大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。現在は園芸や家庭菜園などのジャンルを中心に、雑誌・書籍・ウェブサイト等でフリーランスの編集者・ライターとして精力的に活動中。自宅ではコチョウランや多肉植物のほか、鉢植えのバラの栽培も楽しんでいる。
関口千鶴 -エディター/ライター-
大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。現在は園芸や家庭菜園などのジャンルを中心に、雑誌・書籍・ウェブサイト等でフリーランスの編集者・ライターとして精力的に活動中。自宅ではコチョウランや多肉植物のほか、鉢植えのバラの栽培も楽しんでいる。
関口千鶴 -エディター/ライター-の記事
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育て方

秋の長雨で植物が弱っている! 根腐れ・蒸れを防ぎ、傷んだ株を秋に復活させる「リカバリー術」【後篇】
長雨で土がずっと湿っている鉢は「根の環境」を立て直す 根腐れで枯れた株。写真/伊藤章太郎 長く使った鉢土は、繰り返す水やりによって次第に粒の構造が崩れ、排水性や通気性が低下していきます。鉢土がなかなか乾かなくなると、根の周囲に十分な空気が入りにくくなり、根腐れの原因にもなります。土が泥のように締まり、水を与えても抜けにくくなっている場合は、新しい培養土や排水性を高める資材を使って部分的に土を更新します。 通気性と保肥力を高めるために土にゼオライトを混ぜる。RESTOCK images/Shutterstock.com 元の土にゼオライトやパーライトを2割ほど混ぜることで、古い土の通気性と排水性が回復し、根の生育環境が整います。ゼオライトは、重さがあるため水やりで表面に浮き上がらず、長期間土中にとどまり、土の中に空気の通り道を作って根腐れを防ぐほか、肥料分を吸着しゆっくりと供給する保肥力も備えています。 排水性を高めるのに有効なパーライト。写真/伊藤章太郎 一方、パーライトは排水性を高めるのに有効ですが、非常に軽いため、水やりや風によって土の中から徐々に表面へ浮き上がり、流出しやすいという特徴があります。長雨で水はけの悪さが気になる場合はパーライトを、通気性を保ちながら土の保肥力も改善したい場合はゼオライトを取り入れるなど、土の状態に合わせて使い分けましょう。 蒸れを防いで、株の周囲に風の通り道をつくる 花がらは残さず切っておきましょう。Kate Stock/Shutterstock.com 長雨の時期は水分だけでなく、高い湿度と風通しの悪さにも注意が必要です。葉が茂りすぎて株の内部まで空気が通らなくなっている場合は、黄色くなった葉、枯れ葉、地面に接している傷んだ葉などを取り除きます。花がらも長く残しておくと、湿った状態が続いて傷みや病気のきっかけになることがあります。鉢植えは密集させず、鉢と鉢の間隔を少し広げるだけでも空気が流れやすくなります。 雨後の晴れ間に要注意! Alliance Images/Shutterstock.com また、雨の後の晴れ間は一気に高温になることがあります。ベランダなど熱や湿気がこもりやすい場所では、サーキュレーターや扇風機を活用し、日中の暑い時間帯に植物の周囲に風を送るだけでも、葉の温度を下げて周囲の熱気を逃がす高い効果があります。植物同士の間隔を確保し、鉢を台やスタンドに載せて地面から少し浮かせるのも一案です。 マルチングで根を熱から保護する マルチングしたオンファロデス。写真/伊藤章太郎 植物が傷む大きな原因の1つは、鉢植え・地植え共に温度上昇によって根がダメージを受けることです。これを防ぐために、今からでも取り入れたいのが、土の表面を覆うマルチングです。おすすめの素材は、石英(矢作砂など)やゼオライトなど白色系の無機系資材です。直射日光を反射し、地温上昇を抑制する効果が期待できます。また水分の保持、さらには豪雨時の泥跳ねを防止して土壌由来の病原菌の感染を防ぐというメリットもあります。 生け垣や低木が風を遮っていないか確認 生け垣が茂り過ぎていないかチェックを。Irina Starikova1811/Shutterstock.com 地植えの庭の場合は、生け垣や低木が風を遮っていることもあります。