ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田の記事
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レシピ・料理
春キャベツとパクチーで作る季節のごちそう「メキシカンコールスロー」
美味しい春がやってきた! キャベツとブロッコリー、キノコの温サラダ。 いつの間にか冬が終わり、待ち望んだ春がやってきました。ここからは植物達が一番イキイキ! 生命の美しさが溢れ出すシーズン。まるで沈丁花の香りを合図に、一斉に目を覚ましたかのよう。耳を澄ますみたいに、鼻を澄まして香りに意識を向けると、春は華やかで柔らかい香りがします。瑞瑞しい花々や生まれたての新緑の香り、南風の優しい香りが混じり、自然と呼吸も深くなっちゃう♡ スーハースーハー。 花粉症の方には辛い季節かもしれませんが、植物にとっても私たち人間にとっても、新しい季節の始まり。今年も春を迎えられたことに感謝して、美味しい自然の恵みをセレブレートしましょう! 万能! 野菜界の王様「キャベツ」 冬から春のお楽しみといえば、やはりキャベツ。昨今はキャベツの価格の高騰がニュースになっていましたが、万能野菜「キャベツ」は、やはり他の物には変えられぬ美味しさがあります。オーブン焼きにして水分が抜けるとコクが出るし、茹でてしっとり甘いのも大好き。私の大好物「お好み焼き」の主役だし、コールスローなどのサラダにするのもいいですねぇ。兎にも角にもキャベツは野菜界の「王様」なのです。キャベツisキングオブベジタブル! こちらは収穫したての冬キャベツ。冬キャベツは画像のようにギュッと巻いていて白っぽく、どちらかと言うと扁平気味。春キャベツはふっくらとしていて巻きが緩めです。 紫が入るとグッと色味が締まります。 私のお気に入りは普通のキャベツに紫キャベツを少し混ぜること。欧米風のサラダだって、エスニックな和え物だってこの紫が入れば魔法をかけたみたいに、華やかにドレスアップしちゃうんだから♡ ちちんぷいぷい! 美味しくなーれ! キャベツの薄い緑と鮮やかな紫、ここに緑のハーブが入ればパーフェクトなカラーリング。そう、料理の美味しさはもちろん大事ですが、見た目だって可愛くしたい! というわけで、今回はパクチーを合わせたいと思います。 両極端なファンを持つハーブ「パクチー」 英語ではパクチーのことを「コリアンダー」と呼び、タイ語では「パクチー」、中国語では「シャンツァイ」と、世界各地で広く食用されています。 日本人にとっては慣れ親しんだ香りではないので、嫌いな人は「絶対嫌だ!」と言い、好きな人は「大好き!」と言う、両極端なファンを持つハーブです。 タイ料理にも欠かせないパクチー。 17歳の頃にアメリカで食べた、初めての本格的なメキシコ料理はなんだか不思議な味でした。はっきり言えば、とにかく変な味! あの店はまずいんだ。と思っていましたが、今思えばあれが「パクチー」だったのです。いつの間にかパクチーの虜になり、自分でも育てるようになりました。 神奈川県では1月に播いた種子が3月にはワサワサと育っています。マルチもトンネルもせず、ただ適当に種子を播いただけ。 パクチーの育て方はとっても簡単。いつも言いますが、ハーブってのは、ほぼ雑草(いい意味で♡) 。手をかけなくても育ってくれる頼もしいごちそうです。 ホームセンターなどで苗も売っていますが、種子から育てると無限に収穫できるので、植える場所があれば断然! 種子からの栽培がおすすめです。プランターでもバッチリ育ちます。 パクチーの種子は硬い殻に覆われているため、そのまま播くと芽が出にくい傾向にあります。発芽率を高めるために、種まき前に軽く石などでトントンと叩くとよいでしょう! コリアンダーシードはパクチーの種子。スパイスとしても売られています。栽培する場合は栽培用の種子を用意しましょう。 露地栽培のパクチーはスーパーで売られている物とは香りが別次元! ぜひ育ててみてください。毎日必要な分だけ収穫する豊かさは格別です。 さぁ今夜は何を作ろう! パクチーとお似合いのスパイス「クミン」を組み合わせてはいかがでしょう? メキシカンに欠かせないスパイス「クミン」 私のキッチンで一番減りが早いスパイス、それがこの「クミン」です。セリ科の一年草で、爽やかさと刺激的な香り、そしてほのかな苦みがあります。 いかにもカレーらしい香りのエスニックなスパイスですが、じつはヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸、アフリカ大陸など幅広い地域で何百年にも渡って愛されているスパイスです。 トルコ料理、レバノン料理、モロッコ料理、スペイン料理、メキシコ料理などに使われ、このクミンさえ味方に付ければ、いろいろな国の料理を作ることができます。案外肉じゃがや、そぼろなどの和風料理ともよく合います。 こちらも好き嫌いがはっきりと分かれるスパイス。強烈で個性的ですが、嫌よ嫌よも好きのうち。じわじわとクセになる香りなのです♡ クミンを使ったミックススパイスに「チリパウダー」というものがあります。クミン単品では苦手な方も、これなら大丈夫かも?! 万能スパイスミックス「チリパウダー」 チリパウダーは、数種類のスパイスがミックスされた混合香辛料です。 基本的には、チリペッパーに、オレガノ、クミン、パプリカなどを加えたもので、決まった組み合わせはありません。ディルやガーリックなどが入っていることも。 メキシコ料理に必要なスパイスを調合する手間を省くために、もともとは中南米料理で使われてきたものが、アメリカで製品化されたようです。とにかく便利! 肉料理やスープ、乳製品とも相性が良いので一家に一本常備してほしいスパイスです。 粉唐辛子単独の辛いチリペッパーとは別物です。どちらもチリパウダーと呼ばれることがあるので、購入時には成分を確認するのをお忘れなく! タコスにも便利なチリパウダー。 数種類のスパイスが配合されているため、それぞれの効果のいいとこ取り。食欲促進作用、血行促進作用、整腸作用、殺菌作用などがあり、身体が冷えている時や元気のない時にチリパウダーを使うと、きっとメラメラーッ! と元気が湧き出て、アミーゴ&アミーガのように陽気に楽しくなるかも? しれません。 今回ご紹介するのはそんなチリパウダー香る、コールスロー。食べれば食べるほどお腹が空いてくる! そんなサラダです。 春キャベツとパクチーで作る季節のごちそう「メキシカンコールスロー」 サラダっていう気分じゃないんだよねぇ、もう少しパンチがほしいんだよ! ってときにもバッチリなのがこのサラダ。お肉料理のサイドにもいいし、これからの季節のバーベキューにも引っ張りだこになりそうです。クリーミーなドレッシングにみずみずしいキャベツ、コーンの優しい甘み、ピリッとしたカイエンペッパーの辛み、ライムの爽やかブリーズが最高! チリパウダーとクミンのメキシカンフレーバーで陽気に踊りたくなる、そんなサラダです。 ■ 材料 キャベツ 1/3個 紫キャベツ 1/4個 紫玉ねぎ 1/4個 コーン缶 1カップ ※小さな缶で1缶 赤パプリカ 半個 パクチー 適量 (ドレッシング材料) マヨネーズ 大さじ4 サワークリーム 大さじ2 ライム 1/2個 チリパウダー 小さじ2 クミン 小さじ1/2 ガーリックパウダー 小さじ1/4 ハチミツ 大さじ1 お好みでカイエンペッパー 小さじ1/2 ※少し辛いほうが美味しいかもしれません! 塩・胡椒 適量 お好みで飾りにパプリカパウダーなど ■ 作り方 ① キャベツと紫キャベツを千切りにする。紫玉ねぎは粗みじん、パクチーは1cm程に切り、パプリカはコーンの大きさに合わせて切る。コーン缶は水分を切っておく。 キャベツはスライサーよりも手で切ったほうが食感を楽しめます。紫キャベツを混ぜることで鮮やかに。 ② ドレッシング材料全てを、ボウルなどに入れてよく混ぜる。 ③ ドレッシングを①の野菜に絡めて、冷蔵庫で30分冷やす。 ④ お気に入りのお皿にコールスローを盛りつけて、飾り用のパクチーとパプリカパウダーを散らして完成! トルティーヤチップスを添えたり、タコスにお肉と一緒に巻いて食べたり。食材もカラフル! で、とにかくなんだか元気が出るサラダです。 私たちは食べたものでできているのだから、もちろん食事は大切。それと同時に食事は毎日の生活のルーティーン。そんなに大層なことばかりはしていられないもの。スパイスを使えば簡単な料理が、いつもより楽しく美味しくなるはずです。 さぁ!春がくるわよ。心を開いて、作ったことのないレシピにトライ♡ ぜひお試しを!
