おぎはら・のりお/長野県上田市にある宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」の店長。1979年から植物の栽培と販売をスタートさせた「おぎはら植物園」では、現在、取り扱う宿根草と山野草は4千種を超える。全国に苗生産者のネットワークを持ち、海外からの新品種の導入なども積極的に行う。近著に『咲かせたい!四季の宿根草で庭づくり』『決定版 カラーリーフ図鑑』(ともに講談社)。
荻原範雄 -「おぎはら植物園」店長-
おぎはら・のりお/長野県上田市にある宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」の店長。1979年から植物の栽培と販売をスタートさせた「おぎはら植物園」では、現在、取り扱う宿根草と山野草は4千種を超える。全国に苗生産者のネットワークを持ち、海外からの新品種の導入なども積極的に行う。近著に『咲かせたい!四季の宿根草で庭づくり』『決定版 カラーリーフ図鑑』(ともに講談社)。
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が提案! 秋のナチュラルガーデンを演出する“こだわり”の宿根草
渋さの中に美しさを見いだす「秋の宿根草ガーデン」 * 暑い夏にも鮮やかに咲いていた宿根草も、秋風が吹く頃になると、だんだん落ち着きを見せて、次第に渋みを増していきます。色が寂しくなる秋以降の庭に、シックでおしゃれな季節の風情を演出してくれるのも宿根草の魅力です。 秋の光を受ける草花たちの静かな色合いは、くつろぎと癒しを与えてくれます。そんな穏やかな庭をゆっくりと観賞しながら、読書をしたり、ティータイムを楽しんだり……。 ナチュラルな雰囲気が楽しめる宿根草を取り入れた庭にすると、秋も見どころが多く、ハイレベルなガーデンへとステップアップできます。 『宿根草ショップの店長が教える! 秋を知らせるオススメの宿根草』では、定番の秋の宿根草をご紹介しましたが、ここでは、こだわりのある自宅ガーデナーさんにぜひとも植えていただきたい、秋の庭を美しく演出する宿根草を5種ピックアップしてご紹介します。 秋に似合う、柔らかな黄色の花 ソリダゴ 枝先に小さな花をいっぱい咲かせるソリダゴ・ルゴサ。 ソリダゴといえば、日本中に生える外来雑草の「セイタカアワダチソウ」があまりにも有名なため、この仲間は嫌われているかもしれません。ですが、ソリダゴは世界中に膨大な種類があり、ヨーロッパ、アメリカなどガーデニングの盛んな国ではソリダゴに対する嫌悪感はもちろんなく、古くから親しまれています。秋の花壇には欠かせないソリダゴは、切り花としても流通量が多く、とてもポピュラーな花です。 ソリダゴ‘ファイヤーワークス’。その名の通り、長い花穂が花火のよう。 もちろん園芸種は、外来雑草のように、種子が飛んで広範囲に広がったりすることは、ほぼありませんのでご心配なく。なんといっても、ソリダゴのボリュームある黄色の花は、渋い秋色の庭で一段と輝いて活躍してくれることでしょう。周囲の落ち着いた枯れ色と、鮮やかな黄色がダイナミックにコントラストを見せて、何ともおしゃれです。 切り花にするとダイナミックな印象に。 * 右にイトススキの茂みが丈高く、左に低く群れ咲くのがソリダゴ・ルゴサです。初夏頃に切り戻しておくと写真のように低く咲かせることもできます 秋の庭の隠れた主役 ガーデン・グラス(秋咲き種) 存在感のあるふわふわの穂が放射状に伸びるペニセタム・アロペクロイデス(白花種)。* ガーデン・グラスはプロのガーデナーさんを中心に、そのナチュラルな美しさに人気が出ています。もともと日本にはススキをはじめ、多くのグラスが自生しています。あまりに見慣れているためか、ありがたみがない気もしますが、海外、特にアメリカ、ヨーロッパでは定番的な人気があり、最近ではアジア圏でも人気が高まっています。 赤い霞のように繊細な穂が立ち上がるミューレンベルギア・カピラリスとバーベナ・ボナリエンシス。 海外からいらっしゃるお客様は、野原に生える「日本のグラス」を美しいと言われるぐらいです。グラスの意味は「草」、これらをただの草と見るか、ハイセンスなオーナメンタルプランツと見るかは、その人次第なのかもしれません。 白花のユーパトリウム・ルゴサムに引き立つ銅葉のパニカム‘チョコラータ’。穂の色もシック。* アメリカなどで見られるグラスだけで構成されるガーデン、これを日本で作れば雑草畑と勘違いされてしまうかも? なんて敬遠するのはもったいない。まずは、美しさが分かりやすい種類から、花ものと組み合わせて植えてみてはいかがでしょうか? きっとその美しさを再認識できることでしょう。 穂が軽やかに浮き立つカラマグロスティス・ブラキトリカと、その左で緑の花を咲かせるフロックス‘グリーンレディ’との爽やかなコンビ。 ススキ‘パープルフォール’の紅葉。 雄大な姿に自然の美を感じる サラシナショウマ * 日本の野山にも自生するサラシナショウマ。夏の終わり頃から秋にかけて、白い花穂をたくさん咲かせます。淡い香りを漂わせる美しい花は蝶も好み、盛んに訪れます。 背が高くなって咲き誇る雄大な草姿は、自然味があり、秋の景色に映えて、実に美しいものです。海外での人気も高く、多くの品種が作出されています。 サラシナショウマ‘ホワイト・パール’は、やや小型で花つきがよい種類。花穂が少し短く、花弁が密集して咲くのが特徴。 サラシナショウマは半日陰で、少し湿った場所でよく育ちます。暑さを嫌うので、夏に風通しのよい場所で育てるとよいでしょう。例えば、ギボウシなど半日陰向きの植物と一緒に植栽すると、しっとりとした日陰の風情が楽しめます。 ‘クイーン・オブ・シバ’は、北米のサラシナショウマの交配種。深い葉色と枝垂れる花穂が特徴。 秋の庭の名脇役 バーベナ バーベナ・ボナリエンシス。 バーベナといえば、一般的な這性種が寄せ植えや花壇に利用されていますが、野趣に富んだ原種系のバーベナ・ボナリエンシスやバーベナ‘バンプトン’も、また違ったよさがあり、秋の庭の演出に役立ってくれます。 バーベナ‘バンプトン’ ここでご紹介する種類は、越冬して毎年楽しめるだけでなく、種子が自然に飛んで、あちこちから顔を出してくれるタイプです。春の後半から夏がメインの花ではありますが、花期が長くて秋も咲き続け、季節が進むと次第に色が濃くなって、春夏とは違った表情を見せてくれます。また、他の草花の隙間からも咲いてきてナチュラルに調和し、秋の庭を彩ってくれます。 バーベナ・ボナリエンシスを中心に、宿根センニチコウ‘ファイヤーワークス’が濃いピンクの花を咲かせて明るいアクセントとなっています。ペニセタム‘テールフェザーズ’などが風に揺れる秋花壇を背景に。 左手前にちらちらと紫の小花が群れ咲くバーベナ‘バンプトン’、奥には赤い穂を立ち上げるペルシカリア‘ファット・ドミノ’がアクセントに。右には、ススキ‘パープルフォール’、奥にはシックな紫の葉を伸ばすスモークツリー‘ベルベットクローク’など、秋のガーデンも写真のようにカラーコーディネイトが楽しめます。 秋が深まるほど花色も冴える アキチョウジ まだ暑さの残る初秋から開花するアキチョウジは、秋の深まりとともに色を鮮やかに変えます。青い花色は、日中と朝晩の寒暖差が大きくなるほど色が濃くなりますが、このアキチョウジはまさに、暑い時期から肌寒い時期まで咲くので、その変化が分かりやすい花でもあります。だんだん変わる季節の巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。 晩秋、花色が最も濃くなる頃、半日陰で咲くこの花は、まるで蛍光色のように鮮やかに目に映り、実に美しいものです。 アキチョウジ(濃色品種)を木陰で咲かせると花色が際立ちます。 その名は、秋に咲く花が「丁」の字に似ていることに由来するそうです。園芸用として流通しているものは、野山の原種より色が濃く、花つきもよい品種です。青花の他に紫やピンク、白花もあり、近縁種のヒキオコシには赤や黒花もあります。 紫花の品種。 ヒキオコシの黒花種。 ご紹介のように、秋だからこそ美しく見応えがある宿根草が、きっとあなたの庭の景色を変えてくれるでしょう。これまで知らなかった新しい植物を1種、2種と取り入れて、個性的なガーデンづくりにぜひ役立ててください。 撮影協力:軽井沢レイクガーデン(*)
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が提案! 癒やし効果満点のナチュラルガーデンに向く宿根草10選
宿根草を植えて、自然な雰囲気の庭をつくってみよう! 宿根草は、ナチュラルガーデンに欠かせない植物のグループ。 自然な緑や草花に囲まれて、癒やされる庭でくつろぎたい。そんな思いからか、近年人気の庭デザインの一つ「ナチュラルガーデン」。あまり多くの色を使わず、自然の風景を切り取ったような庭を目指したいものです。 しかし、ナチュラルとはいえ、何もせず放任にしておけば、庭は荒れてしまうだけ。そこで、自然な雰囲気がある宿根草を植えて、庭を少しずつ理想のデザインに近づけていきましょう。きっちり整った庭とは違い、しっかり設計して一気に仕上げる必要はありません。好きな花を入手したタイミングで植え込み、毎年少しずつ広げて、ガーデンが理想の姿に近づいていく過程もぜひ楽しみたいものです。 ナチュラルガーデンを仕上げるコツ ナチュラルガーデン作りで大切なのは、花の種類選びです。自然な雰囲気がある花を植える、派手すぎる色は使わない、主役級の大きな花はなるべく入れない、など、ある程度の大枠だけは決めておき、あとは組み合わせも自由に、堅苦しく考えず、好きなように植えてみましょう。 これから新たに庭をつくる方は、まず最初に雑木を植えておくと、自然な雰囲気の宿根草とも合わせやすいでしょう。 宿根草は種類さえ選べば、とてもローメンテナンスで、あまり難しい作業はありません。周囲の雑草を取ったり、花後や冬に切り戻す程度です。自然にまかせて、宿根草たちの成長を見守りながら、無理なく庭づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか? 四季折々に咲く花に癒やされる庭 木陰のナチュラルガーデン。 ここでご紹介する宿根草は、どれも丈夫で、自然に増えていくものが主です。基本的に植えっぱなしで毎年出てきて、花が咲く姿を楽しませてくれます。派手さや強いインパクトを持つものは少ないのですが、野生味がある草花には落ち着いたよい雰囲気があります。いろいろ組み合わせて植えることで、四季折々に癒やしを与えてくれるナチュラルガーデンをつくることができます。 丈夫でよく増える! ナチュラルガーデン向きの宿根草10種 セレクト1潤いのある大きな葉が自然な雰囲気ギボウシ(ホスタ) ナチュラルガーデンに必須となるのが、このギボウシ。古くから親しまれ、海外での人気も絶大です。花も咲きますが、魅力は何といってもその美しい葉で、八方に葉を広げ、落ち着きのある姿で場所をカバーしてくれます。年々株が大きくなり、見応えが出てきますが、古くなっても姿が乱れることもなく、葉が整然と茂り、美しさを保ちます。数えきれないほど多くの種類、葉色のバリエーションがあり、組み合わせやコレクションするのも楽しいものです。 驚くほど丈夫で、一度植えれば、ほとんど放任で大丈夫です。冬は葉が枯れますが、春になると土中から芽を出し、再び生育を始めます。 【ギボウシ 植物DATA】 ■ キジカクシ科(ユリ科) 宿根草(耐寒性多年草・半常緑性)■ 草 丈 : 種類により大小様々■ 花 期 : 初夏~盛夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 明るい半日陰 セレクト2野趣に富んだ美しさオカトラノオ 日本の山野にも自生する野草、オカトラノオは実に自然味があって美しい宿根草です。