かわい・たかし/千葉大学大学院園芸学研究科修了後、大手種苗会社の研究員などの経歴を経たのち、フリーとして活躍の場を広げる。現在は横浜イングリッシュガーデンを拠点に、育種や全国各地での講演や講座、バラ園のアドバイスやガーデンデザインを行う。著書に『美しく育てやすい バラ銘花図鑑』(日本文芸社)、『バラ講座 剪定と手入れの12か月(NHK趣味の園芸)』(NHK出版)監修など。
河合伸志 -植物専門家・バラ育種家-
かわい・たかし/千葉大学大学院園芸学研究科修了後、大手種苗会社の研究員などの経歴を経たのち、フリーとして活躍の場を広げる。現在は横浜イングリッシュガーデンを拠点に、育種や全国各地での講演や講座、バラ園のアドバイスやガーデンデザインを行う。著書に『美しく育てやすい バラ銘花図鑑』(日本文芸社)、『バラ講座 剪定と手入れの12か月(NHK趣味の園芸)』(NHK出版)監修など。
河合伸志 -植物専門家・バラ育種家-の記事
-
ガーデン&ショップ

横浜イングリッシュガーデンの四季【花巡り・ガーデン案内 〜神奈川〜】
バラと草花のカラーハーモニー 神奈川・横浜市にある横浜イングリッシュガーデンは、6,600㎡の敷地が5つのエリアに分かれ、色彩豊かな庭が楽しめます。植栽デザインと監修をバラの育種家である河合伸志さんが担当。ワインレッドやパープルのバラを中心にドラマチックな色彩が魅力の「ローズ&クレマチスガーデン」や、アプリコット、ブロンズ、ブラウンのバラが主役で下草との対比が美しい「ローズ&グラスガーデン」など、エリアごとに驚きがあります。 春の幕開けはサクラの開花から 3月下旬、頭上にピンクのサクラが花開き、足元にはスイセンやチューリップ、ヒヤシンス、イングリッシュデージーなどの優しい花色で園内は包まれます。見どころは‘アーコレード’や‘クルサル’などイギリスで作出されたサクラや、イギリスから里帰りした‘太白’、ウメとサクラの雑種‘エレガンス・みゆき’など30種強50株のコレクション。ソメイヨシノの開花前後を目安にお出かけください。 4月中旬からバラの季節がスタート 園内に植わる多種のバラの中でも一番に咲き出すのは、‘カナリー・バード’や、スコッチローズなど、野生種系のバラたち。続けて、5月の連休からは‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’などの早咲きのバラが見頃を迎えます。例年のバラの最盛期は5月中旬頃。古今東西のバラの名花が集められた1,700品種強にも及ぶ表情豊かなバラたちに会える、貴重なガーデンです。 2,000株のバラと草花の競演 多品種が一堂に揃う圧巻の景色に加え、組み合わせている草花にも注目しましょう。オレンジのバラに紫の穂状花が寄り添い咲くサルビア・ネモローサ‘カラドンナ’をはじめ、白花の‘サマースノー’の株元には斑入りのグラウンドカバーのカキドウシが明るさを添えていたりと、ガーデンづくりに真似したくなる組み合わせ例がそこここで見られます。 雨に濡れるアジサイ・コレクション ‘エクセルサ’や‘スーパー・フェアリー’などの遅咲きのバラが満開を迎える頃には、アジサイが見頃を迎えます。実は横浜イングリッシュガーデンは、首都圏随一のアジサイ・コレクションを有していて、その数は300品種以上。人気の‘アナベル’をはじめ、八重咲きの美しい‘ごきげんよう’など、白、ピンク、青、パープルの大きな花手毬が雨を受けて輝きます。アジサイの開花期後半になると、二番花のバラも咲き始めます。(写真は2016年の様子) 木漏れ日に癒される夏の庭 真夏は、バラの株間に植わる葉色が美しいカンナやコロカシアなど熱帯系の植物が見どころです。ユリも咲き始めて、豊かな香りを振りまきます。写真は、園内奥に位置するローズ&シュラブガーデンの水辺の風景。中央には生き生きと葉を広げるコロカシアと、左には薄紫の花が覆い咲くミソハギの茂み。大木の柳の葉音が涼しさを誘います。 秋を知らせるコスモスと秋バラ 涼しくなる頃からコスモスが咲き始め、本格的な秋の到来です。10月には大小のカボチャが並ぶハロウィンのディスプレイも季節展示として登場します。また、夏の剪定のタイミングを測るプロの手入れのテクニックにより、咲き揃う国内屈指の美しい秋バラを見ることができます。春と違った表情が楽しめる秋バラは、11月下旬までが見頃。