ガーデンストーリー編集部
ガーデンストーリー編集部の記事
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園芸用品
家庭菜園におすすめの大人気プランター! 保育園での食農教育にも活躍する「ベジトラグ」
「ベジトラグ」とは? ベジトラグとは、イギリス生まれの菜園プランター。高さのあるレイズドベッド式になっていて、かがまずに水やりや雑草抜きなどの日頃のお手入れがラクにでき、車イスに座ったままでも作業ができるので、「バリアフリーガーデニング」を楽しめるアイテムとしても人気があります。 作業のしやすさだけでなく、植物にとっても、高さがあることで風通しと日照を確保しやすく、排水性・通気性にも優れ、プランター内が高温多湿になりにくいというメリットがあります。 また、プランター底部がV字形状になっているので、深い部分には根菜類、浅い部分には葉物野菜、というようにいろいろな野菜やハーブが混植できる点も魅力です。 ベジトラグには、さまざまなタイプとサイズが揃っているので、庭やベランダ、玄関先など、置き場所に合わせて選ぶことができます。 食農教育にベジトラグを取り入れた「アスク」保育園 そんなベジトラグが、最近とある場所で活躍しています。それは子育て支援事業最大手の(株)JPホールディングスのグループ会社、(株)日本保育サービスが運営する保育園です。 「ベジトラグで植物とともにある豊かな暮らしを多くの人に広めたい」という販売メーカーの株式会社タカショーの想いと、「自分たちで植物を育て、収穫して食べるという食農教育を実現したい」というJPホールディングスの想いが一致し、プロジェクトがスタートしました。 プロジェクトは、保育園にベジトラグ本体と土、肥料、野菜やハーブ・花の苗やタネが季節ごとに届くというもの。連作障害を防ぐために、使い終えた土を送り返すための「土回収キット」もついていて、植え替えの時期になったら、次の植物とともに新しい土・肥料が保育園へ届くという仕組みです。 保育園では、植え付けや日頃のお手入れを子どもたちと一緒に楽しみ、育った植物を観賞したり、収穫して料理やクラフトに活用したりなど、さまざまな形での食農教育が実現しています。 ベジトラグを活用中の保育園を訪問! 実際に保育園の現場ではどのようにベジトラグを活用しているのでしょうか。編集部は東京都西東京市にあるアスクひばりヶ丘保育園を訪問しました。 玄関先でベジトラグがお出迎え 門を入るとすぐに2つのベジトラグが目に入ってきました。一つは、奥にハクサイ、手前にオレガノとチャービルがたっぷり植わって、ベジトラグが緑でこんもり! そしてもう一つは、タネから植えて間もない小松菜が可愛く顔を出し始めていました。 ベジトラグは2021年夏頃に1台目、続いて2022年4月に2台目が導入され、以来、セットで届く野菜やハーブ、花を絶やさず植えて育てています。 「ベジトラグの置き場所は、日当たりがよく、子どもたちや保護者の方々が必ず通る玄関先と最初から決めていました。毎日みんなが利用する場所なので、保護者の方にも日々の変化を見て感じていただけます。行き帰りの時間に、植えられた植物について親子で会話しているのを見ると嬉しくなります」と語るのは園長の仲順明子さん。 スタッフと協力して試行錯誤しながら、植物を園の活動に活かし続けています。 「3〜5歳児クラスには苗やタネを植えるところから一緒にやってもらい、5歳児さんには日頃のお手入れも手伝ってもらっています。1〜2歳児さんも収穫のときに参加して、子どもたちも、自分たちが育てて大きくしたものを収穫できる楽しさを感じていると思います」(仲順さん) 収穫した野菜やハーブを給食に活用 アスクひばりヶ丘保育園では、ベジトラグの収穫物の活用方法について栄養士さんが中心になって考えています。ベジトラグで育てた新鮮な野菜やハーブは給食の食材として大活躍だそう。 「特にピーマンは採っても採ってもなくならないくらいの豊作で、色も緑や赤、オレンジなどカラフルで、子どもたちもとても喜んでくれました」と栄養士の花田絵里さん。 植物の植え方、育て方などの知識がないなかで、はじめは枯らしてしまう失敗もあったものの、失敗からの学びも多く、子どもたちと一緒に育てた食材を、子どもたちと一緒に収穫し、食べるという一連の流れは、とても良い「食農教育」になっていると言います。 「5歳児のクッキング保育では、収穫したバジルを使ってピザを作ったり、おままごとのように包丁でニンジンを切る練習をしたりもしました」(花田さん) 口にする以外にも、ハーブの香りを観察、にじみ出る汁で色をつける、型を取ってスタンプを作るなど、「自然科学」に触れる機会にも活用しています。 ベジトラグ活用の幅を広げていきたい ベジトラグを活用した食農活動の大きな魅力は、季節ごとに植える植物が土や肥料とセットで園に届くところ。季節に合った野菜やハーブの苗が適期に定期的に届き、栽培に必要な土や肥料も自動的に必要な分だけ届くため、迷うことなく植え付け作業が進められます。常に何かを育て続けることができ、ガーデニングライフを導いてくれる嬉しいシステム。ガーデニング初心者も安心して、1年で一通りの野菜やハーブ栽培の体験ができ、あっという間に初心者卒業です。 最後に、今後ベジトラグで挑戦してみたいことを伺ってみました。 「届くハーブの中には、あまり日常で料理に使ったことがない種類もありますので、活用方法をもっと知りたいと思っています。レシピの幅を広げていきたいですね」(花田さん) 「野菜やハーブは収穫した後にいろいろと活用できていますが、花は今のところ観賞用になっています。今後は花もアレンジメントなどに活用し、あらゆる形で子どもたちが植物と触れ合える機会を増やしていきたいと思います」(仲順さん) ベジトラグで楽しい菜園生活を! 保育園でのベジトラグ活用例をご紹介しました。機能的にもデザイン的にもこだわりを持って作られたベジトラグ、ご家庭でもお子さまと一緒に野菜や果物づくりを楽しむことができます。 ぜひこの春は、ベジトラグで楽しい菜園プランター生活を始めましょう! 取材協力 株式会社日本保育サービス https://www.nihonhoiku.co.jp/ アスクひばりヶ丘保育園 https://www.nihonhoiku.co.jp/blog/hibari/ Credit ガーデンストーリー編集部 ベジトラグ販売ページ https://aoyama-garden.com/shop/c/c1701/
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イベント・ニュース
ガーデニングビギナーの男性アイドルが「グリーンアドバイザー」資格取得に挑戦! 結果は…?
グリーンアドバイザーとは? グリーンアドバイザーとは、公益社団法人 日本家庭園芸普及協会が認定する資格で、植物の栽培に関する正しい知識を持ち、園芸の魅力・楽しみ方を伝えられる人に与えられる資格です。ガーデニング人気が高まる中、園芸・ガーデニングに関する適切な指導やアドバイスができる人材が広く求められており、2023年現在、全国に約11,000人いる有資格者は、園芸相談員やセミナー講師、園芸店の販売員、造園業、学校・研究機関、園芸関係の地域活動など、さまざまな分野で活躍しています。 グリーンアドバイザーの資格については、過去の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。 初めてのガーデニングにチャレンジしながら勉強に奮闘 ガーデンストーリーの「庭づくり企画」をきっかけにガーデニングをスタートしたはまだん。メンバーの中から、戸田健太さん(通称たっつん)と富田慧太郎さん(通称けいたる)の2人がグリーンアドバイザーの受験を決意しました。 受験に当たっては、認定講習・試験の申し込みと受験料の振り込み手続き完了後、協会が独自に作成した認定講習テキストが届き、このテキストとインターネット配信による講習動画の視聴を通じて学習を進めます。 「テキストは大ボリュームで、園芸にまつわる幅広い知識が網羅されています。僕たちのようにまだガーデニングの経験が少なかったり、知識に不安がある人は、早めに申し込みをして勉強をスタートするのがおすすめです」と富田さん。 また、戸田さんは「アイドル活動と並行して勉強を進めるのはハードに感じることもありましたが、講習動画は受講期間中ならいつでも視聴が可能なので、移動中にスマートフォンで視聴するなど自分の都合に合わせて学習しやすい点がよかったです」と、猛勉強した約4カ月間を振り返りました。 はまだんの庭づくりに関する記事はこちら きっかけは、グリーンアドバイザーの資格を持つ先輩のアドバイス グリーンアドバイザーを知ったきっかけは、彼らが庭で育てる花や野菜のタネを探しに行った、サカタのタネ ガーデンセンター横浜でのこと。店内を案内してくださった、サカタのタネの清水俊英さんが「植物の正しい知識を身につけてガーデニングを深く楽しみたい! と思ったら資格を取得するのもおすすめ」と紹介してくれたのです。そんな清水さんも、グリーンアドバイザーの資格を持つ先輩の一人です。 グリーンアドバイザーを認定する公益社団法人 日本家庭園芸普及協会は、「フラワー&ガーデンショウ」や、学校緑花、たねダンゴ普及をはじめとするさまざまな事業の企画や運営に携わっています。グリーンアドバイザーの資格を取得すると、これら協会主催のガーデニングの楽しさを伝えるイベント活動への参加機会が得られるのです。 いざ受験! 結果は…? 2022年度の試験は9月に全国で行われ、横浜住まいの彼らは東京の会場で試験に臨みました。そして受験から1カ月後、ついに緊張の結果発表です。 その結果は…… 2人とも見事合格! 猛勉強の努力が実を結びました。フラワーデザイナーとしてプリザーブドフラワーのアレンジメント作品の制作・販売で全国の百貨店を飛び回るリーダーの戸田さんは「ガーデニングの知識が深まったことで、園芸が好きなお客さまとのコミュニケーションの幅が広がったり、より意欲的にガーデニングを楽しめるようになりました。今後は園芸に関するイベントやセミナーに積極的に参加したい!」と話してくれました。彼らの今後の活動にも注目です。 CBT方式導入で受験しやすい! グリーンアドバイザー試験の特徴 2023年度からはCBT方式(全国のテストセンターに設置されたコンピュータ端末を使って受験する試験方法)が導入され、地方在住の方も受験がしやすくなりました。2023年9月1日~30日の期間内で都合の合う日時と、全国300カ所以上あるテストセンター(試験会場)の中から1カ所を選んで受験します。試験予約日の3日前までなら、受験会場と日時を無料で何度でも変更可能なので、仕事が忙しい方や引っ越しを控えている方も、安心して受験することができますよ。 園芸関連の資格として30年以上の歴史があるグリーンアドバイザーは、園芸業界で働く方はもちろん、趣味でガーデニングを楽しむ方など、幅広い層の方々が受験されています。ガーデニングの知識を深めるだけでなく、園芸にまつわるさまざまな分野での活動に生かすことができるグリーンアドバイザー。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか? 4月3日から申し込みスタート! 2023年度グリーンアドバイザー講習・試験概要 講習・試験の申し込み期間 2023年4月3日(月)~8月31日(木) 試験実施期間・会場 2023年9月1日(金)~9月30日(土) ※期間中の1日を選んで受験 全国47都道府県の合計約300カ所のテストセンターから会場を選んでオンラインで予約。 ※試験予約日の3日前まで、受験会場・日時は何度でも無料で変更可能。 受講・受験料 ◯一般:40,700円(税込) ◯学生:20,350円(税込) ◯再受講・受験:29,700円(税込) 申し込み方法 オンラインのみ。申し込み専用ページは、公益社団法人 日本家庭園芸普及協会のウェブサイトにて2023年4月3日(月)以降公開。 詳細はhttps://www.kateiengei.or.jp/greenadviser/examinationをご確認ください。 合格発表 グリーンアドバイザー認定審査会が合否判定を行った上で、2023年10月17日(火)正午に受験者マイページにて発表予定。 詳細・お問い合わせ 公益社団法人 日本家庭園芸普及協会 電話:03-3249-0681 メール:ga-work@kateiengei.or.jp ウェブサイト:https://www.kateiengei.or.jp/greenadviser/examination グリーンアドバイザーになろう! 資格取得を目指す方であれば、誰でも受験できるグリーンアドバイザー。園芸業界で働く方だけでなく、一般の方で「園芸の知識を深めたい」「自身の活動や交流を広げて、園芸の仲間を増やしたり地域活動に参加したい」という思いを持つ方にもおすすめの資格です。 2023年度の受講・受験申し込みは4月3日(月)から。受験を検討される方は、ぜひ協会ウェブサイトをご覧ください! YOKOHAMA男子プロフィール 2017年11月、「音楽の力で横浜そして神奈川を元気にしよう!」というコンセプトのもと結成。 神奈川県内のお祭りやイベントに積極的に参加、さらには横浜市内での路上ライブにも力をいれて活動しているほか、「神奈川県犯罪防止応援アイドル」として神奈川県警の詐欺防止運動にも取り組んでいる。今後は地域の食や文化そしてSDGsなど、アイドルの枠組みにとらわれずに視野を広げて、よりよい社会作りに貢献できるグループを目指す。 Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCbF2EyAywVpiReWvTqQgFlA Instagram: https://www.instagram.com/hamadan065/ Twitter: https://twitter.com/hamadan_11 Official Site: http://hamadan.yokohama/
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ガーデニング
アイドルが家庭菜園に初チャレンジ! 栽培レポート〜はまだんの「ステキなお庭をつくろう!」企画Vol.7〜
