ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田
ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田の記事
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暮らし

クリスマスリースだけではもったいない! 冬の植物の効能とアイデア
朝の市場で森林浴 花市場は毎年11月頃になると、モミや‘ブルーアイス’、ユーカリなど、花材の流通が盛んになり、市場全体がクリスマスの香りに包まれます。「やだ! 私、間違えて森に来ちゃった!」と勘違いするほど、清々しく気持ちのいい空気感。 早朝の市場で白い息を吐きながら、リースワークショップ用の花材を探すのは、この時期だけのお楽しみ! 手際よく、目利き鼻利き! さまざまな材料を集めていきます。 こうして集めた材料は、同じグリーンでもそれぞれのトーン(色味)が違い、とても鮮やか。 ドライにしても水に挿しても、どちらも長く楽しめます。 ルーシーのおすすめ3つの植物 クリスマスの時期が過ぎても、忘れてほしくないのが「ジュニパー」「モミ」「ユーカリ」の3種類です。 香り高くアロマの効能も優れている彼らは、私のリースワークショップでも欠かせない存在です。 短く切りながらリースの土台に刺す作業をしていると、植物に蓄えられている「香りのカプセル」がブシャーっと弾けて、部屋中にいい匂いが広がります。 この香りを嗅ぐことで呼吸がいつもより深くなり、リラックス効果も高まるのです。 ジュニパー 「デトックス効果が高く老廃物を排出する手助けをしてくれる」、これがジュニパー最大の特徴です。アロマトリートメントでは、むくみケアに必ずといっていいほど使われる精油です。 古くから魔除けや宗教儀式の際にも使われてきたジュニパーベリーは、兎にも角にも浄化に優れた植物! 「何かに翻弄されているような不安感に包まれた時」、「雑念を取り払い一つのことに集中したい時」にもよい精油です。まさに新しい一年の始まりにぴったりの香りといえるでしょう! 玄関の外に吊すと、家の中に悪魔が入って来られないといわれています。 そもそも悪魔が礼儀正しく、「ピンポーン!」と玄関からやってくるのかは疑問ですが。 モミ ウッディで爽やかでありながらも、奥深くに甘みを感じる香りです。殺菌消毒作用があり空気を浄化してくれるので、風邪をひきやすい冬に嬉しい植物です。 成分が濃縮されている精油ほどの効果は望めませんが、フレッシュなクリスマスツリーやモミのリースを部屋に飾るというのは、季節柄とても理にかなったアクション! 言うなれば、天然の空気清浄機ってとこかしら。 フレッシュなリースやスワッグにモミの精油を垂らして、ディフューザー的に使用するのも相乗効果でおすすめです。 モミの香りは、「環境の変化」や「新しく何かを始める時」、「忙しい毎日で神経が消耗した時」に心強い味方となります。 まるで森を散歩したような清々しい気持ちになり、背筋をピンッ! と伸ばしてくれるような香りは、「今年の抱負」が毎年三日坊主な誰かさんにもぴったり! ユーカリ 今回ご紹介する3種類の中でも、一年を通して一番手に入りやすいのがユーカリです。清涼感のあるシャープな香りが特徴。 以前、ユーカリの大きな束を担いで歩いていたら、知らないおばちゃんに「その葉っぱ、何?」と話しかけられ、「ユーカリですよ」と答えたら、おばちゃんに「あんたコアラ飼ってんのかい?!」とビックリされたことがあります。 じつはユーカリには600種類以上の品種があるといわれており、コアラが食べるのは限られた種類だけです。しかも食べるのは新芽だけ。 私が特に好きなのが「銀世界」と呼ばれている種類のユーカリです。学名表記では「ベイビーブルー」や「プルベルレンタ」が銀世界にあたります。 ユーカリの中でも抜群に香りが強く、少し触るだけでも香りが広がります。お花屋さんでもよく見かけるので、ぜひ手に取ってみてください。 最も一般的に使われる「ユーカリ精油」は、ユーカリ・グロブルスという種類です。 