その場合、余分な枝をすっきりと整理し、空気の通り道を作ってあげましょう。ただし、ハサミを入れる前に植物の性質を見極めることが大切です。多くの生け垣用樹木は剛健でいつでも剪定できますが、一季咲きのアカシアなどのように、夏から秋口にかけて翌春の花芽を作り始めている種類もあります。この時期に深く切り詰めてしまうと、来年の花芽をすべて失い、春に花が咲かなくなってしまいます。 宿根草の切り戻しは「晴れ間」に軽く 徒長して折れたジギタリスの茎を剪定。写真/3and garden 夏の間に徒長して倒れ込んだ宿根草や、枯れ込んだ茎葉を整理するのも、株を立て直す方法の1つです。ただし、秋口に株全体を深く切り戻すのは避けましょう。この時期には、秋の花芽がすでに育っている植物や、翌春に向けた準備を始めている植物があります。全体を強く切り戻すと、これから咲く花まで失ってしまうことがあります。秋の切り戻しは、「株を小さくする」のではなく、「傷んだ部分を整理して風通しを回復させる」程度を目安にします。 特に以下の植物は、秋の開花や株の健康を守るため、強い切り戻しは避けてください。 宿根フロックスは花がらを切る程度に。Radovan1/Shutterstock.com 通年咲き: ネペタ、ガウラなど 早春咲き(翌春の準備を始めるもの):クリスマスローズ、常緑系クレマチスなど 夏咲き(まだちらほら咲いているもの): エキナセア、宿根フロックスなど 秋咲き(開花真っ盛りのもの): カリオプテリス、シュウメイギクなど そして、2026年のように雨の日が続いている秋には、もう1つ重要なポイントがあります。雨の日や、これから長時間雨が続く直前の切り戻しは避け、できれば晴れ間を選ぶこと。長雨中は「今すぐ切らなければ」と焦らず、植物が乾いたタイミングを待ちましょう。 切り戻した後の管理の約束 切り戻し後の株の水やりは、株元にそっと。写真/3and garden ハサミを入れた後の株は非常にデリケートな状態になっています。切り口から雑菌の侵入や過剰な水分による病気や腐敗の発生を防ぐため、切り戻し直後は管理に気をつけましょう。切り口を濡らさないよう、数日間は上から水をかけず、株元だけにそっと水を与えます。また、突発的な雨で濡れないよう、鉢であれば雨の当たらない軒下などへ避難させて静養させることも大切です。 寄せ植えは枯れた株だけをリフレッシュ 夏から秋へ寄せ植えをリフレッシュ。寄せ植え制作/難波良憲 写真/3and garden 寄せ植えの場合、枯れてしまったものだけを取り除き、生き残った株を生かして秋仕様に再生させることができます。傷んでしまった株は、移植スコップなどを使い、周囲の土ごとバッサリと根を切りながら抜き取ってしまいましょう。隣に植わっている植物の根を傷つける不安があるかもしれませんが、心配は不要です。寄せ植えに適しているような植物の根は丈夫で、根全体の1/3程度までであれば切ってしまっても心配することはありません。怖がらずに、傷んだ株の根をシャープに切り離して抜き取りましょう。株を抜き取った後の空間に、新しい土を足して新しい苗を植え戻す際、元の土にゼオライトやパーライトを2割ほど混ぜることで、古い土の通気性と排水性が回復し、根の生育環境が整います。 これからは「耐久性に優れた」植物選びを 夏咲きのおすすめ。ヤブラン(左上)、ワレモコウ(右上)、キキョウ(左下)、トウテイラン(右下)/DebbieHJones、Kabar、JJ YANG/Shutterstock.com KENPEI/ Wikimedia Commons / CC BY 3.0 これからの時代の園芸は、かつての指標だった「耐寒性」よりも、圧倒的な酷暑と乾燥、そして秋の長雨といった大きな気象変化にどう対応できるかも植物選びの重要なポイントになります。そんな、今こそ注目したいのが日本の気候に古くから適応し、さらに昨今の極端な夏の気候にも問題なく順応するほどの高い耐久力を持っている日本在来の野生種、あるいはそれを元に選抜された宿根草です。夏咲きではヤブランやワレモコウ、キキョウ、トウテイランが、秋咲きではフジバカマやツワブキがおすすめ。 秋咲きのおすすめ。フジバカマ(上)、ツワブキ(下)/suntoki、tamu1500/Shutterstock.com 気候そのものを変えることはできませんが、植える場所や土、水やり、風通しを少し見直すことで、植物が受けるダメージは減らすことができます。