イギリス生まれの家庭菜園プランター「ベジトラグ」の植物 夏のベジトラグ菜園の主役は、もりもりに育ったピーマン! ベジトラグに植えた2つの苗は、初夏から一気に生長していき、プランターに覆い被さるまでに大きくなりました。 撮影時の7月中旬頃には、ぷっくりと膨らんだピーマンが軽く20個は収穫できたほど。隠れていた赤ちゃんピーマンたちもその後次々に大きくなり、最終的には一苗から40〜50個実り、はまだんハウスの庭で一番の収穫量となりました。 ピーマンは家庭料理で使いやすい食材なのも嬉しいポイント。定番の肉詰めや野菜炒め、青椒肉絲などはもちろん、パリパリピーマンといったおつまみ系でも活躍しますが、採れたてのピーマンで作る料理は格段の美味しさだったと喜んでいました。 こちらは、同じくベジトラグに植えていたローズマリー。常緑のローズマリーは、料理の香り付けやハーブティーなど、使いたい時にいつでも収穫できます。料理の他にも、リースにして楽しむなどさまざまな活用法があります。 ハーブにはあまり馴染みがないはまだんでしたが、メンバーのたっつんとけいたるは、グリーンアドバイザーの受験勉強にローズマリーを活用しました。ローズマリーに含まれる成分には、頭をすっきりとさせ集中力を高める作用があるので、ローズマリーの葉を擦ってかたわらに置き、勉強に励みました。 ちなみに、2人のグリーンアドバイザー受験の合否については改めて発表いたしますので、どうぞお楽しみに! 地植えや鉢植えの花 地植えと鉢植えでは、タネからの栽培にチャレンジしました。まず、地植えのコーナーの足元には、平弁の八重咲きマリーゴールド‘サファリ’が黄色とオレンジの元気な花を咲かせました。開花期が長く、ビタミンカラーが鮮やかなマリーゴールドは、庭に彩りを加えるだけでなくコンパニオンプランツとしても活躍してくれます。今回は虫を駆除するための薬剤は使用せずに自然の姿も観察しながらガーデニングを楽しみました。そんなわけで写真にも写っている通り、バッタが花の上に鎮座する姿が見られましたが、メンバーのりゅりゅは「花もバッタも可愛いなぁ〜」としばし観察。そして、そんなりゅりゅが一番の期待を込めて育てたアサガオの‘ヘブンリーブルー’は… 8月中旬頃に、爽やかな花を咲かせてくれました。りゅりゅ、やったね! 夏場の暑い中、こまめに様子を確認して世話をした努力が実を結びました。 また、同時に育て始めたアサガオの‘フライングソーサー’も、花ごとに少しずつ異なる模様を見せて楽しませてくれました。一日花であるアサガオは、タイミングを逃すとその花姿を拝むことができません。それぞれイベントやレッスンなど外出が多いメンバーは、アサガオが咲いたのを発見すると、スマホで撮影して見せ合いながらアサガオの花を楽しんでいました。 アサガオと並んで夏の花の代表格であるヒマワリは、ゆうだいがセレクトした大輪咲きの‘ロシア’。タネまきから約1カ月後の6月には30cm〜1mほどに生長し、支柱を立てて誘引を開始しました。7月にはゆうだいの身長ほどに生長し、地上部が倒れないよう上部も誘引。どこまで大きくなるんだ?! と思うほどダイナミックなヒマワリにメンバーたちは大興奮でした。 そして7月下旬には草丈は頭上を大きく超え、ヒマワリははまだんハウスのほうを向いてニッコリと笑うように元気に開花。「エネルギーにあふれるその姿を見てパワーをもらえた!」とゆうだい。 さて、花を楽しんだ後に収穫したタネはというと、編集部員の愛ハム(?)が美味しくいただきました。普段、カロリーの高いヒマワリのタネはなるべく控えているこちらのハムスター君、差し出された数粒のタネを嬉しそうに頬張っていました。食いつきがよかったので、やはり好物なんだな、と実感する飼い主でした。 地植えの野菜 地植えの野菜は、エダマメとインゲンを栽培。育苗している間はややヒョロヒョロしていて心配だった早生種のエダマメですが、7月の上旬頃から収穫できるように。このエダマメは、3粒莢になる確率が高いと言われている‘いきなまる’という品種ですが、コンパクトな草姿ながら立派な莢のエダマメが次々となり、何度も収穫を楽しむことができました。 そんなエダマメには、虫の痕跡が。葉が網目状に透けた状態になったのを見て「これはコガネムシの仕業だよ」と教えてくれた住友化学園芸の牛迫さん。 葉を食害するのはコガネムシの成虫です。見た目には多少食い荒らされた印象ですが、実の収穫にはあまり影響がないため、特別な防除はせず見守りながら栽培を続けました。これには、「害虫に関する知識が増えて勉強になった!」と、グリーンアドバイザー受験に向けて勉強中のたっつんとけいたる。 そして最後。始めはタネが発芽せずに二度目の種まきチャレンジをしたインゲンは、6月に立てた支柱を伝ってつるがグングン伸び、「多分、この支柱では収まりきらないくらい伸びるよ」と、牛迫さんに助言された通り、最終的にはつるが行き場をなくすほどに生長! こちらは早どりの品種のため、タネまきの約50日後から最初の収穫がスタート。地際から実がなり始め、1カ月ほどは収穫が続きました。気がついたらたくさんなっていた! なんてこともしばしばで、写真のように莢がパンパンになることもありましたが、メンバーで美味しく、楽しみました。 フラワーアーティストで手先が器用なリーダーのたっつんは、料理もお手のもの。収穫したインゲンで作ったパスタをお披露目してくれました。インゲンの食感がほどよく、美味しく仕上がったそう。Instagramでたびたび野菜を取り入れた料理配信を行っているたっつんは、「自分で一から野菜を育てて、収穫、調理まで体験できたのは貴重な経験。今度は、大好物のトマトを栽培してみたいです」と語ってくれました。 庭づくりの様子はYOKOHAMA男子公式YouTubeチャンネル「はまだんTV」にて公開しています。こちらもチェックしてみてくださいね。 動画のご視聴はこちらから https://www.youtube.com/channel/UCbF2EyAywVpiReWvTqQgFlA YOKOHAMA男子プロフィール 2017年11月、「音楽の力で横浜そして神奈川を元気にしよう!」というコンセプトのもと結成。 神奈川県内のお祭りやイベントに積極的に参加、さらには横浜市内での路上ライブにも力をいれて活動しているほか、「神奈川県犯罪防止応援アイドル」として神奈川県警の詐欺防止運動にも取り組んでいる。今後は地域の食や文化そしてSDGsなど、アイドルの枠組みにとらわれずに視野を広げて、よりよい社会作りに貢献できるグループを目指す。 Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCbF2EyAywVpiReWvTqQgFlA Instagram: https://www.instagram.com/hamadan065/ Twitter: https://twitter.com/hamadan_11 Official Site: http://hamadan.yokohama/
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観葉・インドアグリーン
2023年激推し【観葉植物神7】を観葉植物のエキスパートが徹底解説!|観葉植物基礎講座 Vol.5
観葉植物のおさらい 東京都練馬区の大手園芸店「オザキフラワーパーク」が指南し、初心者の方にも分かりやすく観葉植物の魅力を紹介してきた「観葉植物基礎講座」。今回は、同店の観葉植物担当後藤さんに、2023年激推しの観葉植物「神7」をピックアップしてもらいました。 これから観葉植物を購入しようと考えている方はもちろん、さらに増やそうと考えている方も、ぜひご参考に! まずは、観葉植物の基本をおさらいしましょう。 観葉植物とは 一鉢置くだけで部屋の見栄えがワンランク上がることから“インテリアグリーン”とも呼ばれる観葉植物。自宅で管理可能なサイズのものから、オフィスや店舗に置いて見栄えのする大きなものまで、さまざまなタイプのものを選ぶことができます。種類も豊富で、亜熱帯地方の植物を中心にさまざまあり、葉の形や樹形のバリエーションも多彩なため、コレクションする楽しみもあります。 育て方は決して難しくありません。置き場所と水やりの頻度のコツさえつかめば、誰でも簡単に育てることができます。忙しい毎日に癒やしを与えてくれる観葉植物を、ぜひ部屋に加えてみませんか? 観葉植物の栽培に必要な道具と基本の育て方 観葉植物を育てるには以下の10アイテムを使用します。 ①水やりに必要な「ジョウロ」 ②葉水に必要な「霧吹き」 ③植え替えの際に土を盛るための「スコップ」 ④植え替えに必要な「鉢(根腐れを防ぐためにも必ず底穴が空いているものを選びましょう)」 ⑤鉢からもれ出る水が床などを汚さないようにする「受け皿」 ⑥鉢底の穴から害虫の侵入や土の流出を防ぐ効果があり、植え替えの際に最初に鉢に入れる「鉢底ネット」 ⑦鉢内の水はけと通気性を確保するために鉢底ネットの上に敷く「鉢底石」 ⑧植物を植えるための「用土」 ⑨成長に欠かせない「肥料」 ⑩剪定に使う「ハサミ」 この10種類全部揃えるの!? と思うかもしれませんが、全てがマストというわけではありません。販売時のプラスチック鉢のまま育てるのであれば、最初の段階で④〜⑧は特に必要ありませんが、植物は成長するものなので、大きくなれば必要に応じて植え替える必要があります。その時に備え、将来的に一回り大きめの鉢は用意しておいたほうがよいでしょう。また、100円ショップで手に入るものも多いので、初期費用もさほどかかりません。 ただし、土は植物の栄養の源となるため、しっかりとしたものを選ぶのをおすすめします。園芸店で販売している培養土や観葉植物専用土なら問題ありません。 これらのアイテムを用意し、お気に入りの観葉植物を購入したら、あとは基本的な5つのことを実践すれば、観葉植物の基礎知識は完璧です。 基本1:置き場所は直射日光を避け、明るい場所で管理 基本2:水は土の表面が乾いたら鉢底から溢れるくらいたっぷりと 基本3:葉水を与えることで葉の美観を維持 基本4:春〜秋の成長期には肥料を与える 基本5:生い茂ってきたら、成長期に入る前に株全体に光が当たるように剪定する。 ※植物の種類によっては管理方法が異なる場合があるため、詳細は購入店にお問い合わせください。 「オザキフラワーパーク」後藤さん激推しの観葉植物神7 “買える植物園”の異名を持つほど品数豊富な「オザキフラワーパーク」には、日夜多くのお客様が観葉植物を買い求めに来店します。その店内で観葉植物を担当する後藤さん、観葉植物に関する造詣の深さは店内随一! そんな後藤さんに、初心者マストバイの激推し神7をピックアップしていただきました。 神①「フィカス・ベンガレンシス」 【写真の商品】高さ99cm 店頭価格:9,800円(税込) 「永遠の幸せ」という花言葉を持つフィカス・ベンガレンシスは、インドのベンガル地方原産のゴムの木の仲間。くっきりとした葉脈が美しい葉とユニークな樹型が人気の観葉植物です。 おすすめの理由 観葉植物としては定番のゴムの木。その中でも葉が緑色のタイプがフィカス・ベンガレンシスです。くっきりとした葉脈が葉の存在感を高めています。乾燥にも強く、水やりの管理が簡単なため初心者の方にもおすすめです。写真のものは高さも約1mと、どんなスペースにもマッチするちょうどよい大きさです。 育て方のコツ 最適な置き場所は、陽射しがレースのカーテン越しに入ってくる窓辺、あるいは、明るい日陰。直射日光は葉焼けの原因となるため厳禁です。水は土の表面が乾いたら鉢底から出るまでたっぷり与えて育てます。葉の表裏に頻繁に葉水をしてあげると健康な葉に育ちます。 ゴムの木の種類は、幹を切ると切り口から白い樹液が出ます。これが肌に付着すると、体質によっては肌に炎症が生じるおそれがあるため、剪定などで付着した場合は必ず石鹸で洗い流してください。 神②「フィカス・アルテシマ」 【写真の商品】高さ76cm 店頭価格:9,800円(税込) インドや東南アジア原産のフィカス・アルテシマは、樹高がかなり高くなるためラテン語で最も背が高いことを意味する「アルテシマ」と名付けられました。成長も早く、本当に高く伸びるため、天井が高いスペースに向いています。黄色の葉はとてもおしゃれで、部屋を明るくしてくれます。 おすすめの理由 アルテシマにはいろいろな模様の入り方がありますが、こちらは黄色の斑が入る葉のタイプになります。迷彩模様のようなこの色彩は眺めるたびに元気をくれるので、一鉢置けばテンションもあがります。部屋に活気が欲しい方におすすめです! 乾燥に強いため、初心者の方でも簡単に育てられます。写真のものは高さ76cmですが、どんどん伸びていくので成長がとても楽しみな株です。 育て方のコツ 日光が大好きな品種ですが、ベンガレンシス同様に直射日光には弱いので、同様に陽射しがレースのカーテン越しに入ってくる窓辺での管理が適しています。明るい環境で育てることで、葉の美しい模様が維持できます。水やりは土の表面が乾いたタイミングで鉢底からあふれるくらいたっぷりとあげてください。また、葉の表裏に頻繁に葉水をしてあげると健康な葉に育ちます。 ゴムの木の種類は、幹を切ると切り口から白い樹液が出ます。これが肌に付着すると、体質によっては肌に炎症が生じるおそれがあるため、剪定などで付着した場合は必ず石鹸で洗い流してください。 神③「ポトス」 【写真の商品】高さ15cm 店頭価格:680円(税込) 東南アジアのソロモン諸島を原産とするサトイモ科のツル性の植物、ポトス。数多い観葉植物の中でもとても身近な品種ではないでしょうか。クリームイエローの模様が入った美しい葉はまるで絵画のようで、飾る場所を選びません。ツルが旺盛に垂れていくため、ハンギングに最適です。 おすすめの理由 ポトスは、観葉植物の中でもダントツに育てやすいです。つる性の植物なので成長期にはぐんぐん伸びていくため、このツルをどういうふうに仕立てるのかが腕の見せ所であるのと同時に、醍醐味でもあります。ハンギングはもちろん、棚などの高所からツルを垂らしたり、ワイヤーで支柱を作り、ツルを上に這わせるなど、さまざまな方法で楽しめます。 またポトスは種類も多く、写真の商品はゴールデンポトスといって、ポトスの代表的な品種です。この他、単色のポトス・ライムや、大胆な模様のマーブルクイーンなど、集める楽しみもあります。 種類により価格は変わりますが、今回おすすめするゴールデンポトスは680円(税込)とリーズナブルなので、初心者の方におすすめです。 育て方のコツ 耐陰性に富むので日陰でも成長する反面、直射日光には弱く、夏場はわずかな時間直射日光を浴びただけで簡単に葉焼けを起こしてしまいます。