ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
ウッドデッキを長持ちさせるメンテナンスは日差しが強くなる前に終わらせよう「花音の森」レポ Vol.12
日本一暑い街・熊谷市でエアコンに頼らず暮らしたい 埼玉県熊谷市にある私の活動拠点『花音の森』は、2022年1月に3年目を迎えました。もともとエアコンが苦手で、冷えすぎからくる夏バテや体のだるさが気になっていたこと、そして、地域の抱える暑さ問題に対して、自然の持っている力を最大限生かして、エアコンに頼らなくても快適に暮らせるようにしたい! 住み続けられる街づくりをしたい! と思い、つくった場所でもあります。 「熊谷って、日本一暑い所で有名だよね…大丈夫なの?」と心配されますが、そのための工夫はさまざま施してあります。以前の住まいでは、エアコンがないなんて考えられない…と私自身思っていましたが、木々を通して入ってくる風が冷たいことや、高い断熱性や気密性、湿度の調整効果のおかげで、今のところ問題なく、暮らせていますよ。 ウッドデッキは一年中快適にしたい 夏の暑さ対策として、窓に直接日光が当たるのを避けたかったため、南に面した窓の前にウッドデッキを作りました。「ウッドデッキはあるけど、あまり活用できない…」というお悩みをよく聞きますが、せっかくの空間ですから、一年中快適に過ごせるように、さまざまな工夫を施しています。 室内からの延長として、リビングが広がったようにも感じますし、自然を感じながらくつろぐことのできる空間になって、ごはんを食べたり、お茶をしたり、ハンモックで昼寝をしたり…と、一年を通して過ごす時間が多い場所になりました。 憧れの天然木ウッドデッキを作る時に。ソフトウッドとハードウッドのメリットデメリットは? そんな大切な空間・ウッドデッキですが、一般に、天然木のウッドデッキで使用される木材は、ハードウッドとソフトウッドの2種類があります。 ハードウッドは、ウリンやイベなど、丈夫で硬い木材です。ハードウッドの特徴は、耐用年数が長いこと。20年以上もつといわれていますが、材料を含めた施工費が高くなります。 一方、ソフトウッドは、杉やひのき、レッドシダーなどの柔らかい材木です。ハードウッドと比べると木材自体が柔らかいため、腐りやすく、メンテナンス必須で手間がかかります。ですが、施工費がリーズナブルというメリットも。どちらを選ぶかは、しっかり考えたいところですね。 我が家は、杉材のソフトウッド(無塗装)を選びました。ですが、一般的な杉材ではなく、製造過程で薬剤を使用せず、水と空気で材木の耐久性を高める加熱木材処理した、炭化木材を使用しています。一般的な杉材と比べると、耐久性に優れ、そして、人と環境に優しいエコ木材ともいわれています。 天然木ウッドデッキのメンテナンスのやり方 天然木のウッドデッキは、手入れをしないと、風雨や紫外線でどんどん傷んでしまいます。天然木(特にソフトウッド)を選んだ場合は、定期的なお手入れ・メンテナンスは必須です。私も、掃除はしているつもりですが、けっこう汚れが目立ってきたし、古くなった感じが…。というわけで、3年目にして初! 塗料を塗ってみることにしました。 こちらは施工前。ちょっと全体的に白っぽい感じです。 溝のお掃除 まずは、板と板の間のお掃除から。砂埃や落ち葉が溜まっていると、そこから腐食していきますので、割りばしなどで、丁寧に取り除きましょう。これは日頃こまめに行いたいお掃除でもありますね。 我が家の場合、デッキに覆いかぶさるように、コナラの木(落葉樹)があります。そこからどんぐりが落ちてくるのですが、これが溝によく挟まっています(笑)。 デッキブラシでお掃除 水を出しながら、デッキブラシでお掃除します。これが衝撃の汚れ! やってもやっても、きれいになった気がしないほどでした。柄のついたデッキブラシより、膝をついて擦ったほうがきれいになりそうと思いましたが、体が悲鳴を…。高圧洗浄機が便利そうなので、次回は購入することにします(笑)。 乾いた様子がこちら。全体に白っぽかったのが、木目が見える状態になってきました。 ペンキ塗り デッキが乾いたら、サッシや壁面の養生をして、ウッドデッキ保護のための塗料を塗ります。 使用したペンキは、水性のキシラデコールエクステリア(色はピニー)。ローラーと刷毛で塗っていきます。 板を1枚ずつ塗って、仕上げていきます。 塗料の色をそこまで目立たせたくなかったので、馴染みそうなカラーをセレクトしました。左側が塗装済み、右側が未塗装です。 全体を塗り終わった写真がこちら。最初の白っぽい状態と比べると、木目がよく見えます。2人で作業して、塗装にかかった時間は、2時間半~3時間程度でした。 使用した塗料の場合、防腐効果は3年ほどもつようですが、使用頻度や紫外線、雨水がどのくらい当たるかなど、環境によって変わると思います。 「メンテナンスが必要な天然木のウッドデッキって、正直面倒…」と感じるかもしれませんが、私は、メンテナンスの大変さを補って余りあるほど、自然を感じさせてくれる大切な空間です。自分で塗ってみたら、さらに愛着もわきました。経年変化を楽しみつつ、引き続き、ウッドデッキのある暮らしを楽しんでいきたいと思います。 <注意事項> メンテナンス方法は、使用木材・使用塗料によっても異なります。メーカーや施工店などに確認の上、自己責任で行ってください。
ハーブでおいしい一皿を! ハーブとランプ肉のトマト煮を作ろう