特に抗菌・抗炎症作用が強いので、風邪のひき始めにおすすめです。呼吸器系のトラブルはおまかせあれ! お掃除にも使え、気持ちのよい清潔感がある香りなので、一家に一本常備したい精油です。 オーストラリアの先住民であるアボリジニは、ティーツリーと同様、ユーカリを傷や病気の治療などに幅広く用いていました。 スーッと透き通る香りは、「注意力散漫な時」、「ストレスが溜まりイライラしてしまう時」などに、頭の中の雑音をクリアにして集中力を高め、心に溜めてしまった「要らないもの」を外に吐き出し、目の前を明るくしてくれるような力強さがあります。 クリスマスを過ぎてもインテリアの主役に 私のリースワークショップでは、残った細かい葉などはお持ち帰りをおすすめしています。なぜなら、見た目も可愛く香りもあるので、お皿やキャンドルに添えれば素敵な冬のインテリアに早変わりするから。 以下でご紹介するものは、全てリースを作った時に出た端材を使っています。お花屋さんでお好みのものを1〜2本買っても、簡単に楽しめます。 例えば、お皿の上にナプキンとカトラリーと共に置いて、テーブルセッティング。 キャンドルの周りに散らせば、香りのよいインテリアに。 フランスからやってきたヤドリギのプレートは、この季節にぴったり。 テーブルセンターに置くと、グッと華やかに。日常はもちろん、ハレの日の食卓にもお似合いです。 キャンドルの色やお皿のテイストを変えて雰囲気を楽しんで! クッキーには、庭から摘んだ月桂樹と共にバラの実を添えて。 ちょっとしたことですが、アイデア次第で季節感を感じる素敵なプレゼンテーションになるので、ぜひお試しください。 リースは少し手を加えて落ち着いた雰囲気に 最近ではお花屋さんで素敵なフレッシュのリースやスワッグを購入したり、ワークショップに参加して自分好みのものを作る方も多いでしょう。 商業施設などでは、25日の夜に大どんでん、26日の朝になる頃にはもうお正月ムード一色! 家庭でも玄関先に飾っていたリースは、26日からお正月飾りに変えるのが一般的です。 しかし、せっかくのリースやスワッグを、クリスマスまでの1カ月足らずで外してしまうのは寂しいもの。 そんな時は、リースに付いている華やかなリボンを取って、お正月の落ち着いた雰囲気に変えてみては? キラキラのオーナメントが付いていたら、お花屋さんで売っている干支や凧が書かれたピックに変えてみるのも方法です。 私はリースに海老をつけて、ちょっとユニークに。 神奈川の葉山などの海沿いでは、お正月飾りを燃やす「どんど焼き」を開催します。昔は海岸を散歩すると、この素焼きの海老の一部分が落ちているのをよく見かけましたが、最近はほとんどがプラスチック製のためか、あまり見かけなくなりました。 焦げた大黒天は祖父母の家の取り壊しの際に、裏庭に埋まっているのを見つけました。 おそらく裏庭でどんど焼きをしてしまったのでしょう。 なんだか可愛くて、こっそりポケットに入れてお持ち帰り。 元来リースは、健康祈願や豊作祈願の意味も含まれています。 冬になっても枯れない常緑樹を使うのは、生命力(健康)の象徴、飾りに実ものやリンゴ、オレンジなどを使うのは、豊かさ(豊作)の象徴です。 そう! リースには日本のしめ飾りと通ずる意味があるのです。国が違えど、神が違えど、大昔から人類の願いは世界共通なのですね。 最近は、伝統的なしめ飾りも、おしゃれで素敵なものがたくさんありますが、せっかくの素敵なリースやスワッグだもの! この冬はインテリアの一部として長く楽しんでみてください。
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レシピ・料理

冬に楽しむスパイスを使ったチャイ【ルーシーのおいしい暮らし】
