ガーデンストーリー編集部

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イベント・ニュース
「静けさの森」や「森になる建築」…大阪・関西万博から考える花・みどりの役割 〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜
特集:大阪・関西万博から考える花・みどりの役割とは 10月13日まで開催されている大阪・関西万博。その会場には多くのみどりがあります。木陰は来場者たちの休憩スポットにもなっています。万博というステージで花・みどりはどのように使われ、会期後はどのような影響を与えるのでしょうか。 本特集では、大阪・関西万博に花とみどりの面で携わった専門家たちに話を伺っています。万博をまた違う視点で見るきっかけにもなり、これから訪れる方にもぜひ読んでいただきたい特集です。 ここでは、お話を伺った専門家とそれぞれが語ったテーマを簡単にご紹介します。詳しくはぜひ本誌をお手にとってご覧ください。 「国際博覧会の歴史とグリーンの変化」―大阪・関西万博 テーマ事業ディレクター 澤田裕二さん 約180年の歴史を持つ国際博覧会とはどのようなものなのでしょうか。長い歴史の中で花・みどりはどう関わってきたのでしょうか。 数多くの博覧会に携わり、大阪・関西万博ではテーマ事業ディレクターを務める澤田裕二さんに、国際博覧会の歴史や、国際博覧会での花とみどりの使い方の変化についてうかがいました。 東側大屋根リングからの写真。奥に「静けさの森」が見える。 大屋根リングではストライプ柄が浮き出るように植物を植栽している。長い会期の中で、花が咲かない時期も楽しんでもらうための工夫だ。 いのちを感じ、考える「静けさの森」―大阪・関西万博 ランドスケープデザインディレクター 忽那裕樹さん 会場の中心に位置する「静けさの森」は、万博の象徴的存在です。万博記念公園をはじめとした大阪府内にある公園の間伐予定の樹木など、約900本を移植してつくられたことが話題になりました。 デザインを手がけた大阪・関西万博のランドスケープデザインディレクター・忽那裕樹さんに、森が生まれるまでのストーリーとデザインに込めた思いを語っていただきました。 「静けさの森」の中心部。いのちの根源といえる水、みどり、空が一体となり、来場者を穏やかに迎えてくれる。 トマス・サラセーノ『Conviviality』。鳥やクモ、昆虫などの生き物が相互交流する有機的プラットフォームの役割を持つ。 人が手をかけて育てる「森になる建築」―株式会社竹中工務店 大阪本店設計部 山崎篤史さん、大石幸奈さん 3Dプリントで建築された「森になる建築」。生分解性プラスチックでできた構造体からは草木が生え、時間をかけて少しずつ素材が分解され、最後は森に還ります。人が手をかけ、建築に親しむ入り口として植物が活用されています。 2020年に行われた竹中工務店の社内コンペを経て始動した「森になる建築」プロジェクト。当時はコロナ禍の真っ只中で、万博の開催自体が危ぶまれる状況の中、環境破壊に加担しない建築、ゴミを出さない建築を目指し、スタートしました。プロジェクトリーダーを務めた山崎篤史さんと、建築設計を担当した大石幸奈さんに、素材や設計の工夫、プロジェクトにかける想いを伺いました。 「森になる建築」入口。3Dプリンターを約24時間稼働させ、3週間かけて建設。白い部分は植物のタネを漉き込んだシーズペーパー。 壁に植えられた苗や、シーズペーパーから芽吹いた植物が見られる。時間を経るにつれて、植物が成長していく楽しさがある。 自然発光植物で未来のまちの姿を変える―大阪大学産業科学研究所 教授(栄誉教授)永井健治さん 4月21日から28日までの8日間、大阪・関西万博内の「大阪ヘルスケアパビリオン」で「光る植物」が出展されました。 植物を光らせる技術とはどのようなものか、万博での展示はどのようなものだったか、今後の取り組みはどのようなものか…屋内外照明として光る植物の実用化に向けた研究・開発を行う、大阪大学産業科学研究所の永井健治教授に、その可能性をうかがいました。 自発光植物を利用した未来のまちのイメージ。(写真提供:大阪大学 産業科学研究所 永井健治教授) 大阪・関西万博での展示の様子。成形したカルス(植物細胞の塊)やタバコの花が緑色に光る様子が楽しめるように配置した。 (写真提供:大阪大学 産業科学研究所 永井健治教授) 人工照明を利用し、植物の活用の幅を広げる―LIGHTSCENE代表 石田聖次さん 9時から22時まで開場している大阪・関西万博では、日中とライトアップされた夜の風景の違いも注目されています。 光は風景を美しくするだけでなく、植物の生育にも影響します。光が植物にどのような影響を与えるのか、「未来の都市」パビリオンのライトアップを担当した照明デザイナーの石田聖次さんに執筆いただきました。 注目を集めやすいライトアップは、展示会などのイベント会場や商業施設への来場者を増やす誘導効果を持つ(山口ゆめ花博)。 大阪・関西万博、未来の都市パビリオン。敷地境界線の植栽をライトアップした。 業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』 このほか、『グリーン情報』2025年7月号には、ピックアップとして ・第41回全国都市緑化かわさきフェア 春・パックトライアル2025レポート など、またアラカルトとして ・シンガポール・ガーデンシティ視察ツアーレポート(後編)・GREEN×EXPO 2027開催まであと2年 最新の会場計画・主要施設のイメージを発表! など、トピックスとして ・八ヶ岳ファーマーズマーケット2025・楽しい文化が生まれる場所 ビザールプランツナイト2025 SPRING などを掲載。ほかにも業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング・グリーン業界の幅広く深い情報が満載です。ぜひお手にとってご覧ください。 『グリーン情報』のお求めはガーデンストーリーウェブショップへ 『グリーン情報』はガーデンストーリーウェブショップからご購入いただけます↓↓ショップページはこちら。https://www.gardenstory.shop/shopbrand/ct8/
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花と緑
春に話題のブルーといえば…このおしべ、何の花?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.6
おしべとは? おしべとは、被子植物の花の一部で,花弁の内側にある雄性生殖器官。花粉を作る部分です。 おしべには葯(やく、花粉の入った袋)と花系(葯を支える棒状の部分)があり、葯の中で花粉が作られ、時期がくると葯が破れて中の花粉が外に飛び出し、風や虫によって運ばれてめしべの先端にある「柱頭」につくことで受粉します。 このおしべの持ち主は・・・? Jill Richardson/Shutterstock.com こちらのおしべ、何の花のものか分かりますか? おしべが5本、めしべは1本で、おしべの先の葯は濃い紫色をしています。 ヒント春になると全国各地の公園でこの花の絨毯が一面に広がります。インスタ映え抜群の人気の花です。 正解は・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ネモフィラ Spyan/ Shutterstock.com ネモフィラの基本データ 学名:Nemophila科名:ムラサキ科属名:ネモフィラ属形態:一年草原産地:北アメリカ西部和名:瑠璃唐草(ルリカラクサ)英名:Baby blue eyes開花期:4~5月花色:青、複色耐寒性:やや弱い耐暑性:弱い ネモフィラは、秋播き一年草。基本的には10月頃にタネを播いて育苗し、冬を越して4〜5月に開花します。開花後は、タネをつけて、6月頃には枯死するライフサイクルです。 澄んだブルーの小花は、群植すると満開時には一面にカーペットのように広がり、見事な光景をつくり上げます。春になるとニュースなどでも取り上げられるのが、茨城県の「国営ひたち海浜公園」のネモフィラが広がる丘(上写真)。空へとつながるような全面ブルーの光景は圧巻で、毎年大勢の訪問客で賑わいます。 ご自宅でネモフィラを育てる際は、日当たりがよく、風通しのよい場所を選びましょう。生育に適した気温は5〜25℃くらいです。草丈は10〜20cmくらいとやや低いほう。花つきがとてもよく、一株でたくさんの花を次々と咲かせてくれて、手をかけなくても丈夫に育つのも嬉しいところです。 ネモフィラといえば青色のイメージが強いですが、白の覆輪が入る黒や、花弁に紫のドットが入る白の品種もあります。 ネモフィラの育て方はこちら↓https://gardenstory.jp/plants/41425 クイズ一覧はこちら!