ハーブってどんな植物? ハーブを摂ることのメリットは? そもそもハーブとは、生活に役立つ香りのある植物を指す言葉。生活に役立てることが、ハーブを使う醍醐味です。 その昔、薬がなかった時代には、腹痛の時にはこの草を、傷の手当てにはこの草を、といったように自分たちに必要な草をどんどん見つけていった歴史があります。成分分析ができるようになった現代では、それぞれの植物がもつ有効成分も分かってきて、より私たちの暮らしを助ける根拠も示されるようになりました。 加えて、ハーブの摂取を続けることにより、本来生まれながらにして持っている自己治癒力を高めてくれる効果もあります。日々の料理やお茶にして摂取することは、心身の健康づくりにも繋がっていますよ。 ハーブをお肉料理に使おう! 気になる組み合わせは? そんなハーブをお料理に使ってみましょう。ただ、ハーブにはさまざまな種類がありますから、組み合わせは? 量は? といろいろ悩んでしまいがち。そこで、今回は肉料理におすすめのハーブについて、ご紹介していきます。 まず、ハーブを料理に使うメリットは、肉類の持つ独特の生臭さを消して、おいしくしてくれること! 香りのある植物なので、臭み消しに役立ちます。牛や羊など、においが気になる肉料理にはハーブを使ってみましょう。 一般に、肉料理に向くハーブは、ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、バジル、パセリ、ミント類です。ここで大事なことは、1種類より複数の種類を使ったほうが、まろやかになる点。複数混ぜると、香りが強くなりすぎるような気がしますが、逆です。各々の香りが丸くなり、より複雑になって、調和するんです。意外ですよね。 また、肉料理におすすめのハーブを記述しましたが、それでなければならない訳ではありません。自分好みのハーブを見つけることも、楽しみの一つととらえ、いろいろ試してみてください。 ハーブを料理に使うなら、買うのではなくて育てよう! お料理やお茶にハーブが使えることが分かったら、庭やプランターでハーブを育ててみましょう! 種類がたくさんありますから、自分の今ある環境や、ライフスタイルに合ったハーブがきっと見つかります。 自分で育てたハーブを家族と共に食べ、恩恵を受けること。これはガーデンセラピーという自然療法になります。土に触れ、植物を育てることでストレスが軽減されます。 また、土を運んだりしゃがんだり…と意外と体を使うことも、植物を育てている方は感じていらっしゃるかもしれません。軽く汗をかく運動は、心身の健康を維持する上でとても大切。 加えて、清々しいハーブの香りを感じたり、おいしいものが収穫できれば、一石二鳥以上の効果も期待できます。家族との会話や笑顔も増えますし、お子様の教育にも繋がりますね。 庭をめぐって、ハーブの調達をしよう さて、そんなハーブを使っておいしい一皿を作ってみましょう。まずは、庭をめぐって、お肉料理に向くハーブの調達から。今回は5種類のハーブを摘んできました。 冬はハーブが少なくなりますが、常緑のハーブたちが重宝しますね。フレッシュハーブは、わざわざ乾燥させる必要はありません。フレッシュを使う場合は、1回の量が多めに。今回のお料理では、手のひら1杯くらいが目安です。 また、ドライハーブを使うこともできます。ドライハーブの場合は、水分が抜けているため、小さじ1~2杯で十分です。 ハーブを飲食する場合、注意していただきたいことがあります。それは、花・種・葉などハーブにより食べられる部位が異なること。それぞれのハーブの特徴を調べてから使いましょう。 ハーブとランプ肉のトマト煮の作り方 いよいよ、ハーブとランプ肉のトマト煮を作っていきますね。 【材料】 ◯牛肉(ランプ) 200g 脂肪分が少なく、柔らかいのが特徴。牛の腰から背中にかけての部位です。 ◯オリーブオイル 大さじ1 ◯にんにく 1片 ◯玉ねぎ、しめじ、じゃがいもなど、お好みの野菜 適量 ◯トマトピューレ 200g ◯水 200ml ◯ハーブ フレッシュなら手のひら1杯/ドライなら小さじ1~2杯 ◯オレガノ、ローズマリー、ローレル、タイム、パセリから、2~3種類 ◯コンソメ(顆粒) 小さじ1 ◯塩・コショウ 適量 ◯タコ糸またはだし袋 【手順】 1. 牛肉に塩とコショウを振り、適当な大きさにカットします。 2. フレッシュハーブをまとめてタコ糸でくくるか、だし袋に入れます。 食べる時に茎や葉が残ると、口当たりがよくないので、フレッシュハーブを使用する場合は、タコ糸でくくるか、だし袋に入れておくと後で取り出しやすく便利です。ドライを使う場合は、7の工程時に、そのまま入れて大丈夫です。 3. 鍋にオリーブオイルを入れて熱し、すりおろしたにんにくを加えます。 4. 香りが立ってきたら、牛肉を入れて、両面焼きます。 5. 玉ねぎを加えて炒め、色が変わったら、じゃがいもとしめじを入れて、さらに炒めます。 6. トマトピューレと水、コンソメを加え、軽く混ぜたら、ハーブを投入します。 7. 弱火で20~30分煮込みます。じゃがいもに火が通ったら、味を見て、塩・コショウで整えて完成です。 ハーブがあると、いつもの一皿がちょっとスペシャルになるから不思議です! 毎日の献立に悩んだら、簡単にできるハーブ料理、ぜひお試しくださいね。
最強にリラックスできる入浴法を伝授!「エプソムソルト」×「アロマ」でお風呂を“浸かるサプリ化”
エプソムソルトとは? さて、今回の主役エプソムソルトとはなんでしょうか。 見た目は白色の結晶です。聞き慣れない名前ですが、イギリスのエプソムで発見された、海水3番目の成分で、見た目が塩に似ているためエプソムソルトという名がつけられました。 ですから、塩に似ていますが塩ではなく、硫酸マグネシウム(ミネラル)です。硫酸マグネシウムの持つ温熱効果により、体を芯から温め、打ち身などの痛みを和らげる効果が期待されています。 冬の乾燥肌にもマグネシウムが必要 そして、このマグネシウムは、肌にとっても必要不可欠! 冬って肌がかさかさして、お風呂上がりに特にかゆみが増す…という方はいらっしゃいませんか? 私は年々それがひどくなっていて、冬場は乾燥肌をより実感します。以前はバスソルトを愛用していたのですが、この乾燥肌が進むと、ヒリヒリするんですよね…。 そこで、エプソムソルト入浴を始めました。皮膚細胞の中のマグネシウムが低下してしまうと、皮膚細胞の代謝も低下、肌の表皮の一番上にある角層も薄くなり、バリア機能が低下するという悪循環に。エプソムソルト入浴をすることによって、肌からマグネシウムが吸収され、そうした悪循環が改善されると、英国バーミンガム大学のレポートで実証されています(参考サイトあり)。これがエプソムソルトは、別名・浸かるサプリともいわれる所以ですね。 また、個人的な感想として、毎日入浴することで、角質が柔らかくなってきた感覚もあり、この入浴法にすっかりハマッています。 