秋が深まると、木々の紅葉と秋バラのコラボレーションがしっとりとした雰囲気に。 一年を通してバラの変化を観察 12月中旬以降には見頃の花が減ってきますが、園内のあちこちで専属ガーデナー達によるバラの誘引と剪定作業が順次行われているので、バラの管理の勉強になります。ブッシュローズはどこまで切り詰めるのか、アーチやフェンスの誘引前後の姿の変化や樹木に絡める様子など、冬の株姿と春の開花の変化を見比べると、とても勉強になります。横浜では、大雪は数年に一度程度なので、バラの雪囲いはせず、冬越しをします。 Information 横浜イングリッシュガーデン 住所 神奈川県横浜市西区西平沼町6-1 tvk ecom parkTEL 045-326-3670 HP http://www.y-eg.jp ガーデン開園時間3月〜11月/10:00~18:00(最終入園17:30)12月〜2月/10:00〜17:00(最終入園16:30) 入園料 大人500〜1,200円 小中学生200〜600円(季節により変動)(2022年3月現在)
-
樹木

バラの花形を知りたい!「一重」と「八重」咲きのバラをご紹介
バラの花形は4タイプ 世界各国で長い間改良を重ね、園芸植物としては類稀なる進化を遂げたバラは、実にさまざまな花形が存在します。しかし大別すると、①一重咲きと半八重咲きタイプ、②整形タイプ、③クラシック・タイプ、④その他のタイプの4つに大別でき、それぞれがまたいくつかの花形に分けることができます。バラの花形は、気温や成育状態によって変化することもあるので、一般には健全な成育状態にある春の一番花の花型を基準に判定します。 一重咲きと半八重咲きタイプ 一重咲きは野生のバラが持つ本来の花型で、通常5枚の花弁を持ちます(一部にはロサ・セリケア・プテラカンタのように4枚のものも存在します)。一重咲きの園芸品種では、株に力があると花弁の枚数が8枚程度まで増えたり、貝殻状の不完全な小さな花弁が発生することもあります。 またそもそも基本が7~8枚の品種もあり、人によってはそれらを準一重咲き(セミ・シングル咲き)などと言うこともあります。一重咲きよりも花弁の数が多く、8~20枚程度の枚数を持つものを、半八重咲き(セミ・ダブル咲き)といいます。株に力があると一重咲きと同様に花弁の枚数が増えたり、貝殻状の不完全な小さな花弁が発生することもあります。 いずれの咲き方も1枚の花弁の形は先が丸くスムーズなものから先が尖ったもの、花弁一枚がハート型になっているものまでさまざまで、花弁の幅も広いものや狭いものなどの差もあります。 また改良が進んだものでは、浅く波を打ったような華やかな印象のものも存在します。一重咲きは通常は花弁の縁が外側に反転しない丸弁ですが、中にはやや反転して尖った印象のものもあります。高温期になると全般に花弁が反転して剣のように尖り、花全体としては星型になることもあります。 代表的な一重や八重のバラをご紹介しましょう ‘ルイ・リール’ ロサ・グラウカを片親にした野生種通しの種間雑種で、親譲りの美しい葉を持つ。青みのある葉に清楚な花を咲かせ、やや耐暑性が弱いが耐寒性に優れる。1996年カナダで作出されたシュラブ系の品種。 ‘小春日和’ 野生のバラの趣を残したような素朴な雰囲気の花で、小ぶりの花が多数開花する。花径5㎝の四季咲き性で、耐病性に優れる。1994年日本で発表されたフロリバンダ系の品種。 ‘サンギネア’ 花弁が剣弁になって星のような印象の一重咲き。一輪もしくは少数の房になって開花し、次々と開花する。学術的に貴重なプリミティブなチャイナ系の品種で、1820年以前の作出と考えられる。 ‘デンティ・ベス’ 一重咲きの品種の中でもひときわ華やかな印象。紫色のしべと花弁の対比が美しく、花にはスパイス系の芳香がある。1925年イギリスで作出されたハイブリッド・ティ系の古品種。 ‘ベティー・ブープ’ 写真の‘ベティー・ブープ’は、クリームの花びらにくっきりと赤い覆輪が入る個性的な色合い。花付きがとてもよく、花保ちも優れている。耐病性に優れた品種。花径7㎝ほどで、1999年にアメリカで発表されたフロリバンダ系の品種。 花形には、「一重」や「八重」のほかに、「整形」「クラシック」「その他」があります。それぞれの魅力的な花形から、好きなバラを見つけて、ぜひ身近に育ててください。




