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観葉・インドアグリーン
観葉植物の王様【ユッカ】で空間を格上げ|プロが魅力と育て方を徹底解説
ユッカは観葉植物界のインテリア王〜マルチに映える存在感〜 ナチュラル、モダン、クラシック、さらには和の空間にも。ユッカはあらゆるインテリアスタイルに馴染み、“映える空間づくり”にぴったりな観葉植物です。まっすぐに伸びた幹と、鋭く放射状に伸びる葉、力強くも洗練されたフォルムは、まさに“インテリア王”の風格。ひと鉢あるだけで空間に凛とした存在感をもたらします。この記事では、ユッカの基本情報や選び方、育て方、風水的な効果、そしてお馴染みオザキフラワーパークの観葉植物担当、後藤さんによるおすすめのユッカまでをご紹介。あなたの暮らしに似合うユッカ、きっと見つかります。 ユッカってどんな観葉植物? 基本情報と特徴 ユッカの基本情報 科属:キジカクシ科 ユッカ属(Asparagaceae / Yucca) 学名:Yucca spp.(※代表種:Yucca elephantipes など) 名前の由来:タイノ語(カリブ先住民語)でユッカ属の植物を指す言葉が語源とされている。 和名:青年の木 和名の由来:まっすぐに伸びる幹の姿が、未来に向かって成長する「青年」のイメージと重なったことから名付けられた。 原産地:北アメリカ〜中米(アメリカ南部、メキシコ、グアテマラなど) 花色:白 Pix : svf74/shutterstock.com 意外と知られていないのですが、ユッカは上の写真のように、初夏になると美しい白い花を鈴なりに咲かせます。ただし、これは十分に成熟した株が強い日差しや自然に近い環境下で育てられた場合に限られ、室内で観葉植物として育てているユッカが開花するのは非常に稀。観葉植物としても十分に魅力的なユッカですが、屋外でじっくり育てた先にこのような花が咲くことを知っておくと、育てる楽しみもひと味違ってきます。(屋外での栽培は後述) 【ユッカという名前は勘違いから生まれた?】 「ユッカ(Yucca)」という属名は、カリブ海地域の先住民族であるタイノ族の言葉「yuca」に由来しており、yucaはキャッサバ(写真下)という芋のような根菜を指すもので、彼らにとっては主食となる大切な作物でした。 ところが17世紀の初め、植物学者たちがこのyucaと、北アメリカ原産の植物であるユッカ属(Yucca)を見た目の類似から混同してしまい、この誤解がそのまま引き継がれ、18世紀に著名な植物学者、カール・リンネによって「Yucca」という属名が正式に採用されました。つまり、現在私たちが「ユッカ」と呼んでいる観葉植物の名前は、言語と文化のすれ違いから生まれた“命名ミス”だったというのも面白い話ですよね。 ユッカのフォルムと魅力、映える理由 ユッカが“インテリア王”と称される理由のひとつが、そのオブジェのようなフォルム。まっすぐ立ち上がる幹に、シャープで放射状に広がる葉。左右対称とも非対称とも取れる絶妙なバランスが、空間に「締まり」と「リズム」を生み出します。特に注目したいのは“垂直と放射”という形状の対比。 垂直に伸びる幹が構造的な強さを、放射状の葉が広がりと凛とした軽やかさを演出し、視覚的に奥行きのある空間をつくります。さらに、葉が幹の上部から展開するユッカは、視線を自然と上に誘導し、天井を高く見せる効果も。スタイリッシュでありながらも、どこか生命力も感じさせる姿は、リビングや玄関、ワークスペースなど、どんな空間にも自然とフィットします。 ユッカの種類 ユッカ・エレファンティペス(Yucca elephantipes) 観葉植物として最も身近なユッカといえば、「ユッカ・エレファンティペス」。いわゆる「青年の木」の名前で親しまれているのもこの品種で、ホームセンターの園芸コーナーや日常の中でもよく見かけます。「エレファンティぺス」はラテン語で「象の足」という意味。幹の根元がふっくらと膨らむ形状が、象の足に似ていることから名付けられました。ただし、鉢植えの若い株ではこの特徴はあまり目立ちません。乾燥に強く、日向でも半日陰でも育つタフな性質は初心者向け。水やりを控えめにし、風通しのよい場所に置けば、ぐんぐん育ってくれます。ある程度の高さになると、室内でもシンボルツリーのような存在感を放ち、空間をぐっと引き締めてくれるでしょう。 ユッカ・ロストラータ(Yucca rostrata) Pix:Ela73/shutterstock.com ユッカ・ロストラータは、細く青みがかった葉が密に放射状に広がる、まるで「植物のオブジェ」のような存在感を放ちます。ロストラータは屋外管理が基本ですが、明るい環境で十分に日光を当てれば室内でも育てられるため、個性を演出したいインテリアにもマッチするでしょう。幹の上部にダイナミックに広がる葉のフォルムは、ドライガーデンやロックガーデンとの相性も抜群です。「ロストラータ」はラテン語で「くちばし状」を意味し、葉先が鳥のくちばしのように鋭く尖っているのが特徴。葉の淡いブルーグレーの色合いが、シャープさと柔らかさを兼ね備えた独特の美しさを生み出しています。 ユッカ・グロリオサ(Yucca gloriosa) Pix: hermanthos/shutterstock.com ユッカ・グロリオサは、肉厚でやや短めの葉が密に茂るコンパクトな品種です。濃い緑色の葉と、ギザギザした葉先が特徴で、野性的な雰囲気も持ち合わせています。日本の気候にも比較的強く、地植えでも育てられる耐寒性・耐暑性があります。「グロリオサ」は「栄光に満ちた」という意味で、その名の通り成長すると堂々とした立ち姿に。庭木やガーデンプランツとしての印象が強いですが、大きさを抑えれば鉢植えでも楽しめます。無骨でワイルドなインテリアを好む方にはぴったりの、通好みのユッカです。アンティーク家具やドライウッドと合わせるとかなり映えます。 ユッカをインテリアに取り入れる魅力とスタイル カリフォルニアスタイルや無機質インテリアとの相性 ユッカが特に映えるインテリアのひとつが「カリフォルニアスタイル」。西海岸らしい開放感とラフさが魅力のこのスタイルでは、ワイルドでナチュラルな植物がよく映えます。直線的なフォルムと力強さを備えたユッカは、サーフボードやウッド家具、リネン素材と好相性で、空間に自然なアクセントを加えてくれます。 さらに、「インダストリアル」や「ミニマルモダン」といった装飾を控えた空間にもよく映えます。コンクリート壁やアイアン家具、ガラスなど無機質な素材の中にユッカの上に伸びる生命力溢れる線が加わることで、空間に温もりとバランスが生まれます。 ナチュラルでありながら構造的な美しさを持つユッカは、シンプルな室内でもアートのような存在感を発揮する、マルチな才能を持つ観葉植物です。 配置テクニックと鉢選び:映えるコーディネート実例 ユッカは、置く場所や鉢のデザインによって印象が大きく変わる植物です。存在感のあるフォルムだからこそ、配置の仕方次第で「部屋の主役」にも「空間の引き締め役」にもなれる柔軟さがあります。たとえば、リビングのコーナーに中〜大型のユッカを1鉢置くだけで、空間に縦のラインが生まれ、部屋全体がすっきりと整った印象に。 また、ソファーと壁の隙間に配置する方法もおすすめ。視線の流れが生まれ、空間に奥行きが出る効果があります。 一方、玄関や廊下の突き当たりにユッカを置くと、“迎え木”のような印象で、シンボリックなアクセントに。 ユッカの幹が立ち上がる姿は、床面をスッキリ見せてくれるため、限られたスペースでも圧迫感を与えません。照明との組み合わせも映え度アップのコツ。スポットライトや間接照明でユッカを下から照らせば、夜の空間演出にも一役買ってくれます。 鉢選びにもひと工夫を テラコッタ鉢:カリフォルニアスタイルやボヘミアンテイストにぴったり。 陶器鉢:クラシカルでリッチな印象に。 ラタンカバー:ナチュラルインテリアにもフィット。 ユッカのシャープな葉を活かすなら、あえて丸みのある鉢や鉢カバーを合わせるなど、コントラストを意識するとバランスよくまとまります。 