いとう・しょうたろう/花き市場で生産者から仕入れるバイヤーや、種まきや挿し木で生産を行う生産者としても活動。好きな植物はエキウムなどムラサキ科全般、エリンジウム、キキョウ、ジンチョウゲ、バンクシア。スペイン語を習得して南米に行きたいと夢見るバックパッカーという一面も。2010年よりNHK『趣味の園芸』で講師としても活躍。1児の父。
伊藤章太郎 -園芸研究家-
いとう・しょうたろう/花き市場で生産者から仕入れるバイヤーや、種まきや挿し木で生産を行う生産者としても活動。好きな植物はエキウムなどムラサキ科全般、エリンジウム、キキョウ、ジンチョウゲ、バンクシア。スペイン語を習得して南米に行きたいと夢見るバックパッカーという一面も。2010年よりNHK『趣味の園芸』で講師としても活躍。1児の父。
伊藤章太郎 -園芸研究家-の記事
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宿根草・多年草
【プロがイチオシ】枯れにくい植物教えます! 失敗しない最強多年草4選
枯れにくい最強多年草の選出基準 苗に添えられたラベルの説明書きやネット記事でよく見かける「植えっぱなしOK!」というフレーズ。それを信じて育ててみたものの「半年で枯れたじゃん!」なんてことが起きて、ガーデニングを諦めたり、自分を責めたりしている人におすすめしたい植物をご紹介します。 今回セレクトした4種類すべては、これまで種子を播いて苗を作り、花を咲かせたあと、それらを親株にして、また増やして……といった栽培過程を一通り経験した私自身が選んだものです。「何もない場所に初めて何かを植えてみよう」と考えている人や、何度も枯らして、うまく植物が育たないという園芸初心者さんにも試していただきたい植物たちです。 【セレクト1】意外と知られていない⁉︎ バプティシア ムラサキセンダイハギよりも草丈は低いが、ほぼ同じ見た目なので見分けにくい園芸種の‘ブルーベリーサンデー’。 一見、ルピナスのような花形と草丈のバプティシアは、数は多くはないもののいくつか園芸品種があり、春にマメ科特有の形をした濃い青花が咲くムラサキセンダイハギ(Baptisia australis)と呼ばれる種が有名です。ほとんどの種類は、ルピナスのように、上に向かって花茎が立ち上がります。原産地は北米で、ムラサキセンダイハギという和名から同じマメ科の多年草のセンダイハギ(Thermopsis)や落葉低木のハギ(Lespedeza)と混同されがちですが、これらとは遠い親戚的な関係で、同一の植物ではありません。 左から/‘ダッチチョコレート’、‘バニラクリーム’、レウカンサ 。 バプティシアは春の一季咲きで、地域にもよりますが、4月末〜5月上旬に咲き始めます。根が地中で肥大化し、そこから新しい茎がいくつも上がってくるので、年々株が増えて存在感が増していきます。センダイハギのように地下茎を張り巡らせて、あっちこっちから芽吹くことはないのも扱いやすい点です。草丈は品種により異なりますが、多くは最大1〜1.2m、株張りは多くが最大60〜80cmで、4時間以上日の当たる場所なら問題なく育ちます。 バプティシア・ペルフォリアタの花。葉の上に黄色い花が乗っているように咲きます。 バプティシアの特徴は、種からの発芽率があまりよくないこと(休眠打破に高温処理などが必要なため)。これまでバイカラー (B.bicolor)、ペルフォリアタ(B.perfoliata)、ティンクトリア(B.tinctoria)、ペンデュラ(B.pendula) 、レウカンサ(B.leucantha) という数種のタネを播いた経験がありますが、どのタネも100粒ほど播いても、発芽はせいぜい2〜5粒と、思い出すだけで泣きたくなる曲者でした。 マメ科なので、花が終わった後に豆ができますが、サヤの形は種類によって異なります。 病気はうどんこ病に、害虫はミカンコナカイガラムシに要注意です。冬季は、茎や葉など地上に出ている部分をほぼ枯らして、株元に冬芽を少しだけ残して越冬します。 【セレクト2】ヒマワリに似たヒマワリモドキのヘリオプシス 左/ヘリオプシス・ヘリアントリデス 'バーニングハーツ' 右/ヘリオプシス・ヘリアントリデス 'サマーナイツ' 馴染み深い見た目をしたヘリオプシスは、キク科の多年草で、原産地は北米です。「ヒマワリモドキ」という和名が付けられている理由は、ヘリオプシス(Heliopsis)という学名が「ヒマワリ(Helianthus)に似た花」という意味だから。ちょっとややこしいのが、一般に流通しているヘリオプシスは、ヘリオプシス・ヘリアントイデス(Heliopsis helianthoides)という種類がほとんどで、種小名である「ヘリアントイデス」=「ヒマワリに似た花」なので、ヘリオプシス・ヘリアントイデスを直訳すると「ヒマワリに似た花のヒマワリモドキ」になります。