神奈川県在住。慶應義塾大学文学部卒業。東京農業大学大学院農学研究科造園学専攻修士課程修了。20代でタネまきのホームページを立ち上げたことを機に、園芸の道に入る。植物を種子から育てる研究を行ない、タネまきガーデニングの普及活動を行なっている。現在は神奈川県横浜市の自宅で、毎年違う一年草の草花を使って庭づくりをしている。
三橋理恵子 -園芸研究家-
神奈川県在住。慶應義塾大学文学部卒業。東京農業大学大学院農学研究科造園学専攻修士課程修了。20代でタネまきのホームページを立ち上げたことを機に、園芸の道に入る。植物を種子から育てる研究を行ない、タネまきガーデニングの普及活動を行なっている。現在は神奈川県横浜市の自宅で、毎年違う一年草の草花を使って庭づくりをしている。
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失敗しない秋の植え替え「8つの鉄則」 もう花苗をダメにしない! 完全ガイド
なぜ、買ってきた花苗や鉢花は、植え替えが必要なのか Lapa Smile/shutterstock.com 園芸店で販売されている鉢花は、価格も手頃でガーデニングを手軽に始めやすいのが魅力です。しかし、購入した鉢をよく見てみると、鉢底の穴から根がびっしりと見えていることはありませんか? これは、根が鉢の中でいっぱいに広がり、それ以上伸びるスペースがなくなった根詰まりの状態です。お店に並んでいる鉢花は、根が鉢いっぱいに回っているものがほとんどです。このままでは根が新しい水を吸うことができず、植物は元気に育ちません。そのため、買ってきた鉢花は、より大きな鉢へ植え替えることが元気に育てるための第一歩となるのです。 鉢花は、たいていプラスチック鉢に植えられています。植え替えの際は、草花の色などに合った素敵な鉢に衣替えしてあげましょう。 また、お店で売られているのは、見栄えのする鉢花だけではありません。ポリポットに入った花つきの苗も、植え替えが必要です。ぐんぐん生育する品種なら、植え替えてからすぐにひと回りもふた回りも大きくなり、大型の鉢花に負けないほどたくさんの花を咲かせてくれます。大きな鉢に植えてボリューム感を出したい場合は、数株を一緒に植えてもいいでしょう。 成功の鍵は植物の根! 植え替え前に知っておきたい根鉢のこと 鉢植えの草花は、土から上の目に見える「株」の部分と、鉢の中の土に隠れた「根鉢(ねばち)」の部分に分かれます。 根鉢の処理の仕方は人それぞれで、軽く根を崩す人もいれば、まったく崩さない人もいます。しかし、この処理を間違えたために、植物がうまく育たないケースは意外と多いのです。多年草であれば、やがて根が回復することも期待できますが、生育期間が短い一年草の場合、根の処理の失敗は致命的になることもあります。 DDiana/shutterstock.com 根鉢の正しい処理法は、根の張り方や太さ、そして植え付ける季節によって変わってきます。 特に注意したいのが、ゴボウやニンジンのように、太い根がまっすぐ伸びる「直根(ちょっこん)タイプ」の植物です。草花では主根が細く、直根タイプかどうか見分けにくいのですが、セリ科の草花などによく見られます。植えつけの際にこの根を切ってしまうと、その後の生育が極端に悪くなります。 逆に、パンジー&ビオラのように細い「ひげ根」がたくさん張るタイプは、根の先端を少し切ることで、新しい根の発達を促すことができます。ただし、根を切ってよいかは季節によっても変わるため、その都度の判断が必要です。 これだけは押さえて! 植え替えを成功に導く「8つの鉄則」 ここからは、植え替え作業を失敗なく行うための具体的な8つの鉄則を紹介します。一つひとつの手順を丁寧に行うことで、植物は新しい環境にスムーズに適応し、ぐんぐん元気に育ち始めます。 1.秋に植えるなら花期の長い花を選ぶ まず大切なのが、植物選びです。 鉢花には多年草(宿根草)の草花が多くあります。花後にちょっとした手入れをすれば、次の花期にも花を咲かせます。一方で花期が短く、株を育てる期間のほうが長いものでは楽しみも半減。