ユッカの風水的効果と心地よい空間づくり 風水での意味合いとエネルギーの流れ 観葉植物は“生きたインテリア”であると同時に、風水では「気の流れを整える存在」としても重要視されています。中でもユッカは、風水的にとても優れたエネルギーを持つ植物とされています。ユッカのまっすぐに伸びる幹と鋭い葉は風水で「陽の気」を象徴し、停滞したエネルギーを活性化させる力があるとされています。特に“やる気”や“前進力”といった、行動力につながる気を高めたいときにぴったりです。また、シャープな葉を持つ植物は「邪気払い」や「厄除け」の効果もあるとされ、空間に溜まりがちなマイナスの気を断ち、清らかな流れをつくってくれます。風水では「どこに置くか」も大切ですが、「何を置くか」も同じくらい重要。その点ユッカは強い陽の気を持ち、環境にも適応しやすいため、風水に取り入れやすいグリーンとして人気です。 ユッカを置く方角とその効果 風水では、植物を置く方角によって引き寄せる運気の種類が変わるとされます。ユッカのように“陽の気”が強い植物は、置き場所次第でより大きな効果を発揮します。たとえば南は「名誉」、「人気」、「直感力」をつかさどる方角。ユッカを南側に置くことで自分らしさを発揮できたり、人間関係がスムーズになるとされます。特にリビングの南は、家庭全体の活気を高めるスポットです。 東は「健康」、「若さ」、「成長」を象徴する方角。何かに挑戦したいときや、家族の健康を願う場合は東への配置が効果的です。 北西は「仕事運」、「リーダーシップ」、「出世運」の方角。ワークスペースや書斎に置くことで、チャンスや評価が得やすくなるとされます。 金運・仕事運アップを狙える? 具体的な置き方 ユッカは、力強い「陽の気」とシャープな葉を持ち、風水では金運や仕事運を高める植物としても知られています。金運を意識するなら、玄関付近や家の西側に配置するのがおすすめ。玄関は「気」の入り口、西は「財運」を司る方角とされ、お金の巡りをよくするとされています。 仕事運アップには、デスクの背後や部屋の北西にユッカを置くのが効果的。背後に置くことで「後ろ盾」のような安定感が生まれ、集中力や判断力を高めてくれます。ワークスペースでは視界に入る位置に置くことで、緊張が和らぎ、アイデアも出やすくなります。 また、置き場所だけでなく、ホコリを溜めず清潔に保つなど、日々のケアも風水的に大切なポイントです。 風水アドバイス:シャイアン・李(Cheyenne Li) 台湾の家ではユッカは定番です 初心者におすすめのユッカの選び方 購入時に見るべきポイント(葉・幹) ユッカを選ぶ際にまず注目したいのは、葉と幹の状態です。葉は鮮やかな緑色で、変色や傷がないものを選びましょう。葉先が枯れていたり、茶色くなっているものは健康状態が良くない可能性があります。幹はしっかりと太く、硬く、ぐらつきがないかを確認。細すぎたり、指で押したら柔らかかったりした場合は、健康的な幹とはいえないでしょう。また、ぐらつく幹は倒れやすく、しっかりと育たない可能性があります。 置き場所や育て方に合った品種選び ユッカは品種によって耐寒性や日照の好みが異なります。室内の半日陰で育てたい場合は「ユッカ・エレファンティペス」が育てやすくおすすめです。一方で、日当たりのよい室内や屋外向けには「ユッカ・ロストラータ」や「ユッカ・グロリオサ」が適しています。育てる環境に合った品種を選ぶことがユッカを健康に育てるコツです。また、ユッカはどの品種も葉が鋭いため、小さなお子さんのいるご家庭では置き場所にも考慮しましょう。 オザキフラワーパーク後藤がおすすめのユッカ・エレファンティペス4選 お使いのブラウザは動画に対応していません。 ⚠️下記で紹介する商品の詳細はすべて2025年6月19日現在のものです。 大型株(直立タイプ) 高さ(鉢含む):180cm 広がり幅:50cm 鉢:10号鉢(内径30cm) 価格:16,000円(税込) まっすぐに伸びた幹が凛とした存在感を放つ、大型の直立タイプユッカ。高さ約180cmの堂々たるフォルムで、空間に縦のラインを与え、リビングや玄関のシンボルツリーにも最適です。10号鉢仕立てで管理もしやすく、スタイリッシュなインテリアに映える1鉢です。 大型株(曲がりタイプ) 高さ(鉢含む):180cm 広がり幅:100cm 鉢:10号鉢(内径30cm) 価格:26,000円(税込) 個性的な曲がり幹が魅力の大型ユッカ。高さ約180cm、幅100cmと存在感たっぷり。幹の動きが空間にリズムを生み出し、彫刻的な美しさを楽しめます。10号鉢仕立てで扱いやすく、玄関や吹き抜け空間のアクセントにおすすめ。 中型株(直立タイプ) 高さ(鉢含む):120cm 広がり幅:55cm 鉢:8号鉢(内径24cm) 価格:8,800円(税込) 省スペースでも映える、直立型ユッカの中型株。高さ約120cm、幅55cmで圧迫感がなく、リビングやワークスペースにも取り入れやすいサイズ感。スッと伸びた幹とシャープな葉が空間をスタイリッシュに演出します。 テーブルサイズ 高さ(鉢含む):50cm 広がり幅:40cm 鉢:4号鉢(内径12cm) 価格:980円(税込) ちょこんと置けて、空間にリズムを生むテーブルサイズのユッカ。高さ約50cmのコンパクトさで、デスクや棚の上にも◎。小さいながらも凛とした姿で、ユッカらしい存在感はしっかりキープしています。 初心者向けユッカの育て方ガイド 育成環境の整え方 室内での日当たりと置き場所の工夫 ユッカは明るい日光を好みますが、強すぎる直射日光は葉焼けの原因になるため、窓際のカーテン越しの柔らかい光が当たる場所が最適です。日照不足になると葉の色が悪くなったり成長が遅れるため、1日に4〜5時間はそのような光のあたる環境に置いてあげましょう。 冬場は室内の暖かい場所に移動し、寒さによるダメージを避けてください。 適切な温湿度管理と季節ごとの注意点 ユッカは比較的耐寒性が強い植物ですが、極端に気温が低い環境で管理すると成長が止まり、葉が傷むこともあるため、冬場は室温10℃以上を目安に管理をしましょう。 ただし、暖房の風が直接当たる場所は乾燥しやすく、葉が傷むので避けてください。また、湿度が高すぎると根腐れの原因になるため、通気性のよい環境を作ることが重要です。ここで活躍するのがサーキュレーター。室内の空気を循環させることで湿気や蒸れを防ぎ、ユッカの健康を保ちます。 夏は風通しをよくし、冬も乾燥しすぎないよう適度に湿度管理をしましょう。季節に応じて環境を見直すことが、ユッカを長く元気に育てる秘訣です。 日常のケアと管理 水やりと根腐れ防止のポイント ユッカは乾燥に強い多肉植物の仲間なので、水やりは控えめにするのが基本です。土の表面が完全に乾いてからたっぷりと与えることがポイントで、頻度は季節や環境によって異なりますが、一般的には春〜秋は10日に1回程度、冬は月に1〜2回ほどで十分です。水やりが多すぎると根腐れを起こしやすくなるため、鉢の底に必ず排水穴があるか確認し、水はけのよい土を使うことも大切です。また、受け皿に水が溜まったままにしておくと過湿につながるため、必ず捨てるようにしましょう。 肥料・剪定・葉の手入れ方法 ユッカは肥料をあまり必要としませんが、あげる場合は、春先に固形肥料をあげるか、春から夏の成長期には月に1回程度、液体肥料を薄めて与えると健康的に育ちます。剪定は、枯れた葉や傷んだ部分をこまめに取り除くのが基本。幹の形を整えたい場合は、節のうえでカットすると新しい芽が出やすくなります。(詳細は後述)葉の手入れは、柔らかい布やブラシでホコリを優しく拭き取ることで光合成の効率がアップし、見た目も美しく保てます。定期的なケアを行うことでユッカの免疫力も高まり、病害虫の発生を防ぐ効果があります。 害虫・病気への対策と予防 ユッカは比較的丈夫ですが、乾燥しすぎや風通しが悪い環境では害虫が発生しやすくなります。特にカイガラムシやハダニには注意が必要で、葉の裏や幹の隙間を定期的にチェックしましょう。見つけたら、ぬるま湯で優しく拭き取るか、市販の殺虫剤を使うと効果的です。病気や害虫は、日頃からの観察と、早期発見、対処が大切です。 