一体何者? と正体を勘繰りたくなる名称です(昆虫界にはニセクロホシテントウゴミムシダマシなど、名称だけ見ると理解困難な強者がいますが……)。 ‘ブリーディングハーツ’の花。朱色っぽい花色から黄色っぽく変化します。 もともとの種自体がそれほど多くないためか、園芸品種も少なく、日本国内では5種類ほどが流通しています。 花期がとても長く、太平洋側の温暖な地域ならば5月下旬から霜が降りるまで咲き続けることがあります。真夏は花が咲きにくくなることがありますが、草丈の半分ほどの位置で切ると再び開花します。草丈は1mを超えるので、伸びすぎたら切り戻して、低い位置で開花させるのもよいと思います。株張りは最大で30cmほど。 日当たりは6時間以上あるのが望ましく、半日陰でも枯れはせず育ちますが、ヒョロヒョロでシャキッとしない見た目になります。ヘリオプシスの中には、黒葉の品種がいくつかありますが、日当たりが悪いと黒葉が緑葉になります。 種子の発芽率は、多年草の割にはよく、50%ほどは発芽します。 花色が変わった‘ブリーディングハーツ’。 病気はうどんこ病に、害虫はアブラムシとオンブバッタに要注意です。冬季は茎や葉など地上に出ている部分をほぼ枯らして越冬します。冬芽なども残さずに越冬するため、完全に枯死したように見えますが、最高気温が20℃を超える時期になると株元から新しい茎が伸び出てきます。 【セレクト3】見落としていませんか? 宿根フロックス(フロックス・パニクラータ) 左から/ 'フレイムライトブルー' 、 'ダーウィン・ジョイス' 、 'フジヤマ' 2017年7月号の『趣味の園芸』で紹介した多年草です。フロックスは一年草の和名で、キキョウナデシコと呼ばれるドラモンディ(P.drummondii)、ほふく性のストロニフェラ(P.stolonifera)やディバリカタ (P.divaricata)、シバザクラという和名で有名なスブラタ(P.subulata) などが国内で流通しています。しかし、育てやすさはダントツで宿根フロックスやオイランソウ、クサキョウチクトウとも呼ばれるフロックス・パニクラータ(P.paniculata)です(この記事では、以下宿根フロックスで統一します)。 フロックス・パニクラータ。Tibesty/Shutterstock.com 宿根フロックスは、オランダやイギリスなどで育種されたものが多く、真っ赤や紫系の花色、絞り咲きなどの園芸品種もあります。もともと欧州に自生していた植物と思われがちですが、宿根フロックスを含めフロックスの多くは、北米が原産地です。また、シバザクラも「サクラ」という名称と知名度で、無意識に日本原産と思われがちですが、同じく北米原産です。 シバザクラ。IhorStore/Shutterstock.com 日本で花名所も多く親しまれているシバザクラは、湿度が70%を超える時期が続いたり、風通しのよくない場所や保水力のある土に植えると株の中心が茶色くなりやすく、夏越しができないことがあります。一方、宿根フロックスは、シバザクラが育ちにくい環境でも難なく育ちます。真夏の直射日光が長時間当たる場所でも、1日4時間ほどしか日光が当たらない場所でも育って、花もしっかり咲きます。 'クレオパトラ' の花。花びらの中心部が少し膨れ上がるのが特徴。 宿根フロックスの花期は長く、地域によっては晩春から霜が降りるまで咲き続けます。花付きが悪くなった場合、10月頃に草丈半分ほどの位置で切ると、1カ月ほどで再び開花します。草丈は品種や種類によりますが、最大で1mほどになります。株張りは最大で60〜80cmになるものが多いです。 発芽率はまあまあ悪いので、種子から育てようかなと考えている人は心してください。一年草のフロックス・ドラモンディと同じくらい発芽すると思って播くと、その手間と時間が台無しになります。 花が咲かないことで有名な 'ブラインドライオン'。まれに濃いピンク色の花が数輪咲くことがある。 病気はうどんこ病に、害虫はアブラムシに要注意。宿根フロックス=うどんこ病という印象を持っている人がいるほど、うどんこ病が出ます。冬季は、茎や葉など地上に出ている部分をほぼ枯らして越冬します。冬芽なども残さず越冬するため、完全に枯死したような見た目になりますが、最高気温が20℃を超える時期になると株元から新しい茎が現れます。 余談ですが、宿根フロックスを豪雪地域で生産している専門家は、雪が降る時期は温室のビニールシートを取り外し、3号ポット苗の宿根フロックスを積もった雪に埋もれさせたりして数カ月ほど暖かくなるまで放置しているそうです。 【セレクト4】切り花でも楽しめるお得なヘレニウム 代表的な品種の 'オータムロリポップ'。切り花としても流通しています。 ヘレニウムは北米原産のキク科植物で、一年草と多年草があります。和名でダンゴギクと呼ばれるヘレニウム・オウタムナレ(Helenium autumnale)が一般的で、ヘレニウムの中でも一番知名度があります。オウタムナレの園芸種には、‘モーハイムビューティー’や‘ヘレナレッドシェイズ’があります。