名前は「トラノオ」ですが、ベロニカの仲間ではなくサクラソウ科の植物です。地下茎で広がるように生育し、庭のあちこちから毎年顔を出して咲いてくれます。湿り気のある場所では増えすぎてしまう傾向がありますが、普通の土壌であれば困るほどは増えません。うなだれるように揃って咲く様子に自然な趣を感じます。 【オカトラノオ 植物DATA】 ■ サクラソウ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 60~90cm前後■ 花 期 : 夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト3本場ヨーロッパのナチュラルガーデンを思わせるリグラリア・プルツェワルスキー ゴールデン・レイ(黄金の光線)の英名があり、ヨーロッパでは古くから植栽され、広く親しまれてきた花です。少し湿った半日陰を好みますが、そのような暗くなりがちな場所に黄色の直立する花穂はよく目立ち、おしゃれな草姿がシェードガーデンのセンスアップになります。日本にも近い仲間の「メタカラコウ」が山野に自生していて、この仲間は日本の気候にも適合するので、場所さえ選べば栽培は難しくありません。 【リグラリア・プルツェワルスキー 植物DATA】 ■ セリ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 1~1.5m前後■ 花 期 : 夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : やや半日陰 セレクト4姿が美しく、とても丈夫!チョウジソウ 株立ちになり、多くの花を咲かせる宿根草です。星の形をした青い小花は、英名でブルースターとも呼ばれ、海外でも人気が高いです。いろいろな種類がありますが、日本原産種がナチュラルガーデンには特に似合いますし、もちろん日本の気候に合っています。 とても丈夫で放任でも育ち、年々花の数も増えていきます。日向でも木陰でも咲くので、植え場所も選びません。晩秋になると葉が黄色く紅葉して自然味があります。 【チョウジソウ 植物DATA】 ■ キョウチクトウ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 60~80cm前後■ 花 期 : 初夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 セレクト5赤い小花がナチュラルガーデンに映えるペルシカリア・アンプレキシカウリス ナチュラルガーデンは白い花や淡い色が主体になりがちですが、このような赤い花をポイントに入れると、メリハリが効いて、全体の色合いがグッと美しくなります。鮮やかな赤ではありますが、ペルシカリアはタデ科の仲間で野草的な姿なので、自然な雰囲気の庭によく合います。日向のほうが花つきもよいですが、木陰でも花が咲き、真夏から秋まで繰り返し咲く、花期の長さも魅力です。 特に秋に見る赤いタデの花は、季節柄、より情緒が出て美しく目に映ります。性質は丈夫で、暑さや寒さに耐えます。 【ペルシカリア アンプレキシカウリス 植物DATA】 ■ タデ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 80~120cm前後■ 花 期 : 夏~秋■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト6こぼれダネでよく増えて庭を彩るバーベナ・ボナリエンシス 三尺バーベナの名前の通り、細い茎がスッと伸びて咲き、風に揺れる様子には風情があります。花後に放任にしておくと、種子が自然にこぼれて、翌年あちこちから咲いてきます。姿が細身なので、他の草花の邪魔をせず、混ざり咲いて素敵な景色を作り出してくれます。蝶や蜂も多く訪れる花なので、自然味があってナチュラルガーデンにぴったりです。やや乾いた場所、日向を好みます。 【バーベナ ボナリエンシス 植物DATA】 ■ クマツヅラ科 宿根草(耐寒性多年草・半常緑性)■ 草 丈 : 80~100cm前後■ 花 期 : 初夏~秋■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 セレクト7半日陰で咲かせると自然でよい雰囲気アルンクス・ディオイクス アルンクスは日本にもヤマブキショウマなど、多くの種類があり、白い柔らかな花が春の終盤から初夏に咲きます。一見、アスチルベのような花姿ですが、高さは1.5m近くになり、より大型でワイルドな印象があります。高い位置から花が枝垂れるように咲くので風情があり、ナチュラルガーデンによく似合います。木陰など、暗めの場所でもしっかりと花が咲くので、半日陰の庭にも向きます。 アルンクスには小型の種類もあります。これらは石垣の上や、ちょっと空いた場所のカバーにいかがでしょうか。 小型のアルンクス‘ノーブルスピリット’の石垣での植栽例。 【アルンクス 植物DATA】 ■ バラ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 30~150cm前後(種類によりさまざま)■ 花 期 : 春~初夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : やや半日陰 セレクト8自然味のある花姿で葉も美しいカライトソウ 日本固有の植物で、本州中部地方に自生する野草です。唐糸に見立てられる鮮やかなピンク色の花で、一見派手ですが、花穂が枝垂れる独特な姿は野趣に富んでおり、日本の野草らしい自然な美しさがあります。花期は長くありませんが、青みのある葉を茂らせて、カラーリーフとしての観賞性も高く、花期以外も十分に楽しめます。栽培が難しいと思われがちですが、意外に丈夫で放任で育ちます。暖地では風通しのよい木陰など、夏の暑さを避けられる場所が安心です。 【カライトソウ 植物DATA】 ■ バラ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 80~100cm前後■ 花 期 : 夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : やや半日陰 セレクト9秋にそよぐ穂が風情豊かカラマグロスティス・ブラキトリカ 夏の後半から秋にかけて、白い羽根のような穂が出る美しいグラスです。ススキなどに比べると小型ですが、80cm前後のちょうどよい高さの白い穂が風に揺れ、逆光を受けてキラキラと輝きます。穂の色は初めは白く、季節が進むとピンク色に変わり、それにまた美しいです。こぼれダネでよく増えるので、場所に余裕があれば群生を楽しむのもオススメ。性質はとても強く、暑さ、寒さ、乾燥に耐えられるので、放任で育てることができます。 【カラマグロスティス ブラキトリカ 植物DATA】 ■ イネ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性)■ 草 丈 : 60~80cm前後■ 花 期 : 晩夏~秋■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト10ナチュラルガーデンに欠かせないアジサイアメリカアジサイ‘アナベル’ 白い小花が密集して、大きなボールのように花が咲きます。花が細かいため、とても柔らかいイメージがあり、つぼみのグリーンから白く咲いていく色の移りもナチュラルガーデンにぴったりです。アメリカノリノキ(アメリカアジサイ)なので、一般的な西洋アジサイに比べて枝葉が細くしなやかで、明るい緑色をしており、よく自然な雰囲気に溶け込みます。性質の丈夫さも魅力で、放任で年々花数も増えていきます。冬の落葉期に枝をすべて短く切っておくと花が大きくなり、切らずに放任にすると花が小さくたくさん咲くようになります。庭の雰囲気に合わせてコントロールしてみては? 美しいグリーンのつぼみ。 ふわっとしたボール状の花。 【アメリカアジサイ‘アナベル’ 植物DATA】 ■ アジサイ科(ユキノシタ科)低木(耐寒性低木・落葉性)■ 草 丈 : 80~120cm前後■ 花 期 : 初夏■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 宿根草には多彩なバリエーションがあり、ガーデンに変化やプラスの効果をもたらしてくれる種類がまだまだあります。聞きなれない品種であっても、育ててみれば思いがけない喜びをくれるのが宿根草のグループです。ぜひ身近に育てて、ガーデニングライフを楽しんでください。
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ハーブ
宿根草ショップの店長が提案! 実用的でお得な宿根ハーブ5選
咲かせたり、収穫したり、楽しみ方もいろいろな宿根ハーブ ハーブは古くから薬用として使用されてきたものが多く、現代においても研究が進んでいます。少し敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、香りを楽しんだり食用にしたりして、初心者でも気軽に使える種類もたくさんあります。 そこで、増えすぎて困る種類や香菜などの一年草を除き、扱いやすく、毎年花を楽しめて、しかも気軽に利用できる、そんなお得な宿根(しゅっこん)ハーブをご紹介します。 植えっぱなしで毎年楽しめる! 宿根ハーブ5種 宿根ハーブ Select1 花も葉もきれいで料理にも重宝! コモンセージ よく料理のレシピ紹介などで見かける「セージの葉を適量」。これは主に、このコモンセージを指しています。市販では乾燥させたものや冷凍にしたものが多いようですが、摘みたてのフレッシュなセージは、非常に香りが豊かで、お料理を本格的なものにしてくれます。独特の香りと苦みは肉料理によく合い、肉の臭み消しとして、ドイツ料理、イタリア料理には特に欠かせません。また、ティーとしても人気があります。 難しく考えずに、まずは肉、ソーセージの炒め物、ピザやパスタにもちょっと入れて試してみてください。 そんなセージですが、観賞用としても優れています。葉のグレイッシュな色が、一年中ガーデンを彩り、初夏には美しい花を咲かせてくれます(コモンセージはサルビアの一種です)。花は紫色が一般的ですが、ピンクや白い花を咲かせるタイプもあります。 草姿を美しく保つために、収穫を兼ねて、定期的に刈り込んで姿を整えておきましょう。 寒さや暑さに強く、とても丈夫です。水はけの良い場所を好み、ある程度の乾燥地でも育ちます。 【コモンセージ 植物DATA】 ■ シソ科 宿根草(耐寒性多年草・常緑性) ■ 草 丈 : 40~60cm前後(花丈も含む) ■ 花 期 : 初夏~盛夏 ■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向 宿根ハーブ Select2 青い花も美しい万能ハーブ! ローズマリー‘モーツアルトブルー’ ハーブの代名詞ともいえるローズマリーは、いろいろな用途があり、庭に1株は欲しいものです。爽やかな香りを持つため、白身魚の焼き物や、鶏肉・豚肉のソテーなど肉料理との相性が良く、スパイスのように使われます。また、お茶やお風呂の他、乾燥させて吊るしておくだけで、消臭効果もあります。 せっかくなら花の美しい品種を植えたいと思う方に、オススメは、‘モーツアルトブルー’。青色が最も濃い品種といわれています。ローズマリーには枝が立ち上がる「立性(たちせい)」と横に這うように広がる「這性(はいせい)」タイプがありますが、本種は中間の「半立性」で、あまり高くならず、広がりながら立ち上がるので、樹形を保ちやすく、扱いやすいハーブです。 