植え替えと鉢の選び方 タイミングと手順 ユッカの植え替えは、成長が活発になる春〜初夏がおすすめ。根詰まりや、鉢底から根が出ている場合は早めに植え替えましょう。手順はまず、古い鉢から株を優しく取り出し、古い土を落として根の状態を確認します。傷んだ根は清潔なハサミで切り取りましょう。鉢は一回り大きなものを用意し、新しい観葉植物用の土を入れ、株を安定させて植え替え完了。植え替え後は直射日光を避け、風通しのよい場所で1〜2週間様子を見ます。なお、植え替え前後の一週間は水やりは控えてください。 鉢は排水性と扱いやすさを重視 鉢には排水穴(底穴)が空いていることが必須で、過湿を防ぐためには鉢底に軽石や鉢底ネットを敷くと効果的です。初心者には軽くて扱い易いプラスチック製の鉢がおすすめ。最近では、一見してプラスチックとは分からないようなデザイン性の高い鉢も多く、インテリアに調和するものも豊富に揃っています。見た目と機能性の両方を意識して選ぶとよいでしょう。テラコッタ鉢や陶器鉢も通気性はよいですが、重さがあるため注意が必要です。 中級者向け|好みの樹形を作る ユッカは、その丈夫な性質を活かして、自分好みの樹形をつくる楽しみ方もできます。よく園芸店などで見かけるユッカには、幹の上部がカットされ、そこから脇芽が数本吹いているものがありますが、あれは意図的に幹を切って脇芽を出させたものです。 幹をカットすることで、植物は自己防衛本能により複数の芽を出そうとします。この性質を利用すれば、直立だけでなく、分岐したユニークな樹形を育てることも可能です。幹をカットした切り口には、黒っぽい樹脂のようなものが塗られていることがあります。これは「カルスメイト」などの癒合剤で、病気の侵入や乾燥を防ぎ、脇芽が健やかに育つための重要な処置です。 自分で剪定にチャレンジする際は、適期(春〜初夏)に清潔な刃物で切り、切り口にカルスメイトを塗布してから風通しのよい半日陰に2週間ほど置くのがコツ。少し時間はかかりますが、数週間〜1カ月ほどで、脇芽が吹いてくるのを楽しめます。 ユッカの挿し木による増やし方 ユッカは挿し木で比較的簡単に増やすことができる植物です。挿し木は春〜初夏の成長期に、幹を途中でカットし、その部分を新たな株として育てていく栽培方法です。まず、健康な幹を清潔なハサミでカットし、切り口を1〜2日ほど乾かします。 そして切り口が乾いたら、切った幹の下部をコップや瓶などに入れ、水に浸して発根を促します。この方法は「水挿し」といい、水は頻繁に取り替え、腐らせないよう注意しましょう。数週間〜1カ月ほどで白い根が伸びてきます。その後は観葉植物用の土や赤玉土に植え付ければOK。 水挿しによる方法は、発根を確認してから土に植えることでより安心して育てられるメリットがあります。発根後の植え付けも深くなりすぎないように注意し、風通しと明るさを確保できる場所で管理しましょう。 よくある質問(FAQ) ユッカの葉先が茶色くなる原因は? ユッカの葉先が茶色くなるのは、単にターンオーバーで古い葉を落としているケースと、ユッカからの『ちょっと調子がすぐれない』というサインの場合があります。ちゃんとした環境で育てていれば前者である可能性があるため、放置しておいて構いませんが、管理環境がよくない場合は後者の可能性があります。この場合、日照不足、乾燥など、原因を見極めてあげることでまた元気な姿に戻ってくれます。ただし、茶色くなった部分はもとの緑色には回復しません。後者の理由でそのままにすると株全体の活力を落とすことになるため、清潔なハサミで葉を根本からカットしてあげましょう。 ユッカは猫や犬に有害?(ペットと暮らす家での注意点) ユッカはペットにとって有害な成分(サポニン)を含む植物です。猫や犬が葉や幹をかじってしまうと、嘔吐や下痢、元気がなくなるなどの症状を引き起こすことがあります。そのため、ペットと暮らすご家庭ではユッカをかじらせない環境づくりが不可欠です。たとえば、ペットが立ち入らない部屋で管理する、または近づかないようなしつけを行うといった配慮が求められます。適切な対策をとることで、ユッカとペットが安全に共存することは可能です。ただし、万一かじってしまった場合は、症状の有無にかかわらず速やかに動物病院に相談しましょう。参照:ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会):ユッカの記述項 外に出しても大丈夫? 屋外管理のコツ ユッカは日光を好む植物なので、春〜秋の暖かい時期であれば屋外に出すのもOKです。ただし、いきなり強い直射日光に当てると葉焼けすることがあるため、数日かけて徐々に慣らすのがポイント。風通しのよい場所で、雨が当たりすぎない軒下などが理想的です。冬の寒さには弱いため、気温が10℃を下回る時期は室内に戻して管理しましょう。このため、冬も温暖な沖縄などの一部地域を除き、国内でのユッカの地植え栽培は基本的に避けたほうがよいでしょう。 編集後記 インテリア性と丈夫さを兼ね備えたユッカは、初心者にも扱いやすく、空間にほどよい緑のアクセントを加えてくれる頼れる観葉植物です。この記事では、基本情報からインテリアとのマッチング、風水効果、育て方やトラブル対策まで幅広くご紹介しましたが、実際に育ててみると、ユッカは想像以上に表情豊かで楽しい植物です。今回取材に協力していただいたオザキフラワーパークでもユッカは定番の人気商品で、贈答でご購入される方が多いとのことですが、個人的にも贈り物として頂いたら嬉しいものだな、と思いました。筆者はとても誘惑に弱いので、ユッカが贈られたら"真っ直ぐ上を向いて生きていかねば"、という気持ちになれるのかも😅。初めての一本を選ぶなら、ぜひ店頭で実際に葉や幹の雰囲気を見て、自分の暮らしにぴったりなユッカを見つけてください。
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花と緑
このおしべ、何の花? 【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.4
おしべとは? おしべとは、被子植物の花の一部で,花弁の内側にある雄性生殖器官。花粉を作る部分です。 おしべには葯(やく、花粉の入った袋)と花系(葯を支える棒状の部分)があり、葯の中で花粉が作られ、時期がくると葯が破れて中の花粉が外に飛び出し、風や虫によって運ばれてめしべの先端にある「柱頭」につくことで受粉します。 このおしべの持ち主は・・・? LeOPL/Shutterstock.com こちらのおしべ、何の花のものか分かりますか? 多数のおしべに囲まれた中央に、これまた多数のめしべがあります。 ヒントバラと相性のいいつる性植物です。 正解は・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ クレマチス kai foret/Shutterstock.com クレマチスの基本データ 学名:Clematis科名:キンポウゲ科属名:クレマチス属原産地:ヨーロッパ、日本、中国、北アメリカ和名:風車(カザグルマ)、鉄線(テッセン)英名:Clematis開花期:3月下旬~10月 ※春咲き、夏~秋咲き、冬咲きなどがあります。花色:赤、ピンク、黄、白、紫、青、複色発芽適温:15℃前後生育適温:20℃前後切り花の出回り時期:2~12月花もち:7~10日 「つる性植物の女王」とも呼ばれるクレマチスは、種類豊富で、花色や花形もさまざま。アーチやフェンスに仕立てれば、小さなスペースでも楽しむことができ、バラとの相性も抜群で人気の植物です。 花の咲き方により「新枝咲き」「旧枝咲き」「新旧両枝咲き」の3つに分けられます。 なお、クレマチスの別名が「テッセン」と思っている方も多いですが、実際にはテッセンとは中国に自生している原種の一つ。6枚の乳白色の花弁と、花弁化した紫色のおしべが特徴です。 クレマチスの原種の一つ、テッセン。Alexandre Prevot/Shutterstock.com クレマチスの詳しい育て方はこちら↓https://gardenstory.jp/gardening/33492 クイズ一覧はこちら!