鉢花を買うなら、長く花を楽しめるものを選ぶのが賢明です。 秋に買って長く楽しめる花の代表的なものは、マーガレット、ユリオプスデージー、ゼラニウム、ブルーデージー。咲き終わった花(花がら)をこまめに摘み取ることで、長く花を咲かせ続けてくれます。 2.植え替え前は乾かし気味が基本 植え替え作業の前には、水やりを控えて土を乾き気味にしておきましょう。土が乾いているほうが、鉢から株を抜きやすく、根鉢を扱いやすくなります。ただし、植物がしおれるくらい弱っているときに植え替えると、株がショックを受けて枯れることもあります。 3.根鉢は崩さず、根詰まりは見逃さない 買ってきたポット苗や鉢花を植え替える場合、大切なのは健康な根鉢を崩さずにそのまま植え付けることです。これは、根から雑菌が入る心配を減らし、植物が新しい環境に順応しやすくなるためです。 ポットの底穴から、白くて勢いのある根が少し見えているくらいなら、根が元気に成長している証拠。このような健康な苗は、根鉢を崩さずにそのまま植え付けて問題ありません。 ① ポットの底から、勢いのよい白根が少し飛び出しています。このような状態ならそのまま植え付けできます。 ② 根鉢を崩さずにそのまま植えます。 ただし、ポットの中で根がぐるぐると回り、固まってしまったルートバンド状態になっていたら、少し手を加える必要があります。多少根をカットして、下向きに伸ばせる根を作りましょう。この作業をせずに植えると、根がまったく伸びていかないことがあります。 根が鉢の底で固まっている(根詰まりしている)場合はハサミで、底の部分を5~10mmほどカットします。こうすることで、新しい根が下向きに伸びやすくなります。 4.植え替え3ステップをマスターする 根の状態を確認したら、いよいよ植え替え作業に入ります。この基本の3ステップをしっかり覚えましょう。 ① 根を鉢から抜く 根を傷つけないよう、ポットを軽く押しながら、そっと株を抜き取ります。 ② 根鉢の状態を確認する 鉄則3に従って、根鉢を確認。根詰まりしている場合は、根の先端をカットします。 ③ 新しい鉢に植え替え 元の株よりひと回り大きな鉢を用意し、Ⓐの部分に用土を入れます。その上に株を置き、Ⓑの部分に用土を詰めます。植え替えが終わったら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。 植え替えすると、根の張るスペースを得て、株はさらに大きく育ちます。根が底から飛び出すくらい育てば、さらにもう一度ひと回り大きな鉢に植え替えます。 5.季節に合わせた根鉢の処理を知る 根鉢の処理は、季節によって変わります。特に秋は植物の生育期なので、多少根を整理しても元気に回復します。 春と秋の植え替え(生育期) 根が固まっている場合、鉢底の1cmほどの根を軽くほぐしながらカットします。根の先端部を少しカットすることで、新しい根の成長が促されます。ただし、根を切りすぎると、種類によってはその後の生育に影響するので、ほどほどに。 春や秋の生育期なら、鉢底1cmほどの根を軽くほぐしながらカット。 冬の植え替え(休眠期) 冬は生育が非常に緩やかになるため、根を切ると回復に時間がかかります。根が完全に回っている場合でも、底の部分をハサミで軽くカットして、新しい根が下に向かって伸びるのを助ける程度にとどめましょう。 根鉢の底の外側を中心に細い根を軽くハサミでカットして、下向きに伸ばせる根を作ります。 夏の植え替え 真夏の暑さで株が弱っているときに根を切ると、吸水がうまくいきません。なるべく根を切らないようにしましょう。また、切った根の部分から雑菌が入り、枯れることもあります。この季節は成長も旺盛なので、根が回っていない、株の老化の進んでいないポット苗を買うことが大切です。 6.植物の根のタイプを見極める より効果的な植え替えをするには、植物の根の張り方を知ることが重要です。根のタイプは、大きく分けて4種類あります。 太い根が粗く張るタイプ 根が太いので、たくさん切ると吸水が追いつかなくなり、一時的にしおれることもあります。