チャイとは 「チャイ」とはヒンディー語で「お茶」を意味する言葉で、中国語の「茶 cha」に由来しています。日本ではチャイというとスパイスの入った甘いインド風なお茶を連想しますが、本来スパイスが入ったチャイの正式名称は「マサラチャイ」です。 チャイの始まりは チャイの起源には諸説あるようですが、インドがイギリス帝国の植民地であった19世紀、上等な茶葉はイギリスへ出荷され、手元には細かくて苦い、売り物にならない粗悪な茶葉(ダストティー)しか残らなかったとか。それを美味しく飲むために、スパイスと牛乳を入れたのが始まりだそうです。 基本の3種のスパイス 「カルダモン」、「クローブ」、「シナモン」の3種のスパイスさえあれば、じつは家庭でも短時間で簡単にチャイを作ることができます。 マサラチャイに使われるスパイスには、加温作用(身体を温める作用)や整腸作用(おなかの調子を整える作用)があるものが多く、ぜひ寒い時期にも飲んでいただきたい一杯です。 効能を学んでから飲むマサラチャイは今まで以上に美味しく、健康的な一杯となることでしょう! カルダモン レモンやユーカリを彷彿とさせるような、清涼感のある上品な香りが特徴。さまざまな効能を持っていることから「スパイスの女王」とも呼ばれ、中国やインドでは3,000年以上も前から香辛料や医療品として使用されています。 食べ過ぎてしまった時、おなかにガスが溜まりスッキリしない時にも効果を発揮します。 じつはカルダモンは乳製品ととても相性のよいスパイスなのです。 私のお気に入りは朝のチーズトーストに一振り。チーズのコクに爽やかさがプラスされてグッと大人の味に。ポタージュ系スープの隠し味にもおすすめです。 クローブ スパイシーでありながらもバニラのような甘さを秘めています。独特な香りは世界中で愛され、辛口な料理からデザート系まで幅広く使われています。 クローブには、しびれるような鎮痛作用と抗菌作用があり、「歯医者のハーブ」と呼ばれることも! 幼少の頃「今治水(こんじすい)」というお薬が家に常備されていて、歯が痛くなると今治水を浸した小さな綿を口の中に押し込まれ、痛む歯に塗られていました。 苦いのか? 甘いのか? よく分からない不思議な香りに毎回嫌気がさしていましたが、だんだんと癖になり、そのうち歯が痛くない時も小さな瓶の蓋を開け、クンクン匂いを嗅ぐようになってしまいました。 時は経ち、ティーンエイジャーになった頃のクリスマス。ノスタルジックな今治水の香りが家中に漂い、香りがするほうに導かれると、母ちゃんがオレンジにクローブを刺して、オレンジポマンダーを作っている最中でした。そう、今治水の成分にはクローブが含まれていたのです。 ポマンダーは16世紀頃のヨーロッパでペストが大流行した際に、魔除けやおまじないとして作られました。人々は香りのよいポマンダーをお守りとして持ち歩いていたといわれています。 強い殺菌作用を持つクローブを表面に隙間なく刺したオレンジは、カビてしまうことなくカラカラに乾燥します。これはスパイスが天然の防腐剤の役割を担っていた、古代のミイラ作りと同じ原理! 現代でも欧米では幸運を呼ぶシンボルとして、クリスマスシーズンにオレンジポマンダーを飾る習慣が残っています。 この出来事から、私の中でのクローブの香りは、歯が痛い思い出からクリスマスの楽しい思い出へと上書き保存されたのです。 シナモン この中では一番身近なスパイス、シナモン。甘くてエキゾチックな香りで世界中を虜にし、「世界最古のスパイス」とも呼ばれています。 シナモンとは、厳密には上品で繊細な香りのセイロンシナモンを指しますが、シナモンと表記され販売されているものには、安価で香りの強いカシアシナモンが多いのも現状です。 シナモンは身体を温め風邪を予防するだけではなく、風邪の諸症状にも効果を発揮します。シナモンは桂皮とも呼ばれ、葛根湯にも配合されているのは納得です。 シナモンの香りは日本でもニッキと呼ばれ昔から愛されていますが、実はシナモンとニッキは似て非なるもの。どちらもクスノキ科の常緑樹ですが、セイロンシナモンはセイロンニッケイの幹の樹皮を乾燥させて使うのに対し、ニッキはシナニッケイの根っこの部分を使うのが特徴です。 ニッキよりもシナモンのほうが甘い香りが強く、シナモンの独特な風味のもとであるオイゲノールという成分は、セイロン産のシナモンのみに含まれる成分で、ニッキには含まれていません。 