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イベント・ニュース
今が最盛期! バラや宿根草が美しいガーデンを無料で楽しめる「ロイズ ローズガーデン」
札幌市近郊にある3つのローズガーデン 7月上旬頃にかけて、北海道札幌市、江別市、石狩郡の3カ所にある「ロイズ ローズガーデン」が一年で最も華やぐ季節を迎えています。色とりどりのバラや宿根草が花盛りのガーデン散策と合わせて、工場見学(石狩郡・ロイズタウン工場のみ)やショッピング、その場で味わえるソフトクリームなどのオリジナルスイーツを楽しめるのも嬉しい、人気のスポットです。近隣の方はもちろん、ぜひ北海道への観光プランの一つにしてはいかがでしょうか? ロイズ ローズガーデンあいの里(ロイズ本社敷地内) ロイズ ローズガーデンあいの里/昨年の最盛期の様子 バラのトンネルや宿根草のボーダーガーデンなど彩り豊かな草花が彩る、「ロイズ ローズガーデン」で最も広い面積を誇るガーデン。6月中旬~7月上旬の最盛期には、色や香り、咲き方が異なる500種以上の表情豊かなバラが鑑賞できます。 ※昨年の最盛期 敷地面積:約13,000㎡バラ:500種以上/約7,200株宿根草:約3,000種 【ロイズ ローズガーデンあいの里】住所:北海道札幌市北区あいの里4条9丁目1-1(ロイズあいの里公園店向かい側/JR「あいの里公園駅」より徒歩約8分)開園期間:2025年5月2日~10月下旬頃まで(予定)開園時間:9:00~17:30定休日:不定休入園料:無料駐車場:有り(ロイズあいの里公園店敷地内)※入口はロイズあいの里公園店側の門。※開園期間、時間は予告なく変更になる場合があります。※時期により、ロイズ本社敷地内の駐車場も開放されます。 【ロイズあいの里公園店】住所:北海道札幌市北区あいの里3条9丁目21-50営業時間:9:00~19:00定休日:なし ロイズ ローズガーデン上江別(ロイズ上江別店敷地内) ロイズ ローズガーデン上江別/昨年の最盛期の様子 バラが華やかに彩る“ハートのオブジェ”があり、フォトスポットとしても人気のガーデン。店内イートインコーナーからも、パンやソフトクリームをお供にひと休みをしながら、ガーデンを眺めることができます。 ※昨年の最盛期 敷地面積:約800㎡バラ:約150種宿根草:約800種 【ロイズ ローズガーデン上江別/ロイズ上江別店】 住所:北海道江別市上江別437-15(JR「高砂駅」よりすぐ)開園・営業時間:9:00~19:00定休日:なし駐車場:有り(ロイズ上江別店敷地内)※開園期間、時間は予告なく変更になる場合があります。 ロイズ ローズガーデンロイズタウン工場(ロイズタウン工場敷地内) ロイズ ローズガーデンロイズタウン工場/昨年の最盛期の様子 東屋やベンチなどもあり、広々とした通路をゆったり散策できます。ロイズタウン工場直売店には同店限定の商品が多数揃い、オリジナルのパンやソフトクリームなどが楽しめます。さらに、ロイズタウン工場には“チョコレートの旅”を楽しめる体験型施設「ロイズカカオ&チョコレートタウン」(有料・公式サイトから予約可)も併設。7~9月は施設の2周年を記念したさまざまなイベントを開催します。※詳しくは施設公式サイト(https://www.royce.com/cct/)をご覧ください。 ※昨年の最盛期 敷地面積:約2,000㎡バラ:約140種/約2,400株宿根草:約100種 【ロイズ ローズガーデンロイズタウン工場/ロイズタウン工場直売店】 住所:北海道石狩郡当別町ロイズタウン1-1(JR「ロイズタウン駅」から徒歩約7分、無料シャトルバス有り)開園・営業時間:9:00~18:00定休日:なし駐車場:有り(ロイズタウン工場敷地内)※開園期間、時間は予告なく変更になる場合があります。 どちらのガーデンもJR在来線から徒歩圏内とアクセスが良く、バラ好き、花好き、スイーツ好きの方にはぴったりのレジャースポットです。北海道だから楽しめる、6〜7月に咲き誇るバラと宿根草の美景をぜひ堪能してみては? 「ロイズ ローズガーデン」各ガーデンの詳細や来園の注意事項は、下記の施設公式サイトをご覧ください。https://www.royce.com/brand/contents/rosegarden/
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花と緑
このおしべ、何の花? 【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.2
おしべとは? おしべとは、被子植物の花の一部で,花弁の内側にある雄性生殖器官。花粉を作る部分です。 おしべには葯(やく、花粉の入った袋)と花系(葯を支える棒状の部分)があり、葯の中で花粉が作られ、時期がくると葯が破れて中の花粉が外に飛び出し、風や虫によって運ばれてめしべの先端にある「柱頭」につくことで受粉します。 このおしべの持ち主は・・・? Fewerton/Shutterstock.com こちらのおしべ、何の花のものか分かりますか? 6本のおしべに囲まれてめしべが1本ありますね。 ヒント秋植え春咲きの球根植物。春の花壇を華やかに彩ってくれる、誰もが知っている人気の高い花です。 正解は・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ チューリップ wjarek/Shutterstock.com チューリップの基本データ 学名:Tulipa科名:ユリ科属名:チューリップ属原産地:中央アジア~地中海和名:鬱金香(ウコンコウ、ウッコンコウ)英名:tulip開花期:3~5月花色:赤、ピンク、黄、オレンジ、白、緑、紫、黒、複色生育適温:5~20℃前後切り花の出回り時期:12~3月花もち:5~7日 秋植えの球根植物、チューリップ。多種多様の品種があり、その登録数は5000種を超えます。鉢植え、地植えのどちらでも育てられ、花の色や花姿も豊富で、早春から春にかけて花壇の彩りとして定番の植物です。 開花時期で分類すると、3月下旬から4月上旬に開花する「早生グループ」、4月上旬から中旬に開花する「中生グループ」 、4月下旬から5月上旬に開花する「晩生グループ」に分けられます。 また、花姿では、「ひと重咲き」「八重咲き」「ユリ咲き」「パロット咲き」「フリンジ咲き」「原種系」「クラウン咲き」の7種に分けられます。 初心者でも育てやすく、切り花やドライフラワーとして飾っても一気に空間を華やかに演出してくれるチューリップ。ぜひ暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。 チューリップの詳しい育て方はこちら↓
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寄せ植え・花壇
丸く作るコツ&梅雨のお手入れ方法も紹介! ブルー&パープル系の大人可愛いハンギングバスケット
ハンギングバスケットの花材選び 河野自然園 ポイント1 花材は以下の3つの役割を持つ植物を組み合わせてセレクトしましょう。 ①存在感がありバスケットの主軸となる【主役】 ②主役を引き立て、彩りや華やかさを補う【準主役】③小花や葉物など、主役や準主役の間に入って動きや立体感を演出する【脇役】 また、全体のカラーやテーマ、使いたい主役の花材などを事前に決めておくと、合わせる植物が選びやすくなります。 ポイント2 植生を意識して選びましょう。植物はそれぞれ適する環境が異なるため、日向を好む、湿った土壌を好むなど、できるだけ同じ環境を好む植物を組み合わせることで、長く美しくハンギングバスケットを楽しむことができます。 初夏・梅雨時期に楽しめる植物の一例 ●日向を好むラベンダー、カンパニュラ、バーベナ、サルビア、トレニア、ジニア、ベゴニア、花オレガノ(例:‘ケント・ビューティ’、‘ロタンダフォーリア’、‘ミルフィーユリーフ’)など ●半日陰を好むインパチェンス、アスチルベ、ヒューケラ、ミスカンサス、コリウスなど ●湿った土壌を好むアジサイ、ギボウシ、アジュガ、ヤブラン、アスチルベ、コリウス、シダ類など ●乾燥気味の土壌を好むペチュニア、ペンタス、ルドベキア、ゼラニウム、カリブラコア、ナデシコ、ポーチュラカなど ポイント3 草丈が高くなる植物は生育するにつれて全体のバランスが崩れやすくなるため、ハンギングバスケットを長く美しく楽しみたい場合は、草丈10〜20cmくらいの植物を選ぶのがおすすめ。ただし、つる植物や下垂する植物は、その長さを活かしてつるをハンギングバスケットの側面に這わせたり、枝垂れさせて動きのある演出を楽しめます。 ペチュニア エコチュニアシリーズ ‘ブルーベイン’ 厳しい環境でも美しい花を咲かせ続ける高パフォーマンスな品種。コンパクトにまとまり、花径6~7cmほどの花を株いっぱいに咲かせます。花心から濃い網目模様が広がる立体感のある花は、ハンギングバスケットや寄せ植えのポイントに。ペチュニアは花1種で作るハンギングバスケットにも最適です。 ブルー&パープル系のハンギングバスケット作り STEP1:用意する資材&下準備 ◾️今回使うバスケット伊藤商事 ワイヤーバスケット WB-35(ヤシ繊維マット付)半球体状で壁やフェンスなどにかけて飾るタイプ。