さらに、耐久性に優れた強い植物を選ぶことも、これからも園芸を楽しむうえでは必要なことになります。 猛暑を越した植物に、今必要なのは「頑張らせない」こと Sashko/Shutterstock.com 猛暑で体力を消耗した植物に長雨が重なる2026年の秋。元気がない植物を見ると、水や肥料を与えたり、思い切って切り戻したりと、つい何かをしたくなります。でも、弱っているときほど大切なのは、無理に成長させることではありません。 水を与えすぎない 雨に当てすぎない 蒸れさせない 切りすぎない まずは根が呼吸でき、葉や株元に風が通る環境を取り戻しましょう。秋雨が落ち着けば、植物にとって過ごしやすい気温の日も増えてきます。夏を生き抜いた株には、まだ回復する力が残っているかもしれません。株の様子をよく観察しながら、焦らず秋のリカバリーを始めてみてください。
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育て方

【プロが伝授】枯れた!? 諦めるのはまだ早い! 酷暑で傷んだ植物の見極めと緊急処置【前篇】
昔とは違う、植物が枯れる原因 色あせて茶色く傷んだ花びらや、葉焼けした葉が見られるベランダのアジサイ。強い日差しや水不足によって傷みが。K-FK/Shutterstock.com 夏の猛暑を乗り越えたはずなのに、9月になって植物の元気がない。葉が枯れ込んだり、枝先が傷んだり、突然株全体が弱ってきたり——。じつは、今目の前に現れている不調の原因は、現在降っている雨だけとは限りません。真夏の高温と乾燥によって受けたダメージが、時間をおいて表面化しているケースもあります。今、私たちが目の前にしている植物の夏枯れの原因は、じつはここ10年で変化しています。かつて夏越し失敗の主因は水のやりすぎによる根腐れとされてきましたが、2020年代以降はそれとは真逆に、水不足(水切れ)による枯死が主流になっています。過去と現在の気象データを比較すると、その理由は一目瞭然。 上のグラフは気象庁が公表している過去の気象データを比べたものです。1981年と2025年の愛知県名古屋市の8月の気象データを比較すると、月間降水量は約6分の1に激減し、平均湿度も11%以上低下しています。一方で、35℃を超える猛暑日は、25日増加。現代の日本の夏は、植物にとって極めて過酷な乾燥砂漠と化していることが分かります。 気づいたその日に! すぐにできる緊急レスキュー バルコニーの鉢植えに遮光ネットを。Hari darling/Shutterstock.com 「もうダメかもしれない」という植物を見つけたら悩む前に、すぐできる応急処置を施しましょう。今は、9月になっても残暑が厳しい日が続くので、少しでも早く熱から守ってあげることが優先です。鉢植えであれば直射日光を遮り、温度を下げるために、日陰で風通しのよい場所へ避難させます。地植えの場合は、遮光ネットなどを株の上に張って人工的に日陰を作ってあげましょう。 見た目で分かる植物のSOS診断 「枯れた」と諦める前に、まずはその植物のルーツを調べてみましょう。SNSの情報に惑わされず、専門書や園芸サイトで調べるのが正しいリカバリーへの唯一の近道です。植物の本来の生育環境が分かれば、SOSへの正しい対処法が見えてきます。 例えば、南アフリカ原産の植物は、もともと乾燥していて朝晩の寒暖差が大きい気候で育っているため、日本の夏のような「夜になっても気温が下がらない高温多湿な環境」が苦手です。そのため、ジメジメしやすい夏の間は水をあげすぎず、乾燥気味に育て、風通しをよくして管理するのがポイントになります。このように植物の生まれ故郷の気候を知ることは、水やりや置き場所といった日々の管理を考えるうえで大きなヒントになります。こうしたルーツの知識を頭に入れておくことが、園芸をより深く楽しむための心強い助けとなります。 【症状別の見極めと対応】 A 全体が茶色や灰色になり、カサカサに乾いている 写真は、オージープランツでつる性常緑植物のケネディア。一見、完全に枯れているように見えても、じつは深刻な水切れで葉が乾いているだけの可能性が非常に高い状態です。この場合は、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えて反応を待ちます。