別種の園芸種ですが、花びらがほとんどなく、まるで飴菓子のようなユーモラスな花姿の‘オータムロリポップ’(H.puberurlum ‘Autumn Lollipop’)もよく見かけます。 黄色ベースの花弁にオレンジ色が混じる 'モーハイムビューティー'。開花する時期によっては、黄花やオレンジ花が現れる。 花期は長く、太平洋側の温暖な地域ならば5月下旬から霜が降りるまで咲き続けることがあります。真夏に花が咲き辛くなることがありますが、草丈の半分ほどの位置で切ると再び開花します。 草丈は品種や種類にもよりますが、1mほど。株張りも品種や種類で異なりますが、50cmほどを目安に。日当たりは6時間以上が理想です。半日陰でも枯れはせず育ちますが、ヒョロヒョロでシャキッとしない見た目になります。 えんじ色に黄色が少し入る ‘ヘレナ・レッドシェイズ'。時期によっては、完全なえんじ色で咲くことがある。 発芽率は多年草の割にはよいです。園芸種を含むオウタムナレ各種、フープシィ(H.hoopsii)、ビゲロビー(H.bigelovii )の3種類を播いたことがありますが、どれも50%以上は発芽しました。 フープシィ。I rina Vertuzaeva/shutterstock.com 注意することは、植えて数年経過するとバプティシアのように肥大化した根から新しい茎がいくつも出てくるので、それなりに大きく育って横に広がり、場所を拡大します。種子が落ちて、そこらじゅうから発芽したり、地下茎であっちこっちから芽が出て困るということはありません。 ビゲロビー。Wut_Moppie/shutterstock.com 害虫はオンブバッタに要注意。冬季は茎や葉など地上に出ている部分をほぼ枯らして越冬します。冬芽なども残さず越冬するため、完全に枯死したような見た目になりますが、最高気温が20℃を超える時期になると株元から新しい茎が現れます。 絶対枯らさないための最低限の条件とは ヘレニウム 'ヘレナ・レッドシェイズ' の開花前の状態。 今回セレクトした4種は、枯れにくい強い性質です。まったく日光が当たらない真っ暗な場所や、常に湿っていて沼のような土壌、もしくは、一度植えたら水をいっさいやらない、などという極端な環境やケースを除き、“植物を育てる上で最低限の常識内の手入れ”をすれば枯れる心配のない植物です。病害虫など外的要素を除き、意図的に枯らそうとしない限りは、そう簡単には枯れません。 高温多湿と耐寒性に優れているのもポイント Tanya_Terekhina/Shutterstock.com 今回セレクトした理由の一つは、「性質の強さ」です。性質が強いというのは一番に、気候の変化に耐えるということです。ご存じのとおり日本の国土は縦に長く、大きく分けると亜寒帯性気候、温帯性気候、亜熱帯性気候の3種類に分けられます。 そのため、例えばある人が「寒さに強い」と言っても、1月と2月は最高気温でも氷点下の日が多い北海道と、ダウンコートを着る機会がほとんどない沖縄では、「寒さ」の印象に差があります。 逆に「暑さに強い」と言っても、7月や8月の京都や愛知県西部のように湿度80%前後で気温35℃をたびたび超え、雨の多い環境に住んでいる人の「暑さに強い」と、年間の降雨量が日本で一番少なく標高が高い長野県に住んでいる人の「暑さに強い」にも大きな差があります。 ちなみに、私が住む愛知県の7月の降雨量は、長野県の約4倍あり、長野県で一番人口の多い長野市の平均標高は362mと、環境に大きな違いがあります。 Zyn Chakrapong/Shutterstock.com 3つのエリアのうち、亜熱帯性気候は抜きにして(亜熱帯性気候の沖縄県に住む読者の方、ごめんなさい)、亜寒帯性気候と温帯性気候の地域とで一年中屋外で育つもののうち、夏場は、気温30℃以上かつ湿度70%前後の高温多湿が3カ月も続く地域で、毎冬に積雪が数週間溶けずに残ったままであったり、土の中が何日も凍るような環境の違いがあってもビクともしない、という理由で4種の植物を選びました。 ※参考 http://grading.jpn.org/SRB02402.html 枯れにくい最強多年草4選まとめ 今回ご紹介した植物は、じつは原産地はすべて北米、そしてキク科です。ほかにも北米が原産地でキク科の植物というと、特定外来生物として有名なオオハンゴウソウ(Rudbeckia laciniata)、オオキンケイギク(Coleopsis lanceolata)、要注意外来生物のセイダカアワダチソウ(Solidago altissima)などがあります。 キク科というのは、すべての植物の中で品種や種類が一番多いので、たまたま偶然にもキク科ばかりが揃ったわけで、すべての北米原産の植物が強い性質で育てやすい、というわけではありません。ご存じのとおりに北米と呼ばれるアメリカとカナダは縦にも横にも広く、気候も亜熱帯性から寒帯性まであり、背の高い植物が生えていないステップ気候から高山気候、熱帯モンスーン気候と変化に富んでいます。 