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レシピ・料理
オールスパイスとフェンネルが香る「ローストかぼちゃと雑穀のハニースパイスドレッシングサラダ」
毎日のルーティンワーク、サラダ作り 少しでも健康に気を使っていれば、食事の際にサラダのことを考えるでしょう。外食続きで胃が疲れているなぁ、とか。食事の彩りを考慮して、今夜はどんなサラダを作ろう? とか。サラダの定番といえば、「レタス」「トマト」「キュウリ」「ゆで卵」のサラダ。色合いはパーフェクト! だけど、毎日では飽きちゃう。 メインディッシュに比べると、サラダの手札が少ない方も多いのではないかしら? 野菜は栄養価も高く、季節ごとの身体に寄り添う効能もあるのでとっても優秀です。 一口に「サラダ」といっても、本当にさまざま。使う野菜も調理法も、調味料だって星の数ほど。サラダの世界は奥深く、とっても自由な世界なのです。 私の料理クラスでは4品中、2〜3品がサラダです。色とりどりの野菜やスパイスを使い、まるでメインディッシュのようなサラダを作ります。 野菜を生で食べるレシピはもちろん、オーブンでグリルした根菜を葉物と合わせたり、季節のフルーツを使ったサラダもほっぺたが落ちちゃう。自家製のドレッシングだって、コツさえ分かれば無限大の組み合わせで作ることができます。ハーブやスパイスを使えば、もっとサラダ上手になれちゃう! 今回ご紹介するサラダではドレッシングに「オールスパイス」を使います。ハチミツや根菜との相性が抜群! シナモンよりも大人っぽい香りの「オールスパイス」 久しぶりの登場です「オールスパイス」。前回の登場は確か、アップルパイジャムを作った時かしら。 じつはオールスパイスって、汎用性が高く万能。でも日本のキッチンでは認知度低めなスパイスかもしれません。肝心の味はというと、なんだか複雑で温かい香り。なんとなくシナモンに似た雰囲気ですが、スパイスに馴染みがあれば、「ん? クローブ? ナツメグ?」と答えてしまうかも。 オールスパイスの香りはシナモンをもっと大人っぽくした印象。漢方でも重宝され、三香子(さんこうし)と呼ばれます。その名のとおり、「クローブ・シナモン・ナツメグ」の3種の香りを併せ持つオールスパイス。爽やかな香りと、ほのかに甘く苦い後味が特徴です。 左がオールスパイス、右がシナモン。 まるでミックススパイスのような雰囲気の名前で、一人三役をこなす名役者! 消化促進、血行促進、鎮痛作用、免疫力アップなど、嬉しい作用を持つオールスパイス。単品のクローブ、シナモン、ナツメグと併せて使うと、それぞれのクセをうまく調和させることができます。 ナツメグの代わりにお肉料理に使うも良し、シナモンの代わりにカレーやお菓子にも。クローブの代わりとしてりんごジャムにも使える優れもの。 さぁて! 美味しいお料理を作ったら、忘れちゃいけないのが「仕上げのお化粧」♡ です。香りのよいハーブを散らして、素敵に美味しく仕上げましょう! 今回はフェンネルを使います。 サラダの彩りにはフェンネルを サラダだけではなく、料理の仕上げにも欠かせないのがハーブ。煮込みなどの際に材料として調理するのはもちろんですが、最後の「お化粧」にも大活躍。 特にローズマリーやタイム、フェンネルは多年草でほぼ一年中収穫できるので、身近にあるとなにかと便利。その中でも細い葉が美しいフェンネルは沢山収穫出来て、花も種も採れるので特におすすめです。 フェンネルの繊細な葉はサンドイッチの仕上げに使うと美しい! 今年から、新しく畑を借りました。ちょうど近所の直売所で元気そうなフェンネルの苗を見つけたので4株買って植えました。まだ少し寒い2月でしたが、まあ大丈夫でしょう! ディルとよく似た葉で間違えられることもありますが、全くの別物。どちらもセリ科ですが、ディルはイノンド属で、フェンネルはウイキョウ属。 よく見るとディルのほうが葉も細かく、香りも大きく違います。ディルは基本的には一年草ですが、フェンネルは多年草。フェンネルのほうが大きく育ち、地植えにするとたくましく2m程にもなる大型ハーブです。 鉢植えで育てる場合は、大鉢に。直根性で移植が苦手なので、最初から大きな鉢に植え込みましょう。鉢が小さいと大きくなる前に、とう立ちしてしまいます。 庭にスペースがあれば、ぜひ植えてみてください。手間いらずで、日当たりと水はけのよい土壌であれば、元気に育つでしょう。繊細な葉と独特な風味はサラダにピッタリなのです。 「ハニーシナモンのグリルドカボチャと雑穀のサラダ」 さぁて! 今回のサラダは皆さんのサラダリストに入れていただきたい、オススメレシピ。ホクホクのカボチャに、オールスパイスの香りとハチミツの甘みがクセになる一皿です。カボチャと雑穀を使うので、食いしん坊なアナタもきっと大満足。ドレッシングにシナモンも使いますが、オールスパイスも加えることで、グッと大人っぽい奥深さが演出されます。仕上げのフェンネルで100点満点! まるでオシャレなデリ風サラダがあっという間に完成します。 ■ 材料 カボチャ 1/6個ほど ルッコラなどの葉物 適量 雑穀や豆のミックス 適量 ※缶でもOK 飾りのハーブにフェンネル 適量 <ドレッシング材料> バルサミコ酢 大さじ2 ハチミツ 大さじ2 オリーブオイル 大さじ4 ニンニク 1片 シナモン パウダー 小さじ1/4 オールスパイス パウダー 小さじ1/4 塩胡椒 適量 ■ 作り方 ① 1cm程にスライスしたカボチャを、オリーブオイル(分量外)をひいたフライパンにいれ、塩(分量外)を振り、中火で火が通るまで両面焼く。 どんなカボチャでも大丈夫! バターナッツカボチャなどもいいですね。 カボチャはじっくり中火で焼いて、火を通します。 ② お好みの雑穀ミックスや豆を表示通りに茹でて、水をしっかり切っておく(缶でもOK)。 私はアジア食材店で購入した、乾燥豆ミックスを使いましたが、十五穀米ミックスやミックス豆缶などでもバッチリです。 ③ ドレッシング材料をすべてボウルに入れ、よく混ぜる。 ④ ボウルに焼き上がったカボチャ、雑穀ミックス、ルッコラを入れ、ドレッシングを8割かけてサクッと混ぜる。 ⑤ お気に入りのお皿に④を盛りつけ、残りのドレッシングをまわしかけて、フェンネルを散らして完成! 今回使った葉物は、ハンサムレタスの紫と、ルッコラです。ハンサムレタスはその名のとおり、サラダに使うととってもハンサムで格好いいサラダができちゃう。紫色の食材はいとも簡単に見栄えが美しくなるのでオススメです。紫玉ねぎや紫キャベツなど、最近ではスーパーで紫色のスプラウトも見かけます。色使いもサラダのお楽しみ。クリエィティブに作ってみてください。 人参も焼くと美味しいのでおすすめです。しっかりと火を通すことで甘みが出ます。 世の中には「料理は苦行だ!」と言う方もいるでしょう。でもね、私たち人間は食べなければ生きていけませんからね。せっかくなので楽しみましょう! 楽しく(簡単に!) 作って、美味しく召し上がれ♡
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レシピ・料理
カルダモン香る「メープルホイップバター」のアップルフレンチトースト
朝ごはんをもっと楽しく! 1月の新年ムードもとうに過ぎ去り、朝から晩までごちそうを食べていた、あの数日間が蜃気楼のよう。すっかり日常の生活に戻り、時間に余裕のない朝には、何も食べずに出かけることもしばしば。よーく考えてみたら、朝ごはんを食べないと人生の食事を楽しむ時間の1/3を逃していることになっちゃう! ってなわけで、2025年は「朝ごはんをもっと楽しく」をモットーにしてみようかと、ふと思いつきました。 昔から寝起きのよい私です。学生の頃は母がキッチンから叫ぶ「ご飯よー! 起きなさーい!」の声で、ガバっ! と目覚め、瞬間的にベッドから立ち上がり、ご飯が待つテーブルへと階段を駆け下りていたのであります。美味しい朝ごはんが食べたいから、起きる。シンプルなことです。「一日の計は朝にあり」だもの! ハーブやスパイスを使ったお料理で、嗅覚からウェイクアップ。朝、キッチンからいい香りがするって最高に幸せ!! 1人の朝ご飯は、1日の始まりのゆったりとした時間(嵐の前の静けさ)を楽しんだり、家族やパートナーとの朝ご飯では、忙しい合間に顔を合わせる大切な時間となります。 末永く朝ご飯を楽しむにはやっぱり健康第一! 今年もハーブとスパイスを取り入れた美味しいお食事の話を、みなさんにおすそ分けしていきたいと思います。今回はおなじみのスパイス「シナモンとカルダモン」を使います。 七変化のカメレオンスパイス シナモンとカルダモン 「シナモンとカルダモン」いままでに何度もご紹介してきたスパイスたちです。香りの個性は強めですが、どちらも汎用性が高く、さまざまな国の料理に使われています。インドではカレーやチャイに使われるスパイスの代表格。欧米ではホットワイン、コーラ、クッキーなどのお菓子作りにも使われていて、所変われば雰囲気が変わる七変化の「カメレオンスパイス」なのです。どちらも身体を温め、お腹の調子を整えてくれる効果が期待できるので、この季節にピッタリ。 パワフルでポジティブなカルダモン カルダモンにはシネオールという成分が含まれるため、ユーカリやレモンのような爽やかな清涼感があります。温かみがあり刺激的で、スモーキー。多面的で複雑な色気を纏うスパイスです。 カルダモンの香りは、とってもパワフルでポジティブ! 「思考能力」が鈍くなってしまっているときには「精神集中」の手助けとなり、目の前がぱーっ! と明るく開かれるでしょう。不安や緊張で「心のバランス」が崩れているときには落ち着きを与え、しっかりと地に足をつけるバランス感覚を取り戻すことができる香りです。チャンスや豊かさを取り戻し「人生を気楽に楽しむ」、そう! カルダモンは「生きる力」を与えてくれるスパイスなのです。 私のキッチンでも出番の多いカルダモン。いつもストックしています。 消化器系のトラブルにはカルダモンの出番! 腸内のガスをすっきりさせ、消化不良や吐き気にも効果的! 血流促進作用と身体を温めてくれる作用があるので、むくみの改善も期待ができます。 固まった心をほぐしてくれるシナモン 左がカシアシナモン、右がセイロンシナモン。 日本でもおなじみのスパイス「シナモン」。心地のよいエキゾチックな甘さで、温かみがありウッディー。繊細で強烈な香りが特徴です。「世界最古のスパイス」とも呼ばれ、世界中を虜にしています。心がほぐれるような心地よい甘さは、精神面でのリラックス効果があり、疲れた心を温かく包んでくれるような香りです。 シナモンは身体を温め風邪の予防に役立つだけではなく、殺菌作用や解熱作用もあるので、風邪の初期症状に効果があるとされています。漢方では桂皮と呼ばれ、葛根湯に配合されているのも納得です。 セイロンかカシア、原材料の表記があります。 