その後は、しっかりと乾かしてから、たっぷりと与えるという乾湿のメリハリを意識すると植物に復活のスイッチが入ります。株がシャキッと立ち上がってきたら、枯れた葉や茎を取り除きましょう。 鮮やかな赤い花が美しいケネディア・コクシネア。 結構な水切れ状態から復活リシマキア。 深刻な水切れでぐったりとしなびていたリシマキアの株が、適切な水やりを施すことで、元のみずみずしい姿へと見事に復活を遂げました。 B 下葉が黄色くなる、または中心部しか緑の葉が残っていない 水のやりすぎに加え、土が温められたことにより葉の一部が傷んだメリアンサス(枯れてはいない)。 これは常緑低木のメリアンサス・コモスス。メリアンサスが分布している南アフリカの地域は夏の湿度は低く、月間降雨量が数ミリで、晴れる日が多いです。冬は逆に降雨量が多く、曇りの日が多いです。ですから、夏に湿度が高くそれなりの降雨量があり、冬は降雨量が少なく乾燥している日本とは、逆の気候パターンが自生地の特徴です。そのため、日本の高温多湿な夏は苦手。写真の状況は病気ではなく、人間で例えると「夏バテをしたので、活動を控えめに体力を温存している」状態。この場合は下の古い葉を枯らすことで、上の新しい芽を生き残らせようとしていると考えられます。つい、枯れた葉を取りたくなりますが、枯れた葉が日光から茎を守っている場合もあるので、自然に落ちるまでそのままにしておくことをオススメします。 C 株元がグラグラする、あるいは水を与えているのに急にしおれる 株元がふにゃふにゃでぐらついた多肉。GreenThumbShots/Shutterstock.com 昨日まで元気だった株がいきなり倒れたりグラグラしたりする場合は、「根腐れ」、またはコガネムシの幼虫による根の「食害」が疑われます。コガネムシの幼虫は8月末頃から活動が活発になることが多いため、食害された株が、早いと9月に入ってすぐにグラグラする場合が多いです。なお、食害は11月上旬頃まで続くので気が抜けません。「食害」の場合、根の残り具合によっては、新しい土に植え替えることで復活の可能性があります。一方、根が溶けて異臭を放っている「根腐れ」は復活できません。 写真は、水を与えすぎたうえに猛暑で土が温められ、根がドロドロに溶けてしまい、完全に根腐れしてしまった様子。この場合は潔く諦め、原因となった置き場所や水やりなどが適切だったのかを振り返り、次に活かしましょう。 「まだ生きている!」ダメージの境界線チェック ① 株のどこかに「緑色」が残っているか 緑の部分が残っていてまだ生きている宿根スイートピー。 地上部が枯れて見えても、株の根元や中心部の成長点などに、一箇所でも緑色の生きた組織が残っていれば、復活の可能性は十分にあります。このような場合は、強光や過熱を避け、水やりは鉢内が完全に乾いてから少量与える「チビチビ水やり(下記で解説)」を行います。夏に生育緩慢な株への過剰な水やりは、根腐れを招く要因になりますので避けましょう。大切なのは、置き場が適正か、土の乾き具合はどうなのかを観察して対策する。可能であれば、朝昼晩と1日2~3回観察&対策をできるとよいですね。また、傷んだ葉はむやみに触らずに気温が下がるのを待つのがベターです。 ② 鉢を抜いて「白い根」があるか 左は白い根がない状態。右は白い健康な根が残っている。 鉢植えなら、一度抜いて根を確認してみましょう。写真右のバーベナのように白い健康な根が張っていれば、その植物は生きています。白い根と黒く傷んだ根が混在している場合は、 傷んだ根をすぐに整理したくなりますが、まだ残暑が厳しい9月中旬は根を触らずそのまま戻すのが正解です。黒い根の整理や植え替えはもっと涼しくなってから行い、それまでは水やりの頻度も量も減らし静養させましょう。水やりは、鉢を持ってみて軽くなっていたら与えると考えてください。 ③「休眠」と「生育緩慢」を混同していませんか? 写真は西洋オダマキです。地上部が枯れたように見えますが、じつはいたって健全な生育過程です。これは休眠ではなく、一時的に動きが止まる生育緩慢な状態で、枯れたように見えてもこのような場合が多いのです。よく見ると株の中心には新芽の生命力がしっかりと残っています。このように夏の間は動きが止まっている植物は、土に水分が多いまま気温が上がると水が太陽光で温められて熱湯のようになり、根を傷めてしまいます。 