管理を行うのに理想的なのは、レースのカーテン越しの明るい場所で、気温が10℃を下回らないように注意してください。 葉の模様は、明るい場所であればあるほど綺麗に出て、暗所で育てると単色になる傾向があります。 水やりは、土の表面が乾いたら鉢底から出るまでたっぷり与えます。頻繁に葉水をすると葉の色艶が増しますよ! 神④「ペペロミア・ナポリナイツ」 【写真の商品】幅6.5cm 店頭価格:680円(税込) ギリシャ語で胡椒を表す”ペペリ”を語源とするペペロミアは、名称の由来通りコショウの仲間です。熱帯アメリカを中心に、世界中の亜熱帯地域におよそ1,000種が分布し、そのうちの十数種が園芸品種として流通しています。 写真の商品はペペロミア・ナポリナイツという品種ですが、ペペロミア・ベルキダという品種の葉はベトナム料理のスパイスとしても知られています。 おすすめの理由 一目見た瞬間にその可愛らしい葉に惹かれるペペロミア。乾燥に強く、少々渇水気味でも育つため、多忙な方にもおすすめです。光の加減によっては銀色にも輝くこの丸みを帯びた多肉質の葉は、眺めているだけで日々の煩わしさから心を解放し、リラックスさせてくれます。 葉の手触りはぷにぷにしていて、これを触っているだけでも気持ちが和みます。 写真のように、幼葉は裏側が紫色になっていて、表裏で色の違いを楽しめるのも魅力の一つです。ちなみに紫は成長と共に消えていきます。 このタイプ以外にも、丸葉、縮れ葉と種類も豊富なので、集める楽しみも味わえます。価格も680円(税込)と安いため、日々忙しい方は、リラクゼーションの意味も込めて一鉢いかがですか? 育て方のコツ 水が多すぎると不調気味になるので、やや放置気味のほうが失敗を防げます。日当たりを好みますが、直射日光は他の観葉植物同様に葉焼けを起こしてしまうので、直射日光が当たらない、かなり明るい場所で管理してください。また寒さに弱いので、室内の温度が6℃を下回らないようにしてください。 神⑤「サンセベリア」 【写真の商品】高さ35cm 店頭価格:980円(税込) サンセベリアは葉が多肉質なため、水不足で葉がシワシワになってもそう簡単に枯れることはありません。熱帯アフリカなどが原産地で、シュッとした形の葉は、写真のように横縞の入ったタイプをはじめ、単色のタイプなどがあり、好みに応じて色を選べるのも魅力です。 おすすめの理由 とにかく葉がスタイリッシュで、ずっと眺めていても飽きません。この多肉質の葉は、乾燥地帯を生き抜くためにたっぷりと水分を蓄えているために乾燥に強く、水やりの頻度も少なくて良いため、とても育てやすいです。今回おすすめするのはこの横縞の入ったタイプですが、他にも種類が多いので、サンセベリアに特化してコレクションする方も多く、マニア心をくすぐる観葉植物です。 ただ、成長がゆっくりなため、早く大きくしたい方には不向きですが、限られたスペースで美しい葉を長期間にわたって楽しみたい方にはぜひおすすめです。980円(税込)という価格も魅力です。 育て方 多肉質の植物は過湿を嫌うため、春〜秋は竹串などを使い、土の表面のみでなく鉢内の土全体が完全に乾いたことを確認してから、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水をあげてください。冬の時期は休眠期になるので、水やりを一切やめて断水します。暖かくなり始めたら徐々に水やりを再開します。 神⑥「モンステラ」 【写真の商品】高さ54cm 店頭価格:2,480円(税込) 熱帯アメリカが原産で、一度見たら忘れない切れ込みの入った葉が特徴のモンステラ。1鉢あるだけで南国気分が楽しめます。観葉植物の中でも1、2を争う人気商品です。昨今は流行りということもあり、店舗やオフィスでも目にする機会も多いのではないでしょうか。 そのダイナミックなフォルムとは裏腹に、じつはツル性の着生植物なんです。原産地では椰子の木などに着生して自生しています。 おすすめの理由 モンステラをおすすめする理由はなんといっても、お部屋に一鉢置くだけで南国気分を味わえること。切れ込みの入った特徴的な葉は、気分だけでなくインテリアのイメージ自体をワンランク上げてくれます。都内の高級ホテルやスパリゾートなどでもモンステラは愛用されているため、その雰囲気を自宅でも楽しめるのも魅力ですね。 大きな株は数万円するものもありますが、写真の株は高さ54cmなので、価格も2,480円(税込)と大変お手頃。葉は、新芽の形のままで成長するため、成長と共に切れ込みの数が増えることはありません。また、新芽の時に切れ込みがなければそのままの形で成長します。 まだ小さな株なので、これからどんどん切れ込みのある葉を生やしていき、ゆくゆくはそれが存在感を増していく過程を楽しむことができる有望株です。 育て方 育て方は決して難しくありません。置き場所は、陽射しがレースのカーテン越しに入ってくる窓辺が理想ですが、耐陰性が高い品種なので、陽射しが弱い部屋でも栽培は可能です。逆に、直射日光は特徴的な葉を葉焼けで台無しにしてしまうおそれがあるため避けてください。 水は土の表面が乾いたら鉢底から出るまでたっぷりと与えます。葉が大きいので、霧吹きで葉水を与えるといきいきとします。成長するにつれて切れ込みのある葉が出てきますが、葉が多くなり過ぎたら支柱で止めたり、剪定も行ってください。 神⑦「ベンジャミン」 【写真の商品】高さ34cm 店頭価格:980円(税込) インドや東南アジア原産のベンジャミンは、オフィスや店舗のインテリアグリーンとしては定番ですね。一般的には写真のようなクリーム色の斑の入ったタイプのものをよく見かけますが、この他にも、葉が波打つものや、くるっとカールしたものなど、さまざまなタイプのベンジャミンがあります。 旺盛に成長するため、好条件下では20mに達することもあるほど元気満々な観葉植物です。 おすすめの理由 ベンジャミンはフィカスの仲間ですが、他のフィカスに比べ幹や枝が柔軟なため、編み込みのタイプや、支柱を立てて誘引せずに、そのままの状態で葉を生い茂らせたボサ仕立てタイプなど、仕立てによって異なる魅力を楽しむことができます。 写真の商品は高さが34cmとまだ若い株のため、思い通りに仕立てて楽しむことができます。もちろんこのまま放置のボサ仕立てでもグングン成長しますよ! スタミナもあるので、長年にわたって共に寄り添える観葉植物です。1,000円でお釣りがくるというコスパのよさも魅力です。 育て方 日当たりを好みますが、直射日光は葉焼けを起こしてしまうため、レースのカーテン越しの窓辺か、明るい日陰の環境で管理しましょう。ただし、あまり暗い場所で管理すると、葉を大量に落としてしまうため、基本は明るい場所での管理を心がけてください。また、環境の変化に敏感なため、慣れ親しんだ場所から移動すると葉を落とす場合がありますが、新しい環境に適応すればまた新芽が出てくるので、その場合は様子を見てください。 水は土の表面が乾いたら鉢底から溢れ出るまでたっぷり与えます。たまに葉水をしてあげると葉のコンディションを良好に保つことができます。環境が合えば葉を旺盛に出してくれますが、茂り過ぎたら剪定して風通しを良くしましょう。 観葉植物が枯れた? と思った時の対処法 ここで紹介した7つの商品に共通するのは、直射日光は厳禁ということ。これはこの神7に限らず、多くの観葉植物にいえることですが、観葉植物の多くは熱帯雨林の地表付近で、背の高い樹木の間からの木漏れ日を頼りに自生しています。このため、強烈な日光を浴びてしまうと葉焼けを起こしてしまうのです。 葉焼けした葉は細胞組織が破壊され、光合成を行うことができなくなってしまいます。多くの葉が葉焼けし、光合成の効率が悪くなれば、自ずと株全体にダメージが広がってしまいます。また、葉焼け以外でも、乾燥により葉が枯れてしまうこともあります。 万一、葉焼けや乾燥で葉が枯れた場合は、枯れた葉をカットしてから、しばらくの間日陰で管理しましょう。根が生きていれば、また新芽が出てくるので、その時まで要観察です。 根が生きているかどうかの確認は、株の根本を見て、黒く変色していなければ大概の場合は大丈夫です。 取材担当後記 今回挙げていただいた7種類の観葉植物は、比較的メジャーなものが多いので、見たことがある方は多いのではないでしょうか。 私も最近、ふと街の店舗に目をやる際は、どんな観葉植物が置いてあるのか探すようになってしまいました(笑)。その結果、飲食店はポトスやサンセベリア、ヘアサロンはフィカス系、カーディーラーはモンステラ、がそれぞれ多いことに気づきました。 このことから、紹介した神7の観葉植物たちがどんな雰囲気で飾られているかを見たいとき、意外にもそれは普段自分が立ち寄るお店など、身近な場所で見ることができ、そしてそこに飾り方のヒントが隠されているかもしれませんよ。このように、観葉植物って私たちの生活にとても身近で、そして街のいたるところでインテリアとの融合を研究できるんだなと思いました。 皆さんもぜひ、ここで挙げた神7が街の中でどう飾られているか見つけてみてください。新しい発見があるかもしれません。 さて、オザキフラワーパークでは観葉植物のどんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみてください!
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ガーデニング
【プロが解説】枯れた? 枯れてない? 園芸の冬のお悩み解決します!
園芸、冬への備えは万全ですか? 植物を育てているとさまざまな問題にぶつかりますが、冬越しに関するお悩みは、この時期とても多く耳にします。育てている植物は冬を越せるのか、越すためにはどうすればよいのか、購入時に聞いとけばよかった…という経験は誰でもあると思います。今回は、そんな園芸の冬の対策に関するお悩みを、当連載でもうお馴染みの、街の園芸店「フラワーガーデン・セキ」の関ヨシカズさんに解決していただきます。 今回も答えてくれる街の園芸店「フラワーガーデン・セキ」(目黒区祐天寺) 今回も読者の皆さんのお悩みに答えていただいた『フラワーガーデン・セキ』の関さん。東京は目黒区祐天寺に古くからお店を構え、近隣住民から愛される、地域に根ざした園芸ショップです。2代目の関ヨシカズさんは、植物の四季に精通した園芸のエキスパート。お店には花を買い求めるお客様だけでなく、四季折々のお悩みを関さんに相談しようと、大変多くの方々が来店。今回の皆さんからいただいた冬のお悩みにも分かりやすく答えてくれます。さて、今回はどんなお悩みが寄せられているのでしょうか? さっそく関さんに伺ってみましょう。 【お悩み1】ぺチュニア、ニチニチソウ、ハナキリンの冬越しについて教えて! ぺチュニアやニチニチソウなどを冬越しさせるかどうか、悩んでいます。 また、ハナキリンの冬越しの仕方について教えてください。(九州・沖縄 50代 女性) 関さんの答え そもそもの話になってしまいますが、ぺチュニアもニチニチソウも一年草です。まぁ正確には両方とも多年草ですが、日本の冬を越せないため、日本では一年草という扱いなんです。ぺチュニアは春の花、ニチニチソウは夏の花なので、それぞれの時期に楽しんでいただき、冬はサヨウナラをしてください。 でも、質問者さんは九州・沖縄地方にお住まいということで、九州・沖縄地方の冬が氷点下になるイメージはないから、意外とぺチュニアやニチニチソウも外で冬越しできるかも…。 とはいうものの、10℃を切るようなら、室内の暖かいところで管理してください。ただ、冬を越すためには、管理の場所がどこであれ、花期が終わる11月くらいに、株の体力を温存するための剪定を行わなければなりません。時期的に今年はもう遅いので諦めて、来年再び植えて冬越しにチャレンジされてはいかがでしょう? ハナキリンに関してですが、ハナキリンは多肉植物のユーフォルビア属なので、寒さに反応して落葉します。ここで落葉しても枯れたとは思わず、室内に取り込んで管理してください。 落葉しない場合は、お住まいの地域的には、冬の寒さに徐々に慣らしてあげれば外での冬越しも可能かと思います。ただし気温が5℃に迫るようなら、室内に取り込んだほうが安全です。 室内に取り込んだあとは、こまめな管理が肝心となります。水をあげすぎないように、とことん乾かし気味に管理してください。冬は活動が鈍る時期なので、水やりは土の表面が乾いてから、さらに4〜5日経ってからあげるくらいのほうが理想的かな。とにかく土の湿り具合を毎日でもチェックしたほうがいいですね。そういうタイミングってね、植物がちゃんと教えくれるんだよね。 【お悩み2】クレマチスを同じ鉢に植え替えたいです! クレマチスの鉢植えに関してです。根がパンパンなので植え替えをしなければならないのですが、そのまま同じ鉢に植え替えたいです。クレマチスは根を切らないようにと聞いたことがありますが、切っても大丈夫でしょうか? (近畿 50代 女性) 関さんの答え う〜ん、根がパンパンなら、本来は鉢増し(一回りくらい大きい鉢に植え替えること)をしたほうがいいんだけど、それができず、同じ鉢に植え替えたいということは、お気に入りの鉢に植えている、ということなのかな? いずれにせよ、根がパンパンの状態で同じ鉢に戻すのなら、それは根を切るしか方法はないと思いますよ。ただ、クレマチスの根の特性上、質問者さんのおっしゃる通り、切るのはかなり危険です。それでもどうしてもと言うのであれば、これは賭けになりますが、株を鉢からあげて、外側のほうから中心に向けて尻すぼみになっていくように刈り込んでください。最終的に下図のようになる感じでしょうか。 その後同じ鉢に戻せば、根玉が小さくなっている分、鉢を大きくしたのと同じ意味合いになるので、そんなイメージでやってみてください。 カットの仕方ですが、生きている根を刈り込めばどんな植物でも危険が伴うので、慎重に。それこそ赤子を起こさないように…という感覚で、古い土を落として、黒くなっている根は除去しながら、前述のような形を作っていきましょう。 あと、根を切る時期も重要です。クレマチスは春〜秋が季節の花なので、その時期に切ると確実に駄目になります。やるとしたら2月下旬から3月上旬あたりでしょうね。お住まいの地域は近畿なので、その時期でよいと思います。 何度も言うようですが、鉢増しという方法を取らずに根を切るという手段を取るのであれば、せっかく育てたものが駄目になるリスクがあることだけは心に留めておいてください。 