極寒冷地を除けば、寒さにも耐え、暑さに強く、乾燥気味の場所や、やせた土地でも育ち、とても丈夫です。 【ローズマリー‘モーツアルトブルー’ 植物DATA】 ■ シソ科 低木(耐寒性常緑低木) ■ 草 丈 : 40~60cm前後 ■ 花 期 : 周年 ■ 耐寒性 : やや強い(-12℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向 宿根ハーブ Select3 魅力の多い、人気の宿根ハーブ! アルケミラ・モリス 手触りも柔らかな整った形の葉、一面に咲く黄緑色の花、ガーデンや切り花としても人気の高い宿根ハーブです。主に観賞用として、イングリッシュガーデンには欠かせない存在ですが、薬用としても古くから使われてきました。 乾燥葉に熱湯を注いだ浸出液は、基礎化粧水や肌の薬として使用され、ティーとして摂取すると、さまざまな婦人病に効果があるといわれています。これらのことから、英名は「レディースマントル」(聖母マリアのマント)、また「女性最良の友」という名前もあります。 名前のアルケミラは「小さな魔法的なもの」を意味するアラブ語が語源といわれています。その理由は、さまざまな薬用効果と、葉の上にたまる水晶のような露にあるとか。細かな綿毛に覆われた葉は水をはじくので、雨の日や朝露を受けると葉の上に水玉がたくさん付き、なんとも風情があります。 【アルケミラ・モリス 植物DATA】 ■ バラ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 30~50cm前後 ■ 花 期 : 初夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 普通 ■ 日 照 : 日向~やや半日陰 宿根ハーブ Select4 見応え十分! 大型のラベンダー ラベンダー・グロッソ ラベンダーには、多くの種類がありますが、ガーデン用にぜひオススメしたいのが、このグロッソです。一般的なイングリッシュラベンダーと異なり、背丈が高く、花が大きいので、大株に育つととても見事で、遠くから見てもよく目立ちます。 暖地の暑さ、寒冷地の寒さ、どちらにも耐えるほど丈夫で、育てやすい点もオススメのポイントです。 少し甘さのある良い香りが特徴で、ラベンダーの中でも芳香が強いほうです。切り花にして飾ったり、ラベンダースティックや乾燥させてポプリにするのにも向いています。部屋に飾りながら天然の芳香剤として使うのもいいですよ。 【ラベンダー・グロッソ 植物DATA】 ■ シソ科 低木(耐寒性常緑低木) ■ 草 丈 : 60~80cm前後 ■ 花 期 : 晩春~初夏 ■ 耐寒性 : やや強い(-12℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向 宿根ハーブ Select5 ハイセンスで迫力のある美しいハーブ! アーティチョーク 大型のハーブで、銀色の葉、茎がオーナメンタルな美しさを持つアーティチョークは、お洒落な庭のシンボルに最適です。 株張りは1mほど、花が上がると高さは2m近くになるのでスペースが必要ですが、ガーデンの後方にこの花があると、ワンランク上のハイセンスな雰囲気が演出できます。 つぼみは野菜、ハーブとして、ヨーロッパではポピュラーです。若いつぼみを茹でたり蒸したりして、つぼみの芯の部分を食用にします。ホクッとした食感で柔らかく、甘みのある味は、国内でもファンが増えていますよ。 【アーティチョーク 植物DATA】 ■ キク科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 1.5~2m前後 ■ 花 期 : 初夏~盛夏 ■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向 宿根草には、多彩なバリエーションがあり、ガーデンに変化やプラスの効果をもたらしてくれる種類がまだまだあります。まずは、食卓や暮らしに役立つハーブから宿根草を育てて、花や緑のある生活を楽しんでみませんか? ぜひ身近に育てて、ガーデニングライフを充実させてください。
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が提案! 庭を明るくする黄金葉、オーレア・リーフ10選
庭で輝きを放つ、オーレア・リーフの草花 さまざまな草花を植えて、風景づくりを楽しむガーデニングでは、カラーリーフを取り入れることでセンスアップしたり、ワンランク上のガーデンに仕上げることができます。そこで今回は、カラーリーフの中でも、パッと目に入る、明るい色合いのオーレア・リーフに注目! 他の草花と一緒に植えて、ガーデンを華やかなイメージに演出しましょう。 葉色が常に美しい草花を植えておけば、春、夏、秋と季節を問わず、長期間、庭をきれいに見せることができます。また、半日陰の庭(シェードガーデン)など、花が咲きにくい場所では、カラーリーフと呼ばれる「葉もの」を組み合わせて、センスよく植栽したいものですが、少し色合いが暗くなりがち。そんなときはオーレア・リーフを入れるとコントラストが効いて、一気に明るい印象に変わります。 毎年楽しめる! オーレア・リーフの宿根草10種 セレクト1 花も葉もきれい! 春らしい草花 イベリス‘ゴールデン・キャンディ’ イベリスは植えっぱなしで毎年楽しめるので、花ものグラウンドカバーの定番となりつつあります。性質がとても丈夫で、日向であれば多くの場所で育ち、年々花数が増えるという、育てやすさが人気の理由です。花後に見た目が悪くなるグラウンドカバー向き宿根草は多くありますが、本種は花後も黄金色の葉が生き生きと育ちますので、花期以外も観賞できます。 【イベリス‘ゴールデン・キャンディ’ 植物DATA】 ■ アブラナ科 宿根草(耐寒性多年草・半常緑性) ■ 草 丈 : 15~20cm前後 ■ 花 期 : 春 ■ 耐寒性 : 強い(-15℃前後まで) ■ 耐暑性 : 普通 ■ 日 照 : 日向 セレクト2 暑さ寒さに強く、とても丈夫! メドースイート‘オーレア’ ハーブとしても知られるメドースイート(西洋ナツユキソウ)のオーレアタイプです。ゴールドリーフを持つ多年草は多くありますが、中でも本種は特に色鮮やかに発色し、夏も色が褪せず、美しい葉色を保ちます。夏に咲く、ふわっとしたクリーム色の花とともに柔らかな印象で、辺りがパッと明るく輝くようです。性質が強健で育てやすい植物です。 【メドースイート‘オーレア’ 植物DATA】 ■ バラ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 60~80cm前後 ■ 花 期 : 夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト3 大型で存在感が抜群! アラリア‘サンキング’ 山菜としても有名なウド。本種はその黄金葉品種です。ウドは、もともと日本の山野に自生する植物なので、日本の気候下でよく育ちます。大きく育つと高さは1mほどになり、明るい黄金葉ですからよく目立ち、存在感があります。日陰でも葉色が鮮やかに出るので、半日陰の場所も一気に明るくしてくれます。 海外でも人気があり、シェードガーデンなどで、他のカラーリーフと組み合わせて、センス良く植栽されていますが、それがウドとは思えないような、おしゃれな雰囲気があります。 【アラリア‘サンキング’ 植物DATA】 ■ セリ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 1~1.2m前後 ■ 花 期 : 夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : やや半日陰 セレクト4 こぼれダネでよく増える! アガスターシェ‘ゴールデン・ジュビリー’ 宿根タイプのアガスターシェで、明るい黄金色の葉を持ちます。株立ちになり、先端にラベンダー色の可愛い花を咲かせます。葉や茎にはミントに似た爽やかな香りがあるので、ハーブガーデンにも最適。高さは80cm程にまでなる、やや大型種なので、花壇の後方などに植えておくとよいでしょう。 植えっぱなしで毎年出てきて花を咲かせる、丈夫な宿根草です。花後のタネを残しておくと、こぼれたタネでよく増えます。移植も簡単なので、お好みの場所へ移して楽しめます。 【アガスターシェ‘ゴールデン ジュビリー’ 植物DATA】 ■ シソ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 60~80cm前後 ■ 花 期 : 初夏 ■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向 セレクト5 美しい黄金色のカーペット! リシマキア・ヌムラリア‘オーレア’ 明るいライムゴールドの葉色で、地面を這うように低く生育します。グラウンドカバーとして使用すると、一年中、葉色が美しいばかりでなく、雑草除けになったり、斜面の土留めなどにも効果的です。他にも寄せ植えで枝垂れさせたり、ハンギングにも使われます。 水草として販売されているほど水分に強く、湿った場所を好みます。逆に乾きすぎる場所では葉焼けしてしまうので、向きません。 【リシマキア・ヌムラリア‘オーレア’ 植物DATA】 ■ サクラソウ科 宿根草(耐寒性多年草・半常緑性) ■ 草 丈 : 3~10cm前後 ■ 花 期 : 初夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : やや半日陰 セレクト6 葉と赤い実のコントラストがきれい! ワイルドストロベリー‘ゴールデン・アレキサンドリア’ ライム色の葉がきれいなだけでなく、白い花、赤い実も春から秋まで続くので、周年楽しむことができます。ワイルドストロベリーはハーブとしても利用される野生のイチゴですが、本種はその野生のイチゴを改良した「アレキサンドリア」というシリーズの品種です。 もともとワイルドストロベリーは実の香りが強く、ティーやお菓子の香りづけにも使われますが、本種はさらに甘みも増しており、そのまま食べても美味しいです。もちろんジャムにも最高です。観賞するだけでなく実用性も兼ねていて、お得感があります。 【ワイルドストロベリー‘ゴールデン・アレキサンドリア’ 植物DATA】 ■ バラ科 宿根草(耐寒性多年草・半常緑性) ■ 草 丈 : 15~20cm前後 ■ 花 期 : 春~秋 ■ 耐寒性 : 強い(-25℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト7 ハート形の可愛い黄金葉! ブルネラ‘ダイアンズ・ゴールド’ ブルネラはハート形の葉が特徴の宿根草。寒さに強く、植えっぱなしで毎年出て楽しませてくれます。ブルネラには多くの品種があり、オーレアタイプも数種ありますが、最新の本種が最も葉色が明るく、黄色がハッキリとしています。 少し水分のある木陰などを好みますので、他のカラーリーフと一緒に植えて、半日陰の庭をパッと明るくしてみてはいかがでしょうか。春には忘れな草のような、ブルーの可憐な小花を咲かせて、葉色によく映えます。 【ブルネラ‘ダイアンズ・ゴールド’ 植物DATA】 ■ ムラサキ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 3~10cm前後 ■ 花 期 : 初夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 普通 ■ 日 照 : やや半日陰 セレクト8 組み合わせにも使いやすい! ヒューケラ‘ライムリッキー’ ヒューケラの和名はツボサンゴ。