一日の終わりにアロマセラピーを というわけで、私の一日の終わりの楽しみは、エプソムソルト入浴。さらに、植物100%の精油も欠かせません。 精油は「エッセンシャルオイル」ともいわれ、アロマテラピー(芳香療法)で使われる香りの素です。 植物(ハーブ)の花・果皮・果実・根・葉など、さまざまな部位から抽出された、香りを持った天然の揮発性物質で、アルコールや水などは一切添加されていない、純度100%のものを精油と呼びます。 精油の香り成分は、数十~数百種類の化学成分から構成され、植物それぞれが異なる成分構成で異なる特徴を持っているため、1つ1つの作用が異なるのも、面白いところ! 気持ちを落ち着かせ穏やかにする作用や、ホルモンバランスを整える作用、精神的な疲労を緩和する作用など、さまざまなちょっとした不調に対して、有用な手段として使えるのです。 そんな植物の持つ香りの成分を、上手に活用して、健康や暮らしに役立てようという自然療法の一つがアロマセラピーです。 その日のストレスや不調はその日のうちに! アロマセラピー入浴の方法 私が毎晩行っているエプソムソルト&アロマセラピー入浴法をご紹介します。必要なものは、エプソムソルトと精油です。エプソムソルトの適量は、ご使用の商品に従って用意してください。 ここに精油を3~5滴垂らせば、入浴剤の完成! よくかき混ぜて、湯舟に入れてくださいね。 こちらは、精油が入った木箱。 開けると… 36種類の精油が入っています。その日の体調や気分で、この中から精油をセレクトします。 作り置きをしておく方法もありますが、気分はその日その日で変わります。今日は何にしようかな~と選ぶ時間も、自分自身に向き合う大切な時間。例えば、昨日はラベンダーが好きだと思ったけど、今日は青い草っぽさを強く感じるなとか、いくつかの柑橘類を嗅ぎ比べてみると、甘く感じるものがその日によって違ったりします。そんな微妙な変化を感じながら、精油を選ぶのが私の至福の時です。 また、かさかさ乾燥が特に気になる時には、精油だけでなく植物油を大さじ1杯程度加えると、肌がさらにしっとりします。 精油や植物油は、水(湯)には溶けないため、そのまま湯舟に入れても、浮いてしまいます。これが、肌に触れると刺激になる場合もあります。精油はしっかりエプソムソルトに馴染ませてから、使用してくださいね。 エプソムソルト&アロマセラピー入浴、ぜひお試しください! <精油を使用する際の注意点> ・使用する精油によっては、肌への刺激が強いものがあります。また濃度が濃くなると、肌刺激にも繋がりますので、3滴程度から試してみてください。 ・違和感があった場合は、すぐ使用を中止しましょう。 ・自然の恵みが詰まった精油ですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。 ・精油は薬ではありません。健康状態が気になる方は医師にご相談ください。
ローズマリーが香るハーブワインで作ろう! 絶品アクアパッツァ
ローズマリーってどんなハーブ? もともと、ハーブとは、ラテン語の「herba(ヘルバ)」という、草を意味する言葉です。いつの間にか日常的に使われるようになった言葉ですが、ハーブとは、暮らしに役立つ香りのある植物の総称。趣味の1つとして育てるだけにとどまらず、それらを食べたり飲んだりすることによって、心身のバランスを整えてくれる作用だってあるのです。 ハーブは私たちの毎日の生活に役に立つところが、最大の魅力! フレッシュな香りに包まれて、暮らしが一層楽しくなりますよ。 今回は、毎日の料理に使えるローズマリーのハーブワインを作りましょう。 ローズマリーは、シソ科の常緑低木。とても丈夫なハーブで、虫や病気の心配もなく、初心者にもおすすめです。一株あると、料理にお茶にと重宝しますよ。 ローズマリーの特徴は、なんといっても強い芳香! ちょっと触れただけで、青くて爽やかな香りが楽しめます。この香り成分には、気分をリフレッシュさせてくれる効果もあります。朝、起きられない人はローズマリーの香りを嗅ぐのがおすすめです。 ローズマリーのハーブワインを作ろう そんなローズマリーは、お料理にも大活躍! ローズマリーの強い香りは、肉や魚の臭み消しになるのです。このように、ハーブを使うことによって、普段のお料理も格段においしく感じるから不思議です。 ハーブワインは、他にコモンタイムやセージ、オレガノなどを使って作ることもありますし、作りたい料理によって、ハーブを変えてみるのもよいのですが、まずは、肉料理・魚料理どちらとも合うローズマリーで、ハーブワインを作ってみましょう。 【用意する材料】 ◯ハーブ フレッシュのローズマリー 5~10g程度 ◯白ワイン 150ml ※手軽な価格のワインで十分です ◯保存瓶 150ml 【作り方】 1. ハーブを摘んだら、軽く洗ってしっかり水気を切る 2. 煮沸消毒した保存瓶にハーブを詰めて、白ワインを注ぐ 3. しっかり蓋を閉めたら、冷暗所で一晩置く 4. ハーブを濾して、冷蔵庫で保管して使う 一晩だとほんのり香りがつく程度ですが、これを1週間、2週間と長期間浸けておくと、より香りの強いハーブワインになります。お好みで期間を変えて、お試しくださいね。 また、基本的には、1回の抽出でハーブの成分は出切っています。ワインを継ぎ足したくなりますが、また新たに作ったほうが、香りのよいものができますよ。 ハーブワインは、通常のワインと同様に使えます。私は、これを常備しておき、調理酒として使っています。もちろんお酒として飲んでもOK! ハーブワインで作ろう! アクアパッツァ ハーブワインで、ハーブが香る一皿を作りましょう! 今回ご紹介するのは、アクアパッツァ。 アクアパッツァは、白身魚や貝類を煮込み、出汁のきいたスープが楽しめる魚料理です。野菜やキノコなども入れて、野菜不足を補いながら、しめはリゾット! が我が家の定番です。簡単にできますので、キャンプなど屋外で調理して食べるのもおすすめのですよ。 