植物のことを考えるのであれば、まぁいろいろと事情があるとは思いますが、僕は鉢増しを強くおすすめします。 かく言う僕も、まだ知識も浅かった昔の話ですが、同じキンポウゲ科で根が弱いクリスマスローズの根をガッツリと切って、同じ鉢に植え直したら、枯らしてしまった経験があるんですよ。まぁ失敗も経験のうちとは言いますが、生きている植物相手ですから、失敗しないに越したことはないですよね! 【お悩み3】庭が日陰のため、秋冬は植物が育ちません! 住宅街で庭が三方向から壁で囲まれた状態なので、ほとんど日陰か半日陰です。基本的に秋冬は日向を好む植物は育ちません。日向で育てなきゃいけないものは、いったんベランダで育苗し、春になってから庭に植え替えます。宿根草の日陰向きの植物を植えたりもしますが、全体的に花つきは悪いです。(関東 50代 女性) 関さんの答え これは“そういう環境で育つ植物にはどんなものがありますか?” という質問なのかな? もしそうなのであれば、秋冬は夏と違って植物は温度を保ちたいので、特に太陽を必要としています。それで宿根草とかも駄目になっちゃうと思うんだけど…。まぁ、パッと思いつくのは、クリスマスローズぐらいかなぁ。クリスマスローズは日陰や半日陰でもスクスクと育つ“冬の植物”なので、試してみてはいかがでしょう? あとは、マンションとかの植え込みにもよく使われるヤブランなんかは寒さ暗さにも強く、酷な環境でも綺麗な花を咲かせます。ただ花期が夏なんで、毎年夏を楽しみに、っていう感じ。 あとは、う〜ん、ユキワリソウなんかは「雪割草」と書くように、冬場は雪に埋もれていても春になれば残雪を押し除けてちゃんと花を咲かせるので、質問者さんのお庭の環境に向いているかも。 【お悩み4】知人に託されたアネモネの球根を冬越しさせたいです 引っ越しされるご近所さんに託されたアネモネの球根を植えているのですが、葉は立派ですが花が咲きませんでした。来年花を咲かせるために、この冬の管理をどうすればよいでしょうか? ちなみに我が家の庭は、一日中太陽が当たります。玄関側は午前中のみ日が当たり、北風が吹きつけ、雪が積もることもあります。(近畿 60代 女性) 関さんの答え アネモネは秋植えなので、冬の管理というより、どちらかというと夏の管理のほうが重要なんですよ。アネモネは、秋に球根を植えると、根っこを張って、冬に葉を出し、春にかけて花が咲き、夏に休眠する、というサイクルです。 つまり、休眠期の夏の管理をミスると、その次の年の植え時に球根が痩せちゃうんですよ。葉をつけて、子孫を残すために花を咲かせて…という、植物にとって一番パワーが必要な時期にエネルギーがない状態になってしまうんです。だから冬の管理ではなくて、葉っぱと花が咲き終わった後の球根をどう太らせるか、そこが最も重要なんです。これはアネモネに限らず、チューリップもヒヤシンスも、球根類は基本的に夏の管理が重要になってくるんです。 ただね、難易度が高いんですよ。チューリップなんて毎年球根をリサイクルしてる人もいますが、芽は出るものの花が咲かない、咲いても貧弱、というパターンはかなり多いんです。簡単なのは水仙くらいかな・・・。 アネモネのあの梅干しみたいな小さな球根を太らせるためには、花が散った直後にあげる肥料、つまり「お礼肥」が必要です。 【お礼肥とは】 植物がたくさんの果実や花を付けた後に、豊かな恵みを与えてくれた感謝の気持ちを込めて、果樹は収穫後、花や木は花落ち後に肥料をあげることを「お礼肥」といいます。お礼肥には意味があり、結実や開花で消費したスタミナを回復させる効果があります。 やり方ですが、球根は花が落ちてもすぐにカットせず、葉しかないその状態の時に肥料をあげてください。葉は光合成のために残しておく必要があります。残しておいた葉もやがてシワクチャの状態になり、全部が黄色くなって枯れていきますが、その時までハサミを入れないでください。その状態になるまでにどれだけ肥料をあげられるかがカギとなってくるので、そこをミスると次回の開花は期待できません。花が落ちた後の葉だけの状態のときの施肥が、球根リサイクル成功のキモとなるんですよ。 球根を託した方は、毎年咲くのを楽しみにされていたと思うので、託されたほうとしては、やっぱり休眠期の管理をしっかりやらないと、同じ想いは共有できないと思います。 落花後にうまいこと肥料をあげて球根を大きくし、引っ越しされた方に「咲いたよ!」って写真が送れたら、お互いにハッピーですね! でも、僕だったらスパっと新しい球根を買って植えちゃいますが(笑)。 【お悩み5】ラベンダーミントをこんもりと育てたい! ラベンダーミントを鉢植えで育てていますが、伸びすぎて困っております。上にばかり伸びず、こんもりと育てるにはどうしたらよいでしょうか? (東北 60代 女性) 関さんの答え これは剪定しかないですね。要は“収穫するための剪定”っていう意味合いではなくて、“よく育てるための剪定”が必要です。冬の寒さが増してくる前にやっておいたほうがよいでしょう。 街路樹とかも、年末になるとよくクレーンを使ってやってますよね。あれは別に伸びすぎて邪魔だからという理由で剪定しているのではなく、植物のために切っているんです。切ることにより、吸収した養分を効率的に使えるようになり、寒い冬を耐え抜くスタミナをつけ、次の成長につなげるんです。 ハーブの場合、剪定は同時に収穫をするっていう意味合いになるから、伸びた分はどんどん剪定して収穫を楽しみましょう。 カットの方法ですが、これは映像の中で説明しますね。つたない絵ですが・・・。 【お悩み6】「耐寒」と明記されているラベンダーなのに、うまく冬越しできません! 「耐寒」と明記してあっても、ラベンダーを枯らしたり花を咲かせることができないのはなぜでしょうか? 2階南側のベランダでプランターで栽培していました。 ちなみに、土を総取っ替えせずに一部掘って、購入時の土のまま入れて馴染ませていますが、古い土と混ざるのはよくないのでしょうか? (近畿 50代 女性) 関さんの答え これは、なんていうか、枯れていないんじゃないかなぁ。 「耐寒」とあるものでも、とありますが、耐寒性=常緑ではないんで、そこはもしかしたら、ちょっと認識の違いがあるかもしれませんね。 要は、宿根草と多年草の言葉の違いもあるんですが、最初にそのあたりを簡単に説明しますね。毎年楽しむことができる多年草は2種類あって、そのうちの一つ、ローズマリーのように、葉が四季を通して常緑の植物を「多年草」といいます。そしてもう一つが、土の中で根は生きているけど、葉を落として、一見して枯れたような状態になって冬越しする植物。これを「宿根草」といいます。ラベンダーは種類にもよりますが、多くは前者の「多年草」に属します。ただ、多年草といっても、お住まいの近畿のエリアが、京都や兵庫の北部や山間部に近いところだった場合、都市部に比べて寒さも厳しいと思うので、ラベンダーは株の更新のために冬に落葉することがあります。なので、それを見て枯れたと勘違いされた可能性も考えられますね。 商品タグとかに記載してある“耐寒”に関しては、「枯れたような状態になるけど、実際は根が生きているので、枯れずに冬越ししますよ」という意味なんです。なので、一度、枯れたと思っていたラベンダーの幹を切ってみてください。 本当に枯れている幹はカッサカサな感じがして、ハサミを使わないでも指で簡単に折れ、切り口も乾燥しています。 しかし、生きている幹はどことなくしなやかで、切り口には繊維感もあり、水っ気も感じられます。何よりも指では折れませんし。 その辺をチェックして、落葉しても春までは諦めずに、そうだなぁ、3〜4月ぐらいまで待って音沙汰なしだったら、それは本当に枯れてるって判断すればいいんじゃないかな。 まぁ、ちゃんと暖かくなれば芽が出てくるんで、そこで判断したほうがいいかなと思いますよ。意外かもしれませんが、ラベンダーは草本ではなく常緑樹の仲間なので、強いですから。 花を咲かせないというのは、肥料とかの問題もあると思うので、そこはちゃんとね、花に効くような、ウチでもよく売れている『リンカリ肥料』や、普通のチッソ(N)、リン酸(P)、カリ(K)の比率が10-10-10や8-8-8などの化成肥料とかを使って、花に栄養を与えてあげれば咲いてくれると思います。 あと、ラベンダーは高温多湿を嫌うので、水のあげすぎには十分気をつけてください。もしかしたら、それで枯れた可能性もあるのかな・・・? ちなみに土に関してですが、古い土と混ぜるのは特に問題ないですよ。 【お悩み7】鉢植えのグラス類の越冬の仕方を教えて! 鉢植えのグラス類の越冬の仕方がよく分からなくて、去年は枯らしてしまいました。 (関東 60代 女性) 関さんの答え グラス類もたくさん種類があり、一年草もあれば多年草もあります。なので、何を育てているかによりますが、多くのグラス類は宿根草で、冬場は上部は枯れても根は生きているものが多いんです。なので、【お悩み6】のラベンダーの質問者さん同様、去年枯らしたというものが、地上部だけを見て、枯れたと判断されてしまった可能性もありますね。 もちろん、本当に枯れている可能性もあるけど、僕が直接見られるわけではないので、何とも言えないですが、一度根を上げてみて、根の端のほうを切ってみてください。本当に枯れていれば切り口に水気は無いですが、枯れていなければ水気があるはずです。 お住まいの関東も広いので、例えば群馬の比較的標高の高いエリアで、極寒の環境下にずっと置いておいたとか、雪がずっと乗ったままだったとかだと、完全に枯れる可能性もあるでしょう。ただ前述のように、宿根草は、地上に出ている部分は冬になれば必ず枯れ、根が生きていれば春を待たずしてなんらかの動きを見せるものなので、とりあえず春先ぐらいまでは様子を見てはいかがでしょう? 関さんから愛のメッセージ 植物にとって、耐えなければならない季節「冬」。春夏と元気だった植物が、冬になると元気をなくすのは、それは生き物なので止むを得ないことです。人間も冬になると活動が停滞しがちですからね。人間は「寒いよ〜」と言葉を発することができますが、植物は寒くても、それを人間みたいに言葉で発することができない分、葉を紅葉させたり落としたりして、周囲に自分の状況を知らせています。大事なのは、そこに目を向け、耳を澄まし、植物がなぜ今そんな状況なのかを知ることだと思います。せっかく来年の春のために準備している彼らを、枯れたんだな、と誤解して捨てちゃったら、それはとても悲劇ですよね。 植物たちが生きる時間軸で物事を考えた場合、性急な判断というのは、時に後味の悪い結果をもたらすことがあります。それを避けるためには学びも必要だと思うし、それはとても貴重な学びであり、“戦い”でもあるんだよね。 読者の皆さん、よいお年を! おわりに担当編集より というわけで、皆さん、冬のお悩みは解決しましたか? 最後にお馴染みのフレーズをいただきましたが(笑)関さんがおっしゃるように、植物の分類とそのライフサイクルをちゃんと知らないと、いろいろと誤解も生じてしまいます。でも今は、インターネットが当たり前の時代。ガーデンストーリーとしては、こうして皆さんにお悩み解決の場を利用していただき、それが誤解やお悩みの解消につながったら、最高に嬉しいです。 ただ、取材を通して毎回感心するのは、ネット上では見つけられない、関さんが経験から得た貴重な知識や生の情報の数々。皆さんも、ネットの情報に加え、最寄りの園芸店ともっと懇意にされてはいかがでしょうか? 関さんのお店には、取材の最中もお客様がたくさんお見えでしたが、訊かれると丁寧にいろいろお話ししている関さんを見ていて、あぁ、お客様が大好きなんだなぁと思ってしまいました。話術は関さん流ですが(笑)。 さて、今年始まったこの企画ですが、ガーデンストーリーでは来年も引き続き関さんにさまざまな質問をぶつけていきます。乞うご期待です! Merry Christmas! & Happy New year! 植物に関するお悩み募集中! 植物を育てる上でのお悩みを募集しています。お寄せいただいたお悩みは、こちらの連載『街の園芸店がお悩みを解決!』にて、園芸のプロが丁寧に回答してくれるかもしれません。 ※取り上げるお悩みは編集部にて選定させていただきます。お答えできない場合もございますので、ご了承ください。 お悩み入力フォームはこちら↓↓ https://forms.gle/vi7LXzPMD51Qgb5g9 取材協力 フラワーガーデン セキ 東京都目黒区中町2-39-15 電話:03-3712-3230 ※現在(2024年5月)一時休業中。新店舗にて再開次第お知らせいたします。 Credit 取材・文/ガーデンストーリー編集部
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園芸用品
観葉植物は【ハンギングプランター】でワンランク上の空間を楽しむ!|観葉基礎講座Vol.4