古くから日本でも親しまれている多年草です。寒さ、暑さに耐える丈夫な多年草で、日陰でも生育がよく、花もよく咲くため、半日陰の庭に最適です。冬も常緑で葉が残るため、周年楽しめます。寄せ植えにも人気です。 本種はヒューケラの中では数少ない黄金葉の品種で、フリルの入る葉が可愛らしい、やや小型の品種です。他のブロンズ色や赤い葉色の品種と組み合わせるとコントラストが楽しめて、シェードガーデンを明るく演出できます。黄色の葉に似合う、爽やかな白花をたくさん咲かせます。 【ヒューケラ‘ライムリッキー’ 植物DATA】 ■ ユキノシタ科 宿根草(耐寒性多年草・常緑性) ■ 草 丈 : 40~50cm前後(花の高さを含む) ■ 花 期 : 初夏 ■ 耐寒性 : 強い(-20℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : やや半日陰 セレクト9 風にそよぐ様子が美しい! 黄金フウチソウ 古くから親しまれる日本の植物です。「風知草」という名の通り、風にサラサラとそよぐ様子に風情があり、美しいシーンづくりができます。斑入り種もありますが、本種は縞模様の入らない、すっきりとした黄金葉で、海外名は「オール・ゴールド」と呼ばれています。ナチュラルな雰囲気の庭によく似合います。 性質は極めて丈夫で、まとまりのよい草姿です。生育はゆっくりですが、時間さえかければ立派な株に育ちます。庭植えはもちろん、素焼きの鉢に植えて飾ってあるだけでも趣きがあり、センスを感じさせます。 【黄金フウチソウ 植物DATA】 ■ イネ科 宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 40~50cm前後 ■ 花 期 : 夏~秋 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : やや半日陰 セレクト10 最も黄色が鮮やかな品種! ギボウシ‘ファイヤーアイランド’ 今まで300種類を超えるギボウシを栽培してきましたが、その中でも本種‘ファイヤーアイランド’が最も明るい黄色の葉をしています。輝くような春の芽吹きから始まり、赤い軸、ラベンダーピンクの花も魅力です。やや生育は遅いのですが、着実に年々芽数を増やし、見事な大株に育ってくれます。ブルー系、グリーン系のギボウシと組み合わせると、また美しさが際立ちます。日射しが強すぎると葉焼けするので、やや半日陰に植えましょう。 【ギボウシ‘ファイヤーアイランド’ 植物DATA】 ■ ユリ科(キジカクシ科)宿根草(耐寒性多年草・落葉性) ■ 草 丈 : 40~50cm前後(花の高さを含む) ■ 花 期 : 夏 ■ 耐寒性 : 強い(-30℃前後まで) ■ 耐暑性 : 強い ■ 日 照 : やや半日陰 宿根草には多彩なバリエーションがあり、ガーデンに変化やプラスの効果をもたらしてくれる種類がまだまだあります。聞きなれない品種であっても、育ててみれば思いがけない喜びをくれるのが宿根草のグループです。ぜひ身近に育てて、ガーデニングライフを楽しんでください。
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が教える! 2018年度の人気ガーデン植物5選
ガーデニングファン必見! 人気の草花 花って可愛い!と思わず駆け寄りたくなる多種の宿根草が咲く花壇。 長野県上田市で宿根草と山野草を扱っている「おぎはら植物園」では、越年して毎年花を咲かせる「長生きする植物」の宿根草を中心に、幅広くガーデン植物を取り扱っています。全国のガーデニングを趣味にする人たちをはじめ、観光ガーデンや公共の庭などからも珍しい植物や目当ての植物を求めて、注文が入るという「おぎはら植物園」で、2018年に人気が急上昇したガーデン植物を5種ピックアップ。人気の理由と育て方、特徴を解説していただきます。 セレクト1可愛い花のフォルムが印象的!クラスペディア・グロボーサ 別名はドラムスティックとも呼ばれ、切り花やドライフラワーで有名な花です。以前は苗も出回っていましたが、近年はとても少なく、お探しの方も多かったようです。 このクラスペディアは、一般的に一年草といわれていますが、じつは年を越す多年草。一工夫すれば何年も育てることができます。 高温多湿に気をつけて育てよう ガーデンに織り交ぜて植えてみると、植栽にリズムが生まれて軽やかなイメージに。 基本的に寒さに強い花で、露地で越冬できますが、花後の夏に枯れてしまうことがあります。そのため、一年草扱いといわれるのですが、実際は暑さに弱いのではなく、暑い時の湿気=高温多湿が大の苦手。多湿に注意すれば、猛暑でも夏越しができるので、多年草として扱えます。高温多湿にしないように、水はけがよい場所を選んで植えたり、軽石などを混ぜて植え込むとよいでしょう。乾燥には強いので乾きやすい場所でも大丈夫。夏越しの工夫さえできれば栽培は意外と簡単です。 一年中常緑で、冬でも銀色の葉が楽しめますし、花はメインの初夏だけでなく、その後の夏、秋、冬近くまで咲くので、とても長く楽しめます。しかも、そのつど可愛らしい切り花が収穫できるのも魅力的。 最近はプロのガーデナーさんたちがよく使用しており、人気が出たようです。 【クラスペディア・グロボーサ 植物DATA】 ■ キク科 宿根草(耐寒性多年草)または耐寒性一年草■ 草 丈 : 60~90cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス8℃前後まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : 日向 セレクト2パーフェクトなゲラニウム!フウロソウ‘ロザンネ’ フウロソウは、欧米では「ゲラニウム」としてポピュラーで、花壇の定番として親しまれています。日本でも野山にさまざまなフウロソウが自生しており、その可憐な姿が美しく、人気があります。しかしながら、暑さを苦手とするこの花は、夏越しに難があるうえ、開花期間が短いため、高温多湿の日本(特に暖地)では「高嶺の花」的な扱いでした。 ところが、2000年代に登場したこの‘ロザンネ’は暑さ、寒さ、どちらにも強く、花期も最長6カ月という、今までのフウロソウの常識を覆すほど優秀な改良品種。海外では発表と同時に瞬く間に人気となり、多くの賞を獲得しました。日本でも徐々に浸透し、人気が高まっています。 品種改良で育てやすくなった優良種 広がりのある草姿に。伸びすぎたら短く切り戻すと、姿が整い、繰り返し咲く。 今までは高冷地での植栽が主だったフウロソウですが、この品種は暖地でも植栽が十分に可能です。もちろん、高冷地のほうが花期が長く、色が濃いという利点がありますが、猛暑地で、憧れのフウロソウを諦めていた人にもぜひお試しいただきたい優良種です。 2018年は特に人気があり、「植えてみたら丈夫でよく咲いた!」と、リピートが多かったお花です。『ゲラニウムの豊富な種類と庭で育てる魅力』 【フウロソウ‘ロザンネ’ 植物DATA】■ フウロソウ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 30~40cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : 日向~やや半日陰 セレクト3マリモみたいな可愛いナデシコ!テマリソウ 美女ナデシコという昔ながらのナデシコがありますが、本種はその改良品種で、ガクが大きく、花が咲かないユニークな見た目が特徴。 植栽用や寄せ植え、ハンギングなどに使うとおしゃれな雰囲気があり、ハイセンスです。四季咲き性があり、春から秋遅くまで花を楽しむことができ、植えつけ2年目になると草丈も高くなるので、切り花にしてアレンジメントなどに使ってもよいです。 苗で入手できるようになり人気沸騰 もともと切り花用の特許品種で、苗として流通することはありませんでしたが、数年前から苗の販売がスタートし、年々人気が高まっています。 「とにかくカワイイ!」と、特に女性を中心に人気がありました。 【テマリソウ 植物DATA】 ■ ナデシコ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 40~50cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス12℃前後まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : 日向 セレクト4爽やかな小花がずっと続く名脇役!カラミンサ カラミンサは20年以上扱っていますが、人気の落ちないベストセラーです。2018年の夏は猛暑だったこともあってか、この涼やかな花は、例年よりさらに人気がありました。 ちょうど暑くなってくる初夏頃に、白い小花が咲き始め、そのまま夏、秋と花が咲き続けます。クセのない爽やかな小花は、どんな花とも相性がよいので、名脇役として用途が広く、夏花壇にも大活躍。秋に気温が下がってくると花色が淡い紫色に変化し、それもまた美点です。カラミンサは、ミントの近縁なので、すっきりとしたよい香りもあります。 初心者にも育てやすい丈夫な性質 暑さ、寒さに強く、土質もあまり選ばないので育てやすく、初心者の方にもオススメです。ほとんど手入れは必要ありませんが、真夏の花が減った頃に一度、株の低い位置でばっさりと切り戻して、穏やかに効く肥料を与えておくと株が衰えず、次の花も姿よく咲きます。 【カラミンサ 植物DATA】■ シソ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 40~50cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 セレクト5ふんわりとした花姿が魅力的なアジサイ!ピンクアナベル アジサイの中でもこのアナベルの系統はふわっとした柔らかな花が特徴で、人気があります。アナベルの系統は、一般的なアジサイとは見た目だけでなく、性質も異なり、一般的なアジサイが旧枝咲き(前年の枝に花芽がついて越冬する)なのに対し、この系統は新枝咲き(春から伸びる新しい枝に花が咲く)のため、冬の間に積雪で枝が折れたり、寒さで花芽が傷む心配がありません。そのため、寒冷地や豪雪地などでも、毎年花がしっかりと咲くので、日本全国で庭植えができる丈夫な種類といえます。また、アジサイの中では比較的、乾燥した場所や痩せた土壌でも育ち、土質で色が変化してしまうこともありません。丈夫さ、扱いやすさにおいても優れたアジサイです。 白花のアナベルにピンク花が仲間入りして人気上昇 白のアナベルよりも花は小さめながら、花数が多い。 このアナベルの系統は、白花が国内ですっかり定着してきましたが、近年導入されたピンクも年々人気が上がっており、各地のガーデンや一般のお宅でも立派な株を見かけることが多くなってきました。庭の植栽に取り入れてみてはいかがでしょうか? 【ピンクアナベル 植物DATA】 ■ アジサイ科(ユキノシタ科)耐寒性低木(落葉性)■ 草 丈 : 0.8~1.2m前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~半日陰 2018年に人気だったガーデン植物セレクト5はいかがでしたか? まずは多くの人が育てている植物を植えることからガーデニングをスタートすることも一つの方法です。植物は、本当に種類が多くて、何を選んでいいか困ってしまうと聞きますが、何年もガーデニングを続けている人にとって、「まだ知らない植物に出合える」ことは喜びです。ぜひ、これから育ててみよう! と思えるお気に入りの植物との出合いがたくさんありますように。2019年もガーデニングを楽しみましょう!
