ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
ルーシー恩田の記事
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レシピ・料理
【秋冬レシピ】クローブ香る、リンゴとローストニンジンのスープ
旬のごちそうをいただく ようこそ!食欲のオータム&ウィンター♡ 首をなが〜くして、お待ちしておりました!春夏も好きだけど、秋冬は家での食事がさらに楽しい季節。気の合う仲間と、温かく美味しい料理を囲めば、心も身体もほっかほか。お気に入りの鍋から湯気を出して、コトコト。香りを立てながらのお料理が、心地よい季節の到来です。 畑では夏の終わりの「ひと休み」を終えて、冬野菜が着々と育ってきています。 ほとんどの食材は通年買えるので、旬が分かりにくい便利な時代となりましたが、せっかく四季のあるニッポン。季節の味を楽しむ、感謝の心を忘れずにいたいものです。 旬を迎えた野菜は、ほかの季節と比べて香りや旨味が豊か。例えば、夏野菜のトマトは体を冷やし、冬の根菜類には、体を温める効果があるといわれています。旬の食材には、その季節に体が必要とする栄養分が多く含まれているので、身体に優しく、多く収穫できるので価格が安く、お財布にも優しい一石二鳥の「旬」なのです。「旬のもの」で素材を楽しむお料理には、ハーブやスパイスが大活躍します。私のキッチンでは、お肉のグリルや野菜のオーブン焼き、スープや煮込みにも欠かせないスパイス達。冬の「イチオシ」スパイスは「クローブ」。身体を温める作用を持ち、そのスパイシーで甘い香りは、リンゴやニンジンとの相性が抜群です。 クローブは寡黙な姉御肌 何度かご紹介しているスパイス「クローブ」は、かなり個性的。「スパイシーさの中に感じる、独特な甘さ」はなんとも奥深く、形容しづらい香りです。この独特な香りは世界中で愛され、料理からデザートまで幅広く使われています。単品で嗅ぐと、苦手な人は苦手かも。 ホットワインには、クローブなど身体を温める作用があるスパイスが使われます。 インドでは「チャイ」、ヨーロッパでは「ホットワイン」に、中華料理に欠かせないミックススパイスの一つ「五香粉(ごこうふん)」にもクローブが使われています。なんともワールドワイドなご活躍! 私のキッチンでもジャム作りやアップルパイ、焼豚など、さまざまなレシピに使っています。独特な香りですが、適量を料理に使うとあら不思議、味に深みが出てプロの味に。しかも嬉しい効能も兼ね備えたクローブ。主成分であるオイゲノールには、強い抗菌作用、抗ウィルス作用、鎮痛といった特徴があるので、風邪予防にも効果的。 身体を温め、消化の働きをよくして、免疫強化も期待ができるので、特に冬の季節に活用したいスパイスです。 アロマオイル(精油)としても重宝するクローブ。私の大好きな精油の一つです。クローブは言葉数少ないけれど、どっしりと見守ってくれる「寡黙な姉御分」みたいな存在。心を温めながらも背筋を「ピシッ」とさせてくれる頼もしいアネキです。精神的にふわふわしちゃっている時には、地に足を付け、自分の軸をしっかり持って前に進むことを思い出させてくれます。恐れや不安などのネガティブなエネルギーを解消&変換する手助けとなり、過去や未来に捉われず、「いまこの瞬間」を生きる喜びを感じさせてくれるでしょう!媚薬として使われていた歴史があり、催淫作用も期待ができます。うっふん♡ どっしりと重たいクローブの香りは、就寝前にもおすすめです。 私はルームスプレーやピローミストにクローブを使っています。甘く重たい香りで、毎晩眠る前から夢見心地。クローブは中世ヨーロッパで、金と同等に扱われるほど高価だったとか。この奥深い香りを嗅ぐと、その歴史に納得なのです。 クローブ香る、リンゴとローストニンジンのスープ 日本人の感覚からしたら「リンゴとニンジンのスープ」ってなんだか奇々怪々。 おかずだけど甘い、酢豚のパイナップル的存在かしら? もしかしたら、嫌いな人は嫌いかもしれません。ズコーッ! そもそもみんなに好かれるなんて、無理な話。人間関係だってそうでしょう? 個性を全面にアピールすれば怖いものなし。 ニンジンは必ずローストしてください。一手間ですが、コクや旨味が凝縮して、茹でた時とは別物! 甘さとほのかな酸味にクローブの香りが彩りを添える、冬らしいメニューです。 ■材料 (約2〜3人前) ニンジン 1本リンゴ 1個 (紅玉やジョナゴールドがオススメ)玉ねぎ 1/2個セロリ 1/2本水 3カップ塩 適量コンソメ 小さじ2クローブ 小さじ1/4ほどタイム 1枝〜 お好みでナッツ 少々オリーブオイル 少々 ■ 作り方 ① ニンジンを7mmほどの輪切りにして、オリーブオイル大さじ1と塩少々(分量外)を加えて混ぜ、210℃に余熱したオーブンで色づくまで約25分ローストする(焦げそうなら途中ひっくり返す)。 ローストニンジンはつまみ食いしたくなる美味しさ! 素材本来の甘さに驚くはず。焦げる手前のギリギリを攻めてください。 ② 鍋にオリーブオイル大さじ1(分量外)を温め、粗みじん切りにした玉ねぎを弱火〜中火で10分程炒める。 ③ 薄く切ったリンゴと粗みじんのセロリを②に加えて、リンゴが柔らかくなるまで中火で炒める(約5分)。 ④ 水、コンソメ、クローブ、タイム、ローストしたニンジン、塩ひとつまみを③に加えて、15分程中火で煮込む。 ⑤ 粗熱をとった④をハンドブレンダーやミキサーで撹拌し、塩胡椒で味を調節する。 ⑥ お皿に盛って、オリーブオイルとナッツ、ハーブなどを添えて完成! 甘いリンゴよりも、紅玉やジョナゴールドなど爽やかで酸味のあるリンゴが合います。カリカリにトーストしたパンと、山盛りのグリーンサラダを一緒に食べれば、大満足のワンプレートミールに。ホリデーシーズンにはローストポークやグリルドチキンに合わせてみては? こっそり教えますけど、ローストしたニンジンをサラダにトッピングするだけでも、最高にデリシャス! 暮らしを豊かにする「ヒント」は、毎日の生活のなかに潜んでいます。すべてを完璧にしようなんて忘れて、常に自分の好きな事に意識を向けてみてくださいね。個性を活かすのよ♡ 今回のスープはそんなスープです。 さぁさぁ、今年もあと僅か。終わりよければオールグッドよ♡
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レシピ・料理
【バジル大量消費】シナモンバジルの自家製ペーストで作る「ガパオ風ライス」
夏が過ぎてもバジル熱 まだまだ懲りずに海水浴をしている私ですが、暦の上ではすっかり秋。 「夏が過ぎ風あざみ」の「風あざみ」という言葉は井上陽水さんの造語だそう。「あざみ」の花言葉は寂しく感じるワードが多く、夏休み後の少年の「虚無感」を表現しているのだとか。真意は知らないけれど、シェイクスピアのような言葉遊び。 きっとその少年たちも大人になり、夏休みが終われば次のお楽しみ「美味しい秋」が来ると知ったでしょう。 強烈に暑い夏を乗り越え、ハーブたちが冷静さを取り戻してきました。バジルは夏のハーブと思われがちですが、品種と育て方によっては秋が終わる頃まで収穫が続きます。我が家の畑では毎年10種類ほどのバジルを栽培しています。同じく畑をやる父との「夏の時事ネタ」は、もっぱらバジルに関して。暖かくなる頃にやってくる毎年恒例、父娘の「バジル熱」なのです。 タイのホーリーバジル「ガパオ」、余った苗は実家でプランターに。 一言にバジルと言えど、香りや形状はどれも違います。生では香りがイマイチなのがこの子、タイのホーリーバジル「ガパオ」です。一般的にバジルは加熱すると、香りが飛んでしまうのですが、このガパオは違います。加熱することで、ピリッ! スゥー! っとした、独特でスパイシーな爽快感が、ヤッホー! と登場するのです。 ガパオライスのバジル「ガパオ」 畑で育つガパオ。 ここ20年くらいかしら? ジワジワと認知度が上昇してきた「ガパオライス」。バジルや挽肉を炒めて、ご飯にかけて食べるシンプルなタイ料理です。最近ではスーパーのレトルトコーナーにも並んでいるのを見かけます。 私とガパオライスの出会いは20歳の頃。学校の近くにあった「チャオバンブー」というタイ料理屋さん。あの衝撃的な出会いは今でもセンセーショナル♡ その後、いろんなお店でガパオライスを食べ、本場タイでも食べ比べましたが、それぞれに多少味が異なります。使うお肉も鶏や豚、挽肉や細かくぶつ切りにした肉、味も甘みがあったり、とても辛かったり。日本とタイ、ガパオライスの大きな違いは使用する「バジル」。本場タイでは「ガパオ」という種類のバジルが使われています。 近所のホームセンターでも、ガパオの苗が売っていました。 日本で見かけるレシピでは、ほとんどがスイートバジルで代用されています。そもそもガパオライスなのに、違う種類のバジルを使ったらガパオライスではないじゃーん! という感じなのですが、日本では手に入りにくいので仕方がない。言葉と同様、料理も生き物のように変化するものだと、私は思っています。だって、伝言ゲームのようなもの。場所や時代で、味も作り方も変わっていきます。まぁ、それでもさ、いいじゃない。 近所の直売所では、ガパオの葉が売られていました。 余談ですが、私は日本食のレシピを海外サイトで検索するのが好きです。なぜなら、日本人の想像を超える独自の進化をしているから。例えば、「SUSHI SANDWICH(寿司サンドイッチ)」。これ何のことかとおもったら「おにぎらず」のことでした。中に入れる具も、カラフルなビーツや胡麻をびっしりと絡めて揚げた豆腐カツなど、日本人の普通の感覚とは違ったもので興味深く、インスピレーションとしても重宝します。 ヴィンテージなハワイのレシピブック。ツッコミ所が満載。 他にも「SUSHI BAKE(寿司ベイク)」はハワイアンスタイル。オーブンディッシュにお米を敷き詰めて、その上にマヨネーズで和えたカニかまやクリームチーズ、アボカド、そしてふりかけをかけてオーブンで焼く料理です。仕上げにピリッとしたソースをかける場合も。伝統的な日本料理ではないですが、オープンマインドでクリエイティブ! 独自に発展を遂げた料理には捕われない自由さを感じます。 というわけで、今回は本場のバジル「ガパオ」ではなく、私の畑でスクスク育っているシナモンバジルが主役です。 スパイシーで甘い「シナモンバジル」 私が育てている数多くのバジルの中でも、香りのトップを争うのが「シナモンバジル」。メキシコ出身の品種で、シナモンに含まれる「桂皮酸メチル」と言う成分が含まれているそう。んー、シナモンの香りとはちょっと別物? って感じですが、シナモンバジル特有の、スパイシーさを纏った甘い香りはなんだか高貴。 