スリットに苗を植え込んで形作っていきます。ワイヤーバスケットにヤシ繊維マットをセッティングし、ずれないように洗濯バサミなどで留めておきましょう。 サイズ:W350×D165×H250mm器材容量:8.0Lスリット数:5使用株数:15~30株植込み後重量:約7~12kg ◾️ハンギングバスケット用スタンド引っ掛けて作業すると下部に植物が入れやすく、制作しやすいです。壁やフェンスなど、ハンギングバスケットを飾る場所がない場合にもスタンドを利用して飾ることができます。 ◾️培養土保水性や保肥性のある軽量な土が理想。市販のハンギング用の培養土を使用すると手軽でおすすめです。 ◾️元肥ゆっくり長く効く緩効性肥料を土に混ぜておくと花の見頃が長持ちします。培養土に元肥が入っている場合は入れなくてOK。 ◾️活力剤液肥と異なり、肥料やけなどの心配がない栄養剤です。植え込む際に根にダメージがあるため、活力剤につけながら植え込むことで回復力を促したり、根の活着をよくしたりします。 ◾️水苔土の流れ止め、乾燥防止になります。また、苗の高さ調整にも便利です。 ◾️その他の道具土入れ、洗濯バサミ STEP2:花材選び&配置決め 【主役】、【準主役】、【脇役】それぞれの花材を決めながら、配置を考えます。この時、育苗トレーを使うと便利です。半球体の丸い形を意識して、主役が中央付近の目立つ場所にくるように配置します。花の隣には葉物を合わせたり、形、質感の異なるものが隣り合うようにレイアウトするとバランスよく仕上がります。 配置を真上から見てチェックします。左は最初に考えたレイアウト。きれいにまとまっていますが、もう少し複雑な表情をプラスするために、一部を右の植物と入れ替えることにしました。 配置のワンポイントアドバイス アイビー、ジャスミン、ハツユキカズラのように枝垂れる植物は下部、もしくは側部にレイアウトするとよいでしょう。 戸田さんが選んだ花材一例 【主役】(A)ペチュニア ‘ブルーベイン’、(B)ペチュニア ‘てまり珊瑚’、(C)ペチュニア ヴァンサンカン【準主役】(D)スカエボラ、(E)フレンチラベンダー、(F)ブルーデージーなど【脇役】(G)オレガノ ‘ケント・ビューティ’、(H)シモツケ‘ホワイトゴールド’、フクシアなど 今回の一番の主役は、シックなパープルのペチュニア ‘ブルーベイン’。それに合わせて準主役には、ブルー&パープル系の小花のブルーデージーやスカエボラをセレクト。ブルー&パープル系の花を引き立てるのに最適なのは、捕色のイエロー。そこで、リーフ類に明るいライムイエローのものを選びました。このパープル&イエローの補色対比の花選びだけでも立体感が生まれキレイにまとまりますが、さらにニュアンスカラーのペチュニア ‘てまり珊瑚’やペチュニア ヴァンサンカンを主役に加え、繊細で複雑な表情をプラスしました。 STEP3:植え込み バスケットの下部にある横のラインくらいまで土を入れておきます。この横のラインより下の部分にはスリットがありませんが、ワイヤー間隔の広い箇所にも苗を植え込むと、仕上がりの形がキレイになります。ここにハサミで植え込み穴を開けておきましょう。 苗は根の周囲の土を崩し、黄色くなった下葉は落として風通しをよくしましょう。活力剤入りの水に根を浸してから植えていきます。 スリット入りのハンギングは、スリットの上から苗を差し込み、下へスライドさせて植え込んでいきますが、最下部だけは植え込み方が異なります。下記の手順で行うと、植え込みやすいです。 【最下部の植え込み方】①ビニールポットの側面と底部を切り離します。②ビニールポットの側面側を利用して、植えたい苗の土部分をくるみます。③片方の手で穴に苗を下から差し込み、もう片方の手を鉢の中に入れて内側へ苗を引っ張り込みます。④ビニールだけを抜き取ります。この方法だと根を傷めずバスケットが土で汚れるのも防げます。 最下部の植え込みが終わったら、苗の根が隠れる程度に土を入れます。次からは苗を横に倒して、スリットの上から下へスライドさせるように植え込んでいきます。土は各段植え込むごとに入れます。 以下のようなサイクルで苗を1つずつ植え込み、1段ずつ進めていきましょう。 ハンギングバスケットを丸く仕上げるコツ 下段はやや下向き、中段は正面向き、上段は上向きになるよう植え込みましょう。最上部の後方は垂直気味に植えます。正面、上、横、どこから見ても丸い形に仕上がるよう、角度や向きを調整することが重要です。微調整したい場合は水苔が活躍! 隙間に入れることでしっかりと位置が定まり、理想的なフォルムに近づきます。また、苗を植え込みながら、さまざまな角度から見て、丸いフォルムになっているかチェックしましょう。 苗のどの位置が丸いカーブを描いているか、クルクルと回してフィットするポイントを確認。場合によっては、長く伸びた茎をカットして形を整えるのもOKです。 仕上げ 苗を全て植え込んだら割り箸などで土を隙間なく詰め、その上に水苔を敷きます。植え込みがすべて完了したら、底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。冬以外は、作ってから3日程度は養生期間として風通しのよい日陰で管理し、その後日当たりと風通しのよい環境で育てるとよいでしょう(植物の特性によって適した置き場所を選んでください)。 ハンギングバスケットの梅雨時期の管理方法 病害虫対策 梅雨の季節は湿度が高くなることで蒸れやすくなり、病害虫の発生リスクが上がります。そのため、ハンギングバスケットを風通しよく管理することが重要です。枝透かしや切り戻しをして、混み合わないように注意したり、終わった花はすばやく花がら摘みをしましょう。害虫には忌避剤を用いて予防することも一案です。 水やり 置き場所にもよりますが、できれば毎日土の乾きを確認しながら1〜2日に1回水やりをします。水やり時の泥はねを防いで病気を予防するため、ハンギングバスケットの仕上げには土の表面に水苔を敷くようにしましょう。 置き場所 植えた植物によって置き場所にも注意が必要です。この時期ハンギングバスケットで活躍するペチュニアやキンギョソウなどは、雨に当たると花が傷みがちに。雨天が続く場合は、軒下などの雨の当たらない場所に移動させるとよいでしょう。 どんよりとした空模様が続く季節でも、庭やベランダ、玄関先を華やかに彩ってくれるハンギングバスケット。選ぶ植物に合わせて置き場所に配慮したり蒸れにくいよう管理することで、梅雨時期も心配ご無用! 存分に美しい姿を楽しむことができます。ぜひ、この時期見頃の花を添えたハンギングバスケットで、彩り豊かなガーデニングライフを満喫しましょう。
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観葉・インドアグリーン
観葉植物が元気をなくす原因は“湿気”だった!初心者でもできる根腐れゼロの湿度対策ガイド
初心者が見落としがち! 湿気が招く観葉植物のピンチ 観葉植物を育てるうえで見落としがちなトラブルのひとつが「湿気による根腐れ」です。特に梅雨の時期や夏場は室内の湿度が自然と高くなり、土がなかなか乾かなくなります。そんな環境の中で水をいつも通りに与えていると、知らないうちに根が腐ってしまうことも。初心者の方は「葉っぱが元気だから大丈夫」と思いがちですが、根は見えない場所で静かにダメージを受けていることが多いんです。気づいたときにはもう手遅れで、葉が黄色くなったり、ポロポロ落ちてきたり、土から嫌なにおいがしたり、ということも少なくありません。実は根腐れの原因のほとんどは、「水のあげすぎ」や「風通しの悪さ」によるもの。特に日本の梅雨は湿度が非常に高いため、植物にとっては想像以上に過酷な季節なんです。 そんなときは、ぜひ「湿気」を疑ってみてください。本記事では、湿気による根腐れのメカニズムや、すぐにできる対策、湿気に強い植物と弱い植物の違いなど、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。植物にとって快適な空間づくりは、ほんの少しの気配りで実現できます。湿気と上手に付き合って、観葉植物との暮らしをもっと楽しみましょう! なぜ湿気で根腐れが起きるの? その仕組みをやさしく解説 根腐れってどういう状態? 「根腐れ」という言葉はよく聞くけれど、実際にどんな状態なのかイメージができますか?根腐れとはその名の通り、植物の根っこが腐ってしまって栄養や水分を吸えなくなるトラブルです。地上の葉や茎は元気そうに見えても、土の中では根がどんどん弱っていき、最悪の場合は枯れてしまいます。この目に見えないところで症状がどんどん進行していくというのが、実に厄介なのです。本来、元気な根は白っぽくてハリがあり、少し湿っていても弾力があります。しかし根腐れを起こしてしまうと、根は黒く変色し、ブヨブヨしたりドロドロになってしまいます。ひどい場合は、わずかに触れるだけで崩れてしまうことも。 さらに、腐った根は悪臭を放ちやすく、そこからカビや雑菌が繁殖し、ほかの健康な根にも悪影響を与えることがあります。いわば、植物の「心臓部分」が壊れてしまうようなもの。だからこそ、早めに気づいて対策することがとても大切なんです。 湿気と根腐れの関係 根腐れは水の与えすぎだけが原因ではありません。実は、湿気の多さが大きく関わっています。 