【材料】 ◯白身魚 2切れ(280g) ※今回は真鯛を使いましたが、タラやイサキのような白身魚でもOK ◯にんにく 大きめ1かけ ◯ミニトマト 12個程度 ◯オリーブオイル 大さじ2 ◯ハーブワイン(白)100ml ◯水 300ml ◯塩 小さじ1弱 ◯コショウ 適量 ◯ハーブ ローレル(1枚) ◯ローズマリー(10cm) お好みで、あさりや野菜やキノコ類などを加えても◎! ハーブワインで作るアクアパッツァの作り方 1. 魚に塩(分量外)を振って、5分程度置きます。 2. ミニトマトを半分にカットします。野菜やキノコを入れるなら、一緒にカットしておきましょう。 3. フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、すりつぶしたにんにくを加えて、中火で香りが出るまで炒めます。 4. 水分をふき取った魚をフライパンに入れて、皮目から焼き、裏返して両面焼きます。 5. ミニトマトや、お好みの具材(あさり・野菜・キノコ類など)と共に、水とワイン、ハーブを加えます。 6. ふつふつしてきたら、弱火にして、蓋をして10分ほど煮込みます。 7. 味をみて、塩・こしょうを加えます。分量はお好みで調整してください。 8. お皿に盛りつけて完成です。 ハーブがほのかに香る大人なアクアパッツァ、ぜひお試しくださいね。
冬の楽しみは薪ストーブと共に。日本一暑い街・熊谷でエアコンがない暮らし。「花音の森」レポVol.11
日本一暑い街だけど、植物があれば、エアコンなしでも暮らせないか? 花音の森は、植物のある暮らしで健康寿命を延ばす自然療法“ガーデンセラピー”をコンセプトに、植物の楽しみ方が学べるレッスンを行っている施設で、埼玉県北部・熊谷市にあります。熊谷市というと、日本一暑い街として、夏のニュースで耳にする機会も多いかもしれませんね。 私は生まれも育ちも熊谷なのですが、夏の間だけでもどこかに引っ越したい…と本気で思うほど。しかも、私、もともとエアコンが得意ではないので一日エアコンを使っていると、冷えた室内と屋外との気温差が大きく、体調を崩す…という悪循環が悩みの種でした。 これをきっかけに、家の性能と植物をうまく工夫をすることで、エアコンに頼らなくても暮らすことはできないか? を模索していき、花音の森はできました。 こちらはできたばかりの2020年1月の様子。もともとは木は1本もない更地でした。 こちらは2022年1月の様子。家を囲うように植えたコナラの木々が、一回り成長していますが、背丈が大きくなったというよりは、枝葉が出てきて、緑の量が増えた印象です。冬の枯れた庭もいいものだな、と日々感じています。 エアコンの代わりに導入した薪ストーブ! メリットは? 日本一暑い街でエアコンがないなんて…と驚かれますが、これが不思議! エアコンの苦手な私は、今までのような体のだるさや体調不良がなくなり、汗をしっかりかいて清々しさすら覚えます(笑)。暑い日はありますが、今のところ、冷房がなくても不自由なく、暮らせています。 その暑さをしのぐ工夫はこちらをご覧ください。 一方、冬はどうするのかというと、薪ストーブの出番です。 家中の暖をこの薪ストーブ一つで補います。しっかり薪を燃やせば、小さな家ですし、寒さはそこまで感じません。 加えて、家の気密性と断熱性の高さのおかげで、朝起きてもほんわか暖かく、真冬でも、室温が10度を切っていることがありません。これは前の家と比べると、雲泥の差! また、窓からの日差しが入ってくる午前中は、薪ストーブをつけなくても、小さな石油ストーブ1つで、十分過ごせます。暖房効率のよさのおかげです。 ちなみに、熊谷市は暑い街だから、冬も暖かいのかというとそうではなく、冬は赤城山からの強烈な風が吹き付け、2021年1月の平均最低気温は、-1.1度。朝起きると、寒くて布団から出られない…というのは普通のことだと長年思っていましたが、この家ではそれが一度もないことに驚きます(笑)。 気になる光熱費ですが、冬の1カ月の電気代を、エアコン使用の以前の家と比べると、料金は1/3程度。これに薪代と灯油代を加えても、2/3程度です。これは、家の気密性と断熱性の高さのおかげでしょうか。エネルギー消費を減らすことにも繋がっているのかもしれませんね。 薪ストーブのデメリットは? いい面もありますが、手間がかかるという面でのデメリットはあります。薪の調達から始まって、薪の保管、薪を室内に運び入れ、火をつけるまでの一連の動作に、それなりの時間と労力がかかります。特に、朝から外出する日など、短時間しか家にいない日は、薪ストーブに火をいれるのは非効率な気がするので、そんな時には小さな石油ストーブを使っています。 そして、虫が絶対無理! という方にはおすすめできません。自然のものですし、薪の管理は外なので、結構な数の虫と遭遇します。3年目になり、慣れてきたのか、あまり驚かなくなってはきましたが、最初はこの薪棚が恐怖でした(笑)。 薪ストーブでおいしく暮らす 続いて、薪ストーブのお気に入りポイントは、おいしい料理ができること。ガスで火を入れ沸騰した後の、コトコト煮込みは薪ストーブの上ですることが多いです。 野菜たっぷりのスープ。 定番焼き芋。 リンゴにたっぷりスパイスを詰めて焼いてみたりと、毎日、特別な食材はなくても、おいしいものが食べられることに、小さな幸せを感じます。 結論! 薪ストーブは入れてよかった じつは、薪ストーブを導入する時に、薪の調達もメンテナンスも大変だからおすすめしないという声も結構あり、とても迷いました。でも、今は、導入して本当によかったと思っています。デメリットをメリットが上回る…それくらい、虜です! 薪ストーブの火は本当に暖かく、穏やかな気持ちにさせてくれます。 仕事部屋ではなく、結局、火のそばに集合して、仕事をしていることが多いです。 我が家の犬たちも、ストーブの前がお気に入り。 昨今の状況もあり、家にいる時間がとても長くなりましたが、植物のある暮らしを実践していく中で、どんなところで、どんな暮らしをすることが、自分にとって心地いいことなのかを考え、実践してきた2年間でもありました。 特に薪ストーブの火を眺めていると、心までほぐされていくような…そんな気もしてきて、人生初! といっていいくらい、穏やかな時間の流れを感じています。自然に沿ったライフスタイル、これからも続けていきます。