難しいことはさておき、シナモンロールと八つ橋を食べ比べると、香りの違いがよく分かると思いますのでお試しあれ! マサラチャイは千差万別 マサラチャイに決まったレシピはありません。各家庭や地方によって、味や使用するスパイスはさまざまです。 上記で紹介した3種の基本スパイスの他にも、ナツメグやスターアニス、ブラックペッパー、すりおろしたショウガなどをお好みで加え、自分好みの配合を探すのもマサラチャイ作りの醍醐味といってよいでしょう。 もし可能であれば、「CTC紅茶」という丸い球形状になっている紅茶の葉を使うと、本場の濃い茶葉の味が楽しめますが、お家にあるアッサムやセイロンの茶葉を濃く入れるだけでも十分美味しくいただけますのでご心配なく。 普段使いはティーバッグで! 仕事に子育てなど、現代人のほとんどは「丁寧な暮らし」をしている暇なんてないと思います。気軽に楽しむにはティーバッグでも大丈夫! なるべく濃く出るタイプを選びましょう。 高級なブランドのものでなくても、「LIPTON」イエローラベルなどのお手軽な紅茶で十分! アンティークの買い付けでイギリスへ行くたびに、さまざまな種類の紅茶を買い込むのが楽しみですが、購入するほとんどはティーバッグのものです。 画像のメッセージは「Spread the light; be the lighthouse.」。勝手に私のフィルターを通して和訳すると「みーんなにキラキラを分け与える、そんな灯台みたいな女になるんやで!!!」って感じかしら。 ルーシーのマサラチャイレシピ さてさて、前置きが長くなりました。そろそろ作り方をご紹介しましょう! こっそりレシピの下のほうに「丁寧な暮らしをしている風」バージョンのヒントも書いておきますので、ぜひ、そちらも参考にしてください。 <2〜3人分の材料>(スパイスの量はお好みで増減してください) 紅茶(アッサムかセイロンがおすすめ)小さじ4杯程 セイロンシナモン 1本 カルダモン(ホール) 4個 クローブ(ホール) 4個 生姜(スライスでもすりおろしでも) 小さじ2 ブラックペッパー 5個 水 400ml 牛乳 400ml 砂糖 適量 <作り方> シナモンを割り、カルダモンは潰して皮を剥き中身を出す。 鍋にスパイス、茶葉と水を合わせて火にかける(5〜10分ほど)。 牛乳と砂糖を加え、沸騰直前で火を止める。 茶こしでこす。 自分好みにブレンドしたパウダーで気軽に楽しむ 本格的なマサラチャイを楽しむには、ホールの状態でのスパイスを使うのがおすすめですが、忙しい朝などに気軽に楽しむなら、あらかじめパウダー状のスパイスをお好みにミックスしておき、ミルクティーに振りかければ、簡単マサラチャイ風ミルクティーに早変わり。 チャイミックスでさらに気軽に 究極の面倒くさがり屋さんのあなたには、こちらがおすすめ。 さまざまなメーカーから、スパイスがブレンドされているチャイミックスが販売されているので、それを使うのが一番簡単。ミルクティーにスプーン1杯混ぜるだけで、マサラチャイのでき上がり! 正味5秒もかからずに飲めチャイます。 隠し味はお気に入りのカップで! イギリスから海を渡ってやって来たアンティークのカップでマサラチャイを飲むなんて、なんともロマンティック。インド人もびっくり。 冷えは万病のもと。今年の冬は是非マサラチャイを飲んで身体の内側から温め、不調知らずに! 材料さえ揃えればとっても簡単! ぜひ、お試しください。 今回はインドのチャイに関して書きましたが、じつは私、インドへ行ったことがありません。 インドという国に関しては「行ったことがない」というよりは、「まだ呼ばれていない」というほうが適切かもしれませんね。 だから、今日も私はスパイスを煮込み、インドがイギリス領だった頃の「ビクトリア朝時代のアンティークカップ」でチャイを飲むのであります。 未だ呼ばれぬ、遠いインドの地に思いを馳せながら。
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レシピ・料理

サツマイモの収穫と美味しいキャセロールレシピ【ルーシーのおいしい暮らし】