ハンギングプランターってどんなものなの? ハンギングプランターは、カーテンレールやダクトレールなどに植物を吊り下げて楽しむ園芸のおしゃれ技。たくさんの緑が空中に浮かぶ様子は、まるでジャングルのよう。また一鉢吊すだけでも、お部屋がとてもスタイリッシュになります。 吊り下げるだけでなく、ベランダの壁やフェンスに引っ掛けて、屋外で楽しむこともできます。 ハンギングプランターを楽しむための道具 吊り鉢 吊り鉢は、ハンギング用の鉢にフック付きのハンギングパーツがあらかじめ付いているため、そのまま植えて吊せます。 鉢の素材は、写真のようなプラスチックをはじめ、テラコッタ、陶器、ブリキ、鉄、銅などさまざまで、形もお椀型やスクエア型など種類がたくさん。 【バスケット素材のハンギング】 バスケット素材のハンギングは、鉢植えを中に入れて使うアイテムで、鉢カバーの役目も果たします。籐や椰子などの自然素材を編み込んだタイプのものは、温かみがあって大人気です。 【ワイヤーバスケット】 椰子の繊維で作られたヤシマットを敷いて使うワイヤーバスケットは、通気性がよいため、多肉植物のハンギングに向いています。ただし、ヤシマットは通気性が“よすぎる”ため、水切れがとても早いので、植える植物によっては注意が必要です。 【ハンギングはペットのいるご家庭でも有効】 ペットにとって危険なコーデックスなどを育てる場合、植物をペットの手の届かないところに配置する意味でもハンギングは有効です。 ハンギングロープ ハンギングロープは、そのままでは吊せない普通の鉢を吊すために用います。シンプルな麻ひもや綿ひも製、またそれらをおしゃれに編み込んだマクラメタイプのもの、ブリキや銅製のチェーンタイプのものなど、さまざまな素材から選べます。 【ハンギングロープは自分で作ることもできます】 ハンギングロープはさまざまな素材を使い、自分で作ることもできます。編集部のスタッフも、綿ひもをマクラメ編みした自作ハンギングロープで観葉植物を楽しんでいます。 ハンギングフック ハンギングフックは、カーテンレールや、ダクトレールなどに物を吊すための器具で、S字フックともいいます。 鉄製やステンレス製のものが多く、プラスチック製のものもありますが、鉢は土が水を含めば重量も増すため、耐久性の面からもプラスチック製のものはおすすめしません。 ハンギングロープに写真(上)のようなフックが付いていれば、基本的にハンギングフックは不要ですが、引っ掛ける場所とサイズが合わない場合は、ハンギングフックで調整することも可能です。 プラントホルダー ハンギングは吊すだけではありません。プラントホルダーを使えば、壁やフェンス、ベランダの手すりなどに引っ掛けて楽しむことができます。 ハンギングにおすすめの植物 アイビー(ヘデラ) ハンギングプランターのアイコン的存在のアイビー(別名へデラ)は、屋内はもちろん屋外でも楽しめる万能選手。ヨーロッパやアジア西部にかけ幅広く分布し、耐寒温度がマイナス2℃のため、欧州の比較的寒い地域でも雨だけでどんどん育つタフな植物です。その生命力の強さと、そう思わせないおしゃれなルックスが相まって、観葉植物初心者にも大人気です。 どの園芸店でもハンギングしたいと相談されれば、まず最初にアイビーをおすすめするのではないでしょうか。また、品種改良も頻繁に行われているため、市場では色や形などさまざまな種類のアイビーに出会うことができ、そんな選べる楽しみもアイビーの魅力の一つです。 アイビーのツルはとても旺盛に伸びていくため、おしゃれな樹形を維持するためには剪定が必須となります。むしろ剪定しつつ、ツルを巻いたりどこかに引っ掛けたりして楽しむのがヘデラの醍醐味。ハンギング入門者にもおすすめです! 【ヘデラとアイビー】 園芸店よっては学名のヘデラで販売されていますが、基本的に同じもの。アイビーはヘデラの英語での正式名称コモン・アイビーを由来としています。 ポトス ポトスは東南アジアのソロモン諸島を原産とするサトイモ科のツル性の植物。おしゃれなカフェやオフィスに飾られていることも多いので、それを見て自分も育ててみたいと思った方は多いのではないでしょうか。ツルは旺盛に下に垂れて伸びるため、ハンギングに最適な観葉植物です。 しかし原産地でのポトスは、鬱蒼としたジャングルの地面付近に自生し、他の樹木に気根(地上の幹や茎から出た根)を巻き付かせながら上に伸びていきます。ゆえに耐陰性に富み、逆に直射日光には弱いんです。レースのカーテン越しの明るい場所で、気温が10℃を下回らないように管理すれば、容易に育てることができます。 ちなみに、ポトスって意外にもたくさん種類があり、私たちが最も多く目にする緑の葉にクリームイエローの模様の入ったものは黄金カズラというものなんです。他にもポトスライムやマーブルクイーンなどさまざまな種類があるので、園芸店巡りをするのも楽しいですね。 ホヤ ガガイモ科のツル性植物ホヤは、東南アジアやオセアニアの亜熱帯地域に広く分布し、自生地では他の樹木や岩場に着生しながら成長し、最大で18mにまでなるというとてもタフな植物です。多肉質で可愛らしい葉が特徴ですが、一番の推しは、なんといっても可愛い花。肉厚の花びらにはワックスを塗ったような艶があるため、海外ではワックスプラントとも呼ばれています。 花からは、高貴なフレグランスのような、甘くスパイシーな香りが漂います。 ホヤにはたくさんの種類があり、品種によって葉や花の形状や色もさまざま。またホヤ自体、市場での流通量が決して多いわけではないので、興味がある方は見つけたら即買いがおすすめです。 育て方も他のハンギング植物同様、直射日光を避け、レースのカーテン越しの明るい場所で、気温が10℃以下にならないように、水やりは用土が乾いたらたっぷりと、といった感じで、初心者でも容易に育てられます。 ちなみに、この貝みたいなホヤという名前の由来は、著名な植物学者ロバート・ブラウン氏により、彼の友人でもあり、18~19世紀に活躍した英国の著名なガーデナー、トーマス・ホイ氏を讃え、その名にちなんで命名されました。 フィロデンドロン 中南米が原産のフィロデンドロンは、種類が650にも上り大変多いことでも知られています。日本で販売されている園芸品種は限られているものの、多くのバリエーションを持つ葉の美しさから、フィロデンドロンを中心に収集しているコレクターもいます。 とにかく葉が美しいので、園芸店では入荷するたびにすぐに売れてしまう人気品種です。 耐陰性もあり、基本的な育て方はポトスと同じですが、品種によっては葉の発色のために、長時間日光浴(真夏の直射日光はNG)させたほうがいいものもあるので、購入時に確認しておきましょう。 余談ですが、学名はギリシャ語のフィレオ(友愛、兄弟愛の)デンドロン(木)を意味することから、風水的にも人気なのだとか。その辺りの詳細は風水師にお尋ねください。 リプサリス ハンギングできるサボテンとして人気のリプサリス。さまざまな種類がありますが、特に人気なのは、上写真のひものような摩訶不思議な形のリプサリス。これは茎が変化したものなのです(普通のサボテンも胴体の部分は茎なんですよ!)。私たちが日頃抱いているサボテンのイメージとは異なるため、購入時にサボテンと知って驚く人も多いです。 リプサリスは熱帯雨林に自生するため「森林性サボテン」とも呼ばれています。サボテンといってもトゲはなく、ただひものような茎がどんどん生えていきます。そして品種により異なりますが、成長すると春頃に白や黄、オレンジ、ピンクの花を咲かせ、自家受粉した後に写真のような赤い実がなります(実は白い場合もあります)。 育て方は、普通の夏成長型のサボテンと同じで、水やりは春から夏の生育期は用土が乾いたらたっぷりと、秋から徐々に控えて、冬は月に1回、湿らす程度、という感じです。ただ、耐陰性が強い分、強い日差しに弱いので、半日陰くらいのところでの栽培が適しています。まさにハンギングのためのサボテンですね。 シダ類 シダというと、恐竜時代から変わらぬ姿で鬱蒼とした森に生えている、というイメージを持つ人も多いと思いますが、実は観葉植物としても大人気で、特にハンギングプランターとしての人気が高いんです。人類よりも遥かに長い歴史を生き抜いてきたため、熱帯のどの地域でも見ることができ、種類も大変豊富。私たちがハンギングで楽しむ園芸種としては、昨今インテリアグリーンとして大人気のビカクシダ(コウモリラン)などを筆頭に、ボストンファーンとしても知られているツルシダ科のネフロレピス・ペンジュラなどが人気です。 育て方は種類によって異なりますが、基本的に高温多湿を好むため、冬場は気温が10℃以下にならないよう、また水切れにも注意して育てる必要があります。育て方に慣れてくるとコレクションしたくなるのがシダの魅力(魔力?)。スタイリッシュにシダ類がハンギングされたシーンは、一度はやってみたいと憧れている人も多くいます。 ハンギングプランターの管理のしかた 最適な設置場所 【室内】 直射日光による「葉焼け」を防ぐためにレースのカーテン越しの明るい場所で、エアコンの風が直接当たらないように管理してください。エアコンの風は植物を必要以上に乾燥させ、根から吸い上げた水分を葉から蒸発させる「蒸散作用」に悪影響を与え、葉がだんだん黄色に変色してしまいます。そもそも植物は代謝のために古い葉を黄色くして落としていきますが、あまりにもそれが顕著な場合はエアコンの風を疑い、管理場所を移動させたほうがよいかもしれません。室内でのハンギングの場合、この点に特に注意が必要です。 【屋外】 夏場は直射日光が当たりすぎず、風通しのよい環境が最適です。また、エアコンの室外機から出る風の影響がない場所を選びましょう。 冬場は日当たりのよい場所に置き、種類によっては、夜間が氷点下になる場合や降雪時には室内に取り込みましょう。冬の管理は、植物の種類により耐寒温度が異なるので、ネットなどで確認するか、購入した園芸店に尋ねてみるのもよいでしょう。 用土 市販の観葉植物専用の用土、あるいはハンギング専用土を使います。リプサリスなどのサボテンには多肉用培養土も使用できます。 水やり・葉水 水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。 室内に飾っている場合は、ベランダや庭、あるいはお風呂場で行い、水が鉢底から出なくなったら定位置に戻すとよいでしょう。 受け皿つきでハンギングしている場合は、受け皿に水が溜まったままだと根腐れを起こしてしまうため、溜まった水はすぐに捨てましょう。 葉水は毎日でもOKです。特に室内は乾燥しやすいため、葉水をすることでホコリやハダニが付着するのを予防できます。 剪定 長く伸びてしまった葉や茎は、剪定しても大丈夫です。ただし、観葉植物は種類によっては切り口から垂れてくる液体により皮膚がただれる場合があるので、手袋をするか、剪定後は手をしっかりと洗ってください。 肥料及び活力剤 春から秋の時期に、『マグアンプK』などの遅効性肥料を置き肥として土の表面に置いてあげるとよいでしょう。『マグアンプK』以外の肥料は、種類によってはあげすぎたり、直接植物に触れると肥料焼けを起こす場合があるので、置き肥は幹から遠い鉢の縁に置くことをおすすめします。 水やりの際に、2〜3回に1回の割合で植物活力剤『メネデール』を規定量希釈して与えると、葉の瑞々しさや、植物自体のスタミナ増強効果が期待できます。 植え替え 植物の成長に合わせ、2〜3年に1回は、1〜2回り大きい鉢への植え替えをおすすめします。水やりの際に水をなかなか吸わなかったり、鉢底から根が飛び出してきたら、それは植え替えのサインです。 オザキフラワーパークのおすすめコーディネート5選 今回お話を伺ったオザキフラワーパーク観葉植物担の後藤さんに、どんなお部屋にもマッチする、おすすめのハンギングコーディネートを選んでいただきました。 コーディネート①:【ポトス】 【POINT】 白と黒のツートーンカラーの麻ひも製ハンギングロープの黒の部分に、耐陰性が強く初心者の方でも育てやすいポトスを入れた同色のアートストーンポットを合わせてみました。ポトスの葉色がとても映える仕立てになっています。ポトスは成長するにつれて下に垂れていくので、徐々に大胆な雰囲気へと変化していく様子を楽しめます。ただ成長が早いので、あまりにも伸びすぎた場合は、強めの剪定をしてスッキリさせることができます。こんなに切って大丈夫かな? というくらい切っても、またすぐに伸びてくるので大丈夫です。 伸びたツルを巻いたり、他のものに巻き付かせたり、思い通りに形を作れるのがポトスの魅力です。価格がお手頃なのもいいですね。 コーディネート②:【オキシカルジウム・ブラジル】 【POINT】 サトイモ科の植物オキシカルジウム・ブラジルを、シンプルに編み込まれたハンギングカバーで吊ってみました。網目感のある鉢カバー部分は細かい仕事が施されていて、ダークカラーの割には優しい雰囲気を醸し出しています。またそのコントラストが、葉に入った斑の美しさを際立たせます。 オキシカルジウム・ブラジルはポトス同様に育てやすく、滴形のおしゃれな葉は葉水が大好きなので、毎日の葉水で喜ばせてあげましょう。 コーディネート③:【アイビー】 【POINT】 ハンギングの定番アイビーは、王道のシンプルな白いハンギングカバーが似合います。吊り具部分が同色のチェーン状なので、ひも製のものよりも品のよい高級感があります。また、アイビーの紋章のような形の葉がその雰囲気をさらに強め、全体的にハイセンスな仕立てになっています。アイビーの葉っておしゃれですよね! この葉の形に惹かれて買っていかれるお客様も多いんです。でも、乾燥するとハダニが発生しやすいので、こまめに葉水をしてあげるとよいでしょう。 コーディネート④:【リプサリス・エリプティカ】 【POINT】 ハンギングで大人気のリプサリス。平べったくギザギザした葉のような茎「葉状茎」が特徴のエリプティカ種を、黒い楕円フレームのハンギングカバーに入れて、コンテンポラリーな雰囲気の中にもアメリカンガーデンを感じられるような仕立てにしてみました。他のリプサリス同様、花を咲かせた後に実がつくので、そんな移ろいも楽しむことができます。風通しのよい場所で乾燥気味に育ててください。もちろん、エアコンの風はNG ですよ。 コーディネート⑤:【ホヤ・ロシータ】 【POINT】 白いサークルパイプの中で植物が浮いているように見せる、ちょっと遊び心のあるハンギング。旺盛に伸びるツルがお部屋をスタイリッシュにアップグレードするホヤ・ロシータを楽しげな感じに仕立ててみました。前述のようにホヤ属は流通量が少なく、中でもロシータは特に希少性が高いので、ある意味出会えたらラッキーな植物かもしれません。 我ながらこの組み合わせはいいですねぇ(笑)。おすすめです! ハンギングおしゃれ図鑑 お部屋をスタイリッシュに見せるハンギング。インスタグラムで#ハンギングと検索をかけると、その投稿数はなんと6.2万!。英語で#hangingplantsと入れると、その数はさらに膨れ上がり48.1万件にもなります!。 世のハンギンングマスターたちは、いったいどんな風にハンギングを楽しんでいるのか気になりますよね。そんな巷のハンギングを、ちょっとのぞいてみましょう! おわりに いかがでしたか? ハンギングプランター特集。ハンギングプランターをおしゃれに飾りたいけど、やり方がイマイチ分からずに手が出せないという方も多かったのではないでしょうか。この記事でご紹介しているちょっとしたコツを掴めば、もう簡単。雑誌やテレビで見たような、ワンランク上の理想の空間を手に入れることができます。 今回この記事のためにInstagramに投稿されているいろんな方のハンギングプランターを拝見したのですが、植物の選び方、アイテムの選び方、飾り方、どれをとっても勉強になるものばかりでした。植物によってその表情がガラッと変わるハンギングプランター、あなたは何をハンギングしますか? さて、オザキフラワーパークでは観葉植物のどんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみてください!
