセオリーが、今自分が考える『自然に寄り添った健やかな住環境づくり』と共通していることを、ここ数年で感じ始めたんです。それをじっくり考え、実践、検証しているんです。もっと親父にいろいろなことを聞いておけばよかったな」。 杉皮を載せた軒(左)と薄い石を重ねて載せた屋根(右)。どちらも手間をかけて丁寧な作業を重ねただけあって、深い味わいを放っています。 「こるれおーね」の 雑貨あしらいのあれこれ イギリスやフランスで買い付けてきたアイテムが、ガーデンのあちこちに点在する「こるれおーね」。竹内さんの片田舎の風景づくりの素敵の秘密をご紹介。ぜひシーンづくりの参考にしてください。 【建物の入り口脇には、どっしりとあしらう】 入り口に細々しいものが転がっていると、来た人に不安定さを感じさせてしまうので、ボリュームを持たせてあしらいます。 【きれいに並べすぎない】 アイテムを重ねて飾る時は、向き=振りを少し変えておくことで、軽やかさと動きが生まれます。 【時間を感じさせる】 放置して植物を絡ませたり、「作業の途中」という雰囲気を出したり…。‘時間’を感じさせることで、シーンに深みがぐっと増します。 【ちょっと寂しい場所には、ハンギングを】 なんだか物足りないけど、日陰だし…。そんな場所では、やはり雑貨が活躍。あまりあれこれ使わず、2~3点を組み合わせて飾るといいでしょう。 【さっぱりさせたい場所は、白でまとめる】 ボリュームを持たせたいけれど、さっぱりと飾りたい場所には、色がケンカしない白いアイテムがおすすめ。ここはホウロウでまとめたので、異素材の縄をかけて温かみをプラス。 「こるれおーね」竹内さんのイチオシアイテム 「車輪がついた雑貨」 いろいろなアイテムがありますが、ここぞという場所には、車輪の付いたアイテムがおすすめ。ボリュームのあるボディに車輪の細いラインが対比して、変化のあるシーンを生み出してくれます。また、車輪が動きも感じさせるので、シーンに軽やかさも加わります。 ヨーロッパのデザインや輸入したこだわりのアンティーク資材を取り入れながら、日本の知恵や技術を生かした庭や建物づくりを目指す「こるれおーね」。西洋と日本の異なる魅力を融合させながら、オリジナル性の高い世界を生み出しています。「本物を知り、今目の前にある自然と向き合ってこそ、よい仕事ができると考えています」と竹内さん。よいものを創るには労力を惜しまないその姿勢が評判を呼び、たくさんの人が志摩まで訪れています。不在のことも多いので、訪れる際は一度ご連絡を。アクセスは、志摩神明駅から徒歩約45分。伊勢自動車道 伊勢西ICから車で45分。 【GARDEN DATA】 こるれおーね 三重県志摩市阿児町立神3414-25 0599-45-4352 営業時間:10:00~18:00 定休日:月・火曜日(夏・冬休みあり) http://www.corleone.ecnet.jp/ https://www.corleone1995.com/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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ショップ

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪15 宮城「スワローテイルガーデン」
閑静な住宅街の中で 牧歌的な風を感じさせるショップ 仙台市郊外の閑静な住宅地の中にあるスワローテイルガーデン。店先の小さな庭に設けられたはちみつ色の石積みが、異国情緒を放っています。この石積みは、オーナーである小野雄大さんがイギリスの石を英国式の工法で積んだ壁、ドライウォール。ほんの数メートルの壁ですが、コッツウォルズの風景を感じさせています。 石積み+ナチュラルな草花の 素朴な演出にほっこり 石積みには、野に生えているような楚々とした草花が寄り添い、牧歌的な風景が演出されています。この本場さながらの石積みは、セメントを使わずに石を載せるだけという英国式工法で、熟練の技術と勘が必要。