厳密に本物のシナモンといえるのは、スリランカ原産の「セイロンシナモン」といわれるもの。繊細なデザートにはセイロンシナモンが合います。ピラフやチョコレートの香り付け、果物のコンポートには香りと風味が強いカシアシナモンが使われることが多いようです。セイロンシナモンにはオイゲノールという成分が含まれるので、クローブのような香りがありますが、カシアシナモンにはありません。ぜひ香りの違いも楽しんでみてください。さてさて、今回のフレンチトーストにはカシアシナモンのパウダーを使います。 STEP1「シンプルなシナモンフレンチトースト」 さぁて! 最高の朝ご飯は3ステップで作っていきます。どれも簡単! まずはフレンチトーストを作りましょう。薄めに切った食パンはすぐに卵液が染み込むので、時間のない朝にもオススメです。 材料 ※2人分 食パン 1cmほどに切ったもの4枚 卵 2個 牛乳 200ml シナモンパウダー 小さじ1 ナツメグパウダー 小さじ1/2 バニラエッセンス 数滴 お好みでベーコンを添える 作り方 ① バットに卵、牛乳、シナモンパウダー、ナツメグパウダーとバニラエッセンスを加えてよく混ぜる。 ② 食パンを①の液に15分ほど浸してから、フライパンに少量のバター(分量外)を溶かして中火で両面焼きあげる。 これだけでもいい香り。もう食べちゃいたい気持ちを抑えてSTEP2へレッツゴー。 STEP2「季節のリンゴで作るシンプルなソテー」 いつもの私なら、リンゴのソテーにもシナモンやクローブなどのスパイスを使いがちですが、今回はシンプルに。だってリンゴの美味しい季節。お水も加えずに少量の砂糖でリンゴの美味しさを引き出しましょう。 異なる種類のリンゴを使うことで、香りがよくなり、煮た時のテクスチャーの違いも楽しめるので、2種のリンゴを使います。今回は酸味があり溶けやすい「ジョナゴールド」と、甘みが強く煮崩れしにくい「王林」を使います。お好みでいろいろと試してみてください。このシンプルなリンゴのソテーは何とも滋味深い味。ジャムよりも食べ応えがあり、ヨーグルトやアイスクリームに添えても美味なのです。じつはお肉との相性も抜群! 今回はベーコンと合わせていただきましょう。 材料 ※作りやすい分量 リンゴ 2個 (今回はジョナゴールドと王林) 砂糖 大さじ2 バター 大さじ2 レモン汁 大さじ1 作り方 ① リンゴを薄めのスライス(16等分ほど)に切る。 ② バターをフライパンに温め、リンゴと半量の砂糖を加えて混ぜ、蓋をして5分ほど中火で蒸し焼きにする。 ③ 蓋を取って水分を飛ばし、リンゴが柔らかくなってきたら、残りの半量の砂糖を加えて混ぜ、焼き目を付ける。 ④ 火を止めてリンゴにレモン汁をかけてから、さっくり混ぜて出来上がり! どうぞ! 堂々とつまみ食いをしてください。このリンゴソテーは温かいのも美味しいし、冷やして食べるのも美味。つまみ食いが止まらなくなる前に、STEP3へ行きましょう! STEP3「メープルカルダモンのホイップバター」 さて、今回の主役はこちら。メープルシロップのコクと、柑橘の爽やかなカルダモンの香りがする「ふわふわのバター」。書いているだけでもヨダレが出ちゃう組み合わせ。アメリカでは、パンケーキやコーンブレッドのお供としてポピュラーです。 このバター、とんでもなく美味しいのです。そしてとんでもなく簡単。よく考えちゃうとカロリーもとんでもないかもしれませんが、なんといっても朝ご飯だもの! 1日の活力に美味しいカロリー摂取をしちゃいましょう。ここだけの話、夢の国みたいな味がします。 材料 ※作りやすい分量 バター 150g メープルシロップ 100g カルダモン 小さじ1 1/2 作り方 ① 常温にもどしておいたバターを、ハンドミキサーなどを使って、ふわっとするまで混ぜる。 ② メープルシロップとカルダモンパウダーを①に加えて、引き続きハンドミキサーなどで全体に馴染むように混ぜて完成。 お気に入りのお皿にフレンチトーストをのせ、カリッカリに焼いたベーコンを添えて、リンゴのソテーをドーンっとのせて、ホイップバターをワイルドに落とせば、最高の朝ごはんの出来上がり。お好みでメープルシロップもかけちゃって♡ 新しい一年がはじまり、背筋が伸びた気分ですが、じつは毎日毎日が新しい日々のはじまりです。今朝も起きられたことに感謝して、とびきり美味しい朝ご飯を食べましょう。 気分がイマイチな朝だって、料理を作ってみてください。簡単なものでも大丈夫。美味しいものを作るのは、自分自身を応援すること。明日の朝ご飯は楽しみで、今夜は眠れないかもね♡
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植物の効能
冬はこれでポカポカ! 自家製チリオイルで食べる、生姜たっぷり餃子
今年は唐辛子を花壇で栽培 夏前に植えた唐辛子は11月に入っても花壇の中で、鮮やかな色を差しています。今年はバジルやミント、ヒソップやフェンネルなどと一緒に花壇の中に唐辛子を植え込みました。紅一点とまではいきませんが、淡い小花の中でひときわ輝くホットでセクシーな深紅♡ 見えませんがこの奥に唐辛子を植えました。 唐辛子はどのような土壌でも育てやすく、プランター栽培も可能。花壇の中で放ったらかしに育てましたが、沢山収穫が出来ました。 葉は炒めものにしても美味しいです。 イタリアンバジルやホーリーバジルは一足お先に、ひと夏の仕事を終えましたが、唐辛子は11月中旬でも現役。今年は暖かかったので冬の入り口まで楽しめました。緑から赤くなっていく唐辛子の様子が花壇に変化を与えて、いいアクセントとなっていました。 フレッシュも美味しい唐辛子 青唐辛子はガパオのペーストに。 唐辛子は1株でも沢山収穫ができます。乾燥させて日持ちさせるのもいいけれど、せっかくですから、フレッシュな唐辛子も楽しみましょう。唐辛子はご存じのとおり辛い! ので、ぱくぱく食べるというよりも、まとめてタレやペーストに使うのがおすすめ。種類にもよるので一概にはいえませんが、青唐辛子のほうが爽やかでまろやかな辛さ、赤唐辛子は刺激的で鋭い辛みなので、料理によって使い分けるとよいでしょう。 日本でもいろいろな唐辛子が手に入るようになりました。 青唐辛子は完熟前の赤唐辛子。収穫時期が変わるだけでどちらも同じ「唐辛子」です。緑のトマトが赤くなるのと同じ。 トウガラシの辛味成分「カプサイシン」には消化促進作用があり、発汗を促して体を温めてくれます。脂肪燃焼や代謝アップが期待できるので、嬉しい効果がいっぱい! 「むくみ」っていうのは身体に溜め込んだ水分なので、冷えに繋がっちゃう。血流をよくすることは冷え対策にも効果的なのです。何事も滞るっていうのはよくないわよね。 寒い時に食べる辛いもの、最高ですよねぇ。ただ、汗のかきすぎは身体を冷やすので要注意。そうそう! 身体を温める作用と言えば「生姜」も忘れてはいけません。 中世ヨーロッパの貴重品「生姜」 生姜は東洋でも西洋でも古くから愛されたハーブで、ここ日本でも古くから身近に使われてきました。生姜に含まれる「ジンゲロール」という辛み成分には殺菌作用があり、風邪の引き始めに生姜湯を飲むのは理にかなった、おばあちゃんの知恵袋なのです。 このジンゲロールは乾燥や加熱することで「ショウガオール」に変化します なんと‼︎ ショウガオールになると体を芯から温める効果がさらに高まり、免疫力アップや冷え性の改善に効果的。生姜は昔から漢方薬としても重宝されてきました。生姜や乾姜と呼ばれ、主に胃腸薬やかぜ薬として処方され、ご存じ「葛根湯」にも含まれています。気の流れをよくするため、うつ病や不眠にも効果があると考えられています。 欧米ではお菓子などにジンジャーパウダーがよく使われます。 イギリスでもジンジャービール、ジンジャーブレッド、クリスマス・プディングなど、生姜スイーツはポピュラー。生姜は熱帯アジア・インド原産と言われているショウガ科の多年草。ヨーロッパではほとんど生育しないため、ジンジャーパウダーやスライスのシロップ漬けが多く使われてきました。 手に入らないとなると、どうしても欲しくなるのが人間の性(さが)。当時のイギリスでは生姜がお金持ちたちの嗜好品として高値で取引されていたようです。 ジンジャージャー。 古来、中国では、陶器の壷に塩や生姜を入れ、輸送や保管をしていました。これに生姜を入れてヨーロッパに輸出し始めると、欧米人が「ジンジャージャー(ジンジャーポット)」と呼んでインテリアとしても評判となり、デコラティブなデザインの壷が多く作られました。東洋と西洋が融合したシノワズリ(17世紀頃から流行した、ヨーロッパの貴族や富裕層で大流行した東洋趣味)の代表的なアイテムです。 結婚や婚約の際の贈り物などにも用いられ、19世紀にはコレクターもいたのだとか。流行りのおしゃれアイテムだったのでしょうね♡ いまでも人気があり、現行品がオシャレな雑貨屋さんで販売されていたり、ラルフローレンの店舗ディスプレイなどでも使われています。 手前の伊万里の巨大な壷は、日本では沈香壷などと呼ばれますが、海を渡るとジンジャージャー。奥の棚に入っている蓋付きの壷は、中国とイギリスのもの。ジンジャージャーやティーキャディーと呼ばれています。 香りもよく、薬効のある生姜は大昔から人々を魅了するスパイスだったようです。美味しい物を楽しく食べれば、心も身体もハッピー。それは今昔共通の「人間の喜び」だもの。 さぁ! さむーい冬がやってきます。心も身体も温かくしましょう。今年の冬は唐辛子と生姜で「ポカポカ大作戦!」の決行です。 フレッシュ唐辛子のガーリックチリオイルを作ろう! スパイス好きならぜひ作ってもらいたい「チリオイル」。気軽に作れて、使うスパイスで中華風やインド風、メキシカンなど自由自在。今回はシンプルに八角やシナモンを使います。生唐辛子と生姜、ニンニクで身体ポカポカ、元気モリモリ。ただ、お口の中はバッチリ「ニンニク臭」になるので、デート前はやめておくのが得策です。 ■ 材料 生唐辛子 50g ニンニク 2玉 生姜 1片 油 200c 塩 小さじ1/2 砂糖 小さじ2 五香粉 小さじ1/2 八角 1個 シナモン 1本 花椒 大さじ1 ■ 作り方 ① 唐辛子のヘタを落とし、剥いたニンニク、ぶつ切りにした生姜と共にフードプロセッサーにかける。※素手で唐辛子を触った後に顔などを触ると痛いので注意。 ② 弱めの中火でフライパンに油を熱し、塩、砂糖、五香粉、八角、シナモン、花椒を加え香りを出す。 ③ フードプロセッサーにかけた①を②のフライパンに加え混ぜ、ニンニクが焦げない温度でじっくり色が変わるまで、たまに混ぜながら火にかける(※15分ほど)。 ④ 火を止めて完全に冷ましてから、瓶に詰める。 辛いので少しで大満足。瓶に入れて保存すれば1年以上持ちます。冷や奴やお粥にもいいですねぇ。 生姜たっぷり餃子を作ろう! 餃子はとってもシンプルに作りましょう。ネギと生姜だけの簡単なタネには、お肉の1/3くらいと、ビックリするほどの生姜を使います。正気ならこんなに使わないかもしれませんが、何が正気でどこから狂気かなんで、人それぞれの常識感。この際、杓子の定規はポイッと投げ捨てて、純粋無垢な気持ちで作っていきましょう。 ■ 材料 豚挽肉 400g 生姜 130g ネギ 1本 餃子の皮 1パック(今回使ったのは小さめの皮の50枚) a) オイスターソース 大さじ2 a) 紹興酒 大さじ1 a) 胡椒 小さじ1 a) 塩 小さじ1/2 ■ 作り方 ① 生姜とネギは粗みじん切りにする。 ② 豚挽肉にa)の材料を混ぜてから、①の生姜とネギを加えてさらに混ぜる。 ③ 餃子を包んでフライパンで焼き、チリオイルをかけて召し上がれ! 今回使った皮は、鎌倉大町にある邦栄堂製麺の餃子の皮(小)。 この皮は柔らかく伸びるので、とにかく包みやすい! 破れない! 我が家の餃子はいつもこちらで。お気に入りの食器や食材があると、料理はもっともっと! 楽しくなります。 水餃子もオススメ。 今回紹介したチリオイルと餃子で鍋っていうのもいいですねぇ。家族や友人とテーブルを囲み、美味しい物をみんなで食べる時間は、心も温めてくれるでしょう。血行がよくなると、疲れが溜まりにくくなります。ただでさえ寒い冬は体が重くなってレイジーになりがち。唐辛子と生姜パワーのポカポカ大作戦で健やかに過ごしましょ♡