根を切りすぎないことがポイント。サクラソウなど丈夫な草花が多いので、吸水さえ追いつけば、やがて回復します。 直根(ゴボウ根)タイプ ポピーやセリ科の植物などは、中心の太い根(直根)を切ってしまうと、生育不良になります。一年草タイプでは植え替えも禁物。 ごく細い根が浅く張るタイプ ベゴニアなどごく細い根の草花は、根を切られることを嫌います。根の張りも浅いので、根詰まりしているときも、土を軽くほぐす程度に。 ひげ根がたくさん張るタイプ パンジーなど多くの草花がこのタイプです。根が多少切れても、そこから根が分枝して伸びます。 7.根を切ってはいけない植物を覚える 根のタイプのなかでも特に注意が必要なのが直根タイプや、根が細いタイプの植物です。ヒユ科、ケシ科、セリ科の植物などの直根タイプに加え、アスター、アリッサム、アルケミラ・モリス、イベリス、ブルースター、クレオメ、ケイトウ、ハツユキソウ、コスモス、サンビタリア、スカビオサ、ニチニチソウ、ハゲイトウ、ハボタンなどは、植え替えの際に根を切られると生育不良になりやすいので特に注意しましょう。 8.鉢は、大きすぎないサイズを選ぶ 草花を鉢植えにするときは、根のサイズに合った鉢を選ぶのが基本です。根の量に対して、大きすぎる鉢に植えるのは避けましょう。大きめの鉢に植えると、土が深く、土に保持される水分量も多くなり、なかなか乾きません。土が常に湿った状態だと、根が水を求めて伸びる必要がなくなるので生育が緩慢になったり、土の中の酸素が不足して根腐れの原因になったりすることがあります。 一方、根のサイズに合った鉢では、土の水分量も限られるため、根は水を求めてどんどん伸びていきます。土が乾湿を繰り返し、水分のメリハリがつくと生育によいといわれるのもこうした事情によります。 寄せ植えのために、根鉢をサイズダウンさせるには ハンギングバスケットや寄せ植えを作るとき、買ってきた苗の根鉢が大きすぎてスペースに入らないことがあります。 その場合は、根鉢をサイズダウンさせる必要があります。 作業の際は、まず土を乾き気味にしておき、根をなるべく傷めないようにやさしく土をほぐします。 必要であれば、根を切り落とします。 ただし、根の伸びるスペースが少なければ、苗の寿命もそれだけ短くなることは避けられません。 あくまで一時的に楽しむためのテクニックと心得ておきましょう。 もっと詳しく知りたいあなたへ! 新刊書籍30冊プレゼント 10月1日に発売された新刊書籍『新版 イラストで学ぶ、はじめてのガーデニング 花を育てて暮らす、豊かな時間』(KADOKAWA刊) 監修・文/三橋理恵子 イラスト/阿部真由美 AB版144ページ 失敗しない秋の植え替え「8つの鉄則」は、いかがでしたか? この記事で紹介した内容は、『新版はじめてのガーデニング 花を育てて暮らす、豊かな時間』(KADOKAWA刊)に掲載されている情報のほんの一部です。 本書は、美しい植物のイラストと共に、日々のガーデニング作業の基本とコツを丁寧に解説しています。知りたい項目を見開きで確認できる構成や、巻末の150語の園芸用語集など、初心者からベテランまで役立つ情報が満載です。 まるで絵本のように美しいこの1冊を、抽選で30名様にプレゼントいたします! ご希望の方は、以下の応募フォームからお申し込みください。ご応募の締め切りは、10月13日(月曜・祝日)。当選された方には、発行元のKADOKAWAより書籍を直接お贈りいたします(10月中旬発送予定)。 さらに、お手元に届いた本書のご感想をご自身のSNSやブログまたはAmazonなどに投稿してくださった方には、書籍のイラストを使ったオリジナル壁紙をプレゼントする特典もご用意しています。*所定の期間での投稿と、投稿後にご連絡を入れていただく必要がございます。 多くの方のご応募をお待ちしております。
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秋こそベストシーズン! 翌春の花壇が見違える「11の庭仕事」リスト