国内で最初に英国に渡って資格を取得した神谷造園(愛知県岡崎市)の神谷さんに学びながら、さらに本場でも研鑽を積み、技術を習得しました。現在国内でたった3人しか認定されていない難易度「レベル3」を保持しており、常に次なる高みを目指して技術を磨いています。 ふんわりとした姿の草花を合わせて、石積みの重い印象を軽減。 庭の雰囲気を盛り上げる 数々のオーナメントも必見 小さなガーデンの雰囲気を盛り立てているのは、イギリスから仕入れた、重厚感のあるオーナメントやコンテナ類。大小さまざまのアイテムが見事に石積みと響き合いながら、軽やかな植物とバランスよく調和しています。 植栽の中にひっそりと配したバードバスとカエルのオーナメント。全形を見せないのが自然な庭を造るポイント。自然体な庭づくりからは、小野さんの人柄や植物との向き合い方が感じられます。 子どもの頃から親しんだ風景が 現在つくり出す風景につながる 子どもの頃、庭に咲いた花を部屋に飾るのが大好きだったという小野さん。母方の実家は田畑に囲まれた茅葺きの古民家で、そんな風景に親しみながら育ちました。その頃の記憶が、現在抱く心の原風景になっていると言います。 「園芸というより植物全般やそれを取り巻く環境に興味がありましたね」。子どもの頃から抱いていた「植物や園芸のことをもっと知りたい」という思いに押され、高校卒業後は、タイやマレーシアの農場を一年ほどかけて見て回り、帰国後は園芸の学校に入学。園芸学校では室内装飾・インドアグリーンを専攻していました。けれど、それだけでは飽き足らず、専攻以外にも面白そうなことは何でも参加し、学校が長期休みに入ると、校内の圃場やハウスで栽培の管理を自主的に行ったり、造園の講習にも頻繁に出席。さらに、都内のインテリアショップやアンティークショップも、時間をつくっては見に行くという生活で、あらゆる感性に磨きをかけていきました。 園芸の学校を卒業した後は、通訳をしていた祖父の影響もあってニュージーランドに渡航した小野さん。ニュージーランドでは、古いモノや拾ってきたモノをさりげなく取り込んだり、自然な植栽を楽しんでいる人が多く、日本のガーデニングとは異なる‘無作為な庭づくり’に感動を受けました。毎日新たな刺激を受けるにつれ、「日本の庭園についてもきちんと学ぶ必要があるのでは?」と感じ始め、帰国後すぐに、鎌倉の造園会社に入社しました。 何世代にもわたって受け継いだものを大事にしながら、自身の趣味を反映させている家が多い鎌倉。土地柄、借景を生かした庭も多かったため、自然に見せる手法や剪定の技術を学びました。学校だけでなく、ニュージーランドや鎌倉で、あらゆることを吸収していったのです。 英国の香りが満ちあふれる 居心地のよい建物内 東日本大震災をきっかけに、奥様の明日香さんと仙台に戻り、以前から考えていた園芸店を自宅でスタートさせた小野さん。住まい兼を兼ねたショップは、イギリスにあるような小さな家がコンセプトです。壁はコッツウォルズのハニーストーンに似た色を選び、屋根の傾斜は現地の角度を参考に。緑の木のドアを開けると、イギリスの香りがさらに強く味わえる世界へ突入です。 室内はイギリスで買い付けてきたというツールや雑貨でいっぱい。暖炉のあるリビングのような空間は、誰かの住まいを訪れたような落ち着いた時間が流れています。 小野さんはイギリスに行くたびに、あちこちのディスプレイをチェック。特に、コッツウォルズのテットベリーという小さな村にある何軒かのアンティークショップがお気に入り。「ショップ巡りはとても刺激になりますよ。この村はリッチなエリアなので、置いてあるものがみんな素敵なんです」。 父方も母方も、祖父が通訳だったことから、幼い頃から海外の人や物に親しんでいた小野さん。「イギリスのトラッドなファッションが昔から好きですね。あまり時代に流されずに、カッチリしたところが好きなんです」。そんな伝統を重んじるイギリス人は、おとぎ話や愛らしい動物が大好き。このショップでは、そんな文化も感じることができるアイテムがいっぱいです。 