摘みたてのシナモンバジル。 一般的なスイートバジルの葉よりも葉先が尖った形状です。茎が紫色で太め、とっても丈夫な種類です。他のバジルよりも枝分かれしやすく、縦にも横にも大きく立派に育ちます。茎葉の成長が旺盛なので、こまめに摘心するのが面倒な方にもおすすめ。 そうなの、この子たちは1株に対して、他のバジルより収穫量が多いのです。お水に入れてハーブウォーターにしたり、サラダのアクセントに使ったり、シロップも作りましたが、まだまだ手に余る。だったらこれでガパオ風ペーストを作ってみよう! と勢いで始まった私の「ガパオ風ライスを食べまくる物語2023夏」。とっても美味しくできたので、みなさんにもこっそり公開しちゃいます。 シナモンバジルのエスニックな自家製バジルペースト 今回、私はシナモンバジルを使いますが、正直なところ、どの種類のバジルでも構いません。スイートバジル、ブッシュバジル、タイバジルなどなど。今回の目的はバジルの大量消費! もちろん風味は多少変わりますが、ネバーマインド! 本場のガパオライスとは少し違うかもしれませんが、美味しく楽しく自由にやりましょう。必ず使ってほしいのがフレッシュな青唐辛子。後を引かない、さっぱりと爽快な辛みが隠し味です。知らず知らずのうちに血行促進、頭皮の毛穴が開き、第7チャクラもおっ広げ〜! な美味しさなのです。 材料(仕上がり時、約240ccのペースト量) バジル 手のひらから溢れるほど ※今回は茎から外した状態で60g、適当で大丈夫!オイスターソース 大さじ6ナンプラー 大さじ4砂糖 大さじ1油 大さじ3青唐辛子 5〜10本 ※5本くらいなら辛い物が苦手な大人でも大丈夫そうニンニク 3片 ■ 作り方 ① 青唐辛子のヘタは切り、バジルの固い茎部分を外す。 ② 材料全てをブレンダ−に入れ、撹拌する。 水分が少ないため、大きなミキサーよりもブレンダーがおすすめ。 ※保存は冷蔵で1週間程度。すぐ使わない場合は冷凍保存。 自家製バジルペーストで作るガパオ風ライス 先ほど作ったペーストを使い、ガパオ風ライスを作りましょう。通常のガパオライスではペーストは使わず、炒めながら調味料を加えていきますが、このペーストを使えば味付けも簡単! 薄味や濃い味の調整も簡単です。せっかくの作るのだから、パプリカやピーマンを使いカラフルに仕上げました。ナスやキノコでも美味しいです。 材料(約3人前) ひき肉(鶏や豚) 400g ※今回は豚ひき肉を使用玉ねぎ 1/2個 パプリカやピーマン 1/2個 自家製バジルペースト 大さじ3ほど水 大さじ3ほど飾り用のバジル 適量お米(ジャスミンライスがおすすめ) 適量卵 人数分 ■ 作り方 ① 玉ねぎは荒いみじん切りに、パプリカは厚めにスライスする。 ② フライパンに多めの油(分量外)を熱々に熱して、目玉焼きを作り、取り出す。 フチが揚げ焼きになるように。 ③ 先ほどのフライパンでひき肉を炒め、7割ほど火が通ったら、自家製バジルペーストと水を加えてよく混ぜ、玉ねぎを加えて炒める。 ペーストと水は増減してお好みの味に。 ④ パプリカを加えて炒め、味が濃いようなら水を足す。 ⑤ お米と一緒にお皿に盛りつけて、フレッシュなバジルを添えて完成! フレッシュなバジルは細かくちぎって混ぜると、香りがよく美味。 エスニックな自家製バジルペースト活用法 ペースト適量を揉み込む。 このペースト、他にもいろいろと使えそう! と思い、試しに唐揚げにしてみました。今回使ったのは鶏のささみ。他の部位でも構いません。適当にカットしたお肉に自家製バジルペーストを絡めて、一晩冷蔵庫でマリネ。翌日、小麦粉とコーンスターチの衣でカラッと揚げてみました。あら! ニンニクの香りやオイスターソースのコクが染み込み、こりゃ旨い! お米がドンドン進んじゃう。濃い味なのでビールのお供にもどうぞ。 一晩マリネして揚げた唐揚げ。さっぱりとした野菜で包んで食べました。 他にも焼きそばのソースや、炒飯の味付けにもよさそうです。夏の終わりに作って冷凍庫で保存しておけば、いつでも楽しめちゃう、便利ペースト。かなりパンチが強いですが、叩きキュウリのタレにもどうぞ。 シナモンバジルは丈夫でとっても育てやすい品種です。苗や種子、どちらも比較的手に入りやすいので、来年はぜひお試しを。もぅ本当っ! いい香りなのです。画面越しに香りをお届けできないのが残念無念。百聞は一見にしかず♡ 毎日五感をフル活用。楽しく育てたハーブを美味しくいただき、芸術的に食欲の秋をエンジョイしましょ。
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ガーデン&ショップ
北海道ガーデン街道を訪ねて<2023夏>十勝&富良野編
花も団子も楽しむ、初夏の北海道ガーデン街道 みなさま、ごきげんよう!どちらかといえば、花も団子も楽しみたいタイプの私です。いつもはレシピをお届けしていますが、今回は番外編で「北海道ガーデン紀行」をお届けします。というのも、少し早めの夏休み気分で、7月初旬に北海道に行ってきたから。目指すは「北海道ガーデン街道」です! 北海道ガーデン街道とは、人気ガーデンがある地域を結んだ観光ルート。上川町 〜 旭川市 〜 美瑛町 〜 富良野市 〜 十勝地方を結ぶ、約250kmの街道として2009年に命名された「北海道ガーデン街道」は、街道沿いに8つのガーデンがあり、さまざまな観光地をスムーズに巡ることができます。 食いしん坊な私。北海道名物スープカレーやザンギを楽しみながら、ガーデン巡りをしました。 ガーデンでは豊かな自然に咲く野の花々を満喫し、ドライブの車中からはダイナミックな小麦畑やジャガイモ畑などの丘陵風景を楽しみ、休憩がてら美味しいものを食べる。そんな最高の時間を楽しめるのが「北海道ガーデン街道」を巡る旅です。 今回の目的地は十勝エリアにある5つのガーデン。そのなかでも個人的にイチオシな3つのガーデンをご紹介します。夏の避暑旅行にもおすすめ。それでは出発進行〜! 穏やかな空気を纏う「六花の森」 はい! あっという間に北海道に到着です。まず1日目は帯広空港から車で15分ほどの、「六花の森」へ。受付で十勝エリアの5つのガーデンがお得に巡れる「とかち花めぐり共通券」を購入して、いざ出庭! 「六花の森」はマルセイバターサンドで有名な「六花亭」によるガーデンで、「六花亭と言えば」の包装紙に描かれた北海道の山野草を見ることができます。敷地内には美術館、ミュージアムショップ&レストラン、工場が併設されています。 六花亭の包装紙でひときわ目を引く赤い花。それがこのハマナス。 私が訪れた7月初旬は、ハマナスが満開。あたりに立ちこめる、フルーティーで艶っぽく甘〜い香りで夢見心地に。力強い北海道の大地を踏みしめる私の足、呼吸のリズムで身体に入るハマナスの香り、全てが一体となり「もしかして、アタシ! ハマナスになっちゃったのかも」という不思議な感覚を味わいました。 私の住む神奈川県では見かけない植物たちにご挨拶。自然豊かな北海道の大地で育つ植物は、とってもパワフル! 広い園内には7つのギャラリーが点在し、山小屋のような素敵な建物の中で、六花亭の花の包装紙を手掛けた坂本直行氏の作品などを見ることができます。 左はアイスサンド、右が出来たてホヤホヤのバターサンド。 さてさて、散策後は併設された素敵なカフェでひとやすみ♡ こちらは敷地内に工場があるので、なんと出来たてのマルセイバターサンドが頂けちゃう。いつものしっとりとしたクッキーに、ラムレーズンクリームの「一体感」があるバターサンドも大好きですが、ここで食べる出来たてバターサンドは全くの別物! クッキーがサクッとしていて、柔らかいクリームを包み込む感じは新食感! こちらでしか頂くことができないので、ぜひガーデン散策後のお楽しみに。アイスサンドも絶品でした。 「道の駅 なかさつない」にて。大きいマリーゴールド「アフリカンマリーゴールド」ですが、ついついアメリカンと書いてしまったのかしら。おおらかな訂正がいい感じ。 帯広空港に到着して、その足でこちらに伺いましたが、大正解! 早起きして忙しなく、バタバタと飛行機でやってきた北海道。「六花の森」は、そんな心拍数高めの状態から、リラクシングモードへと気持ちを切り替えるのにピッタリな場所でした。木陰も多く、小川の流れの音も心地よい、穏やかな空気を纏ったガーデンです。 ちなみに、「六花の森」からすぐの「道の駅 なかさつない」もおすすめ。美味しそうな採れたて野菜や卵、苗などが売っていました。旅のお供に道の駅、どこへ行くにも私のお決まりコースです。 家族みんなで楽しめる「十勝ヒルズ」 六花の森を後にした私は、そこから車で15分ほどのところにあるお花好きのおばあちゃんがつくった「紫竹ガーデン」に立ち寄ってから、一路「十勝ヒルズ」へ。「花と食と農」をテーマにしたガーデンとのことで、期待が高まります。ダンサブルでイケイケなミュージックがお出迎えしてくれる入り口にはショップ&カフェもあり、賑やか! 小躍りしたくなるような楽しい雰囲気。 こちらはその名のとおり、丘にあるガーデン。抜け感のある景色が爽快! 高低差を生かしたリズミカルな造りで、園内のさまざまな場所にイスやベンチが置かれていました。おかげさまで、何度も休憩しながら眺めを楽しみました。芝生にゴローンも最高です。 こちらのガーデンで特に印象的だったのが、ガーデナーの方が、ニコニコと楽しそうにお仕事をされていたこと。当たり前なことかもしれませんが、働く側が楽しんでいる職場っていいですよね。植物たちもとても綺麗にお手入れされて、イキイキと嬉しそうでした。 後から調べてみたら、十勝ヒルズのガーデナーの方々が発信しているインスタグラムがありました。毎日ガーデンや植物の様子をアップされていて、とても楽しい! 勝手にご紹介しちゃいます。 tokachihillsgardeners ガーデン入り口に併設されたカフェ。 園内には、入り口のカフェとは別にガーデンレストランもありました。私はあいにくお腹いっぱいだったので利用はしませんでしたが、ハンガリー人シェフが腕を振るう、十勝食材とハンガリー料理のマッチングが楽しめるそう。次回は堪能してみたい! Processed with VSCO with f2 preset 結局、散策後は小腹が空いてしまい、入り口のカフェで一休み。フルーティーなアイスティーとおにぎりを。他にも美味しそうなメニューがありましたが、おにぎりを売っているってのがいいですねえ。好感度高め。 こちらの「十勝ヒルズ」、独断と偏見の私視点で総合的にパーフェクト! 家族全員が楽しめる巨大な公園みたい。庭園やガーデンというと少し大人向けで、子どもやヤングは退屈してしまうこともありますが、こちらでは心配ご無用! ぜひ親子3世代で訪れてほしいガーデンです。 