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が教える! 年内に植えておきたい宿根草
年内に植えておけば、翌年のボリューム満点!春よりも秋~冬に植えておきたい宿根草! 一般的に、一年草は植えてすぐに次々と花が咲くものが多いのですが、宿根草の場合は少し勝手が違ってきます。一年草と違い、宿根草は地植えにして咲くまでに育てる時間を多くかけると、本来のよさを発揮します。また、咲いた状態で植えるより、咲く前に、なるべく早いタイミングで苗を植え付けて、しっかりと根が張った状態で花の季節を迎えるのがコツです。そうすることで、花つきがよく、株のボリューム感が出るうえ、暑さにも耐える丈夫な株づくりができます。その場所や環境に馴染んで咲く宿根草は、本来の姿ともいうべき美しさがあります。また、手間や時間をかけて咲かせた花の美しさは格別です。 特に植え時のオススメは秋です。可能な限り年内に植えて、庭で越冬させることで、強い根が張り、丈夫な株に成長するのです。 今回は宿根草と、耐寒性のある一・二年草の中から、特に秋~冬の年内に植えておくべき種類をご紹介します。 早めに植えておくと花数が断然多くなる!ジギタリス 「秋植えがよい」といわれる代表的な存在のジギタリス。愛好家の方はご存じかと思いますが、ジギタリスは冬に葉が減っても地中で根が育ちます。年内に植えておくと翌年の初夏(花期)までに十分根が張って大きな株になりますので、花の数も断然多くなります。極端にいえば、春に植えると一株に1~2本しか花が立ちませんが、秋に植えておけば5~6本花が立つほど差が出ます。 ジギタリスは背が高く、柱のように花を咲かせて、花壇の後方などで美しい背景になります。この花が咲いているだけで本格的なイングリッシュガーデンに見えるところが不思議です。来年に備えて今のうちから植えておきましょう。 ジギタリス 人気の花色バリエーション ‘サットンズ・アプリコット’パステルカラーの明るい印象の花。古い品種ながら人気の衰えない良花。 ‘スノーシンブル’ホワイトガーデンはもちろん、どんな花とも合わせやすい、爽やかな印象。 ‘カメロット・ラベンダー’カメロットシリーズは、ほかにも赤や白、黄色があります。このシリーズは生育スピードが速く、春に植えてもすぐに開花しますが、年内に植えておくと、さらにボリューム満点の花姿に。 ジギタリス 番外編個性的なジギタリスはいかが? 近年は個性的で珍しいタイプのジギタリスが欧米を中心に人気です。お庭のイメージに合わせて選んだり、ユニークな雰囲気なので、アクセント的に取り入れてみても面白いですよ。 ‘モンストローサ’別名は「モンスタージギタリス」。一番上の花が大きく、くす玉のようにパッと開いて面白いジギタリスです。 ‘パムズ・スプリットリップ’スプリットとは「裂けている」という意味ですが、その名の通り花弁が裂けたような形をしています。その花が連なる様子はマツカサのようでユニーク。 ‘レッドスキン’とても小さな花が並んで咲く、可愛いジギタリス。場所をとらないのでスモールガーデンにもオススメ。 【ジギタリス DATA】■ オオバコ科 宿根草(耐寒性多年草)または二年草■ 主な花期:晩春~初夏■ 草 丈 : 60cm~1m前後(品種によりさまざま)■ 耐寒性:強い(-20℃くらいまで)■ 耐暑性:普通(暖地では夏までの一・二年草扱い)■ 日 照:日向 大型ポピーは年内の植え込みが必須!オリエンタルポピー(オニゲシ) オリエンタルポピーは和名オニゲシと呼ばれる大きな花のポピーです。花径15cmほどにもなる大輪の花が無数に咲き誇る様子は見事で、まさにケシの女王。ヨーロッパを中心に人気があり、有名ガーデンでも使用頻度がとても高い花です。一般的なアイスランドポピーやヒナゲシに比べて、花や姿もずいぶん大きいのですが、その分、咲くまでに準備期間が必要です。なるべく年内には苗を植え、露地で越冬させて根を十分張らせ、株を大きく育てておきましょう。春に植えても花は楽しめますが、早く植えるほど花の数は多く、見応えのある株になります。 ‘ロイヤルウエディング’名前の通り、上品な白花。花は大きいが派手さはなく、さまざまなガーデンに使いやすい。 ‘カルネウム’明るいパステルカラーの大きな花が春の花壇によく映える。こちらもポピーの割には派手すぎないので、使いやすく人気です。 【オリエンタルポピー DATA】■ ケシ科 宿根草(耐寒性多年草)または二年草■ 主な花期:晩春~初夏■ 草 丈:60cm~1m前後(品種によりさまざま)■ 耐寒性:強い(-20℃くらいまで)■ 耐暑性:普通(暖地では夏までの一・二年草扱い)■ 日 照:日向 庭で越冬させると見事に咲く!デルフィニウム デルフィニウムは、その美しい花色で愛好家の多い花です。ハッとするような鮮やかな花色は、一度見ればぜひ育ててみたくなる花の一つです。 花が咲いた状態で流通する小型のベラドンナ系、シネンセ系は一年草扱いとして気軽に楽しめる種類ですが、1mを超えるような大型のエラータム系は、咲くまでに時間がかかること、十分な寒さにあてないとよい花が咲かないことから、秋冬には植え込み、翌年の花期に向けて、事前に準備しておく必要があります。 このエラータム系は、美しい花を柱のように高く咲かせ、非常に見応えがあり、海外での人気は絶大です。本格派ガーデンを目指して、この大型デルフィニウムに挑戦してみてはいかがでしょうか? ‘ダスキーメイデン’アンティーク調のくすんだピンク。耐暑性も備える丈夫な「ニューミレニアム・シリーズ」。 ‘コバルト・ドリームス’鮮やかなブルーに白いワンポイント。耐暑性も備える丈夫な「ニューミレニアム・シリーズ」。 ‘グリーンツイスター’少しグリーンがかった爽やかなホワイト。耐暑性も備える丈夫な「ニューミレニアム・シリーズ」。 ‘モーニングライト’外側と内側の花色が違うバイカラー咲き。耐暑性も備える丈夫な「ニューミレニアム・シリーズ」。 【デルフィニウム DATA】 ■ キンポウゲ科 宿根草(耐寒性多年草)または二年草■ 主な花期:晩春~初夏■ 草 丈:1~1.5m前後(品種によりさまざま)■ 耐寒性:強い(-30℃くらいまで)■ 耐暑性:やや弱い(暖地では夏までの一・二年草扱い)■ 日 照:日向~やや半日陰 可憐な姿、美しい花色が魅力的!アグロステンマ ムギセンノウ、ムギナデシコとも呼ばれ、背が高くスッと伸びてゆらゆらと風に揺れる様子が、とても美しい花。極寒冷地を除いて越冬できるため、年内に植えておけば翌年にたくさんの花を咲かせて、まるで花束のようなボリュームのある姿を楽しむことができます。 春に植えても、たくさんの花が咲きますが、年内に植えて露地で越冬させることにより、倒れにくい株になります。また、花数が多くなって花期も長くなるなどのメリットがあるので、春よりも年内の植え込みをオススメします。 基本的には夏頃までの一年草ですが、適地では種子が自然に飛んで増え、毎年あちこちから咲きます。湿り気のある半日陰では生育が悪いので、少し乾き気味の日向が適しています。 ‘パープル・クイーン’ ‘桜貝’ ‘オーシャン・パール’ 【アグロステンマ DATA】 ■ ナデシコ科 耐寒性一年草または二年草■ 主な花期:晩春~初夏■ 草 丈:80cm~1m前後■ 耐寒性:強い(-12℃くらいまで)■ 耐暑性:弱い(夏までの一・二年草扱い)■ 日 照:日向 宿根草ガーデンの名脇役!オルラヤ・グランディフローラ まるでレースのような白い花が、花壇の隙間を埋めてくれたり、他の草花と合わせればまるで花束のような演出ができます。バラの下草としても定番で、ローズガーデンには欠かせない存在です。このオルラヤも年内の植え込みがオススメ。生育が早いので春に植えても十分に楽しめますが、庭で越冬させることでボリュームが格段にアップして、数えきれないほどの花が咲きます。オルラヤ初挑戦なら年内の植え込みが特にオススメ。少しの株数でもたくさんの花を見ることができます。 基本的に夏頃までの一年草扱いですが、自然にタネが飛んで増えていきますので、宿根草のように毎年楽しむことができます。 別名「ホワイトレース」の名前通り、美しい花形が特徴です。 ローズガーデンによく似合う花です。 オルラヤ・グランディフローラとアグロステンマ。どちらも自然に増えていきますので、混植もオススメの使い方です。 最初ポットに植わって流通している小さな宿根草の苗は、植え付けて育てることでグングン大きくなる種類もあります。特にここでご紹介の品種は、年内の植えどきを逃さなければ、来年、素敵な花咲くコーナーの主役になってくれますよ。これまで宿根草を育てたことがある人も、初めて宿根草栽培に挑戦する人もぜひ、ご紹介したコツを試して、来年も素敵な花と緑のある暮らしを実現させてください。
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樹木
宿根草ショップの店長が教える! 秋の紅葉が楽しめる人気のある「樹木」編