香り豊か! チャイブ入りクリームチーズで作るスモークサーモンのオープンサンド
チャイブってどんなハーブ? 栽培のコツ チャイブはヒガンバナ科の多年草。半日陰から日向で、排水性のいい土壌を好みます。地植えの場合は、冬の寒さでいったん地上部は枯れますが、また春先に新芽が出てきます。鉢植えなら、室内の明るい窓際に置けば冬も葉を収穫することができます。 チャイブは環境が合えば年々株が大きくなりますが、勢いが弱まってきたら、その場合は株分けをしましょう。地際から5cmほど葉を残して掘り起こし、2~3株に分けて、ポットなどに植え付けます。 チャイブは乾燥に弱いので、夏場の水切れには注意しながら、土の表面が乾燥するまで待って、水やりをしましょう。 前述のように地上部が枯れてなくなる冬場も、根は生きていますので、1週間に1回程度は、水をあげてくださいね。5月頃には紫色の小さなネギの花のようなものが咲きます。これもエディブルフラワーとして食べられます。 草丈が20cm以上になったら収穫可能。地際から3cmほど残して、長くなったものから刈り取ります。4月頃から11月まで収穫できます。 チャイブの効能と使い方 チャイブには、ビタミンCや鉄分が豊富に含まれていて、貧血の予防になります。また、食欲を増進し、消化を助ける働きもあります。 そして、チャイブにもともと含まれている成分・アリインは、切ったり刻んだりすると細胞が壊れて、アリナーゼという酵素により、アリシンに分解されます。アリシンは、にんにくやネギなど、香りの強い野菜に含まれている成分ですが、疲労回復を助け、病気から体を守る働きがあります。風邪やインフルエンザなどの諸症状緩和のほかに、新陳代謝を促す作用や、血液をサラサラにする作用、そして血流を促進し冷え性を改善する作用も期待できます。殺菌力が強いので、食中毒の予防にも〇。 風味はネギに似ていますが、ネギよりも辛みが少なく、後味がマイルドなのが特徴。和食でも洋食でも使える万能ハーブで、そうめんやそばの薬味に加えたり、オムレツなど卵料理との相性も抜群。みそ汁でもコンソメスープでも使える使い勝手のよさに、日々感心しながら使っています。 チャイブは加熱すると味や香りが落ちるので、フレッシュのまま使いましょう。たくさん収穫できた場合には、小口切りにして冷凍保存ができます。ぜひ積極的に日々の料理に取り入れてみてください。 チャイブのクリームチーズを作ろう そんなチャイブを使ったレシピをご紹介します。 まずは、チャイブのクリームチーズを作ります。材料は、クリームチーズ50gに対して、10cm程度のチャイブを10本ほどご用意ください。 チャイブを小口切りにします。 クリームチーズとよく混ぜ合わせます。 クラッカーに添えれば、ワインのお供にも! ハーブたっぷり! スモークサーモンのオープンサンドを作ろう チャイブのクリームチーズを使って、スモークサーモンのオープンサンドを作りましょう。 【材料】 ◯パン 2切れ ◯スモークサーモン 6切れ ◯チャイブのクリームチーズ 50g ◯キンカン(スライスしておく) 1個 ◯ピンクペッパー 適量 ◯フェンネル(葉) 適量 【作り方】 パンにチャイブのクリームチーズを塗って、その上にスモークサーモン、キンカン、ピンクペッパー、フェンネルを飾って完成。 チャイブがスモークサーモンの臭みを消し、キンカンのさわやかな香りが広がるオープンサンドです。スモークサーモンのサンドイッチにはよく玉ねぎが使われますが、ここではチャイブで代用しています。お好みでチャイブを増やしてもおいしいですよ。ぜひお試しください。 Credit 写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ) 花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。 生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。 https://kanongreen.com/
空気が乾燥する冬に! 抗菌作用も期待できるキンカン・ハーブはちみつ漬けでからだケアをしよう
庭植えにおすすめ! キンカンの育て方 庭に植える樹木としておすすめしたいのが、果樹。ブルーベリーやカキ、ミカンなどは比較的簡単に実がなって、収穫が楽しめる果樹です。 なかでも、今回の主役・キンカンは、ミカン科キンカン属の常緑低木で、大きくなりすぎないのが魅力。樹高は2~3mほどと、手の届くサイズ。これなら、収穫も管理も楽にできる大きさですね。受粉樹も不要で、1本で実が付きます。 日当たりがいい場所を好むので、日向に植えます。初夏に花が咲きますが、これが素晴らしく甘い香りなんです! その後、実をつけ、緑の実が黄色からオレンジ色へと変わっていったら、収穫時期です。 キンカンとはちみつとハーブの効能をすべて1つに! 簡単にできるキンカンはちみつを作りましょう。ここに、ハーブを加えてアレンジします! それぞれに効能があるので、ご紹介していきますね。 キンカン キンカンには、のどや扁桃腺の炎症を抑え、痛みを軽減する作用がある「ヘスペリジン」が含まれています。ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、青みかんなどの柑橘類の皮やすじに多く含まれている栄養素。キンカンは丸ごと食べられる柑橘ですので、ヘスペリジンも効率的に摂取できますね。 また、抗酸化作用や末梢血管を強化する作用があり、しなやかで強い血管を保ち、毛細血管への血行を促進します。血圧やコレステロール値を低下させるともいわれていますよ。 はちみつ じつは、はちみつは、歴史が古い生薬。中国最古の薬物書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には「気を益し、中を補い、痛みを止め、毒を解し、衆病を除き、百薬を和す」とあります。 さらに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど150種類以上の成分が含まれていて、栄養素も豊富なんです。消化吸収力を高め、胃痛や腹痛を緩和する作用があり、食欲不振や疲れがある時におすすめです。 