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花と緑
【オリーブ】育て方を徹底解説! 専門家おすすめの人気オリーブ7選|観葉植物基礎講座Vol.3(後編)
オリーブを知るための5つのポイント 観葉植物基礎講座Vol.3オリーブ編。前半では、オリーブってどんな植物? どうやって育てるの? についてご紹介しましたが、後半に行く前に、まずは前半を簡単におさらいしましょう。 【オリーブを知るための5つのポイント】 オリーブは地中海地方原産のおしゃれな植物。 オリーブにはいくつもの種類があり、樹形は「直立型」と「開帳型」に分かれる。 オリーブには「自家受粉タイプ」と「他家受粉タイプ」があるが、いずれも結実には複数の品種で管理することが望ましい。 オリーブは日光を十分に当てて、外で管理する。 オリーブは剪定が肝心。 前半で説明したこの5つのポイントを知っていれば、もうオリーブ通になったようなもの。 さて後編では、今回の企画でお話を伺った「オザキフラワーパーク」の佐藤さんに、おすすめのオリーブをご紹介していただきます。 オリーブのスペシャリストがおすすめするオリーブ7選 店頭に並ぶさまざまな種類のオリーブ。そのどれもが、オリーブに情熱を傾けている生産者が手塩にかけたものばかり。今回の取材でご協力いただいたオリーブのスペシャリスト、「オザキフラワーパーク」の佐藤さんに、おすすめのオリーブを紹介していただきました。 ピクアル(スペイン原産) スペイン原産のピクアルは、1本で実がつく自家受粉タイプ。結実すると、お馴染みのオリーブグリーンの実と、赤紫色の実の両方がつきます。白味がかった葉も特徴的です。直立型で真っ直ぐ上に伸びやすい品種なので、あまり場所を取らないような樹形を探している方にはおすすめです。このオリーブオリーブした色味は当店でも大人気で、僕もイチオシです。 価格は8,900円(税込)です。 ミッション(アメリカ原産) 米国カリフォルニア生まれのミッションは、枝がバナナみたいに斜めにしなって上に伸びるため、あまり剪定をしなくても、上に真っ直ぐの直立型の姿をとどめてくれるのが特徴です。管理もしやすく、綺麗な薄い緑色の幹に細長くスタイリッシュな無数の葉がついている姿に惹かれるファンは多く、「オザキフラワーパーク」でもよく売れています。ただし、結実するためには異なる品種が必要となる他家受粉タイプのため、相性のよいネバディロブランコを側に置いておくのがおすすめ。価格も9,800円(税込)と、手が届きやすいのも魅力です。 このミッションを手掛ける香川県の生産者「SOUJU」は、一般に販売されているオリーブに比べて小さめの鉢で仕立てるのが特徴です。その理由は、購入したお客様が2回りぐらい大きい鉢に植え替えてちょうどいいサイズになるように考えているから。お客様目線の理由からなんですが、あえて小さくしている分、水はけがよく、水枯れしやすいので注意が必要です。 ネバディロブランコ(スペイン原産) オリーブオイルの原料として知られているスペイン原産のネバディロブランコは、柔らかい緑色の葉が特徴で、小さい実が付きやすい品種です。開帳型なので、樹形としては横にボリュームが出やすい特徴があります。そのため、背丈をあまり伸ばしたくない人にはおすすめです。 花の数も花粉量も多く、また開花期が長いため、他品種の中にネバディロブランコを1本入れることにより、ほかの木の受粉量が飛躍的に上がり、全ての木に実が付きやすくなります。そのため、結実のための受粉木としてネバディロブランコを買う人も多いですね。ちなみに、ネバディロブランコは他家受粉タイプなので、ネバディロブランコに実をつけたい場合も、他の品種を近くに置く必要があります。 ミッション同様「SOUJU」が手がけたものなので、オザキのネバディロは全て幹が太く、しっかりとした樹形がお客様から支持されています。 価格は4,500円(税込)です。 オリーミー(ミッション&ネバディロブランコ) ネバディロブランコにミッションを接木して作られたオリーミー。「SOUJU」が登録商標を持つオリジナルの品種です。もともと相性のよい2品種なので、これを繋げ、お互いが受粉し合うことによる自家受粉タイプにしてしまうなんて、オリーブを知り尽くした「SOUJU」ならではのアイデアですね。 自宅のスペースが限られていて、2品種を置くとなるとちょっと、という方にはとてもおすすめです。ただし、価格が35,000円と少々高めですが、この大きさの異品種を2〜3本買うよりは断然お得です。 オリーミーのもう一つの魅力は、もともと香川県で盆栽を生産していた「SOUJU」ならではのその樹形。というのも、「SOUJU」が拠を構える香川県は盆栽の産地として有名で、特色として地植えした盆栽を鉢上げする文化があり、その技術をオリーブに用いているのです。つまり、オリーミーは普通のオリーブと違い、丹精込めて樹形を作り込んだ盆栽型なんです。ゆえに値段も高め。ただ、最初の形がここまでよいと、後々の形もさらによくなっていくんですよ。 綿密に計算して作られた樹形はひと目見ただけで、ほかのオリーブとは何かが違うという雰囲気が漂います。これはぜひ店頭に見に来ていただきたいですね。花付きもすごくよいので、条件によっては200〜300個の実の収穫も可能です。まさにオリーブ好きを唸らせるオリーブだと思います。当店には、オリーミーの入荷に合わせて地方からわざわざ買いにくるお客様もいるほどなんです。 【オリーミーに関する佐藤さんの説明をこちらで聞くことができます】 ※オリーミーは今回は限定10鉢のみの入荷となっているので、興味のある方は事前にお店にお問い合わせください。 シプレッシーノ(イタリア原産) シチリア島に多く自生しているシプレッシーノは、1本で実がつく自家受粉タイプのオリーブ。数あるオリーブの中でもシプレッシーノの実が一番美味しいというイタリア人は多いです。 全体的に青みが強く、光線の加減で銀色に輝く美しい葉が次から次へと出てくるため、ボリューム感のある直立型の樹形が特徴。ピクアルよりも直立具合は強めですね。初めから縦に伸びることが分かっているので、限られたスペースでオリーブを育てたい方にはおすすめです。 自家受粉タイプですが、近くに他の品種(特にネバディロブランコ)を置くことにより結実もよくなるので、美味しいと評判のシプレッシーノの実、収穫して食べてみてはいかがですか? 価格は9,800円(税込)です。 オヒブランカ(スペイン原産) オヒブランカは観賞用としては最も流通量のある品種で、初心者に最適のオリーブです。1本で実がつく自家受粉タイプで、暑さ寒さにも強く、真っ直ぐ上に伸びる直立型。色はブルー系で管理もしやすいという、オリーブのいいとこ取りなところが人気です。柔らかい割にはしっかりとした枝が絶え間なく出てくれるので、剪定もしやすく、形が作り込めるのも魅力ですね。地植え、鉢植えと、どちらでも楽しめ、「オザキフラワーパーク」でもとてもよく売れます。 ちなみに、当店のオヒブランカは、ベテランオリーブ生産者「小倉園」の手によるもので、優れたオリーブを数多く作る「小倉園」の中でも、このオヒブランカは特におすすめです。群馬県の生産者なので、関東地方在住の方には気候的にも育てやすいと思います。 価格は20,000円(税込)です。 オリーバ・エスパニョール(スペイン原産) ちょっと変わったところでは、著名なオリーブハンターの又右衛門氏が日本に持ってきたスペイン原産のオリーバ・エスパニョールも面白いです。関東圏ではおそらく当店でしか販売されていないことから、遠方からこのオリーブを目当てに来られるお客様もいるほどレアな品種です。こちらの商品は情報量が少ないため、自家受粉タイプか他家受粉タイプかは不明なのですが、ネバディロブランコを近くに置くことにより、結実率も高くなります。結実するとブラックオリーブの実がなるところも珍しいですね。また、葉は全体的に茶葉を思わせる緑色でとても小ぶり。枝は柔らかく、分枝もしやすいため、剪定によりコンパクトな形が作りやすく、当店のラインナップの中では変化球ではあるけれど、とても栽培を楽しめそうな品種です。コンパクトサイズのため価格も4,500円(税込)とお手頃です。 編集部のイチオシ オリーブ古木 イタリアで30年の歳月を送った古木のオヒブランカ(スペイン原産)。幹が経年で割れてくる姿には“我が古木たる”という威厳を感じます。管理している佐藤さんは、この古木オリーブを盆栽のように仕立て上げている最中なのだとか。欲しい人は佐藤さんが「売りたくない・・・」と思い始める前に、いざお店へ。 お値段もヴィンテージの名に恥じぬ22万円(税込)! でも樹齢30年でこの値段はむしろ良心的かも。運よく手に入れることができたら、このただでさえ味わい深いフォルムを、自ら剪定することで自分色に仕立てる喜びも手に入れられます。まさに大人の時間を楽しむための、大人のためのオリーブですね。 ただし、30年という樹齢が持つエナジーの強さゆえに「ひこばえ」が頻繁に出てくるので、根元付近は頻繁にチェックし、見つけたら即カットしてください。 【取材の時も偶然ひこばえを発見しました】 【ひこばえとは】 ひこばえは、樹木などの根元や、根元に近い地中から新しい枝が生えてくることを指し、ひこばえを放置していると水分や栄養分がひこばえのほうに偏り、主幹の樹勢が弱まり、最悪の場合枯れてしまう。イチョウやサクラに出やすい。 おわりに いかがでしたか、オリーブ大特集後編。「オザキフラワーパーク」の佐藤さんにいろいろなオリーブを紹介していただきましたが、欲しいオリーブは見つかりましたか? 素敵なオリーブの数々に迷ってしまいましたが、取材に赴いた私としては、まるで盆栽のような風貌のオリーブ古木が目に焼き付いて離れません。お値段はかなりのものですが、自生地の地中海沿岸地方での数十年の歴史が、あの味わい深い幹に刻まれているのですから、それだけの価値があると思います。もちろん、古木以外にも魅力的なオリーブをたくさん紹介していただきました。こんな時代ですからね、「平和の象徴」でもあり、ご自宅に地中海の風を運んでくれるおしゃれなオリーブを、ぜひ育ててみませんか? さて、オザキフラワーパークでは観葉植物に関するどんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみませんか?
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観葉・インドアグリーン
【オリーブ】育て方を徹底解説!ポイントは剪定!|観葉植物基礎講座Vol.3(前編)
オリーブの木って、どんな植物? モクセイ科オリーブ属の常緑高木、オリーブ。スタイリッシュな葉とおしゃれな樹形、そして実も収穫できることから、世界中で愛されている樹木です。また、旧約聖書の中で描かれている記述により、古くから「平和の象徴」として崇められていて、国連の旗にもオリーブの枝が描かれています。しかし一般的には、敬うべき木というよりも、実を食べたり、搾油して料理や美容などに活用するイメージのほうが強いかもしれませんね。 オリーブの木(以下オリーブ)の原産地は、イタリア、スペイン、ギリシャ、トルコなどの地中海沿岸地域。年間を通して温暖でドライな場所に自生しています。歴史も長く、最古の記録としては、イタリアで5万年前のオリーブの葉の化石が見つかっており、オリーブがクロマニョン人以前より人類と共にあったことがうかがえます。現在においても樹齢1,000年以上のオリーブが幾つか存在し、中でもギリシャのクレタ島にある樹齢約3,000年のオリーブは有名です。 オリーブは種類も多く、現在のところその数なんと約1,600品種以上。葉の形や実の大きさ、樹形など、それぞれに特徴を有しています。品種改良も積極的に行われているため、今もなお種類は増え続けています。熱心なファンの中には、まるで農家のように何種類ものオリーブを栽培し、品種ごとに造詣を深めていくことを趣味にしているマニアックな人もいます。でも、この記事を最後まで読んでいただくとその気持ちが分かるかも…。 オリーブは日本でも盛んに栽培が行われています。産地としては、地中海沿岸地域と気候が似ている香川県の小豆島が有名ですね。しかし、日本にオリーブの木が初めて持ち込まれたのは、意外にも小豆島ではなく横須賀だったんです。江戸時代末期にフランスから持ち込まれた最初の1本が横須賀に植樹され、以後十数年に渡り栽培の研究が行われました。そして、初めてその結実に成功したのが小豆島です。オリーブが私たちにとって身近な存在になれたのは、そんな先達の努力があってのことだったのですね。心より感謝です。 オリーブは価格の幅も広く、小さいものは1,000円前後で買うことができますが、大きいものになると100万円以上するものもあります。個体差はあるものの、比較的成長が早い植物なので、最初は予算に見合った小さいものを買って、大きくする過程を楽しむのもおすすめです。 観葉植物として室内栽培を前提に購入する人もいますが、「オザキフラワーパーク」で最も多いのは、屋外で育てる目的で購入するオリーブ初心者のお客様。ほかにも、庭のあるご家庭では最初から比較的大きめのオリーブを買って自宅のシンボルツリーにしたり、商家の方が店舗前の植栽として購入されることもあります。 多くの人に愛されるオリーブですが、実の収穫に至るまでは、幾つかのポイントをマスターしなければなりません。でも、基本的には初心者にとってハードルの低い植物なので、ぜひこれを機会にトライしてみてはいかがでしょうか。 オリーブの選び方 縦に伸びるか、横に広がるか オリーブはとても種類が多く、選ぶのに迷うかもしれません。そんなときは、縦に伸びる「直立型」か、横に広がる「開帳型」かという、成長のしかたで選んでみてはいかがでしょうか。 栽培するスペースが限られている人は縦に伸びる直立型、横に広げてぽってりとした姿を楽しみたい人は開帳型を選ぶとよいでしょう。直立型の品種は、その樹形を活かし、庭や部屋の目隠しとして植栽する人もいます。 色 オリーブの葉の表面は、一般にオリーブグリーンといわれる、やや青みのある緑色。裏面は光の加減で銀色に輝いて見えるため、風に揺れたときなどはとても美しいんです! おしゃれに伸びる枝も光の加減でさまざまな表情を見せてくれるため、色彩で楽しめるのもオリーブの魅力。葉色は品種により極端に変わるわけではありませんが、まるで茶葉のようなフレッシュグリーンであったり、青みが強いものであったりと、好みに応じてさまざまなオリーブを選ぶことができます。 実の付きかた オリーブの魅力といえば、実。オリーブを植える動機として、その実を収穫したいと思う人も大勢います。オリーブは、単体の木で結実(実がなること)する自家受粉タイプと、2種類以上の品種が受粉することにより結実する他家受粉タイプの2種類があるので、結実させたい場合は、購入するオリーブがどちらのタイプかを見極めておく必要があります。 種類により差はありますが、大体5〜6月に白くて小さい可愛い花をたくさん咲かせます。しかし、その全てに実が付くわけではなく、通常は1〜2割、多くても3割くらいしか結実しません。つまり大量に収穫したい場合は、それなりに大きい木でなければなりません。 付き始めの実は、1〜2mmのとても可愛い薄緑色の粒で、それが日を追うごとにだんだん大きくなっていきます。品種によって異なりますが、肥大化が止まる10〜11月に収穫します。せっかく育てるオリーブですからね、ぜひ結実にチャレンジし、収穫体験を味わってみてください! 【ポイント:受粉木をそばに置く】 花付きがよく花粉量も多い品種を「受粉木」としてそばに置いておくと、より結実する確率が高まり、また、実の量も多くなることが期待できます。1本で実が付く自家受粉可能なタイプも、受粉木がそばにあると、同様の効果が期待できます。ネバディロブランコという品種が受粉木として人気です。 オリーブの育て方 置き場所 オリーブは太陽が大好き! 基本的に全種類、真夏の強光線に長時間あたっていても葉が日焼けすることはないので、日当たりのよい屋外で管理してください。半日以上は直射日光が当たる環境が理想的です。