庭で美しい紅葉が楽しめる!ガーデン向けの樹木ベスト5 樹木のメギ‘オーレア’の秋の紅葉。 秋が深まるにつれて気温が日に日に下がり、木々の紅葉がどんどん進みますね。この時期、紅葉が美しい名所に出掛けるのもいいですが、もし、お庭に紅葉のきれいな植物があれば、自宅に居ながら秋を感じることもできますよ。もちろん、野山のように一面の紅葉とはいきませんが、日々の暮らしの中で、自宅の庭に小さな秋を見つけることができれば、季節の移り変わりを身近に感じて、癒されることでしょう。 寒さ、暑さに強く、日本で育てやすい紅葉樹が庭に植わっていれば、春の芽吹きから始まり、開花、夏の緑、秋の紅葉など、四季折々、季節の変化を楽しめます。今回は、幅広いガーデンプランツの中から、放任しても育てられる丈夫な植物でありながら、紅葉が特に美しい樹木を5つご紹介します。 美しい葉が、秋になるとさらに輝く!メギ 冬の落葉期を除いて、きれいなカラーリーフが茂る低木です。寒さ、暑さに強く丈夫なうえ、いつでも刈り込みができて好みの樹形に整えることも可能です。大きさもコントロールできる扱いやすい低木なので、花壇の後方や草花の合間に取り入れることで庭がグッと引き締まります。秋になると銅葉のタイプは真っ赤に、黄金葉のタイプはオレンジに紅葉して季節の変化を知らせてくれます。 メギ‘ローズ・グロー’(銅葉タイプ)の秋の紅葉 メギ‘オーレア’(黄金葉タイプ)の秋の紅葉 【メギの植物DATA】■ メギ科 耐寒性低木(落葉樹)■ 樹 高 : 30cm~1m前後(剪定により自在)■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 周年常緑で、真冬でも紅葉が楽しめる!アキシラリス(西洋イワナンテン) 厚く丈夫な葉をもつ低木で、冬も含め一年中常緑で緑が絶えません。秋になると赤く紅葉し、冬になるとさらに濃く色が出て美しいです。 常に緑が欲しい場所に、目隠し用としての生け垣にも有効です。剪定が自在で樹形もコントロールしやすく、寒さ、暑さに強いので日本中で植栽できます。 斑入り種、小型種などバラエティーが豊富で、葉の形も品種によりいろいろです。 アキシラリス(西洋イワナンテン)‘レインボー’の秋の紅葉 アキシラリス(西洋イワナンテン)‘トリカラー’の秋の紅葉 アキシラリス(西洋イワナンテン)‘カーリー・レッド’の秋の紅葉 【アキシラリス(西洋イワナンテン) 植物DATA】■ ツツジ科 耐寒性低木(常緑樹)■ 樹 高 : 60~80cm前後(剪定により自在)■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 葉、穂、紅葉と四季折々楽しめる!スモークツリー‘ゴールデン・スピリット’ ふわっと綿のように弾けるタネが、まるで煙のように見えるため、別名「ケムリの木」としても有名な人気のガーデンツリーです。スモークツリーには、緑の葉や銅色の葉をもつ種類が多いのですが、本種‘ゴールデン・スピリット’は明るいレモン色の葉が珍しい品種。 春の芽吹きから鮮やかな黄金色で、夏には煙のような穂が出て、秋にはオレンジから赤へ紅葉する、四季折々に楽しみの多い庭木です。スモークツリーは寒さ、暑さに強く丈夫で、日本全国で植栽できます。 スモークツリー‘ゴールデン・スピリット’秋の紅葉 スモークツリー‘ゴールデン・スピリット’ 徐々に色が変化する紅葉の様子は、とても美しい。 【スモークツリー‘ゴールデン・スピリット’ 植物DATA】■ ウルシ科 耐寒性低木(落葉樹)■ 樹 高 : 1~3m前後(剪定により自在)■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 最近人気上昇中! おしゃれなカラーリーフ・ツリーロフォミルタス カラーリーフ・ツリー、ロフォミルタス‘マジック・ドラゴン’。 まだ流通が少ないので、聞き慣れない名前かもしれませんが、近年、人気が出ているカラーリーフ・ツリーです。細やかな枝に小さな葉をたくさんつけて可愛らしいイメージの低木で、刈り込めば樹形も自在です。庭で小さく茂らせても、寄せ植えやお気に入りのテラコッタに植えても素敵に映えます。 周年常緑で葉色が楽しめますが、特に秋冬は色が濃く、カラフルに紅葉して美しいです。中でも斑入りの‘マジック・ドラゴン’(写真上)やチョコレート色の葉をもつ‘キャサリン’(写真下)が人気です。ニュージーランド原産なので、ある程度の寒さには耐えますが、寒冷地では鉢植えにして冬は温室など室内に取り込んであげましょう。 カラーリーフツリー、ロフォミルタス‘キャサリン’。 【ロフォミルタス 植物DATA】■ フトモモ科 半耐寒性低木(常緑樹)■ 樹 高 : 30cm~1.5m前後(剪定により自在)■ 耐寒性 : 普通(マイナス8℃前後まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : 日向 世界三大紅葉樹の一つ! シンボルツリーにもオススメアメリカハナノキ(ベニカエデ) 北米に自生する樹木で、その紅葉の美しさから世界三大紅葉樹の一つに数えられています。現地では30mの高さに及ぶこともありますが、日本国内ではそこまで大きくなりません。剪定により高さをコントロールすることもできるので、シンボルツリーとして庭木にも利用できます。 目が覚めるような鮮やかな紅葉になりますが、それほど低温を必要としないため、秋冬が温暖な地域でも紅葉が楽しめる点も優秀です。 【アメリカハナノキ 植物DATA】■ カエデ科 耐寒性高木(落葉樹)■ 樹 高 : 5m~10m前後(剪定により自在)■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 厳しい暑さを越え、秋の訪れを実感できるのが樹木や植物の紅葉ですよね。紅葉は、行楽地に限った出来事ではなく、家の敷地内に紅葉樹を植えることで、秋に必ず葉が色づく楽しみを身近に感じることができます。ここでは、住宅街の庭に植えても樹高をコントロールできる、家庭での栽培に向いた種類をご紹介しました。ぜひ、シンボルツリーやガーデンの引き締め役としても、紅葉樹を選んで、育ててみてください。
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が教える! 秋の紅葉が楽しめるガーデンプランツ「草花」編
庭で美しい紅葉が楽しめる!ガーデン向けの草花ベスト5 欧米でも人気が高いパニカム‘ロストラーブッシュ’。 秋になると気温が日に日に下がり、少しずつ木々の紅葉が進みます。紅葉が美しい名所に出掛けたくなりますが、もし、庭に紅葉のきれいな植物があれば、自宅に居ながら秋を感じることもできますよ。もちろん、野山の紅葉のように壮大にはなりませんが、日々の生活の中で、庭に小さな秋を見つけることができると、季節の移り変わりを身近に感じて、とても癒されます。 庭に、寒さや暑さに強い宿根草が育っていれば、春の芽吹きや花の彩り、夏の緑、秋の紅葉など四季折々に楽しむことができます。今回は、そんなガーデンプランツの中から、放任しても育てられる丈夫な植物でありながら、紅葉が特に美しい宿根草を5つご紹介します。 初夏の花も、秋の紅葉も楽しめる! 丈夫な多年草チョウジソウ 5〜6月に花を咲かせるチョウジソウ。 チョウジソウ(丁字草)は、花を横から見ると「丁」の字に見えることに由来する名前で、古くから親しまれてきた日本原産の草花です。星形の花が可愛らしく、欧米では「ブルー・スター」の名前でも人気があります。花の美しさや、丈夫な点はもちろん、紅葉の美しさがクローズアップされることも多い多年草です。日本原産種の他、北米にも多くの種類があり、どの種類も美しい紅葉が楽しめます。 チョウジソウ(日本丁字草) 秋の紅葉 糸葉チョウジソウ 糸葉チョウジソウ 秋の紅葉 【DATA】■ キョウチクトウ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 30~90cm前後(種類によりさまざま)■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 黒っぽい紅葉がシックな秋を演出!ナデシコ‘モンク・シルバーブラック’ 美女ナデシコの名前があるダイアンサス・バルバタスの新しい品種で、深い緑色の葉は気温が下がると黒く染まって、渋みのある美しさとなります。葉だけでなく、花も黒っぽい赤なので、庭のアクセントにもおしゃれです。 ナデシコ‘モンク・シルバーブラック’ 秋の紅葉 【DATA】■ ナデシコ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 30cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス15℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 秋にそよぐ穂と赤い紅葉が美しい!パニカム‘ロストラーブッシュ’ パニカムは、穀物の「キビ」の種類で、ガーデンの雰囲気をナチュラルにする花材として、欧米での人気が高い植物です。その中でも‘ロストラーブッシュ’は秋の赤い紅葉が美しい品種。紅葉と同時期に細かい穂もたくさんつき、ふんわりとしたエアリーな感じと赤く染まった葉が、秋にぴったりです。