また、高い殺菌作用を持っていて、空気が乾燥する冬場は、積極的に取り入れたいですね。加熱や加糖をしていない、純粋はちみつを選ぶとより効果的です。 ハーブ(ドライ/フレッシュ) 今回は、キンカンとはちみつの中に、2種類のハーブを入れます。1つは、乾燥したショウガです。乾燥ショウガに含まれるショウガオールには、胃を内側から温め、身体の深部からポカポカにしてくれる作用があります。冬の寒い時期には、乾燥ショウガがおすすめ! 自分で生のショウガから作ってもいいのですが、湿気の多い日本では、自然の風での乾燥は難しいので、私はドライハーブとして売られているものを使っています。 2つ目は、タイム。タイムには抗菌作用や鎮痙作用があります。風邪が流行る冬には、予防のためにも、積極的に摂りたいハーブです。咳き込んだ時の気管支痙攣も和らげてくれますよ。 タイムは単体で使うと独特な香りがしますが、はちみつに漬けると使いやすくなるので、キンカンはちみつに入れるのは、おすすめです。 今回はフレッシュ(生葉)を使用しましたが、ドライでもOK! ドライ(乾燥)ハーブは料理用スパイスコーナーで販売されています。 「キンカンハーブはちみつ」の作り方 それではさっそく作っていきましょう。材料はこちら。 【材料】 ◯キンカン 500g ◯はちみつ 500g ◯タイム(生葉) 7cm5本程度/ドライを使う場合は小さじ1程度 ◯ショウガ(ドライ) 3片程度 ◯保存瓶 【作り方】 1. キンカンを水で軽く洗って、しっかり水分を取ります。 2. タイムは枝から葉を取り外しておきます。 3. 金柑のヘタを取り、6~8等分にカットし、種を取り除きます。 4. 煮沸消毒した保存容器にキンカンを詰めます。 5. 瓶の中にハーブを入れて、はちみつを注ぎます。 6. はちみつが全体にまんべんなく漬かったことを確認して、蓋をします。 7. 翌日になると水分が出てきて、さらさらな液体になります。しっかり混ぜて完成です。 「キンカンハーブはちみつ」を適量カップに入れ、お湯を注いでお飲みください。植物のある暮らしで、おいしく、自己治癒力をアップして、冬を乗り切りましょう。
冬の手荒れ対策に夜の集中ケア! フランキンセンスのハンドクリームの作り方
アロマセラピーとは? アロマセラピーは、日本語では芳香療法と訳されます。植物から採れる揮発性の芳香物質・精油を使って、暮らしの中で香りを楽しみながら、心身の健康を保つ目的で、古代から長く続いてきた植物療法の一つです。精油は、手に入りやすいものだけでも数百種類あり、それぞれ香りが異なるように、私たちにもたらされる恩恵(作用)も異なります。アロマセラピーでは、香りを楽しむのはもちろん、精油の持つ力を活用して、日用品を作ることもできます。 添加物もなく、安心安全なものを作れるのも魅力。また、季節や心身のバランスによって分量を調整したり、テクスチャーを変えたり、香りを変えたりと、私は、日々精油を使った手作りアイテムを楽しんでいます。 集中ハンドケア用クリームを作ろう! 材料とおすすめの精油 水仕事が多い女性は、日頃から手が荒れがちになりますね。冬はなおさらです。そして、土いじりをする方はさらに手荒れが進み、ハンドクリームが手放せないという方も多いかもしれません。 そこで今回は、ハンドリームの作り方をご紹介していきます。私は日中、こまめに塗り直すことが難しいので、夜の集中ケアとして、これを厚塗りし、綿100%の手袋をして寝ることにしています。眠っている間に手袋はどこかにいってしまいますが(笑)、朝起きると、手がふっくらしている印象です。特に冬は、このケアを数日さぼると、手がシワシワになってくることを実感しており、自家製ハンドクリームが手放せません。 材料は、3つだけととてもシンプル。 ホホバオイル 南米などの砂漠に生えているシモンジア科・ホホバの堅果を圧搾して採れるオイル(植物油)です。人間の皮膚表面を覆う酸性皮膜を整え、肌のバランスを保ちます。浸透が早く、べたつくことがありません。肌を保護して柔軟に保ってくれます。 写真の精油は、未精製なので色がついていますが、精製された白色のものも売られています。ホホバオイルは、低温になると固まります。これは成分によるもので、変質したのではありませんので、ご安心ください。使用する時に固まっていたら、常温に戻して置いておくか、ぬるめの湯煎にかけて溶かしましょう。 みつろう みつろうとは、ミツバチが巣を作るときに分泌する、ろうの成分。ビーワックスとも呼ばれます。人の皮脂にも含まれる成分なので、肌馴染みもよく、保湿作用に優れています。手作りアロマグッズではよく使われるアイテムで、軟膏やハンドクリームを作る際に使います。脱臭や漂白をしているものは白く、それを行っていない未精製のものは黄色い状態で売られています。未精製のみつろうには、ほんのりハチミツの香りが残っています。 皮膚再生作用のある精油 冬の間のかさつきをケアしてくれるのは、皮膚再生作用を持つ精油。植物100%である精油は、前述のように、肌によい働きをもたらしてくれます。今回は、フランキンセンス・オレンジ・ラベンダーを組み合わせていきます。 〇フランキンセンス カンラン科の樹脂から採れる精油です。皮膚の再生を促してハリを与えるので、しわやたるみの予防におすすめ。また、肌を引き締める作用や、皮脂バランスを取る作用もあるので、スキンケアにぴったり! ウッディ・スパイシーな香りの中に、ほのかに柑橘の香りが混じります。オリエンタルな雰囲気を感じるかもしれません。ただ、香り自体はそこまで強くはありません。これだけで使うより、次にご紹介するオレンジやラベンダーなど、ほかの精油と合わせることによって深みが増しますよ。 〇オレンジ スイートオレンジの皮を圧搾して採った精油です。オレンジには血行を促し、老廃物を排出する働きがあり、肌の調子を整えてくれます。肌のくすみが気になる時にも〇。また、オレンジ精油の主成分であるリモネンは保湿力が高いため、肌にうるおいをプラスしてくれる作用もあります。 甘いオレンジの香りは、気持ちをホッとさせ、リラックスと安眠を促す作用があります。