秋はガーデニングのゴールデンタイム Julie julie/Shutterstock.com 「暑さ、寒さも彼岸まで」という言葉がある通り、あれほど厳しかった記録的な猛暑もようやく落ち着きを見せ始めました。朝晩の涼しい風や、日中の柔らかな日差しは、庭仕事をする私たちにとっても、そして夏の暑さに耐えてきた植物たちにとっても、まさに恵みの時間です。過ごしやすい穏やかな気候の秋は、ガーデニングのゴールデンタイムと呼ばれています。 では、なぜ秋がそれほど特別な季節なのでしょうか。その理由は、この時期の庭仕事が「夏のダメージからの回復」「厳しい冬への備え」「輝かしい春への仕込み」という3つの重要な役割を担っているからです。 ABO PHOTOGRAPHY/Shutterstock.com まずは、春から夏にかけて花を咲かせ続けた多年草などを植え替えたり、切り戻したりして、疲れた株をリフレッシュさせる絶好の機会です。同時に、これから訪れる冬の寒さを乗り切れるよう、植物自体の耐寒性を高めるための管理を始める大切な時期でもあります。 そして何より、ガーデナーの心をワクワクさせるのが、翌年の春に向けた準備です。秋に行う作業は、来年の春の庭の景色に大きく影響し、まさに「翌春に差がつく」ものばかり。パンジーやビオラの苗を選んだり、チューリップやスイセンの球根を植え付けたりしながら、春の庭を想像するのは、この季節ならではの大きな楽しみと言えるでしょう。 このように、開花中の花の世話から冬支度、来シーズンの準備まで、秋の庭はやるべきことが目白押しです。だからこそ、必要な作業をリストアップして、計画的に進めていくことが大切になります。 次の項からは、具体的にどんな作業をすればよいのか、詳しく見ていきましょう。 春の景色は秋で決まる!差がつく「11のガーデニング作業」 さっそく、この秋にやっておきたい具体的な作業を11個のリストにしました。一つひとつこなしていくことで、来年の庭の美しさが大きく変わってきます。 1.多年草を植え替えて、来年の成長を促す 春から夏に人気のペチュニアやバーベナなど、栄養系タイプの草花は、秋のうちに植え替えておくと、翌年の株張りに大きく差が出ます。整理して切り戻した茎は、挿し芽をしておくと、簡単に根づいて株を増やせます。 2.株分けでお気に入りの植物を増やす 花が終わって夏越しが成功した多年草は、地際から株が広がり、株分けできるほど生育しています。このままでは窮屈なので、株分けしましょう。あまり細かく分けすぎないのがポイントです。 3.用土や肥料は、シーズン前にまとめて購入 ガーデニングをしていて、一番買いに行く回数が多いのは、用土です。いざ使いたいときにないと困るので、事前に必要な土を買いそろえておくと安心できます。一緒に肥料や薬剤など、基本的なものも買っておきましょう。 4.来シーズンに向けた土づくり 花壇では、夏の花が終わったら、さっそく土を掘り起こして耕します。土がぱさぱさしているようなら、腐葉土や堆肥などの有機質分をすき込んで土づくりして、秋花壇の準備をします。 5.意外と見落としがち? 庭やコンテナの大掃除 ガーデニングの土台である花壇やベランダが、整理整頓されていなければ、花も映えません。 とくに忘れがちなのが、コンテナの掃除です。雨のはね返りなどでコンテナの側面は汚れやすいもの。使い終わったコンテナやポリポットは、中性洗剤できれいに洗って、干してからしまいましょう。病原菌を防ぐ意味もありますが、用具の管理は、ガーデニングの基本でもあります。 6.まだまだ咲く花へ、追肥を忘れずに 秋のコンテナや花壇は、最近の暖冬傾向で、開花期間が伸びて、12月になっても勢いよく咲いているものもあります。花期が長いので、とくに注意したいのは肥料切れ。お手入れ不足がないかどうか、チェックしてみましょう。 7.越冬する害虫は、今のうちに駆除 注意したいのが、越冬アブラムシ。冬の間、植物の株元などで越冬するアブラムシは、春になると一気に増えてしまいます。