梅雨や夏など湿度の高い時期になると、土の中の水分が蒸発しにくくなり、いつまでもジメジメした状態が続きます。すると植物の根は必要な酸素を取り込めなくなり、酸欠状態に。本来根っこは、「水」と「酸素」の両方が必要としています。水を吸うだけでなく、土のわずかな隙間から空気を取り込み、呼吸もしています。ところが湿気が多い環境では、空気の通り道が水分でふさがれてしまうため、根の呼吸が妨げられ、息苦しい状態になってしまうのです。この状態が長く続くと、根の組織が弱り始め、そこに雑菌やカビが入り込みやすくなります。ただでさえ湿度の高い梅雨の季節に、風通しの悪い部屋や密閉された空間では、蒸れが一層進んでしまいます。風の当たらない場所に置いて過保護にしていると、「知らない間にサウナ状態」になっていることもあるんです。 さらに、鉢の中で水がたまっていると、そこが「湿気のかたまり」になり、細菌やカビが繁殖しやすい環境に。これらの菌が根に入り込んで組織を壊してしまうことで、腐敗が一気に進んでしまいます。つまり、観葉植物にとって過度な湿気とは、 酸欠を引き起こし カビや菌の温床をつくり 土を乾きにくくして悪循環を生む という「根腐れの三重苦」を引き起こす、かなり厄介な存在なのです。 見逃してはいけない症状とは? 根腐れは、最初の段階で気づければ、黒ずんだ根をカットし、切り口に殺菌剤などを塗布することで元の状態に戻すことも十分可能です。でも初心者の方ほど、「あれ? なんか変かも?」を見逃してしまいがち。そこで、ここでは「これが出たら要注意⚠️」というサインを5つご紹介します。これらのサインは、一つだけ出たり、複合的に出たりしますが、1つでも出たら植物からのS.O.S.と思ってください。基本的には1→5にいくほど、根の重症度は高くなります。 ①葉が元気なのに、下のほうが黄色くなる 一見元気そうに見えても、下の葉から黄変してくるのは根の異常のサイン。「古い葉だからかな?」と見過ごしてしまいがちですが、実は水が吸えなくなっているサインかもしれません。 ②葉がポロっと落ちる、しなしなしてくる 葉が触っただけで落ちる、なんとなくハリがない、そんなときも要注意。特に水をあげているのにしおれている場合は、根が水を吸えなくなっている可能性が高いです。葉は通常の代謝でも黄変して落葉しますが、根腐れを起こすと、黄変していない緑色の葉も、しおれて落葉する場合があります。 ③土がずっと湿っている 「水をあげてから何日も経っているのに、土がまだ湿っている」。この場合、排水性の悪さ、あるいは湿度過多による乾燥の遅れが疑われます。それに気づかず水を足してしまうと、根腐れ一直線。筆者も経験がありますが、上の写真のようなガラス製やアクリル製の植木鉢は通気が悪いので要注意です。というか、根腐れをやってしまってからは2度とそれらの鉢は使っていませんが・・・。 ④土から嫌なにおいがする カビ臭い、腐ったようなにおいがする、そんな時はすでに根の一部が腐敗している可能性が高いです。特に梅雨〜夏場は温度と湿気で菌が繁殖しやすく、異臭の原因になります。 ⑤虫がわく・カビが発生する コバエや白カビなどが目立ち始めたら、それは過湿で土が劣化している合図かも。虫だけで済めばよいですが、カビ由来の菌が根にダメージを与えている可能性もあります。 こういった症状を見過ごしてしまった場合、いざ気づいたときには重症化していることも。植物を育てる上で最も重要なのは日々の観察です。その中で「なんか変だな」と異変を感じたら、まずは水やりの頻度と湿度をチェックしてみることが大切です。次項では、根腐れを未然に防ぐための湿気対策の具体的な方法をご紹介していきます! 今日からできる! 観葉植物の湿気対策 通気性のよい鉢と土を選ぶ 湿気対策の第一歩は「通気性を確保すること」。そのためには、植物の家ともいえる鉢と土選びが重要です。 鉢選び 観葉植物初心者の方に人気なのは、見た目がオシャレな陶器やガラス製の鉢。でもこれらは通気性が低く、水が溜まりやすい構造になっていることが多いです。特に排水穴がない鉢や、受け皿に水が溜まりっぱなしになるタイプは、湿気が逃げず、根腐れの原因になります。おすすめなのは、素焼き鉢(テラコッタ)。見た目は素朴だけど、鉢そのものが呼吸してくれるので、余分な水分が自然に外へ逃げてくれます。通気性、排水性ともに優秀なので、観葉植物初心者にはぴったり! 土選び ホームセンターなどで「観葉植物用の土」として売られているものでも、製品によってかなり質が違います。大切なのは、水はけのよさ。手で握ってもすぐに崩れるくらいの、サラッとした感触が理想です。とはいっても、店頭で袋を開けてチェックすることもできないので、パッケージにしっかりと「水はけ重視」といったような内容が明記されているものを購入しましょう。 観葉植物用土は自分で作ることも可能です。この場合は、以下のような配合がおすすめです。全体を10として、 赤玉土(中粒)…5割 鹿沼土、または軽石…3割 ピートモス、またはバーク堆肥…2割 これで排水と通気のバランスがとれた「根が呼吸できる土」になります。 鉢も土も、見た目より「植物の呼吸を助けてあげられるか」が大切。湿気がこもらない環境を整えることで、根腐れのリスクはぐっと減らせますよ! 水やりのタイミングを見直す 湿気対策の中でも大切なのが「水やりのタイミングの見直し」です。「毎日水をあげないとかわいそう」、「土の表面が乾いたらすぐあげるべき」、こんなふうに思っている方は要注意。実はそれ、根腐れの第一歩かもしれません。植物にとっての水やりは“習慣”ではなく“必要に応じて”行うもの。つまり、「毎朝の日課」のようにあげるのではなく、植物や環境の状態を見て判断することが大切です。特に梅雨の時期は、わずかな異変を見逃さないためにも、植物の観察を欠かさないようにしましょう。 見直しポイント① 土の中までしっかり乾いてから 梅雨や夏場といった、湿度の高い季節の水やりを行う上で押さえておきたいのは、「土の表面」ではなく土の「中の状態」です。表面が乾いていても、中がまだ湿っている場合は水やりを控えましょう。中がどのくらい湿っているかを調べるには、土中湿度計(水分チェッカー)を使うと確実です。 水分チェッカーはホームセンターで簡単に手に入る。 これらのアイテムを使用しない場合は、割り箸や竹串を土に挿せば湿り具合をチェックすることができます。鉢の縁あたりに挿し、引き抜いたときに土に触れていた部分が乾いていれば、水の与え時です。 写真のように湿った土が付着していたら水やりは控えたほうがよい。 梅雨の時期や夏場は、この“土中水分チェック”を習慣にするとよいでしょう。 見直しポイント② その都度判断する 湿度が高い季節は、普段より水やりの頻度を減らすのが基本。室内でも、置き場所の環境によっては土の乾き方も違うので、「毎週〇回」と決めず、その都度判断することが大切です。前述の土中水分チェックを都度行い、土の中の状態を見ながら与えることで、梅雨の間も健やかに育つことができるでしょう。 見直しポイント③ 早朝〜午前中に水やりする 梅雨時の観葉植物の水やりは、夜に行うと水分が土に長く残りやすくなり根腐れのリスクがUP。特に湿度の高い日は、できるだけ早朝〜午前中に水やりを済ませることで、余分な水分を日中のうちに蒸発させやすくなります。 水やりは「たっぷり・タイミングよく・しっかり乾かす」が基本。そのバランスをつかむだけで、根腐れはかなり防げるようになります。植物の“今の状態”を見ながら、柔軟にお世話をしてあげましょう🌿 室内の空気を動かそう 湿気がこもる大きな原因のひとつが、「空気の停滞」。室内で観葉植物を育てていると、ついつい風の通らない場所に置きがちですが、これは根腐れの原因になります。湿気対策には、“空気を動かす”ことがとても重要。風があるだけで土の乾きが早くなり、蒸れも防げて病害虫も寄りつきにくくなります。ではどうすればそんな環境が作れるのか、2つの方法を紹介します。 ①窓を開けるだけでも効果あり! 毎日少しの時間でも窓を開けて空気を入れ替えるだけで、部屋全体の湿気がリセットされます。特に梅雨や夏場は、早朝〜午前中の湿度が低い時間帯に換気すると効果的。 ②サーキュレーターを活用しよう 窓が少なく風通しが悪い部屋では、サーキュレーターの使用がおすすめ。部屋の空気がゆるやかに動くだけでも湿気はこもりにくくなります。ポイントは、部屋の空気を循環させるよう意識すること。サーキュレーターを天井に向けて動かせば、エアコンの風も満遍なく部屋の隅々に送ることができるので、省エネにもつながります。快適な空気が部屋をぐるぐる回るということは、必要以上に設定温度を下げる必要がないため、冷房が苦手な観葉植物にとってもよいことなのです。 サーキュレーターの風は、あくまでも植物に直接あてないのが基本。 空気を動かすことは、観葉植物にとっての「呼吸スペース」をつくること。湿気をうまく逃がして、植物がのびのびと育つ空間を整えてあげましょう。 置き場所にも工夫を 観葉植物をどこに置くか。実はそれだけで、湿気のこもりやすさが大きく変わります。「風通し」と「乾きやすさ」を意識した置き場所の工夫で、根腐れリスクをグッと減らせるんです。 窓際でも「風が通るか」がカギ 窓際は光が入って理想的な場所に思えますが、風が抜けないと逆効果になることも。