圧搾法で採られた精油は、光毒性がありますので、肌についたまま日光に当たるとシミの原因になります。オレンジの精油を使用した場合は、ナイトケアクリームとして使いましょう。 〇ラベンダー 真正ラベンダーの花から採れる精油です。ラベンダーは新しい細胞の成長を促す作用があります。かさついているお肌や、乾燥性の湿疹ができている時にも、おすすめです。また、庭仕事でありがちな、枝葉による傷がついた肌の修復にも〇。 香りは、フローラルの中に青い香りが楽しめます。通経作用があるので、妊娠中の方は使用を避けましょう。 この3つの材料は、アロマショップで購入可能です。精油を選ぶ際には、専門家のいるお店で、実際に香りを確かめられると安心ですね。 冬の集中ハンドケア! 精油ハンドクリームの作り方 それでは、作っていきましょう。 【材料】 ◯ホホバオイル 30g ◯みつろう 4g ◯精油 フランキンセンス 3滴/オレンジ 2滴/ラベンダー 1滴 ◯耐熱ガラスやアルミ缶など耐熱容器 30g用 ◯ビーカー ◯竹串 【作り方】 1. ホホバオイルとみつろうをビーカーに入れて、湯せんにかけます。 2. みつろうが溶けたら火から下ろし、粗熱が取れるのを待ちます。 3. 粗熱が取れたら、精油を入れて、竹串でよくかき混ぜます。 その際、精油は振らず、自然にポタポタと垂れてくるのを待ちましょう。精油は量が多ければいいというものではありません。適量を守らないと、逆に皮膚刺激になってしまうこともあります。今回は、オイルの量に対して精油の濃度が1%以下になるようなレシピになっています。精油を振ってしまうと、この濃度が不正確になるので、垂れるまでゆっくり待ってくださいね。 4. 手早く容器に移し替えて、完成です。 ハンドクリームは、指関節2つ分ほど手に取り、しっかり手指に擦り込みます。作ったものは、2カ月を目安に使い切りましょう。 <注意点> 手作りアイテムは、使用前にパッチテストを行い、自己責任でお楽しみください。また、精油は薬ではありません。健康状態が気になる方は医師にご相談ください。 Credit 写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ) 花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。 生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。 https://kanongreen.com/
ハーブの束「ブーケガルニ」を使おう! 野菜とチキンのハーブ煮込みの作り方
ガーデンセラピーとは? 植物と共に暮らすことは、メリットがたくさんあり、ストレスを減らして、病気の発生を抑え、健康づくりにも役立ちます。単なる趣味や娯楽ととらえられがちな、ガーデニングやアロマセラピーなどは、じつは私たちの心身の健康維持にとても大きな役割を持っているのです。 このように暮らしの中で植物から癒しを得ることを「ガーデンセラピー」と呼びます。ガーデンセラピーは、園芸・食事・芳香・森林・芸術という5つの自然療法の総称。今回はその中の一つ、食事療法をご紹介していきますね。 ハーブで減塩! ガーデンセラピーの食事療法って? 一般に、食で健康管理をすることが、広い意味での食事療法ですが、ガーデンセラピーにおける食事療法は、自分で育てたハーブや野菜を調理し、体調や気分に合わせて食べたり、ハーブティーを飲んだりすることを指します。これを日々実践することで、ストレスを減らし、心身の健康づくりにつなげる、というわけです。 実 じつは、ハーブを使った料理には減塩作用があること、ご存じですか? 後でご紹介する野菜とチキンのハーブ煮込みの味付けは、塩・コショウのみ。塩は小さじ1杯程度しか入れていなくても、すごくおいしく仕上がるのです。これはハーブのおかげ。ハーブは減塩を実践していくうえで、物足りなさをカバーしてくれる優れものなのです。 ハーブには、「香りづけ」と「辛みづけ」の働きがあり、料理の味を引き締め、風味を引き立たせる作用があるのです。そして、仕上げにハーブをお皿に乗せるだけで、彩りも豊かになり、見た目でおいしさを演出することもできます。ハーブを自分で育てて癒され、ハーブの香りによって減塩にもつながるなんて、一石二鳥以上! 今回の主役・ブーケガルニとは? 今回ご紹介する野菜とチキンのハーブ煮込みの主役は、ブーケガルニ。ブーケガルニとは、ハーブを束にして糸で縛ったもので、「香草の束」という意味があります。煮込み料理を作る際によく使われ、素材の臭みを取ったり、料理に香味をつける役割を担っています。 一般には、パセリやローズマリー、タイム、セロリなどのハーブを使用します。フレッシュハーブを使うと香りがとてもよいお料理となりますが、フレッシュハーブがそろわない場合には、ドライ(乾燥)のハーブでもOK! ドライを使用するときは、水分がないため、ハーブの量は少なめにしてくださいね。 ブーケガルニの作り方 ブーケガルニは、その家に伝わる味があったり、地域によって違ったりとバリエーションもさまざまで、特にこれがないとダメ! という決まりはありません。 私はというと、分量や種類は決めていないのですが、最低でも5種類は庭を回ってハーブを見つけてきます。というのも、1種類だけで作るより、2種類・3種類とハーブを組み合わせることで、風味が増すからです。相乗効果で、おいしい一皿にもなってくれますよ。 今回、用意したハーブはこちら。 オレガノ、チャイブ、ローリエ、タイム、ローズマリー、レモングラス、パセリの7種類です。 特に注目していただきたいのが、レモングラス。ハーブティーとして飲む場合には、レモングラスは葉の部分を使用しますが、今回使うのは茎の部分。レモングラスは冬の寒さに弱く、鉢上げをして冬越しをさせなければなりません。その前に地上部をほとんど切って収穫をする必要があるのですが、他の季節には株元は切れないので、晩秋ならではのご褒美収穫です。 先ほど申し上げた通り、これがないといけない! という決まりがないので、いろいろ試したり味比べしてみるのも面白いかもしれませんね。ぜひ自分にぴったりのブーケガルニを見つけてください。 ブーケガルニの作り方は、とても簡単。 