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レシピ・料理
バジル&ガーリック香るローストトマトスープ&グリルドチーズサンドイッチ
庭にあると嬉しいトマトとバジル、ハーブたち 残暑厳しい9月でした。82年ぶりに「最も遅い猛暑日」を記録した2024年の夏。厳しい残暑が続いているなぁ、という体感はありましたが、まさかこれほどまでに極端な暑さだったとは、ドヒャー。その暑さのせいなのか、はたまたアタシのせいなのか、神のみぞ知るですが、今年のミニトマト栽培は四苦八苦。本来トマトはあまり水を与えずに育てますが、今年は異様な暑さのために、そのさじ加減に頭を悩ませました。やっとの思いで収穫をしてみたら、どの実も酸味が強く、結局ほとんどのトマトはオーブンで焼き、オイルトマトになりました。 トマトは庭でも、ベランダのプランターでも育てられる気軽なお野菜です。小学生の頃、夏休みの宿題でなんとなーく育てた思い出があるかしら? 改めて思えば「手をかけたものが成長して、それを食べる」って、なんか! めちゃくちゃに心が躍りませんか?単調な毎日に飽き飽きした大人にこそ、じつは必要な体験なのかもしれません。 今年は初めてゴーヤを育ててみました。連日、鈴なりに実るので収穫に忙しく、新しいレシピを試してみたり、再発見の連続にワクワクしました。 緑のトマトが赤く色づく瞬間、収穫したピーマンの重みを手に感じた瞬間、収穫したてのキュウリを暑い畑でかじった瞬間。育てた野菜を食すプロセスは、自然を賛美するような歓びと神聖さに溢れています。 夏の食卓は畑で採れた野菜たちで賑やか。 季節の野菜とハーブ数種類を育て、それを料理することが、食いしん坊の私にとっては、なによりの「豊かさ」なのかもしれません。 秋もバジルは絶好調 畑で咲くホーリーバジル。昨年のこぼれ種から育ったもの。葉が薄く、収穫後はしおれやすいけれど、甘い香りは格別です。 春から秋にかけて、庭で育てていると便利なのがバジル。夏の料理に欠かせないハーブですが、品種によっては11月頃まで収穫が続きます。長く楽しむコツは、切り戻し&花を咲かせないこと。バジルはパスタやサラダ、サンドイッチに大活躍。庭へ出て必要な分だけ収穫すれば、気分はイタリアのマンマ♡ それだけでお料理上手な振る舞いができちゃう、ドラマチックな葉っぱなのです。 秋は真夏の暑さが一段落して、ハーブたちがイキイキとしてくるシーズンです。私の体感ですが、一番丈夫なのが、こちらでも何度かご紹介している「シナモンバジル」。 苗はそんなに見かけませんが、種子は近所のホームセンターでも売られています。 バジルの苗は秋口にも売られています。夏前の苗に比べたら、短い楽しみかもしれませんが、「秋の夜長」の楽しみに育ててみるのもおすすめです。 育てたバジルでカプレーゼを作り、とっておきのワインで一杯やる。くぅーっ‼︎ 最高の贅沢ではありませんか! 定番の組み合わせ「トマトスープ&グリルドチーズサンド」 アメリカでは定番の「トマトスープ」。キャンベルのトマトスープ缶はアンディ・ウォーホルの最もアイコニックなモチーフの1つ。キャンベルだけではなく、その他のメーカーからも缶詰などが発売されており、アメリカ人に愛される定番スープです。 このトマトスープにグリルドチーズというサンドイッチを合わせるのが、なぜか「おきまり」のコンビネーション。ツベコベ言わずに食べてみれば納得! チーズのコクと濃厚なトマトに香る酸味がベストマッチ。カリカリに焼けたチーズサンドを熱々のスープにディップすれば、オーマイガッ‼︎ お口の中に広がるパラダイスなのです。 グリルドチーズサンドは日本のおにぎりなのだ! これはジャパニーズ、グリルドおにぎり。 アメリカの定番サンドイッチ「グリルドチーズサンド」は、日本でいえば「おにぎり」のように手軽に作るもの。少し前の映画ですが、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』のなかで、主人公のシェフ、ジョン・ファヴロー演じるカール・キャスパーが、息子のためにササッとグリルドチーズサンドを作るシーンが印象的。 映画の中で調理指導をしたのがロイ・チョイ氏。Netflixで公開されている、ロイ・チョイとジョン・ファヴローのお料理番組『ザ・シェフ・ショー』はとにかく美味しそう! シンプルなパンに数種のチーズをのせ、焼け具合を見ながら手際よく作っていく様子に心と胃袋が躍っちゃう。山盛りのチーズがとろけて、鉄板の上をひっくり返したサンドイッチが滑り、最後に包丁を入れた瞬間の「ザクッ!」っていう音。息子と何気ない会話をしながら、かぶりついたサンドイッチから、ビヨヨーン! と伸びるチーズのシズル感。その全てに日常の美しさを感じるシーンです。まだ見てない方は、ぜひ見て! 私たちがおにぎりの塩や具を、わざわざ量って作らないように、アメリカ人からしたらグリルドチーズサンドの「レシピ」なんてナンセンスなのかもしれません。冷蔵庫と相談して適当にお好みの分量でお試しください。 シンプルなグリルドチーズサンド 材料はとっても簡単。パンとチーズとバターがあれば十分! 朝ご飯やおやつにも手軽に作れるメニューです。チーズをとろけさせて、カリカリに仕上げましょう。できれば、チーズは2〜3種類使うとベター。深いコクと複雑な風味で、旨味が増し増し。今回はカンパーニュで作りましたが、食パンでも大丈夫。各家庭の「いつものパン」で作ってみてください。 ■ 材料 パン 2枚 チーズ 多め ※2〜3種使うとさらに美味しいです バター たっぷり全面に塗れる量 ■ 作り方 ① パンの片面にしっかりとバターを塗る。 ② フライパンを中火で温め、バターを塗った面を下にしてパンを1枚入れ、上にチーズをのせる。もう1枚のパンはバターを塗った面を上にしてパンを重ね、チーズを挟む。 ③ フライ返しなどで押し付けながら焼き、色が付いたら2枚一緒にひっくり返し、反対側にも焼き色を付けて完成。 バターをパンの裏表両面に塗り、どちらの面もカリカリに仕上げる場合もあります。基本の具はチーズですが、好みで、ハーブやハム、トマトや玉ねぎの薄切りなどを挟んでも美味しいです。でも、やっぱり基本はチーズだけですけどね。 バジル&ガーリック香るローストトマトスープ さて! 本日の主役スープを作りましょう。以前ご紹介したパスタソースと作り方はほぼ同じです。オイルで絡めて、オーブンで材料をいっぺんに焼いちゃうお手軽&お気楽なこの作り方は、汎用性も高く、ぜひ覚えていただきたい調理方法です。パスタソースやスープ、ピザなどにも大活躍です。 ■ 材料 トマト 約600g ※今回は中玉とミニトマトを使用 玉ねぎ 1個 ※今回の玉ねぎは小さかったので2個使用 ニンニク 1個 ベジタブルブロス 約1カップ ※水にコンソメ小さじ2でも可 オリーブオイル 大さじ2 砂糖 小さじ2 ローズマリー 1枝 バジル 数枚 塩 小さじ1 仕上げの塩・胡椒とオリーブオイル 各適量 ■ 作り方 ① トマトを適当な大きさに、玉ねぎは厚めのくし切りにする。 ② ニンニクは上部をカットしてオリーブオイル(分量外)を回しかけ、アルミホイルで包む。 ニンニクはホイルの中でオイルと蒸されて、とろとろ&ナッツのようなコクに。 ③ 耐熱皿に①を入れ、オリーブオイルと砂糖、塩、ローズマリーを加え、よく混ぜてから、②をのせる。 ④ 200℃に予熱したオーブンで45分焼く (焦げないように、15分ほどたったら水分を絡めるように混ぜる)。 ⑤ 焼き上がったら少し冷まして、ローズマリーの固い茎を取り除く。ニンニクはホイルから取り出して、潰して中身を絞り出す。 ⑥ 鍋に⑤を入れ、バジルとベジタブルブロスを加えてブレンダーやミキサーで撹拌し、温めて塩と胡椒で味を整える。 ⑦ 器に注ぎ、オリーブオイル、胡椒をかけて、バジルを飾り完成。 パンをスープにディップしながら召し上がれ! ほらね、チーズのコク、濃厚なトマトと酸味がナイスコンビネーションでしょ。トマト栽培の最後、緑のトマトや割れや傷みのあるトマト、ぜーんぶ入れて作ってみてください。お好みで生クリームを足してもいいですねぇ。 料理は毎日のこと。楽しく美味しい時間を過ごしたいですよね。人間、最後に残るのは経験だけです。お金やものを持って川は渡れませんが、野菜やハーブを育てた経験は、あの世で役立つかもしれません。特にナスとキュウリはお盆の時期に重宝されちゃうかも♡
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レシピ・料理
バジルを楽しむアジア風「ホイシンチキンのトルティーヤラップ」