性質も極めて丈夫で一度植えれば放任しても毎年出てきて楽しませてくれます。たくさんの穂が上がるので、切り花にも利用でき、秋の生け花にも活躍します。 【DATA】■ イネ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 1m前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス30℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 暑さ、寒さにも強くて庭植えできる多肉植物!ミセバヤ まるで丸葉ユーカリのようなシルバーの葉が端正に並ぶ、美しい多年草です。古くから親しまれる日本の多肉植物で、セダムの仲間です。 ミセバヤは寒さに強く、寒冷地でも戸外で越冬できます。そのため、乾燥した場所や石垣など、他の植物が育ちにくい場所にも利用できて用途が広いのが特徴です。夏の後半から秋にはピンク色の手毬状の花を咲かせて、寒さに当たると葉が紅葉して一層美しく、魅力的です。 日高ミセバヤ 秋の紅葉 越中ミセバヤ 秋の紅葉 【DATA】■ ベンケイソウ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 20cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 シックな色の葉と花が、秋の庭によく似合う!ビオラ・ラブラドリカ 秋から翌年の初夏まで花が咲くビオラ・ラブラドリカ。 黒紫色の葉が美しいスミレの原種です。葉の色は周年濃いのですが、秋が深まると、さらに黒く紅葉して何ともシックな美しさがあります。紅葉とともに青紫色の小花も咲き始めて楽しませてくれます。花は秋から翌年の初夏頃まで咲き、花期が長い点も魅力です。小形のビオラなので、花壇の前方や小さいスペースのグラウンドカバーや寄せ植えでも楽しめます。 【DATA】■ スミレ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 10cm前後■ 耐寒性 : 強い(マイナス20℃前後まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 多種のバリエーションがある宿根草の中にも、花が咲くうえ、葉が寒さとともに色づく種類を選べば、秋ならではの風情を自宅の庭に演出することができます。ご紹介した宿根草は、一度植えたら翌年に再び芽吹き、少しずつ大きくなったり、増えたりするので、長い期間育てていける植物です。ぜひ、庭のアクセントに取り入れてください。
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宿根草・多年草
秋植え球根植物と一緒に植えたい宿根草8種
宿根草の植え込みは、春より秋がおすすめ!球根と一緒に宿根草を植えよう! 花を植える季節といえば、春を思い浮かべる方も多いと思いますが、宿根草はじつは秋に植え付けるのが最適です。庭植えで越冬できる宿根草は、庭で冬越しさせることで場所に馴染み、根がしっかりと張ります。そうすると、翌年に開花するボリューム感が断然アップし、見事に咲くのです。また、寒さはもちろん、暑さにも耐性がつくので、苦手とする夏越しも春植えに比べて成功しやすくなります。 秋は球根を植え付ける時期です。球根植物は庭で寒さに当たることが開花の条件でもありますが、宿根草も同様です。庭での寒さを経験することで、翌年、より多くの花を咲かせることができます。是非、球根植物と宿根草を一緒に植えてみてください。 球根と一緒に植えられる宿根草の中で、同じ時期に咲いて競演が楽しめたり、花後の球根の枯れゆく葉を隠してくれたり、一緒に植えるとメリットがある宿根草を中心にご紹介しましょう。 花の競演が楽しめる!秋植えの球根植物と同時期に咲く宿根草 冬が終わり、春が始まる頃には、チューリップやスイセンなど、球根の花がたくさん咲き始めます。一般的にはパンジーやビオラ、シバザクラなどが球根の花と一緒に楽しめるのですが、もっと他の種類も咲かせたい! という花愛好家さんからのご要望も多く寄せられています。この早い時期から咲く宿根草は、数は限られていますが、ぜひ活用してほしい種類をピックアップしてご紹介します。これらの宿根草を、秋に球根と同時期に植えておくことで、早春の庭がよりバラエティー豊かに楽しめますよ。 秋植え球根とのコンビが人気!クリスマスローズ 春のスイセンやチューリップとの組み合わせは、ガーデニングの本場ヨーロッパでは定番です。花が咲く時期が近いため、同時に咲かせて楽しんだり、花後に葉が大きくなり、枯れてくる球根植物の葉を目隠ししてくれる効果もあります。クリスマスローズは、植えっぱなしで株が増えて管理がしやすく、丈夫で育てやすい宿根草としても人気です。 クリスマスローズニゲル クリスマスローズオリエンタリス・ハイブリッド クリスマスローズニューハイブリッド(アイスブレーカーマキシー) 可憐な小花が球根花の足元を飾る!早咲きフロックス シバザクラに代表される早咲きのフロックスは多くの品種があり、球根植物とともに咲かせることができる宿根草です。スイセンやチューリップと植えると、まるでライトアップしたように足元を明るくしてくれます。 フロックスストロニフェラ(ツルハナシノブ) フロックス‘ムーディ・ブルー’ 黄色のスイセンとの組み合わせに最適這性ベロニカ ベロニカといえば、初夏に咲く長い穂の花が一般的ですが、カーペット状に広がるタイプもあります。この種類はベロニカの中でも早咲きの「オオイヌノフグリ」の仲間で、早春から紫や青い花を咲かせて、球根の花とともに楽しめます。 這性ベロニカ‘ウォーターペリーブルー’ 這性ベロニカ‘オックスフォードブルー’ 春の球根と相性抜群!プリムラ 雪解けとともに春を告げるプリムラの中でも、ブルガリスやベリスといった代表的な早咲き品種は秋植え球根と同時期に咲きます。色の異なる種類を組み合わせて、コントラストを楽しんでみてはいかがでしょうか。 プリムラブルガリス(プリムローズ) プリムラベリス(カウスリップ) プリムラダブルプリムローズ(ブルガリス系) 花壇の手前に咲かせよう!春に咲く原種シクラメン・コウム シクラメンといえば冬の花のイメージがありますが、原種のシクラメン・コウムは早春に咲き、極寒冷地を除いて庭で越冬できる、ガーデン向きの種類です。球根の花と一緒に咲かせることができますが、姿が小さいので球根植物で隠れないように、花壇の手前や球根から少し離して植えるのがコツ。また、小型のシラーやチオノドクサ、スノードロップなどの小球根と合わせて咲かせても可憐でよいものです。 花後の球根の目隠しに!だんだんと葉が大きく茂る宿根草たち 球根の花がたくさん咲いた後、スイセンやチューリップの葉は休眠に向けて徐々に枯れていきます。あまり見た目がよくないので、切ってしまいたいところですが、実はこの時期、まだ生育を続けており、球根を大きく太らせていますから、葉はなるべく残しておかなくてはいけません。このときに宿根草の葉が大きく茂ってくると、枯れた球根の葉を隠してくれるので、景観をきれいに保てます。秋に球根の近くに、一緒に植えてみてはいかがでしょうか? 大きく茂るリーフが魅力!ギボウシ(ホスタ) 古くから日本に自生するギボウシは耐寒性、耐暑性に優れ、一度植えれば毎年楽しめます。落葉性で、球根の花が満開の頃から芽が出始めて、球根の葉が枯れる頃に大きく茂ってきます。植えつけるオススメの場所は落葉樹の下。早春は日向で球根がよく咲き、夏には木陰になるのでギボウシの葉がきれいに保てます。ユリやフリージア、アリウムなどが咲くころも、背景や株元に瑞々しい緑が茂って彩りになります。 球根の花とギボウシの芽吹きの頃。 花も葉も楽しめる!ブルネラ・マクロフィラ ブルネラ・マクロフィラ‘ルッキング・グラス’。 春に咲くブルネラは、球根の花が終わる頃から入れ替わりで開花して、その後に葉が大きく茂ります。そこまで背が高くならないので、あまり大きな葉は目隠しできませんが、小型の球根植物などと一緒に植えておくとよいでしょう。 ブルネラ・マクロフィラ‘ジャックフロスト’ ブルネラ・マクロフィラ‘ダイアンズ ゴールド’ シックな葉色がおしゃれ!リグラリア・デンタータ 日本にも自生するマルバタケブキというフキの園芸種です。大きな丸い葉がシックでおしゃれな印象のガーデンプランツです。落葉性で早春は球根の邪魔をせず、春の後半から葉が大きく茂り目隠しになります。 リグラリア・デンタータ‘ブリットマリー クロウフォード’ リグラリア・デンタータ‘ガーデン コンフェッティ’ 秋は来年の春以降の庭をつくるための大切なガーデニングシーズンです。どんな景色になるだろう? と想像を膨らませて、植え込みをぜひ楽しんでください。ここでご紹介したように、球根の花が咲き終わる頃、宿根草の葉が展開し、徐々に育っていく様子を実際目の前で見続けたら、きっとガーデニングの楽しさの秘密を理解できるはず。宿根草を植えて、暮らしに季節を感じるコーナーをつくってみませんか?