摘んだハーブを束ねて、タコ糸で縛るだけ。この時、程よい力加減で結びましょう。煮込み料理の場合、火にかけている間にこのタコ糸がほどけてしまうと、お鍋の中でハーブがバラバラに。自然に葉が落ちるくらいならいいのですが、私は、お鍋を開けてびっくり…ハーブが枝だけになって浮いている…ということも経験があります(笑)。 ブーケガルニで簡単おいしい! 野菜とチキンのハーブ煮込みの作り方 ブーケガルニができたら、野菜とチキンのハーブ煮込みを作りましょう。 【材料】 ◯鶏モモ肉 500g ◯玉ねぎ 1個 ◯にんじん 2本 ◯じゃがいも 4個 ◯オリーブオイル 適量 ◯塩 小さじ1程度 ◯コショウ 適量 ◯ブーケガルニ 1束 ◯水 500ml程度 【作り方】 1. 野菜と鶏肉を適当な大きさにカットする 2. オリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんじんを入れて炒め、そのあと鶏肉を入れてさらに炒める 3. じゃがいもとブーケガルニを鍋に入れ、野菜が浸るくらいの水を加えて、中火で20~30分煮込む 4. 火を止めてブーケガルニを取り出し、塩・コショウで味を調えて完成 作り方や材料はシンプルですが、ブーケガルニのおかげで、素材の味が活きたおいしい一皿に変身します。ぜひお試しくださいね。 Credit 写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ) 花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。 生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。 https://kanongreen.com/
落ち葉は大切に! 資源としてリサイクルしよう「花音の森」レポ Vol.10
花音の森とは? 私の活動拠点「花音の森」では、植物のある暮らしで健康寿命を延ばす自然療法“ガーデンセラピー”をコンセプトに、植物の楽しみ方があれこれ学べるレッスンと、庭づくりを行っています。 加えてもう一つ、ここで『日本一暑い街・熊谷でエアコンに頼らず暮らす』実験をしています。家の性能と植物をうまく活用することで、夏は冷房なしでも過ごせ、冬は薪ストーブで暖かく暮らせる環境を考えて作りました。 日本一暑い街の夏は、年々過ごしにくくなっていることを肌で体感できるほど…。どうやったら冷房に頼らず心地よく暮らせるか考え、屋根・壁・窓に直射日光が当たらないことが大事だという結論に。そのために、ぐるりと家を囲むようにコナラを配植しました。ゆくゆくは屋根を覆って、もっと涼しくなるだろうと期待しています。 春夏秋冬コナラが大活躍! 一方、冬の寒さ対策についても考えなければなりません。コナラは落葉樹。夏は葉が茂っていますが、冬は葉を落とし、屋根・壁・窓に直射日光を届けてくれるのです。このおかげで、晴れた日なら冬の午前中は部屋が暖かく、薪ストーブはつけずに過ごせます。 エアコンがなかった昔は、暮らしの質を向上させるために庭があり、室内の快適性も考慮して樹種選びをしたのだろうな、とも感じます。 落葉樹は、一年を通して、芽吹きから新緑、紅葉、落葉までさまざまな表情の変化を楽しめるのが魅力! 特にコナラの葉の色が変わっていく様子は、本当に植えてよかったと思うほど、お気に入りです。 今年はコナラのどんぐりが大量に落ちてきて、庭中、あちこちに転がっています。そんな様子にも、なんだかほっこり。花音の森にいらっしゃる生徒さんも、嬉しそうにどんぐり拾いを楽しんでいました。 そんなコナラは、ただいま紅葉の真っ最中で、もう少し経つとすべての葉が落ち、落ち葉のじゅうたんが楽しめます。 落ち葉は、陸の豊かさを守るための資源になる 最近、よく「サステナブル」という言葉を耳にするようになりましたね。サステナブルは、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉で、「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味があります。 現在、国連が世界共通の目標として取り組み始めているのが「持続可能な社会」の実現。英語では、Sustainable Development Goals。この頭文字をとって、SDGs〈エスディージーズ〉と呼ばれます。SDGsでは、貧困、環境問題、経済成長やジェンダーなどの課題に対して17の目標が掲げられています。 その中の一つに、陸の豊かさを守ろう(陸上資源)があります。 落ち葉は、植物の栄養となる、非常に大事なものです。 地上に落ちた葉は次第に細かくなり、腐りながら分解されて土へと変わっていきます。自分の葉を足元に落とし、循環させ、それが植物たちの成長の源になっていくのです。裏を返せば、落ち葉を人間がゴミとして捨ててしまうと、木の栄養が足りない・土ができない、ということになるのです。 落ち葉が陸の豊かさを守るための資源になるということを知ると、その価値が上がり、葉っぱ1枚1枚が愛おしく思えてきませんか? 庭づくりをする時、「落葉樹は落ち葉が出るから避けたい」と言われることがあります。また、花音の森を見て「落ち葉を拾うのも大変そう」とも言われます。確かに落ち葉は出ますが、これをゴミととらえるか、資源ととらえるかで、大きく気持ちが変わります。 庭を維持管理するのに、大変だと思うことを無理して続けていくと、いつかやりたくなくなってしまいます。逆に、自分の庭で、ラクに楽しめることだったら長く続けられますよね。なおかつそれが環境にもよい影響を与え、次世代にバトンタッチできるなら、さらに庭仕事にも意義があります。私はそんな気持ちで植物と接しています。 庭でSDGsを実践しよう! 落ち葉はゴミにしない というわけで、花音の森では落ち葉は捨てずに、木々の足元に戻しています。また、風で飛んで行ってしまうこともありますので、水やりの時に落ち葉にも水をかけ、重さを加えていますよ。 植物を育てている人は、ぜひお庭でSDGsにチャレンジ! 落ち葉はゴミにせず、資源として大切にリサイクルしてくださいね。