Bardocz Peter/shutterstock.com もちろん植物の種類も多く、青色の花が鮮やかなファセリア各種やサルビアの数種は北米原産ですが、カリフォルニア州などの乾燥している一帯に分布しているため、植える土や水やりに気をつける必要があります(水分が多いとすぐ枯れます)。またクレマチス・ソシアリスやコアチクリスなどアメリカ東海岸部の州に分布しながらも高温多湿に比較的に強く育てやすいものもあります。これらも競合する他の植物が少ない環境で自生しているせいか、密植したりいろいろなモノが育ってきて混み混みな状況になると消えることがあります。事前にそれぞれの植物の諸情報は知っておくとよいでしょう。 とはいえ、個人的な感触としては、欧州や中央アジア原産の植物に比べると、北米原産の植物は栽培にそれほど神経を使わなくてもよいモノが多いかなと思います。
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樹木
【世界三大花木】ジャカランダの魅力と日本での栽培ハウツーをプロが解説!
世界三大花木の一つ「ジャカランダ」 MangkutFilm/Shutterstock.com 「アフリカの桜」や「南半球の桜」と呼ばれ、世界三大花木の一つに挙げられるジャカランダ。特徴的な青紫色の花が圧倒的な数で咲くその姿に魅了される人々が多く、僕自身もその魅惑的な植物に心奪われ、自らも育てたいと栽培をして7年になりました。南半球と北半球で開花する様子を見に行くほどの“ジャカランダ・フリーク”の僕が、その魅力を紐解きます。 ※この記事内での「ジャカランダ」はジャカランダ・ミモシフォリア - Jacaranda mimosifolia を指します。 ジャカランダって何? myphotobank.com.au/Shutterstock.com ジャカランダは、ノウゼンカズラ科の落葉高木です。原産地域はアルゼンチンやブラジルですが、ジャカランダが見られる有名な地域として南アフリカ共和国が挙げられることが多く、南部アフリカが原産と思われがちです。 以前、カリフォルニア出身の方とジャカランダについて話す機会がありましたが、「カリフォルニアでは当たり前に見られるから、ジャカランダはカリフォルニアが原産だと思ってた」と言うのです。植物にそれほど関心がない人にとって、原産地まで知らないのは当たり前だと思いましたが、そんな僕も、ジンバブエで見た経験から、南部アフリカが原産の植物と思い込んでいました。 一見するとネムノキっぽく見える。静岡県浜松市「浜名湖ガーデンパーク」にて。 ジャカランダの葉は、マメ科のように小さく細かく、均等に並んでいます。花が咲いていなければ、まるでネムノキ(マメ科)のように見えます。 ジャカランダの花期は、晩春から初夏 自生地の南半球では、花は11〜12月に、約1カ月間咲いています。北半球では、5月下旬から6月上旬に開花する場合が多いです。 ジャカランダには耐寒性がある? 幹が直径20cmを超えるほどに太く育てば、多少の寒さにも耐えられます。愛知県名古屋市「戸田川緑地公園」にて。 ジャカランダは亜熱帯の植物のため、基本的には寒さに強くありません。低温に耐えられても、せいぜいマイナス3℃程度までです。発芽して1年未満の若い苗は、5℃でも枯死します。樹高が1mを超えるまで育っているか、株元付近がぐらつかずにしっかりとした「木」として硬く成熟するまでは、最低気温が10℃を下回る時期の管理には注意が必要です。霜除けや雪除けのほか、寒風を避けるなどの防寒を行わなくてはなりません。 ちなみに、日本国内で巨大なジャカランダの株が見られる地域の位置や気候を調べると、どこも冬に氷点下になる日がほとんどない場所ばかり。たとえ雪が降り積もっても、数時間で完全に溶けるような温暖な地域がほとんどです。 10℃以下の気温になると葉が黄色くなり、葉軸などは赤くなって、やがて落ちる。 重複しますが、ジャカランダは「南半球のサクラ」なので、落葉樹です。冬季は落葉して越冬します。秋を過ぎた頃から葉色が変わり、葉や細い枝は落ちて越冬します。 ジャカランダは暑さに耐える? 静岡県浜松市「浜名湖ガーデンパーク」に育つジャカランダの大木。 ジャカランダは南米の亜熱帯を原産地としている花木です。亜熱帯の環境下に分布しているため、高温や多湿に対して注意する点はありません。日本国内では、亜熱帯の地域である沖縄県なら年中屋外での栽培が可能です。土質もこだわる必要はありません。 地植えをしている場合は水切れの心配はほとんどありませんが、鉢植えの場合は、生育期間内の水切れには注意が必要です。鉢の根の回り具合にもよりますが、特に真夏は1日数回の水やりが必要になります。いったん水切れを起こしても、すぐに枯死するわけではありませんが、葉が落ちたり、枝の先端部が壊死するなどのダメージがあります。 