スワローテイルガーデンの ディスプレイあれこれ 季節ごとにチェンジするスワローテイルガーデンのディスプレイ。イギリスのウインドーディスプレイの雰囲気を意識して飾り付けをしています。その素敵の秘密をご紹介。ぜひ、ベランダのコーナーやもてなしのシーンづくりの参考にしてください。 【ガーデンアイテムは、明るく清潔感が漂うように】 ガーデンツールや雑貨も泥臭い印象にならないように、清潔感を大切に一般的な雑貨と同じ感覚で飾ります。春や夏など開放的な気分になる季節は、明るいカラーにまとめて楽し気に演出しましょう。 【チェアも什器に活用】 テーブルセットの一つであるチェアも立派な什器に。何を置いてもしっくりなじみ、ぬくもりのあるシーンが演出できます。居心地のよい空間づくりにぴったり。 【ドライフラワーもマストアイテム】 なんだか物足りない──そんな場所にはドライフラワーを添えてみましょう。ニュアンスのある色味のものを選べば、落ち着いたシーンを描けます。ほんの少し添えるだけで、絵になるシーンに。 【冬ごもりの時季は、あたたかみを添えて】 寒い時期は外の風景を取り入れながら、心もあたたまるシーンを演出します。野山に行けばいくらでもある枯れ枝は、ディスプレイで活躍する重要アイテムです。花瓶などに数本挿して、動物のオーナメントを添えれば、ォーカルポイントに。この年のクリスマスは、あたたかみのある上品なブラウンでまとめました。「冬の時期のピーターシャムナーセリのようなキラキラ感を取り入れています」。 キッチンツールで アットホームな楽しさを おたまや木べら、キャニスターなどのキッチンツールは、空間に安心感やぬくもりを感じさせるのにぴったりのアイテム。クロスやお菓子などを合わせて、楽しく演出しましょう。 テーブルコーディネートは つややかさと透明感が肝要 大切な人をおもてなしする日は、テーブルセッティングに特に力を入れたいもの。上品にまとめるためには、次の3つが大切です。①色を揃えて少なくとどめること。②ガラスも使って透明感を出すこと。④植物をほどよい分量でさりげなく添えること。 こだわりのスイーツ&ティーも並ぶ 夢のような空間 ショップ内には、「秘密の庭の小さな焼き菓子店」と名付けられた小さなスイーツ&紅茶コーナーがあります。スイーツは、近所で小野さんの母が営むレストラン、「Salon de Cafe MANNE (サロンド カフェ マンナ)」のもの。こだわりの材料で作られたタルトやシフォンケーキ、クッキーが並びます。そして10種類以上ある紅茶は、ドイツのロンネフェルト社のもの。香り高く深い味わいが、優雅なティータイムを演出してくれます。 小野さんのイチオシアイテム 「コッツウォルドストーン」 イギリスのカントリーサイドでよく見られる石積み。庭や牧場の仕切りとしてだけでなく、橋や川岸、建物の塀にも用いられています。イギリスでは景観条例が厳しいので、自然に溶け込むこの石積みが最適なのです。 小野さんは庭の施工も手掛けているので、現在日本各地で石積みをしています。地場産の石を使うこともありますが、雰囲気を出したいエントランスなどには、やはりコッツウォルドストーンがおすすめです。 イギリス人がこよなく愛する草花、お菓子、紅茶、おとぎの世界。それらすべてを取り込んで、トータルでガーデンライフを提案しているスワローテイルガーデン。イギリスのエッセンスがぎっしりと詰まった空間は、しばしの間旅行気分にさせてくれる本格的な演出です。ぜひ訪れてください。アクセスは、仙台市地下鉄南北線泉中央駅よりバスで約15分。 【GARDEN DATA】 スワローテイル ガーデン 宮城県仙台市泉区将監12-11-9-2 TEL: 022-725-6998 https://www.facebook.com/Swallowtail-garden-1426701067608819/ 営業時間:11:00~18:00(冬季は17:00ごろ閉店) 休日:日曜日、月曜日
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暮らし