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宿根草・多年草
宿根草ショップの店長が教える! 秋を知らせるオススメの宿根草
庭に植えると毎年、季節感が楽しめる!秋の宿根草 人にも植物にも、暑く厳しい夏が過ぎ、日に日に気候がおだやかになってくる頃。庭でガーデニングをしたり、花を見て癒されたい気持ちになりませんか? そんな頃に咲く秋の宿根草は、季節感があって目にもいっそう美しく映ります。 宿根草は春から初夏にピークを迎える種類が多いので、秋に花盛りとなる種類は少ないのですが、そんな中でも丈夫で手間がかからず、植えっぱなしで毎年秋に咲いてくれるオススメの宿根草がありますので、ご紹介します。 年々ふえる! 丈夫な多年草ユーパトリウム(フジバカマ)の仲間 フジバカマといえば、秋の七草にも数えられる代表的な秋の花です。日本に自生するフジバカマの他にも、北米産のセレスチナムやルゴサムなどをもとにした多くの園芸品種があります。どの種類も丈夫で、一度植えれば広がるようにふえて、夏の後半から秋に、たくさんの花を咲かせて、楽しませてくれます。 ‘ピンク・フロスト’ 日本のフジバカマの雑種であるサワフジバカマの斑入り種。葉にクリーム色の斑が広く入り、秋にはピンクを帯びます。花だけでなくカラフルな葉も楽しめる品種です。 ‘アイボリータワー’ 北米産のフジバカマの品種です。2mにもなる大型種で、大きな白い花穂が見事です。 セレスチナム 北米産の原種。国内では「青花フジバカマ」の名前でも流通します。草丈が低めで広がるように生育し、一面に花が咲くので、グラウンドカバーにも利用されます。白花の‘アルバ’も人気があります。※最新の分類で、ユーパトリウムではなくAgeratina(アゲラティナ)に細分化されました。 ‘チョコラータ’ 北米産のルゴサムの選抜種。チョコレート色の葉が楽しめ、秋になると白い花を一面に咲かせて、葉と花のシックな組み合わせが素敵です。※最新の分類で、ユーパトリウムではなくAgeratina(アゲラティナ)に細分化されました。 ‘グリーンフェザー’ アメリカ産のカピリフォリウムの選抜種。細かい葉がふわふわと茂り、秋になるとホウキ状に花茎が伸びます。花は目立ちませんが草姿が面白いので、特にガーデニング上級者に人気があります。 ユーパトリウム 生育の様子 日当たり、水はけのよい場所を好みます。暑さ、寒さに強い宿根草で、植えっぱなしで手間がかかりません。一度植えると年々株が広がって、花の数も多くなります。花が咲き終わったら、花茎を下から切り戻して姿を整えます。冬は落葉して越冬し、春になると再び芽を出します。 【DATA】■ キク科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 50㎝~2m前後(品種により異なる)■ 耐寒性 : 強い■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 秋のガーデンに彩りを与えるサルビア、セージの仲間 サルビア(英名:セージ)は世界に900種類以上が分布するといわれており、料理に使うセージや、よく花壇で見かける赤いサルビア(スプレンデンス)も同じ仲間です。サルビアは一年草のイメージがありますが、実は多年生のタイプが主で、毎年楽しめる種類も多くあります。特に秋に咲く種類は、花材の少ない秋のガーデンでは利用価値が大きいと思います。背が高くなり、たくさんの花を咲かせる様子は、一見派手ですが、意外に秋の風景に溶け込んで美しいものです。 サルビア・アズレア(ブルー・セージ) 目を引くあざやかなスカイブルーのサルビア。春から伸び続け、秋に咲くタイプなので、春から夏に数回刈り込んでおくと、秋の花時に倒れずに姿よく咲かせることができます。 メキシカンセージ‘フェアリーピンク’(サルビア・レウカンサ) ビロードのような萼(がく)が美しい、秋の代表的なサルビアです。一般的には紫色の種類が有名ですが、最近流通するようになったピンク色も可愛らしく人気が出ています。 ローズリーフセージ(サルビア・インボルクラタ) 玉のようなつぼみが面白いサルビア。1.5mほどになる大型種で、鮮やかな花色が美しいので、たくさん咲かせると見事です。 パイナップルセージ‘ゴールデンデリシャス’(サルビア・エレガンス) パイナップルセージは1.5~2m近くまで高く伸びて、秋に真っ赤な花が一斉に咲く、見応えのあるサルビアです。この‘ゴールデンデリシャス’(写真)は葉の色が黄色でカラーリーフとしても楽しめるうえ、秋の花とのコントラストは眩しいほどに鮮やか。普通種より小型です。 コバルトセージ(サルビア・レプタンス) 秋にコバルトブルーの小花をたくさん咲かせるサルビア。放任では80㎝ほどの高さになりますが、春夏に切り戻しておけば40㎝前後のコンパクトな高さで咲かせることができます。茎が細く、風に揺れて繊細なイメージのある種類です。 サルビア‘イエローマジェスティ’(サルビア・マドレンシス) サルビアの中でも特に大型で、開花時には高さが2mを超えることもあります。黄色の花をたくさん咲かせる様子は実に見事で、存在感が抜群です。ガーデンの後方に背景のように使うのが、上級テクニックです。 サルビア、セージ 生育の様子 秋に咲く種類は、春〜夏にぐんぐん伸びます。この頃に1~2回ほど短く切り戻しをして高さを抑えておくことで、秋に倒れたり、姿が乱れることを防ぎ、花つきもよくなります。種類によっては秋の直前に切ると咲かなかったり、花が遅れることがあるので、なるべく夏までには切っておきましょう。秋咲きタイプは暑さにとても強く丈夫です。 【DATA】■ シソ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 80㎝~2m前後(品種により異なる)■ 耐寒性 : 約-5~-30℃まで(品種により異なる)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 風に揺れる姿に秋を感じるシュウメイギク(秋明菊、アネモネ)の仲間 細い花茎をすっと伸ばし、風にゆったりとなびく様子は、秋の情緒を感じさせてくれます。中国から渡ってきたといわれており、江戸時代には、すでに広く親しまれていた、日本で長く愛栽されてきた花です。 名前に「菊」とありますが、菊の仲間ではなくアネモネの一種類です。菊のように秋に咲くことや、花の形がその名に由来していると思われます。日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカでもジャパニーズ・アネモネの名で人気が高く、品種改良が盛んで、たくさんの品種が作出されています。 ‘ハドスペン・アバンダンス’ 国内では「ハドスペン」の名で流通します。鮮やかなピンクの花色で、一輪の中で花弁の色の濃さ、形が違ってユニーク。草丈はコンパクトで、たくさんの花を咲かせます。 ‘プリティ・レディ・ダイアナ’ 国内では「ダイアナ」の名で流通します。小型で花つきがよく、草姿が整いやすい品種です。 ‘ワイルドスワン’ シュウメイギクとアネモネ・ルピコラの交配種で2010年頃から登場した新しいハイブリッド品種。今までのシュウメイギクと違い、秋だけでなく初夏から晩秋まで連続的に咲き続けます。花弁の裏側に青みを帯びる花色も、今までになく新鮮です。 ‘ドリーミングスワン’ ‘ワイルドスワン’をもとにした品種で、優れた特徴はそのままに、花弁が厚い半八重咲き。花もち、花つきがよく、丈夫な新品種です。 秋明菊 生育の様子 寒さ、暑さに強く、育てやすさが特に魅力の宿根草です。暖地でも寒冷地でも植えっぱなしで手間がかかりません。植え場所は、日当たりがよく、肥沃で水はけのよい場所が適しています。半日陰でも咲きますが、暗すぎたり湿気が多い場所では、花が少なく茎が倒れやすいので、なるべく日向に植えてください。冬はほとんどの葉が落ち、春になると再び新しい葉が芽吹きます。 【DATA】■ キンポウゲ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 60㎝~1m前後(種類により異なる)■ 耐寒性 : 強い(約-30℃まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向 和の趣が美しく、海外でも人気!ホトトギス ホトトギスは日本の野草で、主に太平洋側に自生しています。夏の終わりごろから秋に、特有の変わった形の花を咲かせて、風情のある姿を楽しませてくれます。古くから園芸用に親しまれており、原種のほか、台湾ホトトギスとの交配種も多く、さまざまな品種があります。海外でもトード・リリーの名前で人気があり、品種も多く作出されています。 ‘青竜’ ‘白楽天’ キバナノホトトギス ‘インペリアル・バナー’ ホトトギス 生育の様子 自生地は、やや日陰で湿った場所なので、庭植えの場合も明るい日陰で風通しがよく、強く乾燥しない場所を選びます。どちらかといえば、小型の園芸品種よりも大きく育つ原種系のホトトギスのほうが丈夫で、庭植えに向きます。 鉢植えの場合は、水はけがよい用土を使い、こまめな水やりで乾燥を防いで、新鮮な水で根を清潔に保つとよいでしょう。水分を好む花ですが、水が溜まるような状態では根が腐りやすいので注意が必要です。 【DATA】■ ユリ科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 20~80㎝前後(品種により異なる)■ 耐寒性 : 強い(約-15℃まで)■ 耐暑性 : 普通■ 日 照 : やや半日陰 野趣に富んだ自然な美しさが魅力!ノコンギク(野紺菊) ノコンギクは日本各地に見られる野草で、小さな花が楚々と咲き、とても可憐です。一般に流通するものは、小型で細身の花姿が多く、大きくなりすぎないため、庭植えに適しています。落ち着いた秋の風情が楽しめますし、切り花にして一輪挿しなどに飾っても美しいものです。開花が遅い種類は、宿根草の庭で一番最後に咲き、季節ごとに多くの花々が競演した庭にシーズンの終わりを静かに告げてくれます。 ‘夕映え’ ‘桃山’ ‘清澄’ ノコンギク 生育の様子 基本的に日当たり、水はけのよい場所を好みます。日向で栽培したほうが花つきがよく、半日陰では花が少なくなります。猛暑地では夏の暑さを考え、西日が避けられる場所を選ぶとよいでしょう。性質は丈夫で、一度植えれば特に難しい手入れもなく、放任でも育つ花です。 【DATA】■ キク科 宿根草(耐寒性多年草)■ 草 丈 : 30~80㎝前後(種類により異なる)■ 耐寒性 : 強い(約-30℃まで)■ 耐暑性 : 強い■ 日 照 : 日向~やや半日陰 秋に定番の宿根草の中にも、改良により新しい仲間も増え、丈夫で育てやすい品種が少しずつ増えています。すでに秋咲く宿根草を植えていたら、新品種をプラスすると見慣れた景色が新鮮になりますよ。また、一度栽培に失敗した経験をお持ちなら、丈夫に改良された品種で栽培に再挑戦してみるのもいいタイミングです。宿根草は、少し早めに栽培をスタートしておくと、開花によって季節の移り変わりを知ることができます。宿根草を植えて、暮らしに季節の巡りを感じるコーナーをつくってみませんか?