油絵のような木々が見られる「真鍋庭園」 2日目は「真鍋庭園」へ。なんとこちら、1966年から一般開放しているのだとか。しかも樹木の「輸入・生産・販売」会社が運営しており、60年以上かけて世界中から収集し続けている数千品種の植物コレクションが、どのように育つのかを確認できるショールームのような植物園とのこと。花のガーデンとは、また違った迫力です。 入り口ではケン君がお出迎え。隣には同じく木彫りのトミー君もいました。 この「真鍋庭園」は25,000坪の敷地内に、なんと「日本庭園」「西洋風庭園」「風景式庭園」の3つがつくられており、まるで異なる国を旅するように風景が変わっていきます。いろいろ楽しめて、欲張りな私にぴったり。 突如現れる日本庭園。奥に見えるのは、明治44年に当時の皇太子による北海道行啓のため帯広市中心部に建築された御在所。その後こちらに移築し、昭和43年に完成。 日本庭園のすぐ横には、赤い屋根がチャーミングな可愛い建物。オーストリアのチロルハウスをモチーフにしたもので、「真鍋庭園」の4代目オーナーが昭和52年に自身の住居として建てたそうです。一見チグハグな日本庭園と西洋風建築、全てが溶け込み和洋折衷。違和感はありません。 内部は非公開だそうですが、とにかくかわいい! こんなお家に住みたい。 日本初のコニファーガーデンとしても知られている「真鍋庭園」。コニファーとは針葉樹の総称で、マツ科・スギ科・ヒノキ科など、いくつもの科をまたいだ常緑性の針葉樹の総称です。日本でコニファーというと、オーソドックスな生け垣がポピュラー。最近では、ブルーアイスなどのコニファーを植えているお宅も多く見かけます。やはりコニファーは葉の色が美しい! 針葉樹のいい香りが漂い、自然と呼吸が深くなるのを感じます。ふと、木陰から視線を感じると思ったら、エゾリスが私を見つめていました。 同じグリーンでも、トーンがさまざま。まるで油絵のよう。もぅ、とにかくすごい!「わーっ!」とか「すごい!」とか、子どものような感想しか出てこない、なんて乏しい私の語彙力よ。とほほ。でもこれこそ、純粋無垢で素直な感動なのかもしれません。 私のお気に入りは、西洋ヤナギの木。すんごい大きいのよ。大きい私と比べても、この大きさ。これだけ大きい柳の下では「うらめしや〜」と幽霊が出ても目立たなそう。 散策のあとは併設されているカフェへ。イギリスのガーデンも大体カフェとショップが併設されていますが、こちらの「真鍋庭園」にも気持ちのよいカフェがありました。 ガーデンショップではさまざまな種類の苗が売っていて魅力的! ゆっくり散策しながら50分ほどのお散歩コースでした。しみじみと、あぁ本当に楽しかった。花よりも木がメインですが、とにかくスケールが別次元。 この後は、「真鍋庭園」の近所にあるスープカレー屋さんで舌鼓を打ち、「十勝千年の森」を満喫して2日目は終了。これで十勝エリアにある5つのガーデンをコンプリート。さて、残りあと1日です。やっぱりラベンダーが見たいなぁ。 少し足を伸ばして、ラベンダー香る富良野へ ファーム富田のラベンダー畑。 ってなわけで、3日目は少し足を伸ばして富良野へ。初夏の北海道といえば、ラベンダー。十勝エリアから富良野までは車で2時間ほど。日帰りでも十分に楽しめるドライブコースです。ラベンダーといえば「富田ファーム」。昨年は8月上旬に訪れ、満開の「ラバンジン」を楽しみました。今回は昨年よりも少し早い7月初旬、昨年は見頃が終わり刈り取り&蒸留されていたイングリッシュラベンダーが、今年は満開! 7月初旬。イングリッシュラベンダーよりも開花が少し遅いラバンジンは五分咲き。 お花も好きですが、特にハーブが大好きな私。一面のラベンダー畑を目の前に、テンションあげあげの心臓ドキドキ。動悸がするほどのラベンダーの香りに包まれて、ラベンダーハイ! あぁ幸せ。本来ラベンダーには「鎮静作用」があるのですが、このときばかりは「高揚作用」です。 フレッシュなラベンダーの束がこの時期だけ販売されています。 こちらでも、「ぎゃー、いい香り!」とか「すごいムラサキ!!」とか、口から出てくるのは 子どものような感想でした。だって、本当にいい香りで、一面ムラサキなんだもん。 大きな釜でラベンダーを蒸留する様子も見ることができます。 ラベンダーの蒸留の様子は、昨年こちらを訪れた際に書いた『ラベンダー香るハーブレモネード』の記事に詳しくレポートしていますので、こちらもぜひ。 締めは、ラベンダーを見ながらラベンダーティーを飲んで、ひと休み。 以上で私のサマーバケーション2023「北海道ガーデン巡りの旅」は無事におしまい、おしまい。北海道の恵みを盛大に楽しみ、大満足です。 英語の諺には、こんな一節があります。「Stop and smell the roses」直訳すると、「立ち止まってバラの匂いをかぐ」ですが、 私の意訳は「この世は急ぐ旅でもあるめぇし。たまには立ち止まり、花の香りで一服。リラックスすれば、今までとは違う景色が見えるはず♡ 」。みなさま、素敵な夏を過ごしてね! イベント情報 8月30日から東京「日本橋三越本店」にて「英国展」が開催されます。会場では、以前ガーデンストーリー記事でもご紹介した「ローズボウル式のアレンジメント」を実演します。ぜひお越し下さい! 「ティーカップを使ったローズボウル式アレンジメント デモンストレーション」 日時:9月8日 (金) 午後2時〜2時30分 場所:日本橋三越本館7階催事場 ※予約不要 気軽に季節を楽しむことができるローズボウル式アレンジメントで、お庭の草花を可愛く飾るとっておきのアイデアをご紹介します。
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レシピ・料理
【夏のごちそうサラダ】ディルとブルグルで作るサマースタイル「チョップドサラダ」
ディルの歴史は5,000年 現代ではハーブやスパイスといえば、料理のアクセントになる便利な調味料。しかし、その歴史は古く、かつては政治、宗教、魔術などにも使われ、暮らしに欠かせないものでした。聖書の中には度々ハーブやスパイスが登場し、それらが高価で重要なモノだったことがうかがえます。例えば新約聖書の中には、「災いなるかな汝ら、偽善なる律法学者、パリサイ人たちよ!汝らは、ミント、ディル、クミンの十分の一を納めておりながら、律法においてなお重要な公平と慈悲と忠実とを見逃している。(マタイによる福音書23:23)」 とあるように、税金の一部をお金の代わりにハーブやスパイスで払っていたとか。今回は、そんなプレシャスでスペシャルなハーブ「ディル」をご紹介します。 ガーリックトマトパスタのアクセントに。 爽やかで、甘苦く重みのある不思議な香りで、何となーくオシャレなディル。ご存じ、ピクルスやサーモン料理の定番ハーブです。ポテトやチーズとの相性も抜群! すっきりとした香りのディルは、胃腸のはたらきを調整し、消化を助ける作用があるので、こってりとした料理に合わせるのもおすすめです。例えばタルタルソースに入ったディル。あのディルの爽快感のおかげで、チキン南蛮のような揚げ物&マヨネーズソースの組み合わせもペロッといけちゃうのです。 ディルの花は可憐で、鮮やかな黄色。 自然の胃腸薬ディル。日本へは江戸時代に生薬として伝わったようですが、エジプトでは5,000年以上も前から使われていたことが、医師の記録として残っています。古代ローマでは、ディルの精油から作った強壮剤が富の象徴とされたり、魔女が魔術に使ったり、またその魔術を封じるために使われたりと、もうハチャメチャ。「教会の種子(meeting house seeds)」とも呼ばれ、長い説教の間にディルの種をかんで空腹や退屈をしのいでいた、との記述も。 あ♡ あと、惚れ薬として使われていた例もあるみたいですよ。 ディルは「直まき」で育てるのがおすすめ 種子を畑に直まきしたディル。 ディルの開花は5〜7月。私は4月中旬に種子を播き、6月中旬に25cm程の背丈に成長しました。ディルって子は太い根がまっすぐ下に伸びる、素直で堅実な「直根性」の植物。以外とナイーブな性格で、根が傷つくと枯れてしまいます。 ほかの植物のように、トレイで発芽させて鉢上げし、大きくなったら畑やガーデンに定植…という通常の手順を踏まずに「直まき」が私の経験からのおすすめです。 こちらは昨年のこぼれ種から発芽して育ったディル。6月初旬には1m弱に成長していました。草丈が高くなり、グラグラと倒れやすそうになったら支柱を立てましょう。 ディルは日当たりと水はけのよい土が好き。たっぷり水を与えた土の上に、種子をすじまきにして、薄く土をかけ、発芽まで乾かさないようにすれば、1週間程で発芽します。余計な芽は間引きして、株間は20cm程度あけましょう。そうすると1mくらいの大株になります。 ディルはセリ科の一年草ですが、畑などで栽培しているとこぼれ種で発芽するので、イメージ的には多年草みたいな雰囲気。あんなに小さな種から、こんなにいい香りの美味しい草に仕上がるなんて、よくよく考えてみたら不思議で夜も眠れなくなりそう。種が芽吹き、すくすく育ち、私たちのテーブルを彩り喜ばせてくれるなんて、まるで私の日常に宇宙が広がっていくよう。良いことも悪いことも、そんなこと関係なく、いつだって自然は私たちにサプライズを与えてくれます。 とはいえ、気軽に苗でもオッケー。ホームセンターなどでも手軽に買える苗の一つです。根を傷めないよう、土はほぐさずに丁寧に植え付けましょう。もしうまくいかなければ、ぜひ次回は直まきをお試しあれ。 ディルの花。深いグリーンに鮮やかな黄色のコントラストが綺麗。 ディルの花は、同じセリ科の「人参」「パクチー」「イタリアンパセリ」「レースフラワー」などに似た、繊細なパラソル状で、このお花もエディブル。サラダなどに使うとかわいいし、香りもおしゃれ。ディルは葉、花、茎、種、全てが食用可能なハーブなのです。 ディルの使い方はお好きにどうぞ! 一般的にディルは「魚と相性のよいハーブ」といわれ、カルパッチョなどに添えられています。爽やかな香りで、チーズやバターなどの乳製品と合わせるのもおすすめ。オリーブオイルやビネガーに漬け込むと、ディルの香りが移り料理の幅も広がります 私の個人的イチオシは、ハーブご飯。バジルやイタリアンパセリなどの夏のハーブと共にディルをみじん切りにして、好みの漬物やナッツも切り刻み、酢飯に混ぜ混ぜ。 酢飯とハーブで作る「ハーブちらし寿司」。 酢飯とハーブの組み合わせは、さっぱりとして食べやすく、夏バテで食欲がイマイチなんてときにもペロッと食べられちゃうかもしれません。ハーブが採れすぎたときや、少量のハーブが冷蔵庫に残っている! なんてときにも。 常温に戻したバターにハーブを混ぜ込む「ハーブバター」。 