グリーンコーディネーターに教わる! インテリアを観葉植物と雑貨でおしゃれに飾るコツ
インドアグリーンで自宅はどこよりも心地よい空間に 多忙な毎日を送るRIKAさん。自宅にいる時間を日々大切に暮らしています。出かけないときのほとんどはLDKで過ごしているため、インテリアはナチュラルなカフェ風スタイルに設えて、心地よい空間づくりを心がけています。 壁は漆喰をDIYで塗装。家具はウッディなものを中心に、ライトやシェルフなどにはアイアンやスチール製のものをセレクトしています。ブラウンと白を基調にした落ち着きのある色でまとめられた空間に、動きとつややかさをもたらしているのがインドアグリーン。大好きな雑貨とグリーンをポイントに配しながら、瑞々しい癒しの時間を演出しています。コーナーのグリーンはヒメモンステラ。 インテリア空間はスッキリとまとめて瑞々しさと清潔感をアップ 「インテリア空間をデザインすることは、用いる植物は違えども、ガーデンをデザインすることと基本的には同じで、バランス感覚が重要」とRIKAさん。ただし、趣味の場であるガーデンとは異なり、室内は生活の場なので気を付けたい点がいくつかあります。RIKAさんが最も重要視していることは、‘スッキリとさせて清潔感を持たせること’。雑貨や植物を楽しく盛り込むベランダとは異なり、室内では、ほっとひと息つける心地よさを追求しています。 限られたスペースに、さまざまな植物を絶妙なバランスでレイアウトしたベランダガーデン。ジャンクなアイテムで無造作感を出し、楽しげな雰囲気を演出。 ベランダ、インドアどちらもグリーンが引き立つよう、極力にぎやかな色のものは使わないことが鉄則。ベランダではビビッドなカラーをアクセントとして少量使っています。 大きさの異なるグリーンを計画的にバランスよくレイアウトする インテリアでも、フォーカルポイントとなるような大きめのグリーンを1点置くようにしています。庭でいうシンボルツリーのような存在になるものです。シンボリックなグリーンを置いたら、これを軸にしてグリーンをバランスよく配していきます。フィカス・ウンベラータの葉は大きめですが、葉色が明るく光も通すので、圧迫感がなく、インドアプランツのシンボルツリーにぴったりのグリーンです。 鉢を置くことができないスペースには、ワイヤーやマクラメを使ってハンギングを。ベランダ側の壁を有効に使い、一幅の絵画のようなシーンを楽しんでいます。吊ったグリーンは、ディスキディア・フォルモサナと斑入りのポトス。棚の上にあるグレーの鉢にはリプサリスを。 チェストの上は、雑貨とグリーンを飾る場に。壁にかけたシダの絵を中心にして、カシワバゴムノキ、セローム、シェフレラなどの鉢を雑貨と並べました。小さいものはボックスや古材を台にして高低差をつけ、美しいバランスを取っています。 リプサリスやサンセベリアなど、多肉植物をまとめたコーナー。枝を伸ばすミルクブッシュやチランジアは、スタンドを使ったり縦長の器に入れたりして、それぞれの個性を際立たせています。 ダイニングとキッチンの境目となるアイランド型キッチン台のコーナーに、やや大きめなグリーン・ヒメモンステラをレイアウト。キッチンとダイニングの空間をやんわりと仕切る役目を担っています。 テーブルやキッチン台の上には、コンパクトなグリーンを飾っています。ここは特に清潔感を維持したい場所なので、鉢皿とセットになった鉢に人工用土(セラミス)を使用することも。 水をやる時は、洗面所やキッチンのシンクに持って行き、鉢底の穴から流れ出るほどたっぷりと。その後、しっかり水が切れてから鉢皿に戻しています。 雰囲気の異なるグリーンも使ってインテリアの表情をより豊かに 室内外で共通するイメージは、‘ナチュラル’。しかし、やわらかいナチュラル一辺倒ではなく、ポイントで野生味のある力強いグリーンを加えて雰囲気に変化をつけ、空間の表情に奥深さを与えています。 小鉢を並べたチェストの前には、ダイナミックに茎を伸ばすリュウビンタイを。ブリキのバケツに入れてワイルドさを強調。 照明のレールを活用し、流木につけたビカクシダをハンギング。