バジルのシーズン到来 待ってました! 今年もシーズンイン。バジルのハイシーズンです。 毎年、何かに取り憑かれたかのように10種類以上のバジルを育てていましたが、今年はなんだか正気の沙汰。4種類のバジルが成長中です。 まず1種類目は、バジルといえばやはりこれ! イタリアンな「スイートバジル」。 これがなきゃ夏は始まりません。サラダやサンドイッチ、トマト料理など、夏気分なディッシュに欠かせないバジルです。 そして2種類目、こちらも私の定番、インド原産の「ホーリーバジル」。 この子たちは、昨年のこぼれ種から発芽したもの。そこら中で芽を出し、スクスク育っています。畑を歩けば、このホーリーバジルにズボンの裾が触れ、「ふわ〜っ」と甘い香りが漂って夢見心地のプリンセス気分。バジル業界ではトップを争う甘い香りです。ミントやゼラニウムと合わせてハーブウォーターにすれば、うっとり♡ 魔法の水に。爽やかで濃厚な甘い香りが特徴なので、サラダの隠し味にも重宝します。 そして3種類目は、ちょっと出遅れて種子を播いた「シナモンバジル」。 こちらも我が家の定番です。私的、香りのトップが「シナモンバジル」。メキシコ出身の品種で、シナモンと同じ「桂皮酸メチル」という成分が含まれているそう。んー、シナモンの香りとはちょっと別物? って感じですが、シナモンバジル特有の、スパイシーさを纏った甘い香りは、なんだか高貴。 昨年は、このシナモンバジルを使ったガパオライスをご紹介しました。 寒さに弱いバジル。日本では冬越しできずに一年草扱いですが、熱帯地方が原産で、本来は多年草です。ここ日本、私の住む神奈川県ではそれが叶いませんから、毎年春を過ぎた頃にソワソワ、せっせとバジルの種子を播くわけです。 そんななか出会ったのが「アフリカンブルーバジル」。 なんと! この人、冬越しするのよ! 奥さんっ! ってなわけで、今回のスポットライトは、この「アフリカンブルーバジル」です。 冬越しするバジル「アフリカンブルーバジル」 4種類目のバジルは、昨年、苗から育て始めた「アフリカンブルーバジル」。 本当に冬越しするのかしら⁉︎ と半信半疑でしたが、ちゃんと出てきました、新芽が。冬は地上部が枯れて枝が残り、春になるとその枝に新芽が付きます。なんなら、暖冬だったためか、地上部が枯れずに越冬した子もいました。 では肝心の味は? ひと口にバジルと言えど、味はさまざま。あまり個性が強すぎると、どんな料理にも万能に使えなかったりと、役者と同じ。シナモンバジルやホーリーバジルは独特な香りなので、ある意味では個性が強すぎ。 ジャジャーン! こちらのアフリカンブルーバジル、なんと万能に使える味! スイートバジル系の香りに、ワイルド&スパイシーさを足したようなイメージで、どんなお料理にも合いそうな名脇役的な味。 しかも見た目は、紫がかった葉が美しく、主演女優級。神が二物を与えた才色兼備なバジルなのです。 スイカのバルサミックカプレーゼ。アフリカンブルーバジルは、葉の裏が紫なので、アクセントにも大活躍。 気温が下がると葉の紫色が濃くなり、とても綺麗! アフリカンブルーバジルは、ダークオパールバジルの交配品種だそう。0℃近くの低温に耐えるので、早春からの栽培にも向いています。どうやら種子がつかないらしく、挿し芽で増やすそうです。苗で流通していますので、探してみてください。 夏バテにはいつもと違った調味料を 夏といえば! アジア料理もいいですよね。でも、カレーも魅力的だし、お蕎麦も捨てがたい。んー、悩ましい。夏バテで食欲が落ちるなんて、食いしん坊の私からしたら夢のまた夢。だって、夏は野菜も果物も美味しい季節! 夏バテで食欲がない……なんてときには、いつもと違ったハーブやスパイス、調味料を使っての料理はいかがでしょう? 私は中華街に行くと、食材屋さんを巡り、食べたことのない調味料を購入したりします。ジャケ買いなこともあるし、成分で選ぶこともあります。 つい先日は、「藤椒油(タンジャオユ)」というものを初めて買ってみました。 生の青山椒を低温の菜種油でじっくりと煮詰めて、油に香りを移したもの。これ、すんごいっオススメです。興味があれば、ぜひ。 「藤椒油(タンジャオユ)」。 オリーブ油のような鮮やかなグリーンが綺麗で、乾燥青山椒よりも香りがすごい! 世の中って広くて、知らない調味料や食べ物がまだまだ沢山。初めての香りに五感が驚き、喜び、夏バテなんて忘れてしまうかも。だって夏だもの! ひと夏の失敗など恐れず、大胆に新しいことに挑戦してみましょう。いつもの自分の味からの、脱却! そんなわけで、今回使ってみてほしいのが、中華料理に使われる「ホイシンソース」です。 スパイシーな甘味がくせになる「ホイシンソース」 「海鮮醬/ハイセンジャン/Hoisin Sauce」など、いくつかの名前で呼ばれています。 ホイシンソースとは甜麺醤(テンメンジャン)に似た調味料、広東風甘味噌です。ねっとりこってり。黒くて甘いタレで、「回鍋肉」に使われる定番調味料です。諸外国では甜麺醤よりも、ホイシンソースのほうがポピュラー。スパイシーな甘味が特徴です。 海鮮と書きますが、海の幸が原材料に入っているわけではございません。どうやら海鮮に合うタレ、みたいなニュアンスのようです。私的には、お肉との相性が抜群。焼き豚や回鍋肉、蒸し鶏のソースにも使えて、とっても便利。 バーベキューソースとも書かれています。お肉と合わせると最高! 甜麺醤に似ていますが、ホイシンソースのほうが、さらにこってり甘く、濃厚で奥深い味。テクスチャーはホイシンソースのほうが柔らかく、炒め物の際には焦げにくく、使いやすいです。もちろん甜麺醤でも代用は可。絶対にホイシンソースじゃなきゃダメ! とは言いません。心地よく生きていくには、適当さと応用力が不可欠。でも、ホイシンソースだと、さらに美味しい。そんな感じです。 ネットでなんでもすぐに買える時代ですから、ご興味あればぜひ。中華街の食材屋さんに行けば、どこの店でも必ず置いてあるでしょう。 バジルを楽しむアジア風「ホイシンチキンのトルティーヤラップ」レシピ いざ! レシピをご紹介する前に、皆さんにお伝えしなければいけません。これ、めちゃくちゃに美味しいです。しかも、めちゃくちゃ簡単。 中華風に味付けしたサラダを、夏らしくトルティーヤで巻き巻き。キュウリのパリパリ、バジルのエキゾチックな香り、ホイシンソースとピーナッツバターで作るタレの甘旨なコク深さがクセになる、サラダラップです。手軽なランチにはもちろん、パーティーメニューにもなれちゃう優れものレシピです。 ■ 材料 <ドレッシング材料> a) ピーナッツバター 大さじ2 a) ホイシンソース 大さじ3 ※甜麺醤で代用可 a) ごま油 大さじ1 a) 刻みニンニク 小さじ1 a) 刻み生姜 小さじ1 水 50cc お好みでラー油 適量 <サラダ材料> 鶏ささみ肉 200g バジル 好きなだけ ※なんの種類のバジルでも レタス 1/4個 キュウリ 半本 ニンジン 半本 パプリカ 1/4個 紫キャベツ 少々 ピーナッツ 適量 胡麻 適量 市販のトルティーヤ 適量 ■ 作り方 ① a)の材料全てをボウルに入れてよく混ぜ、ペースト状になったら水を加えて、さらに混ぜる。 ② 野菜類は、全て細長くカットする。 ③ 鶏ささみ肉は茹でて、ほぐしておく。 ④ お皿に盛りつけて、バジル、ピーナッツや胡麻を散らす。①のドレッシングをかけて、温めたトルティーヤに巻いて召し上がれ! さて、いかがだったかしら? 北京ダックが、ストリートフードになったら、多分こんな感じかしら。サラダはあらかじめ混ぜても綺麗です。 ピーナッツバターは定番、スキッピーのスーパーチャンクを使っています。 サラダの具材はなんでもOKですが、ポイントは色味と歯ごたえ。パプリカや紫キャベツ、キュウリの鮮やかな共演は、食べる前から心が躍ります。キュウリとピーナッツが、お口の中でシャキッとカリッと! 陽気で夏らしいリズムを奏でるでしょう。 お気に入りのお皿に盛りつけて、イェーイ!ズバッとサマータイム!ウキウキの夏気分で試してみてね♡
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植物の効能
コリアンダー香る、新生姜の「ボンベイ」ジンジャーエール
夏の庭仕事にジンジャーエールはいかが? 春はあっという間に後ろ姿を見せ、早くも初夏の心地よい風と、熱烈な日差しが猛スピードで背後から走ってきています。庭仕事に畑仕事に、忙しい季節の始まり始まり。私は腕と首の後ろだけ真っ黒に日焼けして、一足お先に夏のお嬢さん。 滝のような汗を流した後、渇き切った喉を潤すのは「やっぱりビールでしょ!」と、言いたいところですが、下戸な私は、もっぱら炭酸水や麦茶、時々ジンジャーエールで「プハーッ!!」と一服、ひとやすみ。 「ジンジャー」って名前がつくから、気持ちはカロリーゼロ体感♡ なんならショウガの燃焼作用でカロリーマイナス! かもしれない、ヘルシードリンクだもの。 ジンジャーエールの「エール」って、なんだかビールみたいだし! そうなのです。エール(Ale)とはビールの一種。上面発酵で醸造され、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を持つビールのスタイルの総称。 ジンジャーエールの歴史を辿れば、もともとは本当にビールだったのだとか。発祥の地はイギリス、時代はビクトリア朝。ショウガと糖分を発酵させて作られていた「ジンジャービール」が元となり、現在のジンジャーエールになったそう。 夏もやっぱりスパイスが欠かせない! 私の生活の中に無くてはならない存在「スパイス&ハーブ」。お料理にはもちろん、アロマとして暮らしの中でも頼れる存在です。冬は身体を温めてくれる作用があり、夏には身体の内側の体温を発散させてくれる万能薬。スパイスを使った代表料理といえば、やっぱり「カレー」ですよね。特にインドカレーって大好き♡ 食べれば、歌って踊れそうな気分になるほどエネルギーが湧いてくる気がして、気分はボリウッドスター。「冬といえばカレーでしょ!」と言いながら、季節が変われば「夏はやっぱりカレーだよね!」と魔法の呪文のように繰り返して、また今年も過ごしています。 私の元気の秘訣は、やはり「スパイス&ハーブ」なのである! 不老不死のスパイス「コリアンダー」 今回の主役は、コリアンダーシード。こりゃなんだー⁉︎ みたいな響きのスパイス。じつはこれ、パクチーなの。パクチーの花が咲き、結実して種ができたら、ハイ! コリアンダーシード。ハーブ(フレッシュという意味)とスパイス(乾燥という意味)の両方で活躍する植物です。 全国のアンチパクチーファンの方、ご安心あれ。カメムシのような独特の香りがするのは葉の部分。種の部分は全く別の香りです。甘く木のようなフレグランスで、オレンジピールのような温かみのある香りを持つ、コリアンダーシード。主張も弱めなので、さまざまな料理に使うことができます。 古来より薬草として使われてきたコリアンダーシード。消化を助ける作用や強壮作用にもすぐれているので、体力を消耗する夏にもおすすめしたいスパイスです。 これがパクチーの花、緑の丸いのが種。これを乾燥させればコリアンダーシードに。種はフレッシュのまま、サラダやおにぎりに混ぜれば、プチッとした食感と爽やかな風味でごちそう感アップ。 日本ではいろんな呼び方があるのもパクチーの特徴。 英語ではパクチーのことを「コリアンダー」と呼び、タイ語では「パクチー」、中国語では「シャンツァイ」と、世界各地で広く食用されています。 メキシコでは「シラントロ」と呼ばれています。 このコリアンダーシード。日本料理では馴染みのないスパイスですが、一歩世界に出ればポピュラーな存在なのです。