ニンニクや塩、細かい千切りにしたハーブをバターに混ぜ込んだ「ハーブバター」にもディルがおすすめ。オムレツをこのバターで作ると、もぅサイコー♡ まるで高級ホテルのブレックファーストに。 右端がフェンネル。ディルは一年草ですが、フェンネルは多年草。 ディルとよく間違えられるのが「フェンネル (ウイキョウ)」です。この子たちは双子のようにそっくり。一見区別が付かないかもしれませんが、香りは全く別物。フェンネルは独特な強く甘い香りで、ディルのほうは草っぽい香りです。ディルとフェンネルを近くに植えると、交雑してしまうのでご注意を! チョップドサラダは簡単で美味しく、ヘルシー キドニービーンズ、そら豆、スナップエンドウなどを使ったチョップドビーンズサラダ。 「チョップドサラダ」とは、具材を小さく切ったサラダ。英語で「手早く刻む」「ぶち切る」と言う意味の「chop」。トントントントーン!とまな板に包丁の音を響かせて作る軽快なサラダです。サイコロ状に刻んだ野菜は食べやすく、歯ごたえもナイス。 華やかなので、ピクニックやお呼ばれにも大活躍。翌日に食べると味が馴染んで、2度美味しい! そのため我が家では、いつも多めに作ります。トルティーヤに挟んでラップサンドにしたり、オムレツの添え物にも。チョップドサラダは簡単に作れる、とっておきの美味しいサラダなのです。さぁ!みんなでLet’sチョップチョップ。 ブルグルはインターネットや輸入食材店で気軽に購入できます。 今回は、プチッとした食感が美味しい「ブルグル」も使います。ブルグルはパスタと同じ原料のデュラム小麦を、全粒のまま湯通しして挽き割りにしたもの。ミネラルが多く含まれ、食物繊維も豊富。しかも血糖値が急上昇しにくい「低GI食品」なので、食いしん坊にも推奨したいヘルシーフードです。 ディルで作るサマースタイル「チョップドサラダ」 人参や大根、ヤングコーンや枝豆など、春夏に旬を迎えるカラフルでかわいい野菜たちと、爽やかなディルが香るサラダを作ります。ブルグルや豆を加えた、しっかりお食事系サラダ。作り方はとってもシンプルですが、食べ応えがあり、見た目も鮮やか。甘酸っぱいドレッシングにクミンが香る、夏にピッタリ! 元気いっぱい系のサラダです。 ■ 材料 (約4人分) ■ サラダ材料 人参 1/3本大根 4cm程度(※今回は紫大根を使用。キュウリなど歯ごたえのある野菜で代用可能)剥き枝豆 1/2カップヤングコーン 数本オリーブ 10個ディル 数本ブルグル 60gミックスビーンズ(缶詰) 小さめのもの1缶ドライトマト 大さじ2飾り用のナッツやハーブなど 適量 ■ ドレッシング材料 オリーブオイル 90ml白ワインビネガー 30ml砂糖 大さじ2クミンパウダー 小さじ1/2程度ケッパー 20粒程度塩 少々 ■ 作り方 ① 鍋にお湯を沸かして、ブルグルを10分ほど茹でて水を切る。 ② ヤングコーンは茹で、他の材料は粗いみじん切りにする。 ③ ケッパーとディルを細かく刻み、他のドレッシング材料と一緒にボウルや瓶に入れ、よく混ぜる。 ④ 全てを混ぜ合わせて、冷蔵庫でよく冷やす。 ⑤ 仕上げのハーブやナッツを添えて完成! 平たいお皿に野菜の色ごとに並べ、ドレッシングをかけてサーブするのも綺麗。使う野菜はお好みで大丈夫です。色味と歯ごたえを考えてチョイスするとよいでしょう! お皿のバリエーションと、盛り付け方も実力のうち。ちょっとの工夫で、いつもの料理がさらに美味しく! 楽しく! 美しく! 大変身。想像力とは経験から生まれるもの。きっとこのチョップドサラダが、あなたのクリエイティビティを刺激するはず♡
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【喜び2倍!】ハンギングで育てて食べる「ミントパイナップルレモネード」
夏には爽快な「ミント」を 気温が上がり、植物たちがおしゃべりになってきました。ガーデニングや畑仕事は五感が研ぎ澄まされる、最高のモーメント。朝の水まきで土やハーブから上る芳純なミスト、花弁についた水滴のゴージャスさ、摘心した指に残る清々しい香り、ベルベットのようなテクスチャーの葉……。新芽や開花など、すべてが奇跡のタイミングで起こり、私たち人間も本来自然の一部だということを思い出せてくれる時間です。 そんなハーブガーデンの中でも、今一番おしゃべりな子がミントたち。ペチャクチャペチャクチャ! 彼らは高めの声で、とっても早口。「出番が来たわよーぉ!」と、やる気満々です。 繁殖力が強いので、花壇でおしとやかに育てたければ、鉢に入れて、箱入り娘ならぬ「鉢入り娘」としての栽培をおすすめします。 スゥーッとした香りが特徴的な人気のミントは、夏を代表するハーブの一つ。ガーデンでは眩しいグリーンが彩りを添え、畑では害虫を避けるコンパニオンプランツとしても活躍します。 私の知る限り、ミントは最も栽培が容易なハーブ。放っておいても勝手に育ち、春を迎えて暖かくなると、あちこちから芽が出てきます。グングン広がり、気づいたら庭中にミントが…なんてことも。 切った枝を水に挿せば、1週間も経たずに根が出ます。 ミントは地下茎で広がる丈夫な多年草。挿し芽や株分けで魔法のように増えていくハーブです。身近にあると何かと便利。ハーブティーやお菓子、料理にも幅広く活躍してくれます。 花壇などで育てている場合、茂ってきたらスコップでザクッと掘り、株分けしましょう。 薬効に富んだハーブ「ミント」 ハーブガーデンの起源は、薬草園といわれています。医者や薬局が手軽でなかった時代は、先祖伝来の知恵で薬草(ハーブ)を使用して、不快な症状の緩和をしていました。 それぞれのハーブには、ビックリするほどさまざまな効能があると信じられていました。魔力や伝説とも縁が深く、現代人の感覚からすると「そんな馬鹿な!」と言いたくなるような記述もたくさん。残念ながら、すこぶる健康体の私には確かめようがありません。 ミントは最も古くから使われていたハーブでもあります。「抗菌」「抗炎症」「解熱作用」が期待できるため、風邪をひいてしまった時にも活躍。消化促進や整腸作用もあるので、ハーブティーとして食事のお供にも。リラックス効果があり、安眠を誘うので、ストレスが気になる時にもおすすめのハーブです。 さらにミントは「予見」のハーブと信じられ、予知夢をもたらす力があると考えられていました。嗅いだ瞬間に身体の中を満たしてくれる、ミントの爽やかで清々しい「初夏の風」のような心地よさは、外からの情報で曇ってしまった心をクリアにして、「ひらめき」や「インスピレーション」をきっと授けてくれるはず。 予知夢を見られるかはさておき、直感力がアップする香りなのです。ちなみに、ミントの花言葉は「美徳」♡ いろいろなミントで作るスリットハンギング ドアにかけたミントのスリットハンギング。 春から秋は、ミントがとても元気なシーズン。香りもよく、効能も多く、育てやすい万能ハーブのミント。今年はミント一択で「スリットハンギング」を作ってみました。 スリットハンギングバスケットとは、壁面に掛けることができるプラスチック製の鉢。読んで字の如くスリットが入っていて、植え込むと多方面に向かって育つので、壁から植物が飛び出しているような、立体的な印象のバスケットを作ることができます。 昨年の今頃に作ったハンギング。 ひと口にミントといっても、種類は600種以上もあるといわれています。それぞれ香りも形も、色味のトーンも違って個性的。涼しげな雰囲気で夏にぴったりのミントは、なんといっても丈夫なので、初めてのスリットハンギング作りにもおすすめです。今回は、買ってきた数株と、すでに花壇に植わっているものを株分けしながら、天真爛漫にお気楽なモチベーションで作っていきます。 今回のハンギングでメインに使うのは、こちら。1つの苗を3分割程度にバラして使います。 花壇からの株分け。もうどれが何ミントだったか、よく分かりません。 本来はずらして植え込んでいくなど、スリットハンギング製作時のコツはありますが、今回はそんなことは全て忘れて、大胆不敵に適当にやってみましょう。大丈夫! きっとできるわ。もし失敗したっていいじゃない♡ ミントは繁殖力が旺盛で、不器用さんが作ってもなんとか形になるので、ご安心を。 作り方はとっても簡単! ① ハンギング用の容器に専用のスポンジを張り付けて、プランター用の土などを底に敷く。 前回張ったスポンジがまだ使えそうなので、今回は再利用します。 ② 一番下の階層から作っていきましょう。苗に付いた土を軽くほぐして、バスケットのスリット部分に上部から苗を植え込む。 隙間に土を足していくのをお忘れなく! ③ 引き続き、スリット部を第2階層、第3階層と続け、色味や形状を踏まえてリズミカルに植えていく。 ④ 上部にも苗を植え込んで、植物の植え込みが終わったら、土が流失しないように水苔を張る(土の流出防止や夏場の乾燥を防ぐ効果があります。お好みでどうぞ)。多少、プラスチックの鉢が見えていても、成長して隠れるので、ご心配なく。 ⑤ 水をやさしく、たっぷりと注いで完成。しばらくは新居に戸惑うミントも、数日経てば馴染んできます。以下のように、植えた当日と翌日は、まるで別人。 植えた当日。 植えた翌日。ミントは上に向かって伸びるので、みんな一気に方向転換。 枝が暴れ始めたら摘心をしましょう。もっさり感をキープするためにも、摘心は大切。伸びすぎると下葉が蒸れて変色し、葉が落ちてしまいます。あと、土が少ないので乾燥にご用心。 ハンギングを作ってから約1カ月。飛び出た茎を少しカットしました。 あぁ、喉が渇いた! いよいよ、ここからがクライマックス。この摘心したミントたちで、すっきり爽快なレモネードを作りましょう。 夏のオアシス「ミント&パインのココナッツレモネード」 あたし、レモネードが大好きなのです。甘いのか酸っぱいのか、曖昧なバランス感でついつい元気が出ちゃう。暑い日に飲むレモネード、最高ですよね。夏といえば! のパイナップル、ついでにココナッツウォーターを使って、トロピカルムードを足し算しましょう。ミントの種類はお好みで構いません。なんなら分量も適当に! 甘みを足したり引いたり、夏の恋の駆け引きも、お好きにどうぞ。 ■ 材料 (約4人分) パイナップル(よく熟れたもの) 1/3個ミント 1つかみローズマリー 4cmレモン汁 レモン2〜3個分(約100ml)グラニュー糖 40gココナツウォーター 600ml(なければ水でも、ばっちり美味しいです) ■ 作り方 ① パイナップルの皮をむき、芯を取り除いてぶつ切りにする。 ② レモンを絞り、ミントとローズマリーは茎から葉を外し、その他全ての材料と一緒にミキサーやブレンダーで撹拌する。 作っている最中もいい香りを楽しんで! ③ 氷の入ったグラスに注ぎ、飾りのハーブやレモンスライスを添えて完成。よく混ぜてグビグビッと召し上がれ! 今回使用したのは、このココナッツウォーター。お水でも十分美味しいですが、たまにはココナッツウォーターで、トロピカル浮かれ気分。 あのね。きっと「天国」とか「パラダイス」ってものは、ハーブガーデンのような場所だと思うのです。いい香りに囲まれて、呼吸をするたびに身体が生まれ変わる感覚を味わい、日々植物の成長に歓喜して、ひとやすみしたくなったらミントレモネードを楽しむ。 あ、でもこれって現世でもできますよね。生きながらにLet’s 極楽浄土。アタシの本籍所在地はパラダイス銀河よ♡ 欲張りに、栽培も収穫も全てひっくるめて楽しみましょ。自分で育てたミントで作るレモネードは、もぅ最高!なんだから。