ネジを取り付けた流木2カ所にワイヤーを巻き付けて輪を作り、そこにS字フックを引っかけて吊り下げました。取り外しが簡単なので手入れも楽で、時々お風呂場に持って行き、葉や根元にシャワーでたっぷり水をかけてメンテナンスをしています。 雑貨と合わせても、スッキリ感は忘れずに 雑貨が大好きなRIKAさんは、グリーンと合わせて、美しくも楽しいLDKを演出しています。「空間をより魅力的に見せるには、すべてが調和していることです」。自己主張の強い派手なモノは避け、こまごましくならないように気を付けています。では、それぞれのコーナーに使われているインドアグリーンと、その魅力をご紹介しましょう。 シェフレラなどコンパクトなグリーンと、スクエアの雑貨類をリズミカルにレイアウト。アルファベットのオーナメントをアクセントにして遊び心を。 白い産毛をまとったユニークなブレインカクタス。ブック形のボックスの上に置いて、控えめな愛らしさをぐっと引き立てています。 ベランダでも活躍しているキャベツボックスは、インドアグリーンを飾るのにもピッタリ。濃緑葉のコーヒーノキと黒板を配して、ビターなコーナーを演出。 チランジアを鳥かご型ワイヤーバスケットに乗せたディスプレイ。洋書風のボックスをそばに置き、彩りを控えたシックなコーナー。 リプサリスやドルステニア・フォエチダの傍らに配したのは、タビビトノキの真っ青なタネ。2枚重ねた板を台にして糸巻きと飾り、立体感を出しながらクールなカラーにまとめています。 ドライフラワーも合わせてシーンに軽やかさをプラス 草花のドライなども、グリーンと一緒に飾るのがRIKAさん流。瑞々しい植物とは相反する乾いたアイテムですが、緑や茶色などのナチュラルカラーならグリーンとの相性は抜群です。グリーンにはない軽やかさをもたらしてくれます。 ベランダで咲いたアジサイ‘アナベル’をドライフラワーにするために、枝にとめ付けてハンギング。 おしゃれな園芸店などで販売されているウラボシ科の植物、ドリナリア・クエルシフォリアの貯水葉。数枚を束ねただけですが、サンセベリアを飾ったメンズライクなコーナーで、おしゃれなオーナメントとして存在感を発揮しています。 お掃除をラクにしてくれるアイテムを積極的に使って サボテンなどのトゲがあって運びにくい植物や、こまごましいものをまとめた台は、掃除の度に動かすのは面倒なもの。そんなときは、キャスター付きの鉢カバーや木箱を使うと、移動がぐっとラクになります。 例えば、重量のあるハシラサボテンは、キャスター付き木製の鉢カバーに入れてディスプレイ。 セロームやコーヒーノキ、アイビーなどのこまごまとした小鉢は、キャスターの付いたキャベツボックスの上にまとめて飾り、塊で楽しむコーナーに。これらの商品はRIKAさんがアドバイザー&コーディネーターをしている「みどりの雑貨屋」で扱っています。 光の弱い場所にはフェイクグリーンを使う エアプランツなどのフェイク。 光が入らない場所や、高い位置で世話がしにくい場所にグリーンが欲しい場合は、フェイクを活用するのがオススメとRIKAさん。無理して植物を育てても、育てる側にも植物にもストレスがかかります。「フェイクだからと排するのではなく、その場所に似合うモノを選んで、自由に飾って楽しんでいます。エアコンのホースなどの目隠しにも活躍してくれますよ」。明るい場所でグリーンと組み合わせて飾っても◎。フレキシブルに使って楽しみの幅を広げましょう。 パーセノシッサスシュガーバインのフェイク。 アジアンタムのフェイク。 シルバーリーフのフェイク。 照明レールにはしごを吊るし、グリーンのフェイクをたっぷり飾ってアレンジ。 エアプランツのフェイクも充実。異なる高さ、フォルムのものを合わせた、絶妙なバランスのコーデイネート。シックな色味の中、赤いローズヒップがアクセントカラーに。 ベランダのオリーブを室内に取り込んで楽しむ この年は鉢を麻布でカバーして、ぬくもりのあるディスプレイに。 毎年クリスマスが近くなると、ベランダで育てているオリーブをリビングに取り込み、オーナメントを飾り付けて楽しんでいます。