見つけにくい厄介な害虫なので、浸透移行性殺虫剤を数回散布して、根絶しましょう。 8.使った土は捨てないで! 古土の再生 プランターで育てた花が終わったあと、残った土をどうしていますか? そのまま捨ててしまうのは、もったいない! 古い根やゴミを取り除き、ビニール袋に入れて日光に当てるなどして消毒すれば、再び使えるようになります。 9.冬の寒さから守るマルチングと切り戻し 戸外で越冬させる株の寒さ保護には、軒下に取り込むほか、表土をバークチップなどで覆うマルチングが効果的です。一方、株は体積が大きいと寒さを受ける部分が増えるので、半分程度まで切り戻します。切り戻しは、わき芽の成長を促進する効果もあって、一挙両得です。 10. 秋の挿し芽で苗作りを楽しむ 多年草草花などは、挿し芽で簡単に増やせます。秋のうちに挿し芽をして、苗をたくさん作っておけば、冬の育苗の楽しみも味わえます。温暖地なら、たいていの種類は戸外の軒下などで管理できます。 11.枯れた一年草の片づけは慎重に 枯れた一年草は片づけますが、タネがこぼれる草花では、土をそのままにしておくと、早春になってこぼれダネから発芽することもあります。どこかの庭から飛んできたタネから、草花が育つことも。あるいはペチュニアのように、一年草といっても、暖かい場所なら冬を越して、大きな株になって翌年花を咲かせるものも多くあります。片づけの見極めは慎重に。 【プロの技】冬越し成功率が上がる、植物の耐寒性をつける秋の花育て 晩秋から初冬は、植物の冬越し準備をする大切な時期。冬咲き草花、春の開花を待つ草花、寒さに弱い鉢花などがよりスムーズに冬を乗り切るために、今できること。それは、植物が耐寒性をより増すように管理することです。 耐寒性は、大きくは植物の原産地の環境に左右されますが、育て方しだいで、寒さにより耐えるよう慣らすことができます。実際、世界各地の植物が行き来し、外来植物を育てる機会が多くなった今、耐寒性を増す管理法は、欠かせないテクニックの一つです。 耐寒性向上の鍵は秋の管理です。具体的には、水やりがいちばんのポイント。水を与える間隔をだんだんあけていき、植物の体内の水分量を徐々に減らします。こうすると葉の糖分量が増え、葉はごわごわしますが、より寒さに耐えられるようになります。 「水を減らす」というと、与える量を減らすと考えがちですが、これは間違い。水やりの間隔はあけるものの、鉢底からたっぷり流れるほど水やりします。寒さに弱い植物は、寒さがくると成長を止めて休眠状態に。これらは水やりの間隔をぐっとあけます。 植物に耐寒性をつけるには、強い寒さがくるまでに植物を丈夫に、栄養たっぷりに育てておくことも大切。それには日光に当て、バランスよく肥料を与え、株をコンパクトに育てておきます。強健に育った株は、冬越しもスムーズです。 耐寒性って何だろう? 耐寒性とは、植物が寒さに耐えられる指標のようなもの。寒さの厳しい場所が原産地なら耐寒性が強く、熱帯・亜熱帯地方の植物には、寒さに耐える力はありません。 一般的な園芸植物では耐寒性、半耐寒性、非耐寒性の区別があります。ただし耐寒性草花といっても、強い寒さがきたときなどは生育が止まったり、株が傷んだり、ひどいときは枯れることもあります。 とくに品種改良の進む園芸草花では、品種によっても耐寒性は違います。同じ家でも東西南北の向きや日当たり、風の強さなど条件は異なります。植物の様子を確認しながら、寒さ対策を考えるのが一番です。 耐寒性アップの鍵は水やりにあり もっとも重要なポイントは、水やりの方法です。水を与える間隔をだんだんあけていきます。こうすることで、植物は体内の水分量を減らし、代わりに糖分濃度を高めて、寒さに強い体質に変化していきます。 process 1 秋までの水やりの間隔を、だいたい把握しておきます。 process 2 水やりの間隔を、だんだんあけていきます。最初1日おきであれば、次は2日おきに。それに慣れれば3日おきに。土の表面が乾いても、葉先がしおれていなければ、水やりしなくて大丈夫。気温の下がる晩秋から冬の水やりは、午前中がベスト。