そのため、生育緩慢期にはたっぷりの水やりは避け、毎日、夕方以降に土の表面を少し湿らせる程度の「チビチビ水やり」に切り替えましょう。すぐに乾くため、根を痛めるリスクを最小限に抑えられます。また、直射日光が当たらない場所での管理が前提です。 水やりは重さでメリハリ管理 土の表面が乾いたらたっぷりという基本は、ときには過湿を招くことになります。表面は乾いて見えても、鉢の底はまだ潤っているというズレが起こるからです。 確実なタイミングを知るためには、たっぷりと水を与えたときの最大重量を手で覚えておきましょう。鉢を持ち上げて明らかに軽いと感じたときこそが本当の水やりタイミングです。写真は表土は乾いているけれど(左)、スリットから覗くとじつは鉢の底は水分をたっぷり含んでいるという状態(右)。このときはまだ水やりしません。 また、屋外に放置されたホースや蛇口に溜まっている水は、直射日光で温められ熱湯になっています。水やりの際はしばらく流し続け、冷たくなってから与えてください。 地植えの植物にも水が必要なタイミングを見極める これまでは雨任せが基本だった地植えですが、近年の乾燥下では人工的な水やりが不可欠です。植物が発している「喉が渇いているサイン=葉に弾力がなくなり、表面に筋が入るなど」を見逃さないようにしましょう。 例えば、下記のようなサインには気をつけてみてください。 ・ニチニチソウ/葉が丸まる ・ベゴニア ‘センパフローレンス’/葉色が薄くなる ・コチョウラン/葉に厚みがなくなりひらべったくなる このように、植物ごとに水切れしたときの症状は異なります。そのため、普段から健康な時の株の状態をよく観察しておくと、異変をいち早くキャッチでき、対策を講じることができるようになります。 また、地植えの場合は表面だけに水をまいても、根まで届く前に地熱で蒸発してしまいます。地植えに水を与える際は、以下の手法を実践してください。 地面にホースを置きっぱなしにして。Riccardo Arata/Shutterstock.com ●ホースでの水やり/ホースの先端を地面に置き、水圧を弱くして株元に30分ほど流しっぱなしにします。水分が時間をかけて土壌の深部までじんわりと浸透し、根にしっかりと届きます。 ●水鉢を作る/各植物の株元の土をドーナツ状に盛り上げて、一時的に水を貯める土手(水鉢)を作ります。その中に水を注ぐと水が周囲に逃げずゆっくりと真下へ染み込んでいくので効果的です。 肥料は涼しくなってから 真夏に弱った植物に肥料を与えるのは、「熱中症で倒れている人に、無理やりウナギの特盛りを食べさせる」ようなもので、根にさらにストレスを与える行為です。気温が落ち着き、植物が自ら新芽を伸ばし始めるサインを見せるまで、肥料は控え水やりをしながら見守りましょう。
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樹木

9月10日前後が勝負! 秋バラを美しく咲かせるために今やるべき「剪定」 後藤みどりさんが解説
「9月10日前後、今剪定すべきバラは?」 大輪・中輪の木立ちバラ(ハイブリッド・ティーなど)→ 9月10日前後 シュラブローズ→ 9月に入ったら早めに 弱っている株→ 無理に剪定せず、株の回復を優先 猛暑時代の新常識。今、夏剪定は本当に必要? かつての夏剪定は、8月末までに行うのが定説でした。しかし後藤さんは、「今の日本の残暑を考えると、一斉にハサミを入れる時期を遅らせる必要があります」と提唱します。最近の猛暑では、バラも人間と同じように夏バテします。水分が少なかったり暑すぎたりすると、バラは「生命維持に精一杯」になり、成長がピタッと止まってしまいます。7月、8月に出てきたつぼみはあえて咲かせず、早めに摘み取って株を充実させるのが、秋によい花を咲かせる重要なステップです。 「切る」メリットと「切らない」という選択肢 秋にまとまった花数で見事に咲かせたいなら、やはり剪定は不可欠です。夏の間につぼみを摘んで株を休ませることで、秋に向けての体力を温存し、涼しくなる10月中旬以降に美しい花を咲かせることができます。 一方で、スペースの限られたベランダでミニバラなどを育てている場合、秋に一斉に咲かせることにこだわらず、次々と咲かせて彩りを絶やさないスタイルもおすすめです。