オリーブは丈夫ですが、空調の風が当たらないような場所に置きましょう。 手入れのポイントは「自然に近い状態にすること」 RIKAさんが心がけていること。それは、異なる植生の植物を一緒に育てていながらも、それぞれが好む状態=自然界に近い環境を作ることです。室内だと、つい水をやりすぎてしまいがちですが、乾湿のメリハリをつけてやるようにしています。また、植物はエアコンなどの人工的な風を嫌うので、直接当たらないように心がけています。 葉水も病気予防に有効で、葉に元気がなくなってきたら、お風呂場で葉をしっかり濡らすようにしています。そうすると、たちまち元気を取り戻すのだそうです。また、施肥には液体肥料「ペンタガーデンValue」を愛用。この肥料には、植物の光合成を活性化させるALAが入っているので、暑さ寒さ、日照不足などによる体力低下で元気がなくなったときに効果があります。 ベランダガーデンから、植物の癒しを実感したRIKAさん。インドアグリーンを暮らしに取り入れたことで、生活空間全体に癒しがもたらされました。観葉植物は、成長が速く成果がすぐに現れる喜びがあり、雑貨類とも相性がよいので組み合わせる楽しさがあります。そんな楽しさいっぱいのインドアグリーンライフが、RIKAさんのグリーンコーディネーター人生に深みを与えてくれています。 併せて読みたい
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ベランダガーデニング

ベランダガーデンを植物と雑貨でおしゃれに飾る「素敵なコーディネートとは?」
念願のベランダガーデンづくりに長年かけて磨いたセンスを注ぎ込んで 11年ほど前からベランダガーデンを始めたRIKAさん。以前から植物に囲まれた生活に憧れてはいたものの、転勤が多かったため、ベランダに本格的なガーデンの作り込みをすることはできませんでした。そして今のマンションに定住したのをきっかけに、念願のベランダガーデニングライフがスタート。それまであたためていたアイデアや育ててみたかった植物を盛り込み、ベランダとは思えない緑あふれる空間に仕上げました。 それほど大きくない鉢植えで構成しているのに、こんなにも瑞々しい空間が完成。 空間づくりのキーワードは「植物×古びたモノ」 かつて訪れたインテリアショップ『THE GLOBE』(東京都・世田谷区)の一角に設けられたジャンクな庭に、大きな衝撃を受けたというRIKAさん。その庭の制作者はガーデンスタイリスト・川本諭さんでした。「植物×古びた道具」で見せるジャンクで独特な空間づくりは、それまでにはないガーデンの世界。その味わいのあるカッコよさに魅了され、川本さんが植栽を手掛けたカフェ『CHUM APARTMENT』(東京都・目黒区)にも訪れました。そこでも「植物×古びたモノ」でカッコよく演出された「計算された無造作感が生み出す美」に感銘。この2つのガーデンとの出合いが、今のRIKAさんの空間づくりに対する考え方の基礎を形づくったのでした。その後、そういった視点で洋書などを眺めながらセンスアップを図り、現在のようなベランダが生まれました。 お気に入りの植物や雑貨をかわいらしく見せる6つのポイント 美しく、心地よい空間が広がるRIKAさんのベランダガーデン。さまざまな創意工夫が集まり、この庭ができています。なかでも特に意識していることが「力みを感じさせずに、無造作に見せる」こと。川本諭さんが手掛けた庭で刺激を受けて以来、RIKAさんのベースになっているセオリーです。また、生活感を出さないことも大きなポイントです。それでは、それらを含めた6つのポイントにクローズアップしてみましょう。 Point1〔高低差をつくり、メリハリをつける〕 キャベツボックスを重ねて、空間を有効利用。背景にしつらえた白いフェンスにも、グリーンや雑貨をバランスよく配しています。 ポイント2〔前後に重ねて奥行きを出す〕 アイテムを前後に重ねることで、シーンを重層的に見せています。奥に配した木の車輪は、厚みがないのでオススメ。 