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手軽で美味しい! パンのサラダ〜クミン香るイタリアンパセリの「パンツァネッラ」〜
昨日のパンで作る、パンのサラダ「パンツァネッラ」 毎日のサラダがワンパターンで……というときに、おすすめしたいのが「パンツァネッラ」。 イタリア、トスカーナ生まれのクラシックなサラダディッシュです。コンセプトは、昨日買ったパン(かたくなったという意味)で作るというユニークなサラダ。日本的に解釈すると、冷蔵庫でかたくなったお米で作るチャーハンみたいな感覚かしら。 パンを使ったサラダなので、朝食にもランチにも、カロリー自制中の晩ご飯にも。野菜もたくさん食べられてヘルシー! しっかりとお腹を満たしてくれるサラダです。 バゲットなど油分の少ないパンがおすすめ。 本家本元イタリアのレシピではかたくなったパンを水に浸して作りますが、今回はオリーブオイルでカリッと焼いて、美味しく乾燥したパンを再現。パンにトマトのジュースやドレッシングが染み込んで、オッティモ〜♡ 簡単にいえば、大きなクルトンが入ったサラダって感じ。食いしん坊なアタシはスープにもサラダにも、クルトンを入れるのが大好き♡ ザクッとした歯ごたえが食欲を誘い、美味しさ&ボリューム倍増です。今回使うハーブは「イタリアンパセリ」。何となく地味で主役級のハーブにはなれないイタリアンパセリちゃん。心地よい爽やかさと、ほどよい苦みでクセがなく、じつはどんなお料理にも使える名脇役ハーブなのです。 イタリアンパセリとは ヨーロッパなどでは、「パセリ」といえばこちらのイタリアンパセリのこと。正確には「flat leaf parsley フラットリーフパセリ」といいます。一方、日本で一般的なチリチリと丸まった葉先のパセリは「curly leaf parsley カーリーリーフパセリ」。 余談ですが、ミツバは英語で「Japanese parsley ジャパニーズパセリ」といいます。 左がイタリアンパセリ、右がよく見かけるパセリ。 イタリアンパセリの葉は平たく、ミツバやパクチーにも似たルックス。パセリと比べると香りは爽やかで強めですが、独特な「苦み」は控えめです。パセリ嫌いの方も、イタリアンパセリなら気づかずに食べてしまうかも? 料理によっては、パセリの少しかたい立体的な食感が口に残る場合がありますが、イタリアンパセリの葉は柔らかいので、生魚のカルパッチョなどソフトな食感の料理と合わせるのに向いています。 栽培も簡単。プランターでも育てられる、おすすめキッチンハーブです。 イタリアンパセリをキッチンハーブに イタリアンパセリは地中海沿岸を原産とするセリ科の植物。2年目に花を咲かせて枯れる「二年草」です。我が家でも通年欠かさずに育てているハーブの一つ。だって、丈夫で手もかからず優秀! パスタやサラダ、揚げ物に添えたりと、一家に1苗、万能に使えるハーブです。スーパーで買うと数本で数百円。育てれば、いつでも食べ放題。 種を播くか苗を買うかは、貴方次第。数鉢だったら手っ取り早く、ホームセンターなどで苗を買うことをおすすめします。イタリアンパセリは、園芸ハーブコーナーに大体売っているスタメン選手。 イタリアンパセリは彩りにも、味のアクセントにも。バジルとは違い、料理の熱で変色しないのが嬉しいポイント。 栽培方法はとっても簡単。鉢植えでも元気に育ちます。野菜やハーブ用の土をホームセンターなどで買い、お気に入りの鉢に植えて、キッチンやベランダに。日当たりのよいところを好みますが、乾燥を嫌うので、土が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。とはいえ夏の強い日差しはちょっと苦手。葉がかたくなってしまいます。柔らかい葉を収穫したければ、夏場は明るい半日陰に移してあげるのもよいでしょう。葉を採りすぎると光合成ができなくなり苗が弱りますので、食べすぎにご用心。常時10枚ほどは残しておいてください。真冬以外、ほぼ一年中収穫ができる頼もしい相棒! 春植えは4〜5月に植え付ければバッチリです。草丈20cmほどになったら収穫開始! 外葉から順に摘み取って使いましょう。 2年目のイタリアンパセリ。 冬越しした2年目の春には、つぼみが立ち上がりだします。花を咲かせる準備が始まると葉がかたくなってくるので、引き続き柔らかい葉を収穫したいなら、エイヤーッ! と、花茎を根元から切り取ってしまいましょう! 種を取りたい場合はそのまま花を咲かせると、大量の種を付けます。地植えでガーデンや畑などで栽培している場合は、こぼれ種でも芽を出すでしょう。 花が咲く頃に集まってくるのが「アカスジカメムシ」。イタリアンパセリやフェンネルなどのセリ科が大好物。背中はストライプ柄、腹面はドット柄の「おしゃれカメムシ」です。この毒々しい見た目は鳥からの捕食を逃れるためだそうですが、自然界の創造物の美しさにため息が出ちゃう♡ ご安心ください。アカスジカメムシの「カメムシ臭」は弱めです。機会があれば、近寄ってじっくりと、自然の創造美をご堪能あれ! 昨年、花を咲かせたイタリアンパセリに寄ってきたアカスジカメムシ。 2年目で葉も茎もかたくなってきたイタリアンパセリは、煮込みの香り付け、セロリ代わりに。ジェノベーゼのようなペーストにも向いています。私のお気に入りは、バーベキューやサムギョプサルなど、焼いたお肉と少しかためのイタリアンパセリ! 心地よい苦みと爽やかさで、カロリーオフ気分。バーベキューや鉄板焼きの際に、ぜひお試しを。 ルーシー流「クミン香るイタリアンパセリのパンツァネッラ」 今回のパンツァネッラに使うドレッシングは、「酢」「オリーブオイル」「砂糖」の基本の調味料をベースに、クミン、醤油、ナンプラーを加えてエキゾチックに。パンを使うサラダですが、和食にも合うドレッシングを作ります。イタリアンパセリの爽やかさと軽やかな苦みとの相性がバッチリ! 旬のスティックセニョールはグリルに。生野菜だけのサラダよりも満足感が出て、消化にもよい、火を通したお野菜を合わせます。 ■ サラダ材料 バゲット 1本分トマト 約3個分 ※今回はミニトマトも合わせてキュウリ 1本モッツァレラチーズ お好みで適量紫玉ねぎ 1/4個スティックセニョール 10本 ※アスパラなどでも美味しいですイタリアンパセリ 10本ほど ■ ドレッシング材料 バルサミコ酢 大さじ4砂糖 大さじ1オリーブオイル 大さじ4クミン 小さじ1/2醤油 小さじ1ナンプラー 小さじ1/2 ※塩小さじ1/2でも代用可 ■ 作り方 ① ドレッシングの材料全てを瓶に入れてよく振り、15分ほど放置する。 ② トマトを一口大に切り、塩(分量外)を小さじ1加えて軽く混ぜる。 ③ スティックセニョールはオリーブオイルと塩少々(どちらも分量外)をふり、フライパンで焼く。 ④バゲットを半分にスライスして、オリーブオイル適量(分量外)をかけて、トースターやオーブンでカリッとするまで焼く。冷めたら手で適当な大きさにちぎる。大きめの一口サイズに。 ⑤ イタリアンパセリはみじん切り、キュウリは一口サイズにし、紫玉ねぎはスライスする。①と②と共にボウルに入れて、ドレッシングとさっくり混ぜる。※トマトから出た水分は捨てずに一緒に混ぜる。キュウリは歯ごたえのある厚さに。軽く混ぜるのがポイント。 ⑥ お皿に盛りつけて、仕上げにイタリアンパセリを飾れば完成! 出来たての状態はパンがカリカリ、時間をおけばパンにドレッシングが染み込んでしっとりとしてきます。お好みの状態で召し上がれ! 今回使ったお皿は1800年代後半のイギリスのオーバル皿。リムのブルーと野菜のコントラストが綺麗。 サラダに選ぶ器は平たい大皿がおすすめ。どうしても「サラダボウル」みたいなお皿に盛り付けがちですが、フラットに盛りつけると、それぞれの野菜のテクスチャーや色味が活かされて、ごちそう感がアップします。ただのサラダですが「されどサラダ」。ワンパターンにならないように、お皿にも目を向けて楽しい毎日をセルフプロデュース! 自作自演で変化を楽しみましょ♡
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【春色!】レモンカードで春爛漫「カルダモン」のレアチーズケーキ
レモンカードとは イギリス好きにはお馴染みの「レモンカード」。アフタヌーンティーのスコーンのお供に欠かせない甘酸っぱい、あの子。イギリス伝統のスプレッドです。レモンカードはバターのようにクリーミーで、酸味と甘みがクセになるジャムみたいなもの。レモン味のカスタードソースと思ってもらえば想像しやすいかもしれません。ちなみにカードは「curd (凝固する)」という意味です。 レモンカードはとってもシンプル! 「卵」「バター」「砂糖」「レモン」4つの材料さえあれば、裸一貫! 鍋一つで、あっと言う間に完成する魅力的なスプレッド。近年は日本でも見かけることが増えました。 1800年代にイギリスで誕生したと言われているレモンカード。当時のレシピは、レモン果汁でクリームを分離させた「レモンチーズ」のようなものだったとか。それが時を経て現在のような「レモンカード」に進化したようです。イギリスのレシピ本などを見ていると「Lemon Butter (レモンバター)」と表記されているものもありますが、それもレモンカードと同じモノ。 レモンは庭木としても優秀。常緑で花が長く咲き、実が収穫できる嬉しいこと尽くしの木。私の住む神奈川県でも、庭でよく見かける木です。秋から春先にかけては、レモンの収穫シーズン。自家製レモンがお手元にある方にも、レモンカード作りはおすすめです。 レモンにはカルダモンを レモンと相性のよいスパイス、私のおすすめは断トツ! でカルダモン。カルダモンはインド南西部を原産とする熱帯地方で栽培されているショウガ科の多年草です。中国やインドでは3000年以上も前から香辛料や医療品として使用されてきた、古い歴史を持つスパイス。