鉢植えで育てる場合、水やりの頻度が多くて管理が大変なら、枝の数を減らしたり、樹高を半分ほどの高さになるように切るとよいでしょう。より大きな鉢に植え替えるのも一つの方法です。 ジャカランダは、かなり大きくなる⁈ 愛知県名古屋市「戸田川緑地公園」の温室前で枝を広げるジャカランダの立派な株。6月の様子。 ジャカランダは、園芸分類でいうと「高木」に区分される落葉樹で、自生地では最大で20mにもなる樹木です。日本国内では、20mに達することはありませんが、それなりの高さや株張りになります。生育速度は、私個人の印象では、落葉樹の割には早いと感じています。生育速度が早いため、一度植えたら移植するのは大変な作業になるので、事前にしっかりと場所を吟味してから植えるのをおすすめします。 ジャカランダの苗木は、少量ではありますが、樹高1m未満で開花する接ぎ木苗が毎年流通しています。一般的に手に入る接ぎ木苗は、7号程度(直径約21cm)の鉢で管理しても花が見られるので、広大な敷地がなくても栽培は叶います。 日本国内で見られるジャカランダの名所 日本国内でも地植えで育っている場所は数カ所あり、宮崎県日南市にある「ジャカランダの森」は有名です。本州では「なばなの里(三重県桑名市)」「戸田川緑地公園(愛知県名古屋市)」「はままつフラワーパーク」「浜名湖ガーデンパーク(静岡県浜松市)」などにも植栽されています。静岡県熱海市や、東京なら代官山や目黒でも見られます。ネットで、「ジャカランダ + 地名」で検索すると、沖縄県や長崎県で開花しました! という目撃情報が簡単に見つかります。 ただ、ジャカランダを育てるのには「耐寒性」の限界がネックになります。ご紹介した既存の栽培地域は、本州の関東以南、太平洋側の一部地域、また、海に近い温暖な地域が多いです。 ジャカランダとの出会い Obediah Chitewe/Shutterstock.com 僕がジャカランダを初めて見たのは、2002年にアフリカ大陸を陸路で縦断している最中に訪れたジンバブエの首都ハラレです。このころは、大学を1年間休学し、約半年アルバイトで資金を作り、アイルランドに10週間、みっちり語学研修のため滞在。その後、エジプトから南アフリカ共和国の喜望峰を目指して、世界各地をのらりくらりしていました。 当時は、「珍しい植物を見るために旅行していた」のではなく、銭湯でトルコ人と話したことがきっかけで「トルコに行こう!」と思い立ったのが始まり。当時のバックパックの旅には、植物の要素は1%もありませんでした。 バオバブの木。Pyty/Shutterstock.com アフリカ大陸縦断中に訪れた国は16カ国ですが、その道中で見た植物で記憶にあるのはジャカランダとバオバブしかなく、共にジンバブエで見たものです。ジンバブエのバオバブは、「バオバブ街道」で有名なマダガスカルのバオバブとは違う種です。当時は植物にまったく関心がなかったため、もったいないことに、そのバオバブの木に触れても「ばかデカい樹だな」程度にしか思いませんでした。 Jordon Sharp/Shutterstock.com ジャカランダとの出会いに話を戻しましょう。ジンバブエ共和国の首都ハラレで泊まった安宿が「Jacaranda(ジャカランダ)」という名前で、現地の言葉で何か意味があるのだろうか?と、同室の宿泊者に質問してみたところ、 「なんだお前、気がつかなかったのか? 宿の前の通りで青い花をたくさん見ただろう。あれがジャカランダだ」 と教えられました。なんだ、花の名前だったのか。現地の言語の特別な意味ではなくて残念だなぁと思いつつ、というか、青い花? そんなのあったか? ……これがジャカランダとの出会いでした。 青い花に気がつかなかったのは、暗くなる前に宿を見つけて安全を確保したいと一心不乱に宿を探し歩いていたから。翌朝、明るい時刻になってから外に出てみると、言われた通りに青い花が咲いている樹木がありました。ジャカランダが、まるで桜並木のように街路樹として植えられていて、まさに青い街道! Pranesh Luckan/Shutterstock.com こうして、ジャカランダと初対面した時期はまだ満開ではなく咲き始めで、ジンバブエを出た後、ナミビアや南アフリカ共和国でもジャカランダを見ることができました。特に南アフリカ共和国のプレトリアという都市では、花が地面に落ち、地面が真っ青になっている「ジャカランダ好きにはおなじみの光景」を見ることもできました。ただ、重ねてになりますが、当時の僕は植物にまったく関心がなく、「咲き終わったジャカランダの花が地面に落ちていた」という程度の記憶しかありません。 現地と開花の仕方が違う 本来はサクラと同じように、枯れ枝にまず最初に花が咲き、開花期が終わりに差し掛かる頃から葉が生え始めるという生育をします。ですが、北半球では葉が展開したと同時に開花するという、原産地では見られない生育です。花と葉が同時に現れる、本来の性質とは異なる生育サイクルの要因は、まだ解明されていないようです(参考:日本植物生理学会)。 