食べなきゃ損? サツマイモに含まれる栄養素 サツマイモは、お腹の調子を整えてくれる食物繊維が野菜の中でもトップクラス! 食物繊維により腸の活動が活発になることで、便秘や肌荒れの改善効果も期待できます。 さらに、抗酸化作用によって皮膚や血管の老化を防ぎ若返り効果が期待できるというビタミンC、むくみ防止に効果があるカリウムなど、その他にも身体によい栄養素がたくさん含まれており、女性のための野菜といっても過言ではないでしょう。 世の中の大多数の女性はサツマイモ好きな印象がありますが、もしかしたら本能レベルでサツマイモの効能を知っているのかもしれませんね。 最近では紫やオレンジなどのカラフルなサツマイモも出回っており、身体にも目にも美味しい食材です。 薩摩の国からやってきた芋「サツマイモ」 サツマイモは中国を経由して沖縄(琉球)へ伝わり、その後しばらくしてから種子島に伝わりました。1700年代初めには火山灰の影響で稲作に向いていない土地が多く、お米が取れなかった薩摩の国(鹿児島県)で主食として栽培され始めました。関東では薩摩から伝わった芋なので「薩摩芋(さつまいも)」と呼ばれるようになったようです。 江戸時代には甘いものが貴重だったため、火を通せば甘くなる砂糖いらずのサツマイモは庶民にとって貴重なお楽しみデザートだったようです。 戦中戦後の貧しい時代には、育てやすさと豊富な栄養で、多くの人を飢餓から救いました。 当時を知るシニア世代からは「辛い敗北の味」として嫌厭されることもあるようですが、良くも悪くも日本人にはとても身近な野菜となったようです。 欧米諸国では、サツマイモは「SWEET POTATO」や「Yam」と呼ばれています。日本人に馴染みがある品種とは少し違い、オレンジ色で水分が多く、ホクホク感は少なめ。日本のサツマイモを想像して食べてしまうと、少しガッカリする味かもしれません。 食卓へ上がる頻度は日本ほどではなく、調理法も限られていましたが、近年では栄養素が注目され、雑誌などのおしゃれなレシピでも見かけます。 美味しくなるための追熟 神奈川県は葉山にある我が家の畑のサツマイモも、つい先日11月上旬に収穫が始まりました。6月に植え付けをして、首をながーくしながら待ち続け、やっとのご対面。 紅はるかちゃんと紅あずまちゃん。なんだか一昔前の女優さんの名前にも聞こえてくる古風なお名前の2品種です。 「どうもはじめまして、美味しくいただきますから、いい子にしてね」とご挨拶もそこそこに、次々と土の中から取り上げていきます。 紅あずまは、水分少なめでほくほく系、さっぱりと上品な甘さ。紅はるかは水分多めのねっとり系、クリーミーで濃厚な甘さが特徴です。 葉っぱは虫たちにもお裾分け。有機栽培なので葉っぱも美味しいでしょ! と、ある程度は目をつぶります。 収穫したら軽く土を落として乾燥させ、新聞紙に包んで、冷暗所で最低でも2週間程寝かしておくと、甘くねっとりとした食感に変化していきます。 酵素が活性化し、でんぷんを分解し糖質に変えるので、甘みが増すのです。 掘り立てのお芋はすぐに食べてみたい‼ しかし、そこはグッと我慢。 熟成させ、甘みを引き出してみましょう(スーパーなどで販売されているものは、基本的には追熟後に出荷されています)。 放任主義でも立派に育つ サツマイモを育てるのに必要なコツは特になく、手間もほとんどかかりません。 強いていうなら肥料を与えないこと。もともとサツマイモは痩せた土地での栽培に向いているので、栄養豊かな土地で育てると、つるボケ(葉ばかりが茂り、芋が大きくならない)してしまい、せっかくの楽しい芋掘り作業が台無しとなります。 暑さや病気にも比較的強いので、誰にでも簡単に育てられる野菜といってよいでしょう。 オーブン料理で楽しむサツマイモ アメリカに住んでいた頃によく食べたのがオーブン料理。 美味しいケーキやジューシーな肉料理、そして今回ご紹介する典型的なアメリカ料理のキャセロールなど、どれも簡単な下ごしらえをしてオーブンに入れたら1時間も経たずにとっても美味しい料理となって出てくるのです。まるでサマンサが口と鼻を動かして魔法をかけるように、アメリカの奥様たちはオーブンという名の魔法を使うのです。 