ポイント3〔向きにばらつきを持たせて置く〕 それぞれのラインを揃えて整然と飾るのではなく、角度を振るようにしてあしらうことで、シーンに動きが加わっています。雑然とした印象を与えない絶妙なバランスも見事。 台として使ったキャベツボックスに対し、プレートの向きをずらして配し、小さな鉢の愛らしさを引き立てる舞台に。 ポイント4〔無造作感を出す〕 小さな鉢を重ねて転がしラフに飾ることで、シーンに遊び心がプラス。古びたアイテムは、特にこういった無造作なスタイルがよく似合います。荒れた印象にならないように乱用は避けて。 ポイント5〔人の気配を感じさせる〕 ホウキやジョウロ、スコップなどのガーデン道具は完全に見えない場所に収納するのではなく、庭を飾るアイテムの一つとして活用しています。そうすることで人の気配を感じさせることができ、空間にあたたかみや安心感を生まれます。 ポイント6〔ポイントで差し色を入れる〕 全体的に自己主張が強くない素朴な色や素材を選んでいますが、ぼんやりした雰囲気にならないように、アクセントカラーになるものをポイントでプラス。赤いスコップが、緑の中でキリリと効いています。 限られたスペースで、大好きなグリーンと雑貨を巧みに使いながら、居心地のよいベランダガーデンを演出しているRIKAさん。力みを感じさせないナチュラルな空間ですが、それは細やかな計算によって生み出されたものです。ぜひ参考にしてみてください。次回は、‘難を転じて福となす’技をご紹介します。 併せて読みた
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪5 兵庫「みどりの雑貨屋」
雑貨好きにはたまらないショップ「みどりの雑貨屋」 生活提案型の大型ショッピングモール・西宮ガーデンズ内にある「みどりの雑貨屋」。このショップではモールのコンセプトにふさわしく、グリーンと雑貨でつくる潤いある生活を提案しています。商品はマニアックというよりも、「ガーデニングの初心者も手軽に始めてもらいたい」という思いでスタッフが選んだものばかり。‘育てやすいグリーン×雑貨’に特化した、ありそうでなかなかないショップです。 ‘かわいい’がぎっしり詰まった宝箱のようなショップ ショップに一歩足を踏み入れると、たくさんのグリーンと愛らしい雑貨の森に入り込んだような、ファンタジーな世界にワープした感覚を覚える「みどりの雑貨屋」。100㎡ほどの空間には細い通路がめぐらされ、小さいながらもさまざまなシーンに出合えます。商品数はとても多いのですが、センス良く整然と並べられているので、気持ちよく売り場を見て回れます。 グリーンはすべて、鉢や雑貨と一緒に並べられています。コーディネートに不慣れなビギナーでもイメージしやすいよう、こまやかな提案がなされています。 ショップの中央に設けられたパーゴラが、売り場のシーンの切り替えに大活躍。いろいろなものを置いたり吊ったりと、楽しく飾った見どころの多い空間です。 マクラメやワイヤーバスケットなど、ハンギングアイテムもたくさん。 愛らしい寄せ植えも参考にしたいものの一つ。ベランダガーデンにオススメのオリーブの木も、実付きを考えて2品種以上選べるよう、いろいろな品種が用意されています。 悪条件の場所にオススメのフェイクのグリーンも充実 店内にはたくさんのグリーンがありますが、販売の回転が速いこともあり、どれも瑞々しい状態を維持。スタッフ全員で万全な管理を行っています。しかし、「玄関やトイレなど光が入らない空間にもグリーンを飾りたい」という声が多く寄せられたことから、フェイクのグリーンも多数扱っています。 「最近のフェイクはとてもよくできているので、植物と同じぐらい瑞々しさを感じさせてくれます。特に室内や、日当たりや風通しの悪いスペースなどにオススメですね」と、ショップのコーディネーターであるRIKAさん。悪条件になる場所では、こういったもので対応すればストレスなく過ごせますね。 室内での管理が難しい多肉植物。うまくいかない時は、本物のように瑞々しいフェイクを使ってみませんか? アートフラワーも充実。