ジャカランダの花は本当は何色なのか 愛知県名古屋市「戸田川緑地公園」に咲くジャカランダの花。 ジャカランダの花が形容されるとき、英語の俗称で「ブルージャカランダ」と呼ばれていますが、実際はバイオレットや青紫色に近い花色です。 「図鑑やインターネット画像のみでしか見たことない、あの青紫花を実物で見てみたい!」と強く魅了される人が多いジャカランダ。植物にまったく興味がなくても花色が強烈に記憶に残ることから、それも納得です。 Shams F Amir/Shutterstock.com 南半球の植物が北半球で開花するからなのか、葉が展開しながら花が咲くという原産地とは違った状態で開花するからなのか、開花時期の光量の差なのか……。花色が異なる理由は分かりませんが、日本国内で開花したジャカランダは、どうもジンバブエで見たものよりも花色が薄く感じました。 ジャカランダの花を見に戸田川緑地公園を訪れたときに、ジャカランダを見たいからとプレトリアまでツアーで行ったというパワフルなご婦人とお会いしました。その際、花色について質問したところ、そのご婦人も、プレトリアで見たものよりも花色が薄い気がするとおっしゃっていました。 僕もこのご婦人も、思い出補正やバイアスがかかっているかもしれませんが。 ジャカランダの本当の花色は何色なのか……。それを確認する方法は、自身で育てて開花させたり、国内で花見をしたり、オーストラリアやニュージーランド、マレーシア、はたまた足を伸ばしてアルゼンチンやブラジルへ行ってみるしかありません。世界各地で咲くジャカランダの花色を見比べる旅。そんな妄想も楽しいものです(誰か連れてってー)。
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育て方
【プロが解説】その植物、買って大丈夫? 売ってOK? 知っておきたい植物の売り買いルール
販売されている商品の説明を確認していますか? Sebw/shutterstock.com 実際の店舗に出向いて、販売されている植物の苗や種子を手に取って、目で見て購入する以外に、現在ではインターネットを介して、実物を確認しなくても購入できるのが当たり前になっています。いわゆるインターネット通販です。 インターネットを通じて苗や種子を販売している人の中には、農業や園芸に従事している人はもちろん、会社に勤めながら副業として行っている人もいて、じつに多様です。スマートフォンの普及と共に、ひと昔前と比べて近年は誰でも手軽に、時間をかけずに出品できるようになったこともあり、さまざまな背景の出品者が増えています。 さらには一言でインターネット通販といっても、その形態はさまざま。例えば、 個人がWebショップを立ち上げて販売するオークションサイトやフリマアプリに出品するAmazonや楽天市場などの巨大インターネットモールに出店するSNSなどで直接やり取りをして販売する など、インターネットを利用した販売手段はとてもたくさんあります。 まずネット販売に共通するのは、ほぼ9割が「購入したモノを手にするときは支払いを終えた後」ということです(一部、後払い可の店もあります)。 大小さまざまな球根が並ぶ、オランダ、アムステルダムの園芸店の店先。 インターネットを利用して植物を購入する際の注意点は、支払いを終えてからでないと実物を手にできないため、支払いを終える前に「それが本当に購入したいモノかどうか」を慎重に見極める必要があるということ。まず一つできることは、「これはアレだ」と断定できる諸情報の確認。 特に種子は数字を確認! 左はチマサンチュの種子、 右はサニーレタスの種子です。これ、見分けられますか⁈ 一般に種子をインターネットで購入する場合は、商品の見本画像だけでは判断しにくいことが多いです。特に、まだ実物を目にしたことがない珍しい植物を種子から育てる場合は、本当にその画像が求める植物の種子かどうかも判断できないですし、その種子が完熟して発芽する力があるかどうかも見分けられないと思います。そのような状況で、いざ種子を購入し育ててみると「何か違うぞ」と感じたり、数年がかりでやっと咲いたのに、「全然違う花が咲いた!」なんてことが起こるかもしれません。そうなるとガッカリどころではないですよね。 大手メーカーの種子袋の裏側には、生産地、数量、発芽率、品種名、農薬使用表記、販売者、連絡先が明記されています。 購入を決める確認方法の一つとして、採種時期や発芽率、試し播きが行われたかどうか、などが具体的な数字で明記されているかが判断材料になります。 迷った場合は、販売者に質問するのも一案です。 Tatevosian Yana/shutterstock.com 家電の購入や旅行の予約などと比べ、苗や種子は安価なモノですが、頻度や量が増えればそれなりの金額になります。もしも発芽しなかったら、怒りや落胆のような一時的な感情はともかく、それにかけた情熱や期待、時間は取り戻すことはできないのです。 