例えば、ヨーロッパやアメリカではピクルス作りに欠かせないし、インドではカレーを作る際には欠かすことのできない風味を持ち、最近はスーパーでも見かけるハリッサ(北アフリカ生まれの辛いペースト状の調味料)にもコリアンダーが含まれています。イギリスでは料理だけでなく、お菓子用のスパイスミックスにも入っていたり、ケーキやビスケットにも使われています。オールマイティ! コリアンダーシードの歴史は古く、サンスクリット聖句、アラビアンナイトの物語、そして聖書の中にも名前が登場するスパイスです。 中国では、コリアンダーシードを食べれば不老不死になるという伝説もあったとか。数千年前のエジプトでは、葬儀の際には、冥土への旅のお守りとして、亡骸とコリアンダーの枝を一緒に葬る習慣があったのだとか。うーん。なんともミステリアスなスパイス。 今回は、そんなコリアンダーとクミン、カルダモンを使って、インドムード満載のボンベイ(現在のムンバイ、インドの都市)風ジンジャーエールを作りましょう。今年の夏も元気モリモリ、夏バテ知らずだわよ! ルーシー流!コリアンダー香る、新生姜の「ボンベイ」ジンジャーエール 今回は、夏にピッタリなインド風ジンジャーエールを作ります。 カレーを連想させる香りのスパイスたちは、喉ごしもよく爽やかな風味。ソーダとスパイスの意外な組み合わせがクセになっちゃう! 新生姜もスーパーで見かける季節、爽やかな辛みがピリッと心地よい滋養強壮ドリンク。さぁて!ファイトーッ!いっぱーつっ!! ■ 材料 ※約5〜6杯分 新生姜 100g a)カルダモン 5個 a)クミン 小さじ1/2 a)コリアンダー 小さじ2 シナモン 1本 赤唐辛子 少々 レモン汁 60cc 黒砂糖 120g 水 120cc 炭酸水 適量 飾りのレモンやミント 適量 ■ 作り方 ① a)のスパイスをフライパンでから煎りして香りを立たせて、乳鉢やミルで擦る。擦ったスパイスと赤唐辛子、シナモンを出汁パックなどに入れる。 フライパンでから煎りする際は、焦げないように弱火で。香りが立って、パチパチ音がすればOK。 ② 新生姜は薄いスライスにして、黒砂糖と混ぜ合わせ、30分置く。 ジワジワと生姜の水分が出てきます。もう美味しそう。 ③ 小鍋に②と水、①のスパイスパックを加えて、中火にかける。煮立ったら弱火で10分ほど煮る。 煮ているとカレーの匂いがしてきます。 ④ 火から下ろし、粗熱がとれたら、スパイスパックを取り出す。レモン汁を加え、ブレンダーなどで撹拌してジンジャーエールシロップの完成! 炭酸水で割って召し上がれ! 飾りにレモンスライスや、ライムスライス、そして庭ではびこるミントを豪快に飾れば、見た目も爽やか! 今回はジンジャーエール発祥の地イギリスの、ビクトリア朝時代のビールグラスで乾杯! カクテルにもどうぞ。ウォッカと割ればモスコミュール改め、スパイスの風味がなんともおしゃれな「ボンベイミュール」になっちゃう優れもの。 お口の奥にふわーっと広がるスパイスのリズムが、フィール ソー グッド! 夏のバーベキューや、ガーデンピクニックにも♡
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イベント・ニュース
9日間!フラワーアーティストが集結展示『花と器のハーモニー2024「Rediscovery~世界のアーティスト×日本の器~」』
横浜山手西洋館7カ所で同時開催される花と器のイベント 港の見える丘公園内にある横浜市イギリス館を望む。Hamdan Yoshida/shutterstock.com “Rediscovery”をコンセプトに日本を再発見するイベントとして『花と器のハーモニー2024 「Rediscovery~世界のアーティスト×日本の器~」』が横浜市で6月1日(土)〜9日(日)の9日間、開催されます。日本で活躍している外国人フラワーアーティストなど9名が、7つの西洋館を舞台に、日本各地で生まれた伝統的な器を使用しながらテーブルを華やかに演出。個性豊かなアーティストたちが表現する作品のテーマと各テーブルに登場する器をご紹介します。 開催場所は、イタリア山庭園や元町公園、港の見える丘公園に点在する7カ所の西洋館。入場は無料。 外交官の家<国指定重要文化財> 山手イタリア山庭園内に位置する「外交官の家」。アメリカン・ヴィクトリアンの影響を色濃く残す塔屋のある木造2階建ての館。部屋の家具や装飾にはアール・ヌーボー風の意匠とともに、19世紀イギリスで展開された美術工芸の改革運動アーツ・アンド・クラフツのアメリカにおける影響も見られます。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/gaikoukan/ テーマ Flower Power Wave シンプルでありながら力強さを感じる波模様の荒木陶窯の器と、あたたかみのあるお花たちのWaveのコラボレーション。喜びや悲しみが波のように押しよせたりひいたり、さまざまな感情を活性化してパワーを生み出す。外交官の家でのおもてなしの場で生まれたであろう様々な交流を、Flower Power Waveで表現します。 【薩摩焼(鹿児島)】400年以上の歴史を有する薩摩焼は、白薩摩と黒薩摩に大きく分類されますが、今回は、白薩摩の伝統技術を継承し、現代のライフスタイルにあわせたシンプルモダンな器とカジュアルな器を紹介します。 ブラフ18番館<横浜市認定歴史的建造物> 山手イタリア山庭園内に位置する「ブラフ18番館」。1・2階とも中廊下型の平面構成で、白い壁にフランス瓦の屋根、煙突は4つの暖炉を1つにまとめた合理的な造りの建物は木造2階建て。上げ下げ窓と鎧戸、南側にはバルコニーとサンルームなど、洋風住宅の意匠を備えています。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/bluff18/ テーマ Der Wald・森林 森林は植物と動物のコミュニティーからなる共生の世界です。共生とは、姿も形も違った生物どうしが近くに寄り添い、お互いによい関係を築くことです。森林の中に身を置けば、自然と私たち自身は再びつながり合い、心を整えてくれるでしょう。私たちはこの共生の世界を、花と瀬戸焼に置き換えて表現したいと思います。 【瀬戸焼(愛知県)】瀬戸焼は、日本六古窯の一つに数えられる千年以上の歴史と伝統を誇る焼物産地です。伝統的技法の織部・黄瀬戸・御深井釉で、現代のトレンドに沿った色合いと使いやすさを追求した食卓に合う器を紹介します。 ベーリック・ホール<横浜市認定歴史的建造物> 元町公園内に位置する「ベーリック・ホール」。スパニッシュスタイルを基調とした外観は、3連アーチのある玄関や、クワットレフォイルと呼ばれる小窓、瓦屋根をもつ煙突など多彩な装飾が施された、現存する戦前の山手外国人住宅の中では最大規模の建物。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/Berrick-Hall/ テーマ Rediscovery of Lilies ユリは数千年の昔から私達の生活を彩ってきました。聖書にも登場し、聖母マリアの花ともされています。また、ビクトリア朝時代にはその装飾的な美しさと象徴的な意味に価値がありました。そして、今も異なる色や形をもつ新品種が次々と開発されています。そんな長く輝かしいユリの歴史と魅力を再発見できる展示をご覧いただきます。 【波佐見焼(長崎県)】波佐見焼は400年以上の歴史があり、江戸時代から日用食器として庶民に親しまれてきました。現代は「カジュアルリッチ」をテーマに多様・多彩な器が生まれています。そんな波佐見焼から個性ある魅力的な器を紹介します。 エリスマン邸<横浜市認定歴史的建造物> 元町公園内に位置する「エリスマン邸」。「近代建築の父」といわれるチェコ人の建築家アントニン・レーモンドによる設計で、大正14(1925)年から15(1926)年にかけて建てられた白亜の洋館を現在地に再現。暖炉のある応接室や庭を眺めるサンルームを備えています。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/ehrismann/ テーマ ゆとりのある時間へのご招待 窓際から照らされる日差しが美しいエリスマン邸。土の色彩が美しく表現され、素朴ながらも魅力的な日本伝統の萩焼と、お花の色彩と香り、枝物の爽やかさが調和され、東洋の趣と西洋的な要素が花と枝物、器などと奏でるハーモニーを通してほのかな美しさを漂わせる、落ち着いてリラックスできる空間の演出。心が癒やされる憩いの空間へあなたをご招待します。 【萩焼(山口県)】16世紀末、豊臣秀吉による文禄・慶長の朝鮮出兵の折、朝鮮陶工李勺光を連れ、毛利輝元が松本材中の倉に窯を築かせ御細工人に召し抱えた。後に、弟の季敬を呼び寄せ、坂高麗左衛門の名を与え、食録3人扶持米9石で召し抱えたのを起源としている。 山手234番館<横浜市認定歴史的建造物> 元町公園内に位置する「山手234番館」。昭和2(1927)年頃に外国人向けの4戸の共同住宅(アパートメントハウス)として、現在の敷地に建てられ、保全改修工事後の平成11(1999)年から一般公開。上げ下げ窓や鎧戸、煙突などを備えた3LDKの洋風住宅。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/yamate234/ テーマ 味わいのある古いものに囲まれて 年月を経て、誰かに使われ、愛されてきた道具や家具には、現代物にはない優しさ、奥行きや香り、魅力があります。1920年代に建てられた洋館にはそんな古いものたちがピッタリ。古伊万里や木製品、塗り物と暮らしの中で使われてきた和の骨董品にオリエンタルな花たちをあしらいます。それはまるで久しぶりに集まった同窓会の様に暖かくてCozy! 【古伊万里(佐賀県)】伊万里焼は17世紀初め佐賀県有田で焼かれた日本初の磁器。伊万里港から日本国内、海外に運ばれたためにこの名前に。江戸時代のものを古伊万里、それ以降のものは伊万里と呼ばれています。輸出された伊万里焼はヨーロッパに強く影響を与え、人々のオリエンタル嗜好を増しました。 横浜市イギリス館<横浜市指定文化財> 港の見える丘公園内に位置する「横浜市イギリス館」。英国総領事公邸として現在地に建てられた鉄筋コンクリート2階建て。1階は、サンポーチを備え、広々としたテラスは芝生の庭につながっています。2階の広い窓からは庭や港の眺望が楽しめます。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/british-house/ テーマ À「WA(和)」〜和と向き合う 異国情緒漂う洋館で日本の文化を伝える伝統の器と、フランスのエスプリ、職人技が光る花がハーモニーをかなでます。伝統を受け継ぎながらも現代の魅力を兼ね備えた器と普遍的な美しさをもつ植物の色彩が際立ちます。