夕方以降の水やりは避けます。 process 3 最終的に何日水やりの間隔をあけるかは、鉢の大きさ、植える植物、土の性質、置き場所などによってまちまち。植物の様子を見ながら見極めます。 process 4 水を制限していくと、茎葉はごわごわして堅くなり、緑もより色濃く。株自体の成長は遅くなりますが、よりしっかりしまった株になります。 耐寒性を高める3つのポイント 水やり 寒さで葉が傷みやすいので、夏のように葉の上から水を与えないようにします。株元の土めがけて、ジョウロのハス口をつけずに水を与えます。 肥料 チッソ肥料は植物のからだを作ります。ただしこの時季(秋)、必要以上に葉茎を伸ばすことは、耐寒性をつける妨げになるので、控えめに。根を育てるカリウム肥料は、耐寒性に貢献します。 置き場所 日当たりの悪い場所で日光を好む植物を育てると、貧弱に育ち、寒さに耐える力も弱くなります。場所が限られている場合は、こまめに鉢を移動して、日に当てる工夫を。また冬に風が強く吹く地域では、植物を上手に冬越しさせるうえで大切です。 植物の種類別、秋からの管理法 冬咲き草花 パンジーやストック、リナリアなど、冬にも戸外で花を咲かせる草花は、寒さに強いもの。水やりの間隔をだんだんあけながら、より耐寒性がつくよう、寒さに慣らしながら育てましょう。 室内で管理する冬咲き植物 ベゴニアやポインセチア、プリムラ・オブコニカなどは、冬咲きといっても寒さに弱いもの。暖かい室内で管理します。室内の温度が平均して高い場合は、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。昼夜の温度差が大きい場合は、夜間窓際から鉢を離すなどして、温度差を少なくする工夫を。 戸外で管理している春咲き草花 カレンデュラやジギタリス、スイートピーなど、春咲き草花のほとんどは耐寒性が強いので、秋のうちに定植すれば、冬越しはわりと簡単。ただし風が強い場所では、風よけの工夫を。寒さで葉が傷むなら、べたがけシートをかぶせましょう。 冬に保護が必要な熱帯植物 ハイビスカスやランタナ、ルリマツリなどの熱帯植物は、寒くなったからといって、早めに室内で保護するのはタブー。耐えられるうちは戸外の日当たりのよい場所に置き、寒さに十分慣らしましょう。株の体積が多いと、寒害も受けやすいので、半分くらいまで切り戻すと、冬を越しやすくなります。また必要以上の保護をせず、だんだん寒さに慣らしていくと、温暖地では戸外で越冬できるようになります。ただし、慣らすのは徐々に。 もっと詳しく知りたいあなたへ! 新刊書籍30冊プレゼント 10月1日発売の新刊書籍『新版 イラストで学ぶ、はじめてのガーデニング 花を育てて暮らす、豊かな時間』(KADOKAWA刊) 監修・文/三橋理恵子 イラスト/阿部真由美 AB版144ページ 翌春の花壇が見違える「11の庭仕事」リストは、いかがでしたか? この記事で紹介した内容は、『新版はじめてのガーデニング 花を育てて暮らす、豊かな時間』(KADOKAWA刊)に掲載されている情報のほんの一部です。 本書は、美しい植物のイラストと共に、日々のガーデニング作業の基本とコツを丁寧に解説しています。知りたい項目を見開きで確認できる構成や、巻末の150語の園芸用語集など、初心者からベテランまで役立つ情報が満載です。 まるで絵本のように美しいこの1冊を、抽選で30名様にプレゼントいたします! ご希望の方は、以下の応募フォームからお申し込みください。ご応募の締め切りは、10月13日(月曜・祝日)。当選された方には、発行元のKADOKAWAより書籍を直接お贈りいたします(10月中旬発送予定)。 さらに、お手元に届いた本書のご感想をご自身のSNSやブログまたはAmazonなどに投稿してくださった方には、書籍のイラストを使ったオリジナル壁紙をプレゼントする特典もご用意しています。*所定の期間での投稿と、投稿後にご連絡を入れていただく必要がございます。 多くの方のご応募をお待ちしております。





