そして苗を購入するときに確認したいことは、ちゃんと許可を得て栽培されている苗かどうかということです。詳しくは、以下で解説します。 無許可栽培品の販売は禁止されています Baloncici/shutterstock.com まず知っておきたいのが、園芸にまつわる法律的な用語の一つ「品種登録」や「種苗登録品種」についてです。 「品種登録制度」とは、新品種の植物を育成者(その植物を作った人)が品種名をつけて、農林水産省に登録することで、育成者の権利を保護する制度(種苗法)のことです。審査後に新品種として登録された「登録品種」は、その品種の販売目的の増殖と販売権が保護されます。 なお、登録申請中でも営利・非営利関係なく無断増殖は禁止されています。 無許可栽培品が出回っています この制度をふまえながら、現在のインターネットを利用した植物の苗の売り買いを見てみると、品種登録されている植物の苗の無許可栽培品と思われる出品物を、割と簡単に見つけることができます。知らずに気軽に販売している人もいるかもしれませんが、これは違法です。 このようなことが見受けられる背景には、ほとんどの場合、お互い顔を一度も合わせずに取り引きが成立してしまうことも理由の一つで、特にフリマサイトやオークションサイトは基本的に匿名での売り買いが主流のため、販売する側の責任がより一層希薄になっているのかもしれません。 品種登録はラベルで確認 植物に添えられるラベルにも種苗登録されていることが記されています。写真のように「登録申請中」の表記であっても、営利・非営利関係なく無断増殖は禁止されています。 品種登録されている植物が販売される際には これは品種登録されています。無許可の営利増殖は禁止しています。海外への持ち出しは禁止されています。PVPマークや登録番号。 上記4点に類する文言を記載したラベルやタグを各苗に添付することが改正種苗法により義務付けられています。そのため、購入時にこれらが明記されているラベルなどが添付されていない苗は、許可を得られていないと判断することができます。 なお、品種登録されていない場合でも、育成者と販売契約を結んでいないと販売できないという植物もあります。こうした、品種登録がされていないけれど販売契約した人しか販売できないという植物に関しても、販売許可があることをラベルやタグに示して販売するように決めている育成者も多いです。こちらのラベルには「営利販売目的の増殖や無断増殖を禁止しています」という文言が書かれている場合が多いです。 ある苗に添付されたラベルには、使用した農薬が記されていました。この表記の存在を知らない人も多いのでは。 また一部の野菜やハーブの苗は、出荷する際に、生産者が農薬を使用した回数と濃度が記載されている農薬使用表記(上写真)の添付が義務化されているので(指定種苗制度(注1))、ハーブや野菜の場合は苗の状態と一緒に確認ができます。 植物の品質を担保する花き流通システム 現物を手に取ることができる園芸店やガーデンセンターなどの実店舗では、無許可栽培品が販売されるようなことはほとんどありません。また、インターネットのショップでも、それを生業としてビジネスを展開している店では、そのような品が並ぶことはありません。それは、花き流通に関わる人が、植物の権利や健全な流通を守り、商品に責任をもって仕事をしているためです。 苗が実店舗に並ぶまでの過程は 生産者 → 花き市場 → 実店舗 という経路をたどります。場合によっては、花き市場の次に仲卸が入ったり、生産者が直接実店舗に納めることもあります。 実店舗では無許可で登録品種の販売が行われることがほとんどないと断言できるのは、花き市場へ出荷するほぼ100%の生産者が無許可で登録品種を栽培しないうえ、出荷もしないからです。 それは、生産者が無許可で登録品種を栽培して収益を上げたということが発覚した時のリスクが多大だからです。仮に不正が明るみになった場合、取引先である花き市場や実店舗、苗や種子を購入する種苗会社からの信用を失い、以降業界でビジネスを継続することはできません。さらに、損害賠償が請求されたり、無許可栽培品の破棄にも手間がかかるなど、デメリットは死活問題です。それを十分に理解しているため、不正は行わないのです。 ですから、花き流通業に従事する人は、不正や違反に大変敏感です。もし、ある生産者が新しく何か作ってみようとか、未知の植物を生産してみようなどと考えたとします。その場合、まず何から考え始めると思いますか? 栽培方法や販売価格を考えるよりも先に、まずは「その植物は増やしていいモノか」「すでに種苗会社が関わっているか否か」という権利に関係する項目を調べてから始める場合がほとんどです。用心深い人ならば、海外パテント(国際特許)があるかどうかも事前に調べます。生産者にとって権利を侵害しない、させないということは、絶対的なルールなのです。 2018年にオランダの園芸店に並んでいたアガベ。