横浜市イギリス館の食堂のテーブルを飾るおもてなしの器、おもてなしの花々、遊び心あふれる花空間、インスタレーションをご覧下さい。 【伊万里 有田焼(佐賀県)】伊万里有田焼は1616年、磁器発祥の地として400年の歴史を持つ産地です。各窯元は伝統の技法を継承しながら、現代の生活トレンドに沿ったハイクオリティーな食器を多数生み出しています。そんな有田焼の中から、オリジナリティーのある食器を紹介します。 山手111番館<横浜市指定文化財> 港の見える丘公園内に位置する「山手111番館」は、「横浜市イギリス館」の南側にあるスパニッシュスタイルの洋館。広い芝生を前庭とし、港の見える丘公園のローズガーデンを見下ろす赤い瓦屋根の建物で、地階がコンクリート、地上が木造2階建ての寄棟造り。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/yamate111/ テーマ Monochromatic シンプルかつダイナミック! 館内の各スペースの装飾をひとつの色にまとめます。モノクロのお花が生む器とのコントラスト、館内と装飾のコントラストを楽しんでください。 【会津塗・大堀相馬焼(福島県)】430年以上の歴史を持つ会津塗は、さまざまな漆の伝統的技法をしっかりと受け継ぎながら、最新の技術も柔軟にとりいれ、現代生活にフィットした斬新なデザインを有します。そんな会津塗の中から、カジュアルでモダンな器を紹介します。大堀相馬焼は300年の昔、浪江町大堀(旧大堀材)を中心に発達した焼物です。東日本大震災の影響で浪江町を離れ避難先で復活した伝統的工芸、窯元が作陶を再開し、新たな名品が生まれる大堀相馬焼を紹介します。
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レシピ・料理
ミントで作る「ライタ風ドレッシング」のグリルドポテトサラダ
最も身近で、最も栽培が簡単なハーブ「ミント」 これまで幾度となく、ご紹介してきた「ミント」。ミントは私たちの暮らしに最も身近なハーブです。飲料水、ガム、歯磨き粉などの生活用品や掃除用品にも多く使われ、誰からも好まれる、嗅ぐだけで気分が爽快になる香りです。 春の訪れと共に、今年もミントの甲高いおしゃべりが聞こえてきました。さぁ! 5月はミントを植える最高のシーズン。私も脳内にお花とミントを咲かせて、夢見心地の浮かれ気味。 ベジトラグの隙間から出てきたミント。きっと去年のこぼれ種が発芽したのでしょう。 育てるのも容易で、食べても美味しい! 騙されたと思って、素直な心で植えてみて。毎年毎年延々とおすすめして恐縮ですが、耳にタコができちゃうくらい、皆さんにご紹介したくなるハーブなのです。 呪いのハーブ「ミント」?! その歴史は古く、約3,500年も前から古代ギリシャでは生薬として使われており、日本では平安時代に「山菜」として貴族のテーブルを彩っていたのだとか。 ん、山菜? ミントは丈夫で、栽培が簡単、ほっとけば雑草のようにグングン育つので、もしかしたら、山で増殖していたのかしら? と平安時代に思いを馳せています。 それよりも平安時代の食卓で、ミントがどう使われていたのか興味津々。 一説では、ミントの属名menthaの由来は、ギリシャ神話に出てくる、若い娘「メンテー(mínthē)」だとか。ダンナが若い娘と浮気をしていることに気付いた妻が、嫉妬に狂い、「小娘ぇ! お前なんか雑草に変わってしまえぇ!!!!」とメンテーを踏み付け、呪いで雑草(ミント)に変えてしまったのだそうです。こ、怖い。 神話って、神様たちの話ですよね……? ギリシャ神話もそうだけれど、『古事記』に書かれている日本の神話もそんな感じですよね。非常に人間的。 今年こそ! ミントの栽培に挑戦してみては? 気温が上がり、昨年植えた子たちが芽を出して伸びてきました。そう! ミントは冬以外、収穫できる丈夫な多年草のハーブです。 私はハーブたちに親しみを込めて「雑草みたいな」(呪いではない)という表現をしばしば使いますが、ほとんどのハーブは手がかからず元気に育ちます。ミントはその代表格です。 雑草、つまり「雑なアナタにも育てられる草」の略、かもね♡ たまに、元気すぎてアウトオブコントロールになることもありますが、基本的なことさえ知っていれば、仲よく楽しめるハーブです。 栽培ポイント①やや日陰の湿った土地を好む 株分けの様子。根が丈夫なので手で裂くようにバラしても大丈夫。 真夏の直射日光や、乾燥で葉が傷みます。特に鉢植えの場合は、要注意! 生育旺盛なミントの根は魔法のように伸びていくので、鉢の中では水分不足になりがち。 根が詰まると成長も止まってしまいますから、そんなときは怖がらずに、忍法「分身の術」、別名「株分け」をしましょう! ミントは根が傷ついてもお構いなし。成長に影響することはありませんから、大胆にやっちゃってください。 栽培ポイント②元気だけどきかん坊! 鉢植えもおすすめ 狭い花壇に鉢植えで置いたミント。シルバーリーフとのコントラストが涼しげです。 放っておいても勝手に育ちます。種類や環境にもよりますが、グングン庭中にミントが広がり、手がつけられなくなる「ミントテロ」なんて言葉もあります。でも正直、どこにでも土足で踏み込んでくる無礼者の「竹」や「笹」に比べたら可愛いもんです。 不安な方は、花壇や狭めのガーデンでは、鉢でおしとやかに育てると扱いやすいです。または、テラコッタなど通気性のよい鉢に入れたまま、地中に埋めて育てると、根をコントロールしながら地植えの高さに揃えられます。あくまで一時的な仮住まいではありますが。 栽培ポイント③悩まずにどんどん使う これは他のハーブにも共通しますが、大切に大切に使わないで見守っていると、ひょろひょろ〜っと伸びて倒れてしまったり、早く花が咲いて成長が止まってしまったりします。小さいうちから新芽を摘み、頻繁に使うとよいでしょう! 草丈が20〜30cmになったら、あまり悩まずに1/3くらい切り戻しても大丈夫! 一番簡単にミントを活用できるのが、ハーブウォーター。水に切ったミントを数本入れるだけで、見た目も味も涼しげに。緑茶を淹れた際にミントを少し浮かべるのも、私のおすすめです。「ミントグリーンティー」は夏の冷茶にもどうぞ! カットしたフルーツに添えるのも簡単。特にパイナップルとの相性は抜群です。 ちょっと変わり種のおすすめ「ミント」3選 花市場で売られているミント。数種類がアソートされたセット。 一言で「ミント」といっても、その種類は600以上あるといわれています。最近はさまざまな種類のミントを園芸店で見かけます。 まずは、ラベンダーミント。学名は Mentha piperita ‘lavender’。ペパーミントの園芸品種です。 紛らわしい名前のこちら。ラベンダーという名前が付いたミント。画面上では香りをお届けできないのが非常に残念ですが、ほんのりとすっきり、スパイシーなラベンダーの香りがします。これは紅茶を淹れたときに、数枚ポットに忍ばせてもいいですねぇ。 そして「スイスリコラミント」。学名はMentha × piperita ‘swiss’。こちらもペパーミントファミリー。 かなり清々しい清涼感!シンプルで強い香りです。お茶やサラダに加えると、一気にオシャレ度アップ。スイスの「リコラ」というハーブキャンディに使われているミントです。あの1度は見たことがあるかもしれない、黄色いパッケージの飴ちゃん。経験上ですが、そんなに横に広がらない「お上品」なミントと感じます。 最後は「オーデコロンミント」。 学名はMentha ×piperita citrata。この子もペパーミントファミリーです。 なんていうか、大人っぽいミントです。オーデコロンを思わせるような、個性的な強い香りがします。柑橘系の香水のような香りもするので、ドライにしてポプリやサシェを作るのにも向いています。ほかのミントより、葉も大きく、大株になりやすいです。茂る様子が大きく堂々としているので、花壇の中でも目を引きます。 ミントで作る「ライタ風ドレッシング」のグリルドポテトサラダ 日本ではミントを使ったレシピは、ポピュラーではありませんよね。アラビア料理などでは羊肉のソースとして使われたり、中東ではクスクスなどのサラダに刻んで加えたり、インドではミントのチャツネがあります。 まだまだ日本では十分に活躍していないミントたち。まずは序の口、簡単に試せる「ライタ風ドレッシング」はいかがでしょう? ライタとは、ヨーグルトと野菜を和えたソースのようなサラダです。まろやかでさっぱりとした風味なので、インド料理では肉やカレーの「付け合わせ」として添えられています。 ヨーグルトにミント、そしてニンニク……と聞くと、変な味?? となりそうですが、固定観念は「ポイッ」と捨てましょう。爽やかな香りが、これからの暑いシーズンにピッタリ。クセになる味です。 ■ 材料 ジャガイモ 中3~4個 ヨーグルト 250g ミント 数本 クミンパウダー 小さじ1/2 キュウリ 1本 おろしニンニク 小さじ1/3 ※今回はチューブを使用 塩 小さじ1/2 オリーブオイル 仕上げにひと回し コショウ 仕上げに適量 飾りのミント 適量 ■ 作り方 ① ジャガイモを7mmほどに切って、沸騰させたお鍋で5分ほど下茹でをする。 お気軽にレンジでもどうぞ。火を入れすぎると、ジャガイモの種類によっては崩れますので注意。 ② キュウリをグレイターでおろして、水気をしっかり切る。 グレイターが手元にない方は、細かい千切りにして、しっかりと水気を絞ってください。 ③ ミントの葉を軸から外して、細かく刻む。 ④ お気に入りのお皿で、ヨーグルト、クミンパウダー、塩、おろしニンニク、先ほどのキュウリとミントを混ぜる。 ヨーグルトから水分が出るので、平たいお皿よりも、ゆるくカーブのあるお皿で。 ⑤ ①のジャガイモを、多めのオリーブオイル(分量外)をひいたフライパンで、縁がカリッとするまで揚げ焼きにする。 ⑥ ④のミントヨーグルトソースの上にジャガイモを盛りつけて、オリーブオイル、コショウ、ミントを散らして完成。 ジャガイモはベターッと置くのではなく、立てるようにリズミカルに。 最後のおめかし。 とっても簡単でしょ? ミントの爽快さと、ヨーグルトの酸味、そしてキュウリの青臭さが心地よいハーモニーを奏でます。ジャガイモはオーブンでローストしてもいいし、小さな新ジャガは茹でて和えても結構! 夏のガーデンピクニックやバーベキューのサラダとしても活躍します。ドレッシング自体がとろっとしたテクスチャーなので、ディップソースとしても活躍します。私のお気に入りは、トルティーヤチップスのお供に。 ヨーグルトとキュウリでヘルシーな気分になれちゃうから、あら不思議。「病は気から、美は思い込みから」です。日本人からしたら不思議な組み合わせですが、食べてもミントと分からないでしょ♡ お試しあれ!