日本ではオーブン料理はなんだか難しそう、手間がかかりそうなんて思われがちですが、私はこんなに便利で簡単なものはないと思っています。使わなきゃ損! せっかく文明社会に生きているのだから。 伝統的なアメリカ家庭料理キャセロール 本来キャセロールとは、フランス語で“フタ付き厚手鍋”、またはその鍋で作った料理のことをいいます。しかし一般的にアメリカで呼ばれるキャセロールとは、パイレックスなどの耐熱皿に野菜や肉、お米などの具材を入れ、チーズやソースを加えてオーブンで焼いたもの。キャセロールの定義は曖昧、アレンジの幅が広く各家庭にお袋の味的キャセロールが存在します。 旬のサツマイモとキャセロールの相性は抜群! じっくりと熱を加えることで甘みが引き出されますよ。 今回ご紹介するレシピは、ユタ州でよく食べられているCheesy Potato Casserole (チーズィーポテトキャセロール) 、別名Funeral Potato (フューネラルポテト)。Funeralはお葬式という意味なので、直訳すると葬式芋。なんだかとても不思議な名前の料理ですが、私のお料理教室の10月のメニューに登場! とても簡単で美味しいと評判でした。 不思議な名前ですが、由来は、モルモン教徒のお葬式の食事の際に、サイド・ディッシュとして出されることが多いところから…とか。 時間がなくバタバタしたお葬式の際にも、家にある物をダーッと混ぜてポンッとオーブンに入れるだけで簡単に作れて、美味しさで人々の心を癒やす…きっとそんな料理だったのだろうと勝手な想像が膨らみます。 材料はとってもシンプル。 ジャガイモ(アメリカでは冷凍の刻んだポテトを使うことが多い)、サワークリーム、チーズをキャンベルのスープ缶クリームオブチキンと混ぜ、コーンフレークを一番上にのせてオーブンで焼く料理です。 本来はジャガイモを使ったレシピですが、今回はサツマイモも一緒にベイク! サツマイモはハーブとの相性も抜群。清涼感のあるローズマリーとタイムを入れることでサツマイモの甘みに風味や深みが出て、グッと大人の味に。香りのよいハーブは食欲促進作用もあるので、ついつい食べ過ぎてしまうかも! Cheesy Potato Casseroleの作り方 <材料> 4〜6人分 サツマイモ 2本 ジャガイモ 2個 タマネギ 1/2個 キャンベル クリームオブチキン 1缶 牛乳 スープ缶の1/2 とろけるチーズ 1カップ サワークリーム 1カップ タイムやローズマリーなどのハーブ 少々 塩・胡椒 少々 コーンフレーク 1カップ半 バター 大さじ2程度 上にのせる彩りの野菜(ラディッシュやパプリカなど) お好みで <作り方> サツマイモとジャガイモを適当な大きさに切り、茹でる(スライスやサイコロ状に)。 タマネギをみじん切りにして透明になるまで炒める。 サワークリームとクリームオブチキン缶、みじん切りにしたローズマリーと②で炒めたタマネギを混ぜ、塩・胡椒する。 コーンフレークに溶かしたバターをかけてよく混ぜる。 耐熱皿に1のイモを並べて3のソースを混ぜ入れ、上にチーズをかける。 4のコーンフレークをチーズの上に散らし、180℃のオーブンで40分程焼く。 お好みでチキンを入れても美味しいです。 焼く前に最後、ラディッシュで彩りをプラス。平面的に置かないで、挿すようにトッピングするときれいに見えますよ。 サツマイモには豊富な栄養が含まれていますが、特にビタミンCやカルシウムなどは皮に多く含まれ、便秘の解消に役立つヤラピン(生のサツマイモを切った時ににじみ出てくる白い液体)は皮と実の間に多く含まれます。 皮を剥いて食べては、せっかくの栄養がもったいない! 私はグリルする時も、スープにする時も、いつも皮を剥かずに調理して、サツマイモの栄養をありがたく無駄なくいただいています。皮を剥く手間も省けて、栄養も余すことなく摂れるので、一石二鳥ですよね。 ぜひこの冬はサツマイモを使った料理を食べて、元気に楽しく過ごしてみてはいかがでしょうか? お試しあれ!



