ラテン語で書かれていない園芸品種はパテントがある場合も。 もしも無許可で栽培された登録品種を出荷しようものなら、実店舗に並ぶ前に、花き市場の関係者や仕入れを行うバイヤーなど複数人の目に触れるタイミングで「これって勝手に増やしてよかったモノだったっけ?」と疑いをかけられてしまいます。仮に故意でなかったとしても、無許可栽培が判明した苗を市場に出荷したら最後、出荷履歴が残るため、これが不正の歴史としてずっと残ってしまうことになります。 このように、花き流通のシステムは、厳しいチェック機能の役割も果たしています。ですから、登録品種であってもそうでなくても、このシステムを通り市場に並ぶものは、一定の品質が担保されていると思ってよいでしょう。 不正は品種保護Gメンが取り締まっています ならば、「花き市場などを通過せず、無許可栽培品を直接消費者に販売したらバレないのでは」と思われるかもしれませんが、そうはいきません。通称、品種保護Gメン(注2)という育成者の権利を保護する目的で働く人々が全国各地に存在し、無許可栽培品の販売に目を光らせて、不正を暴いているのです。 無許可栽培はしない、売らない、買わない 無許可で栽培したものを売るのは種苗法に違反するため法的な罰則が設けられています。では、買うのは法律に違反するのか、管轄の農林水産省に聞いてみました。 「買って自分で楽しむ分には、買った側が罰則を課せられることはありません。しかし、それを増やして人に売ったりすれば、罰則が課せられる可能性があります。ただ罰則がどうかということよりも、近年よくあるお問い合わせは、フリマアプリなどで買った種が発芽しなかった、あるいは写真と異なる花が届いたがどうにかならないか、というものです。我々としていえるのは、そういう困りごとを避けたいのなら、フリマアプリで買わないということ。不安なことや分からないことは、お店の人にちゃんと確認してから買いましょうということです」 消費者の正しい理解が植物の発展を支えています 無許可栽培品は当然、それが本物かどうかも含めて品質の担保は誰もしてくれません。買うならすべて自己責任ですが、無許可栽培品や品質の担保がされないルートが定かではないものは、買うべきではありません。 また、流通量の少ない希少な品種はオークションなどで価格が高騰する傾向にありますが、植物は生き物ですので、管理状況次第で品質は変わってしまうということを覚えておきましょう。よい店は、消費者の手元に苗が届くまでに苗の健康状態をみて土を足したり、液肥をあげたり丁寧にお世話をし、生産者から預かった苗の品質を落とすことはありませんし、むしろよりよい状態にして消費者に渡す高い技術を持っています。また、ネットショップなどでも優良店は、運送時の環境にも配慮し、梱包に丁寧な工夫を凝らしています。 品質の担保されない無責任な品物が市場に氾濫すると、こうした高品質な苗の価格に影響を及ぼします。ちゃんとしたものを作っても売れない、価格として評価されない、となれば、高度な技術を持った育種者や生産者、店舗も廃業せざるを得ません。そうなれば、胸がときめくような新品種も、優良な苗もなくなり、結果的に消費者もガーデニングが全然楽しめなくなります。 植物が好きで、ガーデニングをこれからもずっと楽しみたいなら、消費者も正しい知識を持ち、買い物の選択に責任を持つことが必要です。日本の育種技術や生産技術は非常に高く、海外への流出が問題になるほどその評価は世界的にみてもハイレベルです。消費者の正しい理解と選択は、海外から羨望の眼差しを浴びる日本の花き園芸市場を守り、さらに発展させていく大きな力になります。それは結果的に、たくさんの優良な苗、ユニークな植物の誕生として消費者に還元されることになるのです。 安心して植物を購入するために Olga Miltsova/shutterstock.com 実店舗でもインターネットを利用したショッピングでも、このお店は信用ができるというチェックポイントを消費者が持つことが大事です。店主やスタッフの人柄や、綺麗な画像、雰囲気の演出などもその一つですが、商品の知識量や決まり事をしっかり守っているかどうかは、何にもまして大切なチェックポイントです。お買い物の際にそうしたことを意識すると、よいお店を選べるようになってきて、よりよいガーデニングライフを楽しめますよ。 <参考サイト>(注1)農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/tizai/syubyo/attach/pdf/index-11.pdf (注2)国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 https://www.naro.go.jp/laboratory/ncss/hogotaisaku/files/taisaku-gyoumu-gaiyou_pamph.pdf (注3)先祖返り……交配親またはそれ以前の親や原種の性質や形状が現れること