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夏みかんで作る、花椒香る葉山スタイル「オレンジチキン」
葉山のシンボルツリー「夏みかん」 私にとって夏みかんの木は、幼少時代を思い出す光景です。カントリーサイドで暮らしたことがあれば見慣れた景色ですが、私の育った「葉山町」では、夏みかんの木には特別なストーリーがあります。 さかのぼること、昭和34年。御用邸の町、ここ「葉山」では、上皇上皇后両陛下の御成婚の際、記念として夏みかんの苗木が町民に配られたそう。今でもその夏みかんが多くの実をつけ、民家の庭先を鮮やかに彩っています。家の玄関先に置かれた段ボールに山ほどの夏みかんが積まれ、「ご自由にどうぞ!」と書かれている「嬉しいおすそ分け」も、葉山ではよく見かける光景です。 まだ酸味が強い、この時期の夏みかんは、ジャムなどのお菓子作りに最適です。夏みかんといえば、やっぱり「マーマレード」、クィーンオブジャム! 皮をむいて、実を取り出す。まぁまぁ億劫な作業ではありますが、年に1度のお楽しみ。たくさんの瓶を用意して挑みましょう。 でも、甘いものより、しょっぱいもの派の私は、どうにかして、夏みかんでお米がたべたい! 爽やかな風味の柑橘類は、お料理にも大活躍だものね♡ そんな私のおすすめは、みんな大好き!「オレンジチキン」です。 みんな大好き! オレンジチキン カラッと揚げた鶏肉に、オレンジの爽やかな風味が香るソースを絡めて仕上げる、アメリカで定番の人気メニュー「オレンジチキン」。名前を聞くだけでヨダレが出ちゃう。 なんとなく、日本人の感覚からしたら、ポップな「酢豚」という感じかしら。酸味と甘み、辛みのコラボレーションで、食べれば食べるほどに食欲が出ちゃうぜ! そんな魔法の料理です。 「チャイニーズチキンサラダ」や「モンゴリアンビーフ」「フォーチュンクッキー」などと共に、アメリカで独自にアレンジされて、進化を遂げた「American Chinese Cuisine(アメリカ風中華料理)」なのです。 陳皮は乾燥させたミカンの皮。 本場中国では、漢方薬としても使われる、乾燥させたオレンジの皮「陳皮」を使って作る「陳皮鶏」というものがありますが、オレンジチキンとはちょっと別物。オレンジチキンは、通常オレンジジュースを使って作ります。きっと「陳皮鶏」がモデルとなり、現在のオレンジチキンとしてアメリカで成長したのでしょう。多分。 このオレンジチキン、唐辛子を入れてピリ辛にするのもいいけれど、花椒を使えばもっと! もっと! デリシャス! 花椒と柑橘の組み合わせで「シャレた大人の遊び心」風味に。 痺れと爽やかさ、花椒(ホアジャオ) 今回ご紹介したいスパイスは「花椒(ホアジャオ)」。麻婆豆腐や担々麺など、四川料理に欠かせない独特な香りが特徴の香辛料です。花椒はミカン科サンショウ属の植物で、中国原産のスパイス。一度味わうとクセになる! しびれる辛味と爽やかな風味が魅力の花椒。あの痺れはギリギリ合法、中毒者は多数です。ここだけの話、私も花椒アディクトです。 日本語では「かしょう」、中国語では「ホアジャオ」と読みます。山椒と何が違うのでしょう? 花椒と山椒どちらもミカン科サンショウ属の植物ですが、似て非なるもの。原産国もそれぞれ。基本的には花椒は中国原産、山椒は日本原産です。 花椒が熟した実を乾燥させて作り、山椒は熟す前の果皮を粉末状にしたもの。 花椒は舌がしびれる辛みと独特な香り、山椒はどちらかというと辛みより香りを楽しむもの。花椒のほうが個性強め。パンチが効いています。 私が大好きな五香粉にも使われている「花椒」。 中国では、花椒は古くより漢方の生薬として使用されてきました。 花椒には消化を助ける「健胃作用」や、殺菌作用があり、消化不良、吐き気、下痢などに効果的。花椒特有の痺れるような感覚は、鎮痛や麻酔にも使用されてきたようです。昔は大量の花椒を局所麻酔として使っていたんだとか。美味しそうな香りがして、痛みも忘れられそう♡ なんなら、おかわりください! 白米もお願い! 花椒にはホルモンバランスを調整する作用もあり、授乳を終える頃に、煎じた花椒に砂糖を加えて飲めば、乳房の張りが和らぐともいわれています。ナイスタイミングで授乳中の方はお試しを。 万能「花椒塩」を作ろう! 唐揚げやチャーハン、炒め物など、日本の食卓でも大活躍で、一家に1瓶置いてほしいのが「花椒塩」。名前のとおり、花椒と塩が混ざっているもので、とてもシンプル。 スーパーでもスパイスコーナーに置いてあるのを見かけますが、自家製「花椒塩」は簡単に作れます。お手製のものは、香りが別次元! 鼻から吸い込んで脳内を駆け巡る2024年、脳内宇宙の旅。きっと驚くはず! シンプルに花椒塩の塩むすびも美味しいのです。 ■ 材料 ・塩 大さじ1・花椒 小さじ1.5※花椒と塩は【2:1】を目安に ■ 作り方 ① 塩を弱火でパチパチと音がなるまで乾煎りする ② 冷たい状態のフライパンに花椒を入れ、弱火で香りが立つまで乾煎りして、ミルサーや乳鉢などで細かくする ※焦げないように注意! ③ 混ぜ合わせて完成! ※①の項目は省いてもよいです。塩を炒るのは、塩の甘みを引き出すのと、塩に花椒の香りを移しやすくする目的なので、お好みでどうぞ※花椒の風味は飛びやすいので少量ずつ作り、密封容器で保存がおすすめです※一番簡単に作るには、粉の花椒を買ってきて、ただ塩と混ぜるだけ! 夏みかんで作る、花椒香る葉山スタイル「オレンジチキン」 オレンジチキンは、アメリカ育ちの中華料理。陽気に楽しくやりましょう! 夏みかんの苦みが心地よい、とても爽やかなレシピ。砂糖はお好みで増やしてみてください。スライスした夏みかんが差し色でビューティフル! 一緒にパクッとしちゃいましょう。庭で採れたものや、近所で育ったものを料理に使えば、なんだかいつもよりスペシャル。テレビを見ていたら、偶然知っている場所が映ったときの感覚に似ているかもしれません。友達の友達はみんな友達! そんな感覚で作っていただきたい料理です。 ■ 材料 ・ 鶏胸肉 1枚 300gほど (下味)・ a) 花椒塩 小さじ1/2・ a) おろしにんにく 小さじ1/2・ a) 酒 小さじ1 (衣)・ 薄力粉 大さじ2・ 片栗粉 大さじ2・ ベーキングパウダー 小さじ1 (タレ材料)・ b) すりおろしにんにく 小さじ1・ b) みじん切り生姜 小さじ1・ b) 砂糖 大さじ2〜3 ※お好みで・ b) ナツミカン 半個(100ccほど)・ b) 酢 大さじ2・ b) 醤油 大さじ2 ・ 水溶き片栗粉 適量・ 茹でたブロッコリー 適量・ 白胡麻 適量・ お好みで、飾りのネギやパクチー、ナツミカン ■ 作り方 ① 鶏肉を食べやすい大きさに切ってボウルに入れ、a)の材料を鶏肉に揉み込み、下味をつける。 普段の唐揚げよりも小さめに切るのがポイント。10分ほど漬け込む。 ② 薄力粉、片栗粉、ベーキングパウダーをよく混ぜ、鶏肉にまぶして、170℃の油でカラッと揚げる。 ③ ナツミカンを絞り、b)のタレの材料全てと一緒に小鍋で煮立てる。水溶き片栗粉でとろみをつけて、②の鶏肉とブロッコリーを絡める。 苦みと酸味が爽やかで美味しいです。 こんな感じのトロトロ加減にしましょう。 ④ 飾りに胡麻やスライスしたナツミカン、パクチーを散らして完成。お好みで追加の花椒塩もどうぞ! 出来たてで、衣がサクッとしているのも美味しいし、タレがしみてしっとりとしたのも美味しいです。しっかりとした味付けなので、冷めても美味しく、お弁当にもよさそう。 オレンジチキンに合わせて、さっぱりとしたチャーハンと、鶏ガラスープを大鍋でドーンッ! と作って、ジャジャーンッ! とジャッキーチェンの映画を流しながら、なんちゃってチャイニーズナイトはいかが? みんなで美味しく、楽しく、食べチャイナ♡