媚薬としても使われていたんだとか! キャー♡ 確かに、カルダモンの香りはフルーティーで温かみがあり、甘酸っぱく、スモーキーだけれど清涼感がある、とびきりセクシーな香り。 漢方では、小荳蒄(しょうずく)と呼ばれ重宝されています。お腹の調子を整えたり、咳や痰をおさえる効果、口臭予防、リラックス効果などがあります。 香気を保つために果皮をつけたまま販売されていますが、食用に使用する時は皮を剥き、中にある黒っぽい、ツブツブした果実を使用します。 私のレシピにも頻繁に登場するカルダモン。キャロットケーキやチャイ、カレーにも欠かせないスパイスです。カルダモンの香りはレモンやユーカリを彷彿とさせるような、清涼感のある上品な香りなので、レモンに合わせることで相乗効果。レモンの酸味に奥深い香りが生まれます。 スパイス本来の香りを楽しむ「乳鉢」 カルダモンはチーズとの相性も抜群。今回はクリームチーズにカルダモンをたっぷり使用します。可能であれば、ホールのカルダモンを乳鉢ですり潰してみてください。粉砕することによって、スパイスやハーブに含まれる「香り」成分がブッシャーっと勢いよく飛び出してきます。フレッシュで力強く、想像を絶する香りに酔いしれることでしょう。本当よ、騙されたと思って試してみて♡ 百聞は一見に如かずなりです。市販のパウダーとは全く違う香りに驚くはず。 乳鉢にはさまざまな素材の選択肢があります。陶器や木材、ガラスやステンレスなどなど。私のおすすめは大理石のもの。香りが移らずお手入れも簡単、そしてキッチンに出しっ放しでも可愛いというチャームポイントも。お値段も3,000円くらいからとお手頃です。 「レモンカード」は家庭的でとても簡単 以前はレモンカードって崇高な食べ物だと思っていました。だって近所のスーパーでは見かけないし、オシャレな名前だし。でもじつは家にある材料、たった4つで簡単に作れるイギリスの「家庭の味」でした。湯煎で作るレシピが多いですが、手間も洗い物も減らしたい、自称「簡略家」な私は鍋で作ります。火力に注意さえすれば大丈夫。万が一うまくいかなくても、失敗は成功のもと。私たち人類は失敗から学ぶことができる素晴らしい生き物。まぁ気楽にやりましょう。 ■ 材料 卵 2個 バター 100g レモン 2個 ※果汁は約100ml、皮はすりおろして使う 砂糖 100g ■ 作り方 鍋に卵を割り入れ、グラニュー糖を加えてすべて混ざるまで、泡立て器でよーく混ぜ、レモン汁も加えてさらに混ぜる。 弱火〜中火の中間ほどの火にかけ、最初から絶え間なくヘラなどで混ぜ続ける。全体にとろみがついたらサイコロ状にカットしたバターを加え、さらに混ぜる。※温度が高すぎると分離して固まるので注意。 全体が混ざりフツフツしたら、火からおろしてすりおろしたレモンの皮を加えて完成。冷蔵庫で冷やして召し上がれ! ※レモンの皮の白い部分は苦みがあるので、表面の黄色い部分だけ削る。 ちょっと柔らかいかしら? と感じても、バターが入っているので、冷めたら固くなりますからご安心を。冷蔵保存で約2〜3週間。冷凍すれば長期保存も可能です。レモンカードはヨーグルトに加えたり、アイスのトッピング、トーストなど幅広く楽しめます。サクサクに焼いたパイ生地に、生クリームとレモンカードを乗せればレモンパイの完成! ルーシー流「レモンカード&カルダモンのレアチーズケーキ」 レアチーズケーキって、星の数ほどに存在するスイーツの中で、圧倒的に簡単で見栄えもよいと思いませんか? だって混ぜて冷やすだけなんだもの。それだけであんなに可愛くて美味しいモノができちゃう。今回はそんな万能レアチーズケーキにカルダモンの香りをたっぷりと加えます。そこに先ほど作ったレモンカードでお化粧しちゃう。甘酸っぱさの中にカルダモンのとことん爽快な突き抜ける衝動! あぁ、想像するだけでよだれがでちゃう! ■ 材料 ※15cmの底が外れるケーキ型を使用 生地 クリームチーズ 200g ※室温に戻しておく カルダモン 5粒 (市販のカルダモンパウダーなら小さじ1程度) ヨーグルト 100ml 生クリーム 200ml レモン汁 小さじ2 ゼラチン 10g ※パッケージの指示通りに戻す レモンカード 小さじ1程度 ボトム バター 50g ※室温に戻しておく ビスケット 70g ※今回はマリーと全粒粉クラッカーを同量 お好みでエディブルフラワーなど ■ 作り方 ビスケットはめん棒やフードプロセッサーなどで細かく砕き、レンジなどで溶かしたバターと混ぜ、ケーキ型の底に敷き詰める。 カルダモンの実を割り、黒い種子を乳鉢ですり潰す。 ※市販のカルダモンパウダーを使用する場合は小さじ1程度。 ボウルに常温に戻したクリームチーズと砂糖を入れ、②を加えて滑らかになるまでよく混ぜ、ヨーグルト、生クリーム、レモン汁、ゼラチン液を順に加え、都度よく混ぜて、①の型に流し入れる。 ③の表面にレモンカード小さじ1程度を数カ所に垂らして、串などでマーブル柄を作る。 冷蔵庫で2時間ほど冷やして完成! お好みでエディブルフラワーを散らしてみては? エディブルフラワーを使えば、春爛漫。ガーデンからローズマリーの花付きの枝を拝借してもいいし、ナスタチウムを使っても華やかです。砕いたピスタチオなーんてのもおしゃれね。 今回はレモンカードが誕生した頃の、1800年代のイギリスのお皿を使いました。淡いブルーが特徴的なこのお皿は、1800年代に流行った「アジアティックフェザンツ」というパターン。東洋的なキジと牡丹が描かれたオメデタイ感じのお皿です。うーん♡ かわいい。 料理は「見た目」「香り」「味」すべてがお楽しみ。今回作ったレアチーズケーキの土台はとてもシンプルなものですが、カルダモンとレモンカード、そしてエディブルフラワーを使って、春を感じるケーキにドレスアップ。春はワクワクするシーズン。料理も人生もクリエィティブに楽しまなくっちゃ♡
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レシピ・料理
【身体に嬉しい!】蒸篭で作る「五香粉のモチモチ餅米シュウマイ」
記憶の中の「ごちそう」 思い出に残る母の手料理。横浜育ちの母は揚げワンタンや、ワンタンスープ、ベトナム春巻など、中華料理にインスパイアされたものも多かった気がします。特に思い出深いのが「餅米シュウマイ」。頻繁に登場した訳でもなく、なぜこの料理? と自分でもよく分からないのですが、モチモチとした食感にしっかりと味のついた挽肉が、きっと子供心を鷲掴みにしたのでしょう。 二十歳の頃。当時一人暮らし初心者だった私は、自分だけのキッチンに大興奮。ケンタロウさんの本から「料理はオシャレだ!」と学び、クックパッドという魔法のツールを手に入れて、まるでマリオの無敵スター状態。食べきれない程のきんぴらを作ったり、夜な夜なパンを捏ねたり、揚げ野菜をのせたおしゃれ風カレーを友達に披露してみたり。「作りたいものリスト」が万里の長城並で大忙し。そんな中、早々に挑戦したのが思い出の味「餅米シュウマイ」でした。 憧れの食べ物を自分の手で作れるなんて、急に大人になった気分だったのを覚えています。皆さんの思い出の手料理はなんでしょうか。もうしばらく続く「冬の夜長」、温かい部屋であの頃に想いを馳せながら、思い出の料理を作ってみては? あれから約20年。あぁ、思えば遠くへ来たもんだわ。思い出の中の甘酸っぱさや苦みは調味料にもなるのよ♡ 蒸篭は美味しい加湿器 寒い季節に食べたくなるのはやはり温かいお料理。オーブン料理やコトコトお鍋で煮込む情景が似合う冬のキッチンですが、今回私がおすすめしたいのが「蒸篭蒸し」。ご存知、蒸篭は竹や木で編まれた蒸し料理用の調理道具です。日本では江戸時代におそばを蒸して出していたとか。その名残から現在でも「せいろそば」と呼ばれています。日本でも中国でも使われる調理器具ですが、今回使うのはチャイニーズスタイルの蒸篭。 蒸篭を使った調理って、とっても簡単。蒸気で野菜やお肉がふっくらと仕上がり、素材の甘さや旨味を引き出します。お部屋の中も乾燥しがちな今日この頃。蒸篭蒸しは調理をしながら、部屋の湿度も高めてくれる「美味しい加湿器」です。 五香粉とは? 「五香粉(ごこうふん)」は甘くエキゾチックでセクシー。独特な風味を持つ中華料理に欠かせないスパイスの一つ、別名「ウーシャンフェン」。なんだか名前もミステリアス! いかにも中華料理らしい独特な香りを放ち、肉や魚、野菜はもちろんのこと、お菓子作りにも使える万能スパイスです。数種類のスパイスをミックスした物で、通常はシナモン(桂皮)、クローブ(丁香)、花椒(ホアジャオ)、スターアニス(八角)、フェンネル(茴香)、陳皮(チンピ)などが配合されています。必ずしも5種類とは限らず、家庭や地方、メーカーによって使われるスパイスや配合が異なるので、さまざまな味や香りの五香粉が存在します。 五香粉は、日本料理にはない独特で「強烈」な香りなので、使う量を間違えると大惨事。イマイチ使い方が分からなくて、敬遠されている方も多いかもしれません。特に醤油やゴマ油との相性がよく、焼き豚やチャーハン、餃子などに少量使うと、簡単にプロの味に大変身。配合されているスパイスそれぞれが、漢方やアロマでも使われるもので、身体にも嬉しいスパイスです。じつは、これらのスパイスたちはアロマセラピーや漢方でもよく使われており、体を温め、新陳代謝を促進し、消化を助けるなどの、身体に嬉しい効能を持っています。私のキッチンでも頻繁に使うスパイスの一つです。 五香粉は食べる漢方薬 スイーツでもおなじみの「シナモン」は身体を内側から温め、日本では丁字として知られている「クローブ」は冷えからくる腹痛や消化不良に効果的です。麻婆豆腐にも欠かせない「ホアジャオ」には食欲不振や消化不良を改善する働きがあります。インド料理にも使われる「フェンネル」には食欲増進や消化酵素の分泌促進作用があるとされ、食べすぎ、飲みすぎ、胃のもたれなどにも効果的です。角煮やチャイに使われる「八角」には身体を温める血行促進作用があり、胃腸を整えてくれます。喉の炎症にもよいので、風邪などで体が弱っている時にもおすすめです。 じつは十三香粉というものも。こちらの香りはさらに本格的。中華街でも購入可能ですので、ご興味があれば是非。食べることは生きること、医食同源です。スパイスやハーブを上手に取り入れて美味しく健康に。さぁ、五香粉のご用意を。シュウマイタイムのはじまりはじまり〜。 ルーシー流「五香粉のモチモチ餅米シュウマイ」 普段は花より団子な私ですが、2023年は食い気と色気もどちらも兼ね備えた女になりたい!(アタシったら欲ばりさん♡) というわけで、2色のシュウマイを作ります。 通常運転バージョン餅米の白と、ビーツの汁を使ったお赤飯色バージョン。