逆に、光量が少ないと枝が徒長し、葉もポロポロと落ちて、徐々に樹勢が弱まっていきます。 集合住宅など、ベランダで育てる場合は、エアコンの室外機の風が当たらないように注意してください。 【室内管理について】 オリーブは耐陰性が強いわけではないので、室内で管理する場合は、日の出から日の入りまで十分に日の当たる場所に置いてください。日照が足りない場合は、植物育成ライトを補助的に使用することをおすすめします。ただし、安価な低出力タイプだと効果がないので、高出力タイプのものを使用してください。 季節ごとの管理方法 【夏の管理】 オリーブは暑さに強いため、40℃近くまで気温が上昇する昨今の真夏の暑さでも問題なく乗り越えられます。ただし、室内で管理する場合は、エアコンの風を直にあてるのは厳禁です。これはオリーブに限らずどの植物でもそうですが、エアコンの風は、葉が水分を蒸発させる「蒸散作用」を阻害してしまうため、植物が弱る原因となってしまいます。また室内は、植物の生育に欠かせない「自然な風」がないため、蒸れによる根腐れが起きやすいので、サーキュレーター(送風機)で部屋の空気を循環させることをおすすめします。 【冬の管理】 オリーブの故郷地中海沿岸は、冬は寒くはなりますが、氷点下になることはありません。オリーブは耐寒性も強いので、たまの降雪には耐えられますが、0℃を下回る極低温状態が続くと枯れてしまう場合があります。このため、関東以北の寒冷地での地植えはおすすめしません。寒冷地では鉢植えで栽培し、夜間など気温が下がる時にはこまめに屋内に取り込むことをおすすめします。関東以南で、かつ降雪量が少ない地域であれば地植えでの越冬も可能です。室内で管理する場合は夏と同様に、エアコンの風が直にあたらないよう注意し、サーキュレーターで室内の空気を循環させましょう。 【梅雨の管理】 オリーブの花が開花する5〜6月は日本では梅雨にあたるため、開花期間中に長雨が続くと、うまく花粉が飛ばなかったり、受粉しないまま花が落ちてしまい、うまく結実しない場合があります。結実を目指す場合は、開花時期は天気予報をこまめにチェックし、雨が降りそうなら、鉢植えの場合は雨があたらない場所にいったん移動させ、地植えの場合はビニールシートをかぶせるなど、雨対策を行いましょう。 水やり オリーブは乾燥気味の土壌を好むため、基本は乾かし気味に栽培します。地植えの場合は四季を通して雨のみに頼ることも可能ですが、長期間雨が降らない時は土の状態をチェックしながら適宜水やりを行ってください。 鉢植えの場合は、表士が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与え、鉢底皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。夏場は気温が下がる夕方に、冬場は気温が上がっていく午前中に与えるようにしてください。乾いたらたっぷり与えるという、メリハリのある水やりがよいオリーブを育てます。 ちなみに、「オザキフラワーパーク」では『サスティー』という水分チェッカーが人気です。チェックが完了するまでに30~60分と時間はかかるものの、大鉢用のLサイズでも598円というコスパのよさが魅力です。 用土 鉢植えの場合は、赤玉ベースの植木培養土か、オリーブ専用の培養土を使います。地植えの場合、オリーブはアルカリ性の土壌を好むため、地面に苦土石灰を適量まいて定植すると生育がよくなります。逆に酸性の土を嫌うので、酸度の高い土や培養土には植えないほうがよいでしょう 日本は降雨量が多く、雨は基本的に酸性のため、長く植えているとどうしても酸度が高くなってしまいます。このため、年に1回は市販の酸度測定キットなどで土壌酸度(pH)をチェックするとよいでしょう。6.5〜7.0のpH値がオリーブにとって理想的な土壌とされています。 肥料・活力剤など 微量要素が多く入っているオリーブ専用の肥料がおすすめですが、ご家庭にある『マグアンプK』などの化成肥料でも問題ありません。 施肥の時期は3月(新芽が伸びる頃)、6月(実が付く頃)、10月(実の収穫が終わった後)が適期。結実を目指す場合は、この時期の施肥は必須です。 肥料切れになると葉の先端が黄色くなるので、あげどきの目安にもなります。また、5〜6月の花期には、水やりの際に植物用活力剤『メネデール』を規定量希釈して与えると、実付きをよくすることが期待できます。 剪定 樹形がとても魅力的なオリーブですが、この美しいフォルムを維持するためには剪定が欠かせません。また、剪定により思い通りの樹形に仕立てることができるのもオリーブの魅力ともいえます。 逆に、枝を伸ばしっぱなしにしておくと、重力により枝が垂れてしまい、形が悪くなるばかりか、実付きも悪く、幹も太くならないので、1〜3月に思い切ってバッサリと強剪定することをおすすめします。そして6月に軽く形を整える弱剪定を行えば、剪定に関してはOK。 強剪定といっても、慣れない人はバッサリ切ることに躊躇してしまいますよね。でも、オリーブは30cmくらいの丸太状の幹を地面に杭のように打ち込んでおくと、根っこがなくても上からどんどん枝と葉が出てくるほどタフな植物なので、心配せずにどんどん切っちゃって大丈夫です。 【剪定方法】 オリーブの多くは「互生葉序」※で葉を出すため、カットした場所の直下の葉の出ている方向に枝が分枝していきます。このため、枝をどっちの方向に向かわせたいか、剪定により樹形をコントロールすることができるんです。つまり、樹形を上に高くしたいのであれば、葉が上に向いているところの少し上のところで切り、横に広げたいのであれば、横方向に出ている葉の少し上のところで切れば樹形は横に広がっていく、という感じです。ただし、横に切って伸びた枝を放置しておくと下に垂れていくため、大きくなりにくいので注意が必要です。 [動画による説明はこちら] ※【葉序】 葉序(はじょ)とは、茎から出る葉の配列の規則性のこと。葉序には互生葉序と対生葉序、輪生葉序の3種類がある。茎にある節目から葉が1つ出るのが互生葉序、2つ出るのが対生葉序、2つ以上出るのが輪生葉序と呼ばれる。 植え替え 鉢植えのオリーブは、土の表面から根が出てきたり、鉢底穴から根が出てきたら植え替えを行ってください。2回り大きいサイズの鉢に植え替えるのがおすすめです。素焼き鉢や、鉢の底部にスリット(切り込み)の入ったスリット鉢を使用すると、根が張りやすく、成長もしやすいので、早く大きくなります。 植え替えの際は、土の落としすぎに注意してください。せっかく根が抱え込んだ土を無理に落とすと株が弱る可能性があります。オリーブ自体は強い植物ですが、根は繊細なので、植え替えの際は、鉢から抜いた根の表面の土だけをやさしく落としてください。 収穫したオリーブを食べるには? 大切に育てたオリーブに実が付き、収穫までこぎつければ、それを食べたいと思うのは当然ですよね。しかし、オリーブの実はそのままではとても食べられたものではなく、食品用の重曹を用いた、とても手の込んだ渋抜き処理が必要です。 自家製ピクルスにチャレンジしたい方は、下記クックパッドなどを参照してください。健闘を祈ります。 cookpad [重曹で渋抜き。自家製オリーブの塩漬け] オリーブをおしゃれに魅せる技 ただでさえおしゃれなオリーブ。鉢植えで楽しむ方は、可愛い鉢や、気品ある鉢、ちょっと個性的な鉢に植え替えるなど、いろいろこだわりを持って楽しんでいます。 また、これから迎えるホリデーシーズン、いっそのことオリーブをクリスマスツリーにしてみてはいかがですか? これがまた可愛いんです! お庭の地植えのオリーブや鉢植えのオリーブに、クリスマスオーナメントを飾り付ける「クリスマス“オリーブ”ツリー」、ぜひ試してみてください! まとめ いかがでしたか? オリーブ大特集前編。編集部にも自宅で育てているスタッフがいますが、改めてその魅力を再認識したそうです。今回の取材では、「オザキフラワーパーク」の佐藤さんにオリーブのあれやこれやを伺いましたが、その知識の豊富さたるや! これには感嘆しました。ちょうど取材2日前、お店には300鉢もの各種オリーブが入荷したということもあり、植木コーナーは左右どちらを見てもオリーブ、オリーブ。まるでオリーブ畑で取材をしているようでした。 さて、後編ではそんな佐藤さんに、お店でおすすめのオリーブを紹介していただきます。この前編を読んで、オリーブを育ててみたいと思った人は要チェックですよ! オザキフラワーパークでは観葉植物に関するどんな些細な質問でも常時受け付けてくれます。スタッフの皆さんがお客様一人ひとりの、今日の「分からない」を明日の「楽しみ」に変えるお手伝いをしてくれるので、この機会にぜひ観葉植物の世界に足を踏み入れてみませんか? お話を伺ったのは…オザキフラワーパーク植木担当 佐藤さん 「ほかの木に比べ、手をかけた分、一番かっこよくなるのがオリーブ」とその魅力を語る佐藤さん。オリーブのエキスパート佐藤さんには、後編でおすすめのオリーブを紹介していただくので要チェックです!
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ガーデニング
【花を上手に咲かせたい!】街の園芸店がお悩みを解決!vol.5
人々の心を潤す、花 植物を育てているとさまざまな問題にぶつかりますが、花に関するお悩みもたくさん耳にします。なかでも多いのが、やはり「なぜ咲かないの?」というお悩み。咲くと思っていた花が咲かないことほどショックなことはありませんよね。今回はそんな花に関するお悩みを、当連載でもうお馴染みの、街の園芸店「フラワーガーデン・セキ」の関ヨシカズさんに解決していただきます。 今回も答えてくれる街の園芸店「フラワーガーデン・セキ」(目黒区祐天寺) 今回も読者の皆さんのお悩みに答えていただく『フラワーガーデン・セキ』の関さん。東京は目黒区祐天寺に古くからお店を構え、近隣住民から愛される、地域に根ざした園芸ショップです。2代目の関ヨシカズさんは、花に精通した園芸のエキスパート。お店には花を買い求めるお客様だけでなく、花に関するお悩みを関さんに相談しようと、大変多くの方々が訪れます。もちろん皆さんからのご相談にも分かりやすく答えてくれますよ。さて、今回はどんなお悩みが寄せられているのでしょうか? さっそく関さんに伺ってみましょう。 【お悩み1】花が咲かないのは栄養状態に問題アリでしょうか? 花が咲いている苗を購入し、日当たりのよいベランダのプランターで育てているのですが、花が咲きません。肥料をあげないといけないでしょうか? 今まで、ラベンダー、羽衣ジャスミンなどを育ててきました。(近畿 50代 女性) 葉ばかり元気で花がつかない。栄養が多いのか足りないのか分からないです。(関東 50代 女性) 関さんの答え お二方とも、何の花についてかが分かればより的確にお答えできるのですが、最初の質問の方の「肥料をあげないといけないのでしょうか?」に関しては、あげたほうがいいです。むしろあげるべきです。肥料にはチッ素・リン酸・カリという3大要素があって、ざっくり言えば、チッ素は葉っぱとか茎を作り、リン酸やカリは花や実に効果があります。これら3大要素が均等に、8-8-8とか10-10-10とかの比率で入っている肥料をあげておけば、とりあえず問題はないと思います。あげすぎると肥料焼けを起こすので、多くてもダメですが、少なすぎるのも効果がありません。さじ加減は、植物やプランターの大きさにもよるので、肥料のパッケージに記載の使用方法を参考にしてください。 もうお一方の質問のほうですが、「葉ばかり元気で花がつかない」というのは、肥料以外にも、日当たりの問題や、根っこが詰まりすぎていないかなど、他の要因も考えられます。おすすめは『リン・カリ肥料』。 これは、チッ素が0、リン酸19、カリ10、マグネシウム3と、この2つの栄養素に特化した肥料なのですが、お花に直接効くので、これもおすすめです。ちなみに、木や葉に元気がない時は、チッ素が多い油かすをあげると改善が期待できます。でも葉は元気なんですもんね。であれば、やはり『リン・カリ肥料』がベストです。という感じで、何の花かが分からない以上、施肥で改善を図るというのがよいのではないかと思いますね。根の状況も分からないので、コレだ! という確実な解決策を提示できませんが、施肥は試す価値はあると思います。 【お悩み2】豪雪地帯でのクレマチスの冬の管理方法を教えてください 4年前にクレマチスを買い求め、購入2年目は偶然かもというぐらい綺麗に咲きましたが、豪雪地帯のために外には置かず、家の中で管理するので、その方法が難しく、毎年綺麗に咲きません。どういうふうに管理すると安心して冬を越せるのでしょうか?(東北 60代 女性) 関さんの答え この豪雪地帯ってのがね…。ウチは東京の目黒なんでね、正直なところ、豪雪への対処で的確な答えを出すのは難しいかも。ただまぁ、室内でどういうふうに管理するのか、ということにお答えすると、基本的にはなるべく外の環境に近づけるというのが一番だと思います。室内管理で重要になるのは風なので、日当たりのよいところでサーキュレーター(送風機)を回し、室内の空気を循環させ対処するという感じでしょうか。 豪雪地帯って確か、部屋と玄関の間にもう一個玄関があったりするところが多いと思うので、部屋を暖めるということに関しては、知識、技術共に、東京の人よりも圧倒的に長けているでしょうから、温度に関して言えば、部屋に置いておけば即ち温室栽培みたいな感じになると思うので、あえて必要以上に加温する必要はないと思います。 ただ、クレマチスに関して言えば、置いてある部屋を暖めすぎないほうがよいですね。でも話を伺うかぎり、一応冬越しはできているということなので、冬の寒さに当てすぎず暖めすぎずという感じがよいと思います。常に程よく暖かいという状態を保ちつつ、クレマチスは日光が大好きなので、日にもちゃんと当ててあげて、そして新緑の時期を迎えたら強めの肥料をあげる、そういう感じでいいと思います。 より確実なのは、クレマチスにもいろいろ種類があるので、購入したお花屋さんに行って品種を確認した上で適切な冬越しの仕方を聞いてみるのが一番だと思います。豪雪地帯のお花屋さんなら、僕ら東京の園芸店よりもその辺の知識はずっとあると思いますよ。 【お悩み3】羽衣ジャスミンの剪定の仕方を教えてください 羽衣ジャスミンを剪定せずに長年育てていますが、枯れ木の上にどんどんかぶさるように葉が出て花を咲かせている状態です。剪定するにも、どこをどう切ったらいいのか分からずに悩んでいます。(関東 50代 女性) 関さんの答え これはね、これ言っちゃうと元も子もないのですが、どこでもいいんですよ、切りたいところを切ってください。って、答えになってないか(笑)。 ただ、どうしたいのかにもよりますね。例えば、地植えで壁に這わせたいという場合だと、地植えで根が存分に張れるため、あえて剪定をする必要もないと思います。 鉢植えの場合は、“株を更新”するという意味では剪定も有効ですが、それでも僕個人的には、伸びたいだけ伸ばしてやればいいと思います。鉢の場合はツルも綺麗に巻かれて行灯になって販売されているケースが多いのですが、結局、そう時間も経たないうちに行灯からどんどんツルが飛び出ちゃって、購入時の形は崩れるんですよ。で、それをどう巻いていくかという問題になってくるんです。コンパクトに仕立てて、花をそこだけに咲かせたいのか、あるいはそれを地面に下ろして、バーっと繚乱に咲かせたいのかで、方法も変わってくると思うんで。質問者さんの場合は、察するに地植えだと思うので、そして花もちゃんと咲いているようだから、そのままでいいかなと僕は思います。 どんどんかぶさるように葉が出るのは、これはジャスミン的にはしょうがないことなので、単に邪魔なところは切る、これ以上伸ばしたくないのであれば切る、これでいいかと思います。あるいは一度、翌年の花は諦める覚悟で強剪定する、という手もあります。その場合、ここを切っちゃったらまずい、というのは特にありません。ただし、一番下でガッツリ切っちゃうっていうのはやめてくださいね。 