上品な色合わせで、アンティーク調の雑貨と親和性が抜群。ブーケ状になっているので、おもてなし時のコーナーづくりにぴったりです。 コンテナも什器も要チェック売り場にあるものすべてが商品 おしゃれなコンテナも充実。大きさ・色・形などバリエーション豊かに並びます。いずれもグリーンや雑貨に合わせやすいデザインのものが選ばれているので、ビギナーさんでも考え込まずに購入することができます。 大きなコンテナは土が入るとずっしりと重くなってしまうので、女性でも扱いやすい軽い素材のものも取り扱っています。色は植物や雑貨となじみやすいアイボリーやグレーのものが中心。使う側の目線に合わせた商品選びが感じられます。 また、コンテナを飾っている什器も販売されており、商品の雰囲気を引き立てるように黒や木製のもので統一されています。「ナチュラルなものやメンズライクなテイストは、グリーンが美しく映えるし、雑貨とも合わせやすいんです」とRIKAさん。 キャベツボックスは、オランダの農家で使われていたものを忠実に再現した、ショップのオリジナル商品。細部までこだわり、材を釘だけでなくカスガイでもとめて、底面をメッシュにした本格的な仕上がり。強度も抜群です。 おしゃれなコーナーづくりに欠かせないアイテムも 植栽に忍ばせたり、コンテナに添えたりと、シーンの雰囲気を高めてくれるアイテムもバラエティー豊富に揃っています。たくさんある中から、お気に入りの一点を探すのも楽しい時間です。 洋書の世界のようなお手本にしたいディスプレイ 小さなスペースを巧みに生かし、さまざまなテイストで提案している見ごたえのある‘グリーン×雑貨’の楽しみ方。ディスプレイは月に2~3回と頻繁に変えているので、行くたびに新たなシーンが楽しめます。眺めているだけでもセンスアップにつながること請け合い。 緑色の花瓶とボタニカルアート、ボックスなどを盛り込んだ、つややかなコーナー。 異なるテイストのコーナーが、スムーズに、そして自然に移り変わる見事なディスプレイ。小さなスペースでいろいろ楽しみたい人に、とても参考になる技です。 ガラスのケースに並ぶ、乙女チックな趣のアイテム。やさしい花色のバラと一緒に飾っても素敵。 クラフトのリースも大人気。リースひとつでシーンの雰囲気がガラリと変わるので、ぜひ季節ごとに替えてみて。 RIKAさんイチオシのグッズはコレ!ウッディボックスキャリー みどりの雑貨屋がオススメするのは、「グリーンを部屋に飾る時は鉢カバーにもこだわってほしい」という思いで作ったオリジナルの木製カバー。色は落ち着いたブラウンで、空間のスタイルやテイストを問わずに使えます。作りはキャベツボックスと同様で非常に丈夫。底部にキャスターをつけることができるのも、オススメポイントの一つです。 サイズはLとSの2つ。8号サイズが入るL(W29.5 × D29.5 × H31 cm)と、6号サイズが入るS (W23 × D23.5 × H24.5 cm)。 グリーンと雑貨で見せる‘かわいい’空間づくりにこだわった「みどりの雑貨屋」。‘おもちゃ箱をひっくり返したよう’をイメージして展開された店内には、植物から広がる楽しさのアイデアがたっぷり詰まっています。ぜひ、お気に入りのアイテムを見つけに訪れてみてください。アクセスは、阪急電鉄神戸線「西宮北口駅」から直結する阪急西宮ガーデンズ内。 【GARDEN DATA】 みどりの雑貨屋 所在地: 兵庫県西宮市高松町14-2 阪急西宮ガーデンズ 1階 東モールTEL: 0798-65-4187URL: http://midorinozakkaya.com/ 営業時間:10:00~21:00定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪1 岩手・雫石「花工房らら倶楽部」・ガーデンデザイナーが教える「寄せ植え上手」のコツ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア


