紅白だし、おメデタイ! お肉の味付けは優しく甘く、紹興酒の華やかさと五香粉のエキゾチックな香りがクセになる味。思い出の母の味からはアップデートされ、私の味に進化しましたが、毎日のおかずにも、ハレの日にもおすすめのとっておきメニューです。 ■ 材料 ※3〜4人前 25個程度 餅米 2合弱 豚挽肉 400g 玉ねぎ 半個 生姜 1片 a) 紹興酒 大さじ2 a) 片栗粉 大さじ1 a) 五香粉 小さじ1/2〜1 お好みで a) ナンプラー 小さじ1 a) ごま油 大さじ1 a) 砂糖 小さじ1 a) 塩 小さじ1/2 a) 胡椒 少々 a) 醤油 大さじ1/2 ■ 作り方 餅米を洗ってたっぷりの水に一晩浸け、ざるにあげしっかりと水を切る。 ※水っぽいようならクロスやキッチンペーパーで水を拭き取りましょう。 玉ねぎは粗みじん切り、生姜はみじん切りにする。 豚挽肉にa) の材料を入れて粘りがでるまでよく混ぜ、②を加えて20分ほど休ませる。 ③をゴルフボールほどの大きさにまとめて、餅米の上を転がして軽く握り、しっかりとくっつける。 蒸気が上がった蒸し器に並べ、中火で約15分蒸す。 ※蒸篭の底部分に油がつかないようクッキングペーパーなどを敷きましょう。キャベツや白菜だと肉汁が染み込んで美味しく食べられます。今回は近所で採れる月桃の葉を使いました。蒸すとキッチン中がよい香りに。 ホカホカのうちに召し上がれ! 食べきれなかったら冷凍もおすすめです。 タレを作ってごちそう感を演出 お醤油やからしで食べても美味しいですが、ササッとタレを作ればごちそう感も倍増します。さっぱりとお酢の香りがする、何個でもシュウマイが食べられそうなタレです。 ■ タレ材料 醤油 大さじ2 酢 大さじ1 ラー油 大さじ1/2 ごま油 小さじ1 砂糖 小さじ1 水 大さじ1 ネギ ■ 作り方 すべての材料をよく混ぜて完成。 餅米シュウマイは手軽で簡単、見栄えもいいしおなかも膨れる、もうこれ以上何を望むの! といった感じの料理です。 あー、今回も美味しかった! 今年も私の胃袋はここにあらず。スパイスを使ってピョンピョン! うさぎのように世界中を旅しています。皆さんもまずはこの五香粉で中国へ! 五香粉は「魔法の粉」キッチンに常備しておけば、おうちでいつでも本格中華料理が楽しめます。2023年もキッチンから世界へ〜! 懲りずにお付き合いください♡
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【芯から温まるレシピ】ガラムマサラ香る「イギリス式アップルチャツネ」
イギリスで出会った「チャツネ」 わざわざ飛行機に乗らなくても、世界中の美味しい料理が食べられる世界屈指の「美食大国」ジャパン。ネットショッピングの普及や輸入食材を扱うお店が増えて、さまざまな国の食材や調味料がすぐに手に入る、便利なご時世です。イギリスの物だってそう。しかし、有名ブランドのジャムや紅茶ではなく、地元の人が日常的に食べている物って、意外と現地に行かないと手に入らなかったりします。ここ数年は気軽に海外に行けず、喉から手が出るほど恋しかったのが、イギリスのスーパーマーケットに並ぶ「チャツネ」。日本ではインドカレーの隠し味でしょう? と言った感じの認知度の「チャツネ」ですが、じつはイギリスの「国民食的調味料」でもあります。 私とチャツネの運命の出会い、あぁ、あれはイギリスのアンティークショップに併設しているカフェだったわ♡ 造花の花がそこら中に飾られている、ロマンチックなようで全くロマンチックではない、摩訶不思議なお店。サンドイッチやスープ、缶ジュース、もちろん紅茶も提供する田舎のカフェテリア。 スティルトン(イギリスのブルーチーズ)が好きな私は、適当にスティルトン&ベーコンのパニーニをオーダーしました。パクっと一口噛み付いた瞬間に、口の中に広がった、チーズのコクと肉の旨味、そしてそれらを包み込むように香る、華やかでゴージャスな「甘みと酸味」。ん!!!なんなのこの感覚⁉︎ と、よくよくメニューを見返してみたら、「chutney(チャツネ)」という文字が。それ以来、私はこのチャツネという食べ物にフォーリンラブしてしまったのです。 チャツネの語源はヒンディー語で「舐める」を意味する「チャートゥナー」。発祥はインドですが、インド帝国が英国領だった時代に、カレーなどと共にイギリスに伝わりました。インドでは手に入るマンゴーやタマリンドがイギリスでは手に入りにくいために、リンゴなどイギリスでも気軽に手に入る食材に置き換えられて、独自のチャツネ文化が発展したようです。 イギリスではスーパーにさまざまな味の「チャツネ」たちがズラーッと並んでいます。ナス、トマト、イチジク、ビーツ、玉ねぎ、アプリコットなど、バリエーションも豊富! 日本の食卓では馴染みのないチャツネ。1度食べればクセになる、不思議な魅力を持っています。一言で言えば、甘酸っぱいお食事系のジャム。 冬に向けて果物や野菜をスパイス、酢、砂糖などを煮込んで作る、イギリスの秋冬には欠かせない保存食です。英国王室に嫁入りしたキャサリン妃が、エリザベス女王に初めて贈ったクリスマスプレゼントはチャツネだったとか。チャツネはイギリス人にとってアットホームで家庭的、それくらい馴染み深いものなのです。 チャツネは、サンドイッチやチーズ&クラッカーにと何かと便利で、冷蔵庫にあると安心するものの一つです。ジャムのようなモノなので、じつは家でも簡単に作れちゃう。今回はリンゴとガラムマサラを使った、ルーシー流「ガラムマサラ香るアップルチャツネ」をご紹介します。ガラムマサラ? カレー? リンゴ? ん?? 甘いの? どーいうこと? って、常に探求心を持つことは、子供と大人の狭間に生きるってこと。これって若さの秘訣よね♡ とりあえずガラムマサラってなんだっけ? から解決しましょう。 インドの万能ミックススパイス「ガラムマサラ」 「ガラムマサラ」は魅惑の国インドのミックススパイスです。シナモン、クローブ、カルダモン、クミン、胡椒などがよく使われ、約10種類のスパイスがブレンドされています。 「カレー粉」と混同されがちなガラムマサラ。どちらもさまざまなスパイスを配合したミックススパイスですが、カレー粉はじつはイギリス生まれ。簡単にカレーを作るためにイギリスで誕生したものです。一方、インド生まれなのがガラムマサラ。ガラムマサラはカレーや炒め物など、一般的に調理の終盤に加えて、素材の風味を引き立てて香り高く仕上げるのに使われます。肉料理の下味に使うと臭み消しにもなっちゃう、インド料理以外にも活躍する魔法の粉。 2つの決定的な違いはターメリック。ガラムマサラにターメリックは使われず、カレー粉特有の黄色い色味もありません。各家庭で配合のバランスも違い、「おふくろの味」的なものなのかもしれません。日本のスーパーでも気軽に買えますが、メーカーによって使用されるスパイスの種類や配合のブレンドが異なっています。以前何かで読んだインドの方が書いた記事に「ガラムマサラは使っても使わなくてもいいけど、とりあえず入れとけば安心で美味しい、インド版の味の素みたいなものだよ」と書かれていました。なるほどね! ガラムマサラの基本となるのは「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」。これらは東洋では漢方薬として使われ、西洋ではアロマセラピーにも使われているスパイスたち、健胃作用、加温効果、食欲増進作用などなど嬉しい効能が詰まっています。 今回は、このガラムマサラに医者も青ざめるほどのスーパーフルーツ「リンゴ」を合わせて、チャツネを作ります。 ルーシー流「ガラムマサラ香るアップルチャツネ」 さてさて、チャツネ作りのお時間です。今回は酸味があり溶けやすい「グラニースミス」と甘みと香りがある「フジ」2種のリンゴを使います。香りと質感の違うリンゴを使い味に複雑さを。さらにガラムマサラを加えて、深みを出します。ポークソテーやサンドイッチ、アフタヌーンティーからお酒のツマミにも。甘いようなー、酸っぱいようなー……。あ、でも嫌いな人は嫌いかも。百聞は一見にしかず。とりあえずレッツクッキン! ■ 材料 ※分量は、350g瓶3本弱の量です。 リンゴ 3個 ※今回はグラニースミスとフジ 玉ねぎ 1玉 レーズン 大さじ3 砂糖 120g ガラムマサラ 小さじ1〜2 シナモン 小さじ1/4 リンゴ酢 大さじ2 赤ワインビネガー 大さじ1 塩 小さじ1/2 ■ 作り方 リンゴの皮を剥き2cm角に切り、玉ねぎは粗みじんにする。 鍋に全ての材料を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火で30分から1時間程煮る。 時々かき混ぜて、焦げないように! ※前半は蓋をして水分を染み出させて、後半は蓋を取って水分を飛ばします。 余計な水分が飛び、とろっとしたテクスチャーになれば完成。お好みでガラムマサラを一振りどうぞ。 煮沸消毒し、脱気すれば常温で1年以上保存可能です。開封後は冷蔵庫保管で1カ月ほど。私はすぐ食べ切るので、そのまま瓶に詰めて、だいたい1週間ほどの冷蔵保存で食べ切ります。 チャツネとチーズはベストフレンド チャツネとチーズの相乗効果の凄さったら、パーフェクト。チーズのコクと、チャツネの甘さと酸味を生かした「グリルドハムチーズサンド」と「クラッカー」を召し上がれ! チャツネで作るグリルドハムチーズサンド ■ 材料 サンドイッチパン 適量 ハム 適量 チェダーチーズ 適量 チャツネ 適量 ローズマリー 適量 バター 適量 ■ 作り方 熱したフライパンにバターを溶かし、パンを両面にバターを吸わせながら焼く。 片面に焼き色が付いたら、ひっくり返してハム、チーズ、チャツネ、みじん切りにしたローズマリーを少量挟む。 もう片方の面にも焼き色が付き、挟んだチーズが溶ければ出来上がり! チャツネで作るチーズクラッカー これはパーティーの前菜や、軽食、ちょい飲みのおツマミにも。素敵な大皿に、ナッツやドライフルーツなどと並べても。チーズの種類はおまかせ。ブルーチーズもいいですねぇ。 ■ 材料 お好みのクラッカー 適量 カマンベールチーズ 適量 チャツネ 適量 タイムなど飾りのハーブ 適量 ■ 作り方 クラッカーにチーズ、チャツネをのせて、ハーブを飾り付けて完成。 ほかにもハンバーガーや、トンカツのソース代わりにも。お肉やチーズと組み合わせてみてください。日本ではまだまだ可能性を秘めているチャツネ。街中のカフェでも気軽にお目にかかれる日を楽しみにしています。自称「チャツネ親善大使」に勝手にセルフ任命。スパイスで内側からポカポカ、まずはご自愛♡ 心も身体も温めましょう。2023年は未だかつてないくらいに、心地よい一年に! とりあえず、チャツネ作りお試しあれ〜!