夏の間もポツポツと咲き続ける姿は、ベランダを明るくしてくれます。 秋の開花から逆算! 品種と地域で見極めるベストな時期 秋に開花した‘ジャストジョーイ’(左)と‘ウィンディー ナイト’(右)。Photo/Komatsu Garden 「近頃、関東地方以西の平地では、夏剪定は9月10日頃にするのが現実的です」と後藤さんは指摘します。あまり早く切りすぎると、まだ暑い9月中に咲き進んでしまい、バラが本来の色や形を発揮できないからです。 また、品種の性質に合わせて、剪定の時期をわずかにずらしましょう。 ●大輪・中輪の木立ちバラ(ハイブリッド・ティーなど):9月10日前後を目安。 ●シュラブ(半つる性):9月に入ったらすぐ。枝が伸びる力が強く、つぼみがつくまでに時間がかかる性質があるため、早めに剪定すると、秋の開花が揃いやすくなります。 さらに、地域による調整も必要です。標高の高い寒冷地では、7月までは咲く花を楽しみ、夏剪定は特に行わないスタイルが一般的。無理に深く剪定すると、開花まで時間がかかり、開花前に寒くなってしまうためです。その地域の気温の変化を見極めることが大切です。 剪定前が肝心! 酷暑中の株のケア3つのコツ 1 水やり 夏の水切れは、株に深刻なダメージを与えます。水をしっかり与えた株と乾かし気味にした株では、花もちが1週間以上も変わります。鉢植えは鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、鉢内の熱をクールダウンさせます。 2 活力剤と肥料の使い分け 夏バテで成長が止まった株には、まずはお盆すぎ(8月15日以降)から活力剤を与えて根の回復を助けます。 3 病害虫対策を万全に お盆すぎの黒星病の治療と害虫の駆除はとても効果があります。この時、黄色い葉は取り去り、液肥を与えて新葉を育てましょう。見違えるくらいよくなっていくのが分かります。 【実践】鉢植えバラをコンパクトに仕立てる剪定術 ベランダや狭い庭でバラを育てる場合、株をコンパクトに保ちつつ、風通しを確保することが重要です。8号鉢の「ウィンディー・ナイト」を用いて、後藤さん直伝の夏剪定をステップを追って見ていきましょう。 ステップ1 「仮剪定」で株をスッキリさせる いきなり完成形を目指して切るのではなく、まずは全体の花がらやつぼみをすべて切り落とします。これにより、株全体の枝ぶりが見えやすくなり、本番の剪定がスムーズになります。 ステップ2 基準となる「物差し枝」を決める 一番太くて立派な枝を「物差し(基準)」にします。 ステップ3 上から1/3を目安に「本剪定」 基準となる枝が決まったら、樹高の上から約1/3程度まで切り戻します。切る位置は、よい芽が出そうなしっかりとした節の上で。浅い剪定だと花が小さくなってしまうため、太い枝のところまでしっかりと切り戻すのがコツです。他の枝も基準の枝の高さに合わせて切っていきます。 ステップ4 不要な枝を整理して「風の通り道」を作る 内側に向かって伸びている枝を剪定。 株の内側に向かって伸びている枝や、枝が重なり合っている部分は、より元気な枝を残して元から切ります。また、明らかに細い枝は思い切って整理し、太い枝に栄養を集中させます。コンパクトな樹形を維持し、光と風を株の中心まで届けることが、健やかな生育と開花につながります。 剪定後に上から眺めて、切り口(赤丸)の太さがおおむね揃っていればOK。 バラの夏剪定後の手入れ 夏剪定をして風通しもよくなった1鉢。秋の開花に向けて生育を始める。 剪定後には水やりをして、肥料を補給し、力強い新芽の伸びをサポートしましょう。猛暑が続いている場合、鉢植えは1日2回の水やりが必要になることもあります。 失敗しないためのポイント① 赤い新芽はどうする? 「もったいなくて切れない」という初心者の心理が、失敗の原因になることもあります。剪定時にすでに出ている赤い新芽をそのままにしておくと、そこだけが先に咲いてしまいます。秋に一斉に咲く景観を作りたいなら、思いきって切りましょう。 失敗しないためのポイント② 剪定後開花してしまったら? 剪定後すぐに小さい花が咲いてしまった場合がありますが、その場合、もう一度15cmくらい切り戻すことをおすすめします。また、9月には害虫が活躍し始めるので、先端を食べられた時も切り戻しを行うとよいでしょう。




