とにかく、羽衣ジャスミンはめちゃくちゃツルが伸びるんで、切れば切ったでそこからまた芽が出るため、あまり考えずに、これはもう直感で剪定しちゃって大丈夫ですよ! そして切ったあとはちゃんと肥料をあげてください。肥料をあげるにしても、冬の休眠期前に切ってからの施肥はあまり意味がないので、適期は2〜3月くらい。その時期に剪定して、直後に液体肥料でもあげて新芽を促す、という感じでやれば、ちゃんと元に戻りますよ。下のほうの枯れているようなところに葉を芽吹かせたいとなってくると、またちょっと別の話になってくるんですけど、そこはもう経年劣化部分なんで、あまり気にせず、上が生きていれば何の問題もない、って考えて、ガシガシ切っちゃって大丈夫です。 【お悩み4】バラに使用する薬剤の安全性について知りたいです 庭でバラを15株ほど育てています。バラ以外にもいろいろな花が花壇にあります。バラを育てていく上で、ある程度の薬剤散布はやむを得ないと思っていますが、オーガニックに関する記事を目にするたびに、薬剤散布について罪悪感を抱いてしまうことがあります。使用する薬剤の安全性(環境にどう影響するのか、生物に対してどう影響するのか)について詳しく知りたいです。(中国地方 50代 女性) 関さんの答え 15株ですよね? 農薬散布のヘリコプターで広大な農地に薬を散布するわけではないので、15株のバラに使用するぐらいの使用量で罪悪感を抱かなくても僕はいいと思います。ただ、そのように環境に配慮しようという気持ちを持つことはとても意義のあることだと思います。一人の“ちょっとなら大丈夫”が、塵も積もればで地球規模での環境汚染につながることもあるかもしれませんよね。ただ残念ながら、環境にどう影響するのか、生物に対してどう影響するのかに関しては、僕はそのあたりの研究者ではないので分かりません。そこを知りたいのであれば、住友化学園芸など、薬剤の販売元に聞くのが一番ではないかと思います。 同社のこちらのページでもそのあたりが説明されています。 https://www.i-nouryoku.com/agora/anzen/index.html 僕もこのURLを見てみましたが、そもそも影響を与えるようなものを、民生品には使わないでしょう。家庭園芸用なわけですから。市販されている化学薬剤は、いわゆる劇薬ではないので、取り扱い免許を持っていない僕らが使ったり、一般のお客様が使うことを想定して作られています。生物に対して影響があるようなものを売るはずがありませんよ。まして、バラは確実に虫は来るし、病気のリスクも高い植物なので、ちゃんと安全性を確認してから商品を市場に出しているはずです。 少なくとも僕は気にしたことはないですよ。当店の狭い環境で『ベニカX』まいたからって、地球に悪いことしたな、って僕は思わないし、むしろ植物育ててCO2吸収してますよ、くらいに思っています(笑)。 それでも気になるのでしたら、オーガニックな殺菌剤などを使えばいいと思います。木酢液など、天然由来の物は、決して商品数は多くはないでしょうが、どこの園芸店でも販売しています。ただ、それが化学薬品に比べてどの程度の効果があるかは分かりません。とにかく、栽培農家というわけでもなく、家庭園芸なわけですから、あまり神経質にならずに美しい花を楽しんでください。 【お悩み5】買ってきた花がセンスよく見えるコーディネートを教えてください センスがなくて、プランターばかりが増えていきます。とにかく花を買ってきて、植えて、飾って、水をあげる、そんな感じ…。 コーディネートが難しいです。(関東 30代 男性) 関さんの答え 関東30代男性、素晴らしいじゃないですか(笑)! 30代の男性からの質問は、この連載始まってから初じゃないですか? レアです。素晴らしい! プランターばかりでセンスがない、とおっしゃいますが、センスって基本的に人が決めるものじゃないですか。別に自分が、素敵だな、かっこいいな、と思ったらそれで僕はいいと思うんですけど。 ものすごいざっくりと言うならば、例えばプラスチックの鉢と、ちょっとアンティーク感のあるモスポット(素焼き鉢)を2つ並べると、99%の人がモスポットのほうがおしゃれ、と言うでしょう。つまり、そちらのほうがセンスがよいと思うわけです。 であればまず、もしプラ鉢を使っているのであれば、鉢を違う素材のものにしてみるだけでも一つコーディネートがよくなったといえます。 あと、よくありがちなのが、横長のプランターに花だけを統一感なく植えているケース。あれはいただけませんね。そもそもコーディネートという意味でいえば、横長のプランターって難しいんですよ。凄くセンスが問われるんです。この場合は、丸いプランターに変えてみて、今まで「花-花-花」だったところに「グリーン-グリーン-花」というふうに、ちょっと変化球でカラーリーフを入れてフォーメーションを変えてみるとよいでしょう。これは花だけで作るよりもセンスよく見えるので、おすすめの手法です。 花の集合体にちょっとグリーン物を使うとね、センスよく見えるんですよ。花束を人にあげたことがある人は分かると思いますが、切り花屋さんはよく使う手法です。ハイビスカスばかりだと芸がないので、ソテツの葉を一本加えただけで、ガラッとセンスがよくなる。あの手法をプランターで使うのは、ぜんぜんアリなんですよ。 ちょっとやってみましょうか。 このように、ちょっとした変化球でコーディネートの腕も上がるはずです。がんばってください! 最高なコーディネートができたらGS編集部に写真でも送って披露してください(笑)。 【お悩み6】野放図に育ってしまった庭のバラを綺麗にしたい 庭のバラが野放図に育ってしまって…どうしたらいいのか? しかも植えた覚えのない八重のバラまで咲いてしまい、色も一色になってしまいました。綺麗にするにはどうしたらいいでしょうか?(関東 60代 女性) 関さんの答え 植えた覚えのない八重が? う〜ん、どうなんだろ。(タネが)飛んで来たのかな? 植物には「先祖返り」とかもあるので。そもそもバラ自体交配種なんで、交配される前のやつが出てきちゃう、ということも考えられるのかな…。僕の周辺ではあまり聞いたことはないですが。 【先祖返りとは】 植物が品種改良のため交配を何代も重ねていくうちに、偶発的に原種とよく似た遺伝子を持つ品種ができて、原種に近い状態に戻ってしまうことを「先祖返り」といいます。花以外にも樹木など、植物全般に起こりうることであり、また、品種改良の有無にかかわらず、植物に過度のストレスがかかることによって起こるともいわれています。 おそらく、剪定せずに放置して、葉っぱも落ちちゃったりとかして、ワサワサ〜ッてなってるような状況が思い浮かぶので、これは一度、強剪定をするのが一番じゃないかな。強剪定とは、根元に近いところで切っちゃって、株を一から更新するということです。ワサワサと野放図になっているのが我慢できないのであれば、1〜2年くらいは開花を我慢して、強剪定をかけるのが最善の策だと思います。 大人の背丈くらいまで伸びているのであれば、腰とか膝ぐらいのところまでで止めちゃって。そうしないと、おそらく下のほうから上がってきません。株を作り直すのだったらそれぐらいしちゃってもいいと思います。上を切ったところで、根さえ生きていれば植物は死なないんで。それにより、切られたところからまた脇芽が出て、株が徐々に大きくなり、1〜2年ぐらいでこんもりさせて完成させる、というイメージでしょうか。 庭とか花って、そうすぐには完成しないものなんですよ。植えてからだいたい2〜3年経って完成するものなんです。なので、ここは心を決めて強めに切っちゃいましょう! 関さんから愛のメッセージ 皆さん、なかなか苦心しているようですねぇ〜。花は、基本的には世話をしてあげなければうまく咲かないものです。もちろん、自然に咲く花もたくさんありますが、要は「園芸」なわけですから、芸を施さないと、強く美しい“よい花”は咲きません。もちろん、この質問で取り上げた方々は、どう世話をしよう、どのように管理しよう、という模索をしておられる方ばかりなので、それはとてもよいことなのですが、じつはここで取り上げなかった他の質問の多くは、いかに手間をかけずに花を咲かせることができるか、というような内容で、正直僕は悲しい気持ちになりました。 普段よくいわれる「戦い」とまでは言いませんが、生ける物を扱うにあたり、世話をする「心」が欲しいものです。日頃仕事や家事が忙しく、なかなか花の世話もできないのは確かでしょう。でも思い出してみてください、園芸店の軒先で、その美しさ、可愛さに誘われてその花を家に連れ帰ったわけですから、そうして加わった“家族”に対し、手間をかけない方策を模索するのは、僕はどうかと思います。 確かに、今は通常の園芸品種に比べて手間のかからない改良された品種も多く販売されています。でも結局、手間を惜しむ人って、そういう品種でさえ簡単に枯らしてしまうんですよ。憚りながら園芸に携わる身としては、お買い求めになった商品が、そのお客様の心を潤すものであり続けてほしいと思います。花が美しさを保つには、その潤った心でお返しする愛情こそが最良の肥料なんです。ぜひとも手間は惜しまないでくださいね。そこで分からないことがあれば、どんどんこのコーナーで聞いてください。共に芸を磨きましょう! おわりに いかがでしたか? 今回の“愛の叱咤激励”は、何やらご本人のイメージに合わず(といっては失礼ですが)、ジ〜ンと来てしまいました。花って、関さんが言われるように、栽培する人の愛情の結晶だと思います。その結晶が実を結ばない時は、正直がっかりすることもしばしばですが…。でも、産みの苦しみがあってこそ、花開いた時の感動もひとしおというものです。元来、人間よりも儚い命ですからね。日々学びながら、その命を大事に育んでいきましょう。 ガーデンストーリーでは、引き続き関さんにさまざまな質問をぶつけていきます。次回も乞うご期待です! 植物に関するお悩み募集中! 植物を育てる上でのお悩みを募集しています。お寄せいただいたお悩みは、こちらの連載『街の園芸店がお悩みを解決!』にて、園芸のプロが丁寧に回答してくれるかもしれません。 ※取り上げるお悩みは編集部にて選定させていただきます。お答えできない場合もございますので、ご了承ください。 お悩み入力フォームはこちら↓↓ https://forms.gle/vi7LXzPMD51Qgb5g9 取材協力 フラワーガーデン セキ 東京都目黒区中町2-39-15 電話:03-3712-3230 ※現在(2024年5月)一時休業中。新店舗にて再開次第お知らせいたします。 Credit 取材・文/ガーデンストーリー編集部
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よみうりランド「HANA・BIYORI(はなびより)」花苗・野菜の展示即売会を初開催! [お出かけ情報・東京ボタニカルライフ]
たくさんの花に出会えるフラワーパーク「HANA・BIYORI」 よみうりランドに隣接する日本庭園に、2020年3月にオープンしたエンターテインメント型フラワーパーク「HANA・BIYORI」。花々が咲き誇る約1,500㎡の温室や、日本初となる「花」と「デジタル」技術を融合したプロジェクションマッピングショーが私たちを幻想的な世界に誘います。さらに花の香りや彩りを体感できるワークショップ、花や緑に囲まれたカフェなどエンタメ要素がふんだんに盛り込まれたフラワーパークが堪能できます。 圧巻の300鉢を超えるフラワーシャンデリア(吊り花) 「HANA・BIYORI」の中心に位置する温室内には、日本最大級となる300鉢超のフラワーシャンデリアが咲き誇ります。壁面には長さ20m、高さ2mを超す「壁面花壇」があり、床面を彩る花々も含め、360度花に囲まれた空間が広がります。いつ行っても満開に咲く季節の花々を楽しむことができるのが最大の魅力。360度花に囲まれた空間を心ゆくまで楽しめます。 「花」と「デジタル」が融合した「マルチエンディング」型アートショー ガラスの温室が暗転すると、60m(総長)にせまる壁面3面を使った「花」と「デジタル」が融合したプロジェクションマッピングがスタート。「イマーシブ(没入型)空間の創造」をテーマに、2つの異なるエンディングを用意したマルチエンディングを採用。最新の感情分析システムにより、観客の感情をリアルタイムでデータ化。その結果がエンディングに反映され、観客自身も参加しながら楽しむことができます。 現在、秋限定バージョン「色づく紅葉と花景色」が上映中。空に舞う紅葉や舞い散る雪など、深まる秋と冬の始まりの景色を楽しめます。上映スケジュールなど詳細は、HANA・BIYORI公式サイトをご確認ください。 コラボイベント「秋のPW (ピーダブリュー)花苗即売会」を初開催 10月7日(金)~10日(月/祝)の4日間、植物の国際ブランド「PW (ピーダブリュー)」とのコラボイベント「秋のPW花苗即売会」が開催されます。PWの新品種や今後注目の花、多肉植物や観葉植物を観賞したり購入することができます。ほかにも四季の庭などで、見本展示が行われます。スタッフが丁寧に商品の説明をしてくれるので、花に詳しくない方は気軽に相談してみては。 PW(PROVEN WINNERS=プルーブンウィナーズ)とは アメリカ・日本・ドイツ・オーストラリアなどの企業20社が参加する、世界の園芸業界を代表する植物の国際ブランド。それぞれの地域の育種家が開発した新品種を集め、気候条件が異なるアメリカ・ドイツ・日本で試験栽培を行い、日本の気候に合う高い基準をクリアした品種を厳選し、PWブランドとして発売しています。 展示・販売予定の花はこちら これらは展示・販売予定の花のほんの一部。会場でお目当ての花や育ててみたいと思うものを探してくださいね。 「PW×HANA・BIYORI 秋のPW花苗即売会」開催概要 ■開催期間:10月7日(金)~10日(月/祝) ■時 間:10:00~17:00 ■場 所:HANA・BIYORI館内「おみやげびより」前 ※要HANA・BIYORI入園料 「HANA・BIYORIマルシェ」で野菜や宿根草などを販売 10月14日(金)~16日(日)の3日間、「HANA・BIYORIマルシェ」が開催されます。JA東京むさしの新鮮な「東京産野菜」や、HANA・BIYORIのロスフラワー(廃棄予定の花)を使用したハンドメイドグッズ、宿根草などが販売されます。 「HANA・BIYORIマルシェ」開催概要 ■開催期間:10月14日(金)~16日(日) ■時 間:10:00~17:00 ■場 所:HANA・BIYORI館内「おみやげびより」前 ※要HANA・BIYORI入園料 ■参加予定店舗 ・JA東京むさし(管内の武蔵野市・三鷹市・小金井市・小平市・国分寺市で生産された野菜やその他の商品) ・はるはなファーム(日本でも有数の生産者が生産した宿根草) ・espoir(モイストポプリ、バスソルトなどHANA・BIYORIの花を再利用した商品) ・ハクサンインターナショナル(観葉植物、多肉植物など) ・HANA・BIYORI特設ブース(ロスフラワー、切花など) 花と緑に囲まれたカフェ「スターバックス」 植物園に日本初出店となるスターバックスは、本物の植栽でSTARBUCKSのサイネージ(看板)を表現。「New life style with coffee」をデザインコンセプトにした店内は、心地よく響く水音と花と緑に囲まれたボタニカルな新しいカフェ体験を提供。南側の屋内テラス席からは、一年中花が咲き誇る「四季の庭」が望め、毎日がお花見日和。コーヒーとともに、季節によって変わる花や植物を愛でられる至福の空間が楽しめます。 ぜひ秋の行楽シーズンに訪れてみてはいかがでしょう。 HANA・BIYORI情報 ■営業時間:10:00〜17:00 ※時期により変動 ■入園料:大人(中学生以上)1,200円、シニア(65歳以上)1,000円 小人(3歳〜小学生)600円 ■住所:東京都稲城市矢野口4015-1 ■公式サイト:https://www.yomiuriland.com/hanabiyori/ Credit 文/ガーデンストーリー 編集部 写真提供/よみうりランド