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パーティー推奨「ハーブレシピ」&チーズとオリーブ、秋のハーブオイル漬け【ルーシーのおいしい暮らし】
秋のキッチンハーブ 気温が下がり、太陽がリラックスし始めると、夏のハーブ達は役目を終えます。夏のハーブ代表、バジルやシソ、エゴマなどは基本的には「一年草」。トウ立ちして、種が付いたら枯れてしまいます。一方で、ローズマリー、セージ、タイムは一年中収穫ができる「多年草」。私のキッチンでも頻繁に登場する一軍ハーブたちです。丈夫で通年美味しく、冬の間も料理を彩る頼もしい存在。ハーブを使うと、瞬時に料理の腕が数段ランクアップ。今回はパーティー推奨「ハーブレシピ」を復習! 素材に合わせてハーブを使いこなしてみてください。これから年末年始など、人が集まる際にご活用あれ! ●肉の臭み消しからスイーツまで。「ローズマリー」 17世紀頃のイギリスの小説では、お葬式の参列者が「for remembrance」(追憶・思い出のため)と言って、ローズマリーの枝を棺桶の中に入れるシーンが見られます。先日のエリザベス女王の国葬では、棺の上に置かれたリースのローズマリーとマートルが印象的でした。添えられたチャールズ国王からのメッセージカードには、「In loving and devoted memory(あふれんばかりの愛と献身的な思い出を込めて)」と記されていました。そう、ローズマリーは「追憶と思い出」の意味を持つハーブ。イギリスを代表する作家、シェイクスピアの作品にも、ローズマリーをはじめ多くのハーブが登場して、暗に物語を演出しています。 ローズマリーは「スーッ」と強烈なほどの爽やかさで、奥に苦みとスパイシーさを感じる強くてワイルドな香りです。長時間の煮込み料理に使っても風味が弱まりません。なので「少し控えめに」が使い方のコツ。「根はお転婆ですが、所作はおしとやかに」系ハーブです。あら、アタシと一緒♡ お肉の臭み消し&風味付けは朝飯前。フォカッチャなどのパンや、揚げ野菜(フライドポテトに最高!) 、クッキーやシロップなどのスイーツにもおすすめです。 私のおすすめレシピは、挽肉にローズマリーの香りがいい仕事をする「ボロネーゼ」。しっかりコトコト煮込んで旨味をひきだすので、秋冬の夜長の暇つぶしにもどうぞ。大鍋で煮込み、大皿でドーンっと出したい料理です。 ●ローズマリーで爽やかなボロネーゼソースのレシピはこちら ●挽肉ならおまかせ。そぅ!「セージ」 古代ローマでは万能薬として使われ、「不死」と「健康」を象徴する長生きのハーブとして愛されていました。セージは約900種類の品種が存在しますが、料理でセージといえば、ほぼほぼ「コモンセージ」のこと。 ベルベットのような手触りに、渋い香りと温かなスパイシーさが特徴的なセージ。強力な風味、独特な苦みは脂っこい材料とよく合い、消化を助ける働きもあります。ソーセージという言葉は、雌豚を意味する「ソー」に「セージ」を加えたものという説もあり、ソーセージ作りには欠かせないハーブです。臭みを取ってくれるので、肉料理、魚料理の風味づけにも欠かせません。 私のおすすめレシピは、セージの香りとメープルシロップの甘み、黒胡椒の刺激が食欲をそそる「イタリアンハーブソーセージ」。パンでもご飯でもおまかせあれ! 甘じょっぱいが心地よく胃袋を掴む一品です。 ●フレッシュハーブを使ったイタリアンソーセージのレシピはこちら ●食材を選ばず使える万能ハーブ「タイム」 タイムの仲間は多く、なんと350種類超え。シソ科の多年草で小さな葉が特徴です。ガーデニングで活躍する観賞用や、香りを楽しむ食用など、さまざまな品種が存在します。クローブとミントが合わさったような香りでピリッと刺激的で爽やかな風味を持ち、清々しく気品と神聖さを感じる香り。ハーブとしての歴史も古く、古代から薬草としても重宝されてきました。タイムは魚料理にも肉料理にも、野菜にもチーズなどの乳製品とも相性よし。コツさえ掴めば、オールマイティーに料理に使えるハーブです。 私のおすすめレシピは、玉ねぎをタイムとバルサミコで味付けした、お惣菜スタイルの「タルトタタン」。玉ねぎの旨味、バルサミコの酸味、チーズのコク、それらを包み込むタイムの香りがクセになる簡単タルトタタンです。 ●バルサミコのオニオンタルトタタンのレシピはこちら 秋のハーブ「ワントーン」寄せ植え いつもはアロマセラピーの効能と一緒にご紹介していますが、「ローズマリー」「セージ」「タイム」は何度かご紹介済み。ですので、さぁみんな! 今回は実地研修よ。実際に香りを感じながら、3種のハーブで寄せ植えを作りまーす。ハーブの寄せ植えは花の寄せ植えよりも、なんだか地味かも……。だってハーブって大体「緑色」でしょう? しかーし、侮るなかれ! 同じグリーンの葉でも、それぞれ色味のトーン違います。同色のものを植えることで、洗練された印象の「ワントーンコーデ」な寄せ植えが簡単に作れます。この3種のハーブはどれも「浄化」の意味を持つハーブたち。アロマセラピーは芳香療法です。「最近心身ともにお疲れっす」な貴方にもおすすめ。 トラディショナルにテラコッタの鉢、移動に便利な持ち手付きのプラ製鉢など。ライフスタイルに合わせて、お好みのものに植えましょう。私のイチオシは「ベジトラグ」。 ベジトラグはガーデニング先進国イギリスで生まれた、足付きの木製プランター。ベランダなどのスペースにも設置できるので、簡単に菜園生活が楽しめます。鉢より本格的に楽しめて、ハーブだけではなく、野菜やお花も育てることができます。私のベジトラグは秋のお花が綺麗にブルーミング中♡ なので、今回のハーブたちはテラコッタの鉢に植えていきます。 必要なのは、 30cmほどの鉢 培養土 ローズマリーの苗 1つ セージの苗 1つ タイムの苗 1つ 以上! です。簡単でしょ。チョチョイのちょい。 ローズマリーで高さを出して、シルバーグリーンが美しいセージは色味のアクセントに、タイムは伸びると、しだれて遊び感を演出。葉の形状がそれぞれ違うのもポイントです。 鉢の半分ほど土を入れ、ポットから苗を取り出して、根を揉みほぐしてから鉢に配置する。 土を入れて完成。指を使い、苗の隙間にもしっかりと土を入れましょう。 スーハースーハー、ハーブの香りを吸ってー吐いてー。香りを嗅ぐと呼吸が深くなり、身体がリラックス。土に触れることは、健康増進に役立つともいわれています。いやん、いいこと尽くし♡ 自分で育てたハーブを必要な分だけ、必要な時に採って食べれば「QOL」指数は急上昇。気分はイタリアのマンマ(お母ちゃん)です。料理がいつも以上に楽しくなっちゃうはず。ハーブたちはオイルとの相性が抜群。自家製ハーブをオイルに漬け込めば、あっという間にオシャレ味な魔法のオイルが作れます。今回はそんなハーブオイルにチーズやオリーブを漬け込んだ、世界一簡単でシャレたレシピをご紹介します。 タイム香る「チーズのオイル漬け」 そもそも相性がよい、チーズとオリーブオイル。別々に食べるのも美味しいですが、チーズをオリーブオイルにつけることで、風味とコクが増し増し。さらに濃厚な風味へと変化します。今回はモッツァレラチーズを使いますが、フェタチーズやクリームチーズなど、お好きなチーズでお試しください。ドライトマトの甘み、チーズのコク、ハーブの香り、相乗効果の大運動会。とにかくデリシャス! カリッと焼いたバゲットに、すべてをたっぷり挟んで召し上がれ! ■ 材料 好みのチーズ 適量 オリーブオイル 適量 タイム 適量 2枝 ホールクミン 小さじ1/2 ドライトマト 適量 ハーブソルト 適量 ■ 作り方 瓶などに全ての材料を入れ、完全に浸かるまでオイルを注ぎ、蓋を閉める。 冷蔵庫で3日〜1週間冷蔵庫で保存して、味を馴染ませて完成。食べる時は常温に戻しましょう。 ※冷蔵庫で、約1カ月の保存が可能。 ローズマリーとセージ香る「オリーブのオイル漬け」 オシャレなデリとかに売っているアレです、アレ。瓶に詰めて作るので「ホームパーティにお呼ばれ」なんて時にも大活躍。オリーブは色違いで入れると綺麗です。ニンニクが入っているので味にパンチがあります。漬け込んだオリーブはクラッカーやナッツ、フルーツなどとワンプレートにしてワインのお供に。締めのパスタには、残ったオイルでペペロンチーノを。ニンニクとハーブが染み込んだオリーブオイルで作るペペロンチーノは、香りがゴージャス! ■ 材料 オリーブ 適量 (スーパーで売っている缶詰や瓶詰めのもの) オリーブオイル 適量 ローズマリー 1枝 セージ 数枚 ニンニク 1〜2片 レモンの皮 少々 バルサミコ酢 大さじ1 ■ 作り方 瓶などに全ての材料を入れ、完全に浸かるまでオイルを注ぎ、蓋を閉める。 冷蔵庫で2日ほど保存して、味を馴染ませて完成。食べる時は常温に戻しましょう。 ※冷蔵庫で、約1カ月の保存が可能。 今回はチーズバージョンとオリーブバージョン、別々に作りましたが、一緒にオイル漬けにしても大丈夫。使用するハーブはバジルやディルもおすすめです。乾燥ハーブでもいいですが、フレッシュハーブの香りは段違いに格別です。 難しい料理が出来る=料理が上手い。ではありません。楽しく簡単に! 美味しいものを作れるのが料理上手だと思います。料理ってクリエイティブ。色々なハーブの組み合わせで作ってみてください。あー、お腹すいた。今夜は何を食べようかしら♡ 「好きこそ物の上手なれ」ですね、食いしん坊!万歳。