たとえばカーテンの内側や、窓を閉めっぱなしの場所では湿気がこもりやすくなります。おすすめは、日中に窓を開けられる場所など、風の通り道に近いエリアに置くこと。窓がない場合でも、前述のようにサーキュレーターを設置して風を循環させればOKです。 壁にピタッとくっつけない 意外と多いのが「鉢を壁際にくっつけて置いてしまう」というケース。こうすると背面に空気が流れず、蒸れの原因になります。壁から数センチ離して配置するだけでも、通気性はアップしますよ。 高さを出すと乾きやすくなる 床に直接鉢を置くと、鉢の中で空気がこもって乾きにくくなることがあります。そんなときは、鉢スタンドや、すのこ、棚の上などに置いて、少し高さを出すのが効果的。空気が下にも流れることで、鉢底の湿気が抜けやすくなります。 密集させず、余白を持って配置 これも意外と見落としがちな、鉢同士の密集。たくさんの植物を並べて楽しむのは素敵ですが、密集すると通気性がダウンしてしまいます。鉢と鉢の間に風が通るだけの余白をもたせることで、湿気がこもりにくくなります。 できれば、鉢と鉢の間にこぶし一つ程度の隙間をあけるのが理想的。 置き場所は「光が当たる」だけじゃなく、“風により空気が動く”ことが大事。ほんのちょっとの工夫が湿気対策につながり、植物の健やかな成長へとつながります。 湿気に強い観葉植物、弱い観葉植物は? 湿気に強い植物たち3選 湿気は観葉植物にとって悩みのタネですが、中には高湿度を好むタイプの植物も存在します。これらの植物は、熱帯や亜熱帯のジメジメした環境に適応して進化してきた種類なので、むしろ日本の梅雨〜夏場の環境との相性も抜群です。そんな「湿気に強いタフな仲間たち」をご紹介します! モンステラ 南国ムード漂う大きな切れ込みのある葉が魅力のモンステラは、中南米の熱帯雨林が原産。自生地の環境は年間を通して湿度が高いため、多湿にも非常に強く、むしろ乾燥しすぎると葉がチリチリになってしまうことも。葉が大きいため、土中から吸い上げた水分を葉から放出する蒸散量も多く、根腐れのリスクが少ない観葉植物です。過湿にも耐えてくれるため、初心者でも育てやすいタフな一鉢です。 アグラオネマ 映画『レオン』にも登場したことで有名になったアグラオネマ。東南アジアのジャングル原産で、高温多湿を好む典型的な「湿気向き植物」です。耐陰性も高く、室内の明るい日陰でも元気に育つため、日本の夏の室内環境とも相性抜群。美しい葉模様と丈夫さから、インテリア性と育てやすさの両方を兼ね備えた観葉植物として人気があります。 フィロデンドロン 「愛の木」とも呼ばれるフィロデンドロンは、中南米を中心に広く分布する熱帯性植物。ツル性や木立ち性などさまざまな種類がありますが、総じて湿気に強く、多少の蒸れも、ものともしません。特に「セローム」や「バーキン」などの種類は、むしろ湿度が高い環境でこそ生き生きとしたツヤ葉を維持できるため、ジメジメした梅雨でも安心して楽しめます。初心者にもおすすめ。 湿気に弱い植物たち3選 乾燥気味の環境を好むタイプが多い観葉植物にとって、日本の梅雨時期や夏の湿気は大敵。ここでは、特に注意が必要な“湿気に弱い観葉植物”たちをご紹介します。 サンセベリア サンセベリア(サンスベリア)はアフリカなどの乾燥地帯が原産で、葉にたっぷりと水分をため込む多肉質の構造をしています。そのため、湿気や過湿に極端に弱く、梅雨時期の蒸れや水のやりすぎで根腐れしやすいのが特徴。梅雨や夏場の水やりは土がカラッカラに乾いてからさらに2〜3日経ってからでOK。風通しのよい環境と控えめな水やりが上手に管理するポイントです。 フィカス・ベンジャミナ(ベンジャミン) 細く垂れるような枝ぶりと、艶のある葉が美しいベンジャミン。育てやすい樹木系観葉植物として人気ですが、実は湿気にやや弱い性質を持っています。蒸れた環境が続くと、根腐れや葉落ち、カビの発生につながることも。特に梅雨時期は鉢内の通気に気をつけて、水やりも控えめに調整するとよいでしょう。風通しと乾きやすさが上手に育てるポイントです。 シェフレラ・アルボリコラ(ホンコンカポック) 初心者に人気のシェフレラは丈夫で育てやすいのが魅力。しかし意外と湿気には弱いという繊細な一面もあり、特にホンコンカポックは、蒸れにさらされ続けると根が弱って、葉が黄色くなったり落ちたりすることもあるので要注意。水やり後にしっかりと乾かすことと、土や鉢を通気性のよいものにすることで問題なく梅雨の時期も乗り切ることができます。 まとめ|湿気と上手につきあって、根腐れゼロを目指そう! 観葉植物のトラブルでよくあるのが「根腐れ」。その原因の多くが、過度な湿気や風通しの悪さにあることがわかっています。でも、ちょっとした習慣の見直しや、鉢、土、置き場所の工夫や、風を通す環境づくりを意識するだけで、湿気によるトラブルはしっかり防ぐことができます。また、植物ごとに「湿気が好きかどうか」は異なります。環境が心配な方は、モンステラやアグラオネマのような湿気に強い植物を選ぶのも、ひとつの安心材料になるでしょう。逆に、サンスベリアなど乾燥を好むタイプは、特に梅雨〜夏にはこまめなチェックが必要です。植物も人間と同じで、心地よい環境だと元気になります。空気の流れや湿度とのバランスをうまくとってあげることで、根腐れゼロの快適なグリーンライフが実現しますよ!
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ガーデニング
あなたの推し色は? 読者に聞いた一番好きなバラの色ランキングTOP5
第5位 オレンジ(花言葉:「絆」「幸多かれ」「信頼」など) 代表的・有名なオレンジ色のバラ アンブリッジ・ローズ(Ambridge Rose) Eiko Tsuchiya/Shutterstock.com 【作出年】1990年【作出国】イギリス【作出者】David C. H. Austin【咲き方】四季咲き/カップ咲き〜ロゼット咲き【香り】強香【大きさ】花径 約9cm/樹高・伸長 約1m ロイヤル・サンセット(Royal Sunset) Ken Mewatch/Shutterstock.com 【作出年】1960年【作出国】アメリカ【作出者】Dennison H. Morey【咲き方】四季~返り咲き/丸弁八重咲き【香り】強香【大きさ】花径 約12cm/樹高・伸長 約3m ブラス・バンド(Blass Band) zzz555zzz/Shutterstock.com 【作出年】1994年【作出国】アメリカ【作出者】Jack E. Christensen【咲き方】四季咲き/丸弁八重咲き【香り】微香【大きさ】花径 約8cm/樹高・伸長 約1m 編集部Pick up ディズニーランドローズ(Disnyland Rose) ディズニー社とアメリカのジャクソン&パーキンス社が協力し2003年に作出されたバラ。花弁はオレンジ色で、開花が進むにつれ、花弁の外側から徐々にピンク色がかってきます。東京ディズニーランドではシンデレラ城前の花壇に植えられており、開花時期は城を背景に美しいバラとの風景を楽しむことができます。 第4位 赤(花言葉:「愛情」「恋」「美」など) 代表的・有名な赤色のバラ パパ・メイアン(Papa Meilla) ElenaGC/Shutterstock.com 【作出年】1963年【作出国】フランス【作出者】Alain Meilland【咲き方】四季咲き/剣弁高芯咲き【香り】強香【大きさ】花径 約13cm/樹高・伸長 約1.5m ドゥフトボルケ(Duftwolke) catus/Shutterstock.com 【作出年】1963年【作出国】ドイツ【作出者】Mathias Tantau Jr.【咲き方】四季咲き/半剣弁高芯咲き〜抱え咲き【香り】強香【大きさ】花径 約14cm/樹高・伸長 約1m イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman) Ahmed_Hridoy/Shutterstock.com 【作出年】1983年【作出国】デンマーク【作出者】Olesen【咲き方】四季咲き/半剣弁高芯咲き【香り】微香【大きさ】花径 約12cm/樹高・伸長 約1.2m 編集部Pick up ゼプティ(Zepeti) フランスの名門ナーセリー、メイアン社作出。自然にこんもり茂って形よくまとまるコンパクトサイズで、テーブルに飾ったり、寄せ植えにもしやすいバラ。暑さにも寒さにも強く、バラ栽培初心者にもおすすめの品種です。 第3位 紫(花言葉:「誇り」「尊敬」「気品」など) 代表的・有名な紫色のバラ ノヴァーリス(Novalis) Edita Medeina/Shutterstock.com 【作出年】2010年【作出国】ドイツ【作出者】Kordes【咲き方】四季咲き/丸弁平咲き【香り】中香【大きさ】花径 約7cm/樹高・伸長 約1.4m レイニー・ブルー(Rainy Blue) Benzstock/Shutterstock.com 【作出年】2012年【作出国】ドイツ【作出者】Hans Jürgen Evers【咲き方】四季咲き/丸弁平咲き【香り】微香【大きさ】花径 約5cm/樹高・伸長 約1.2m ブルー・ムーン(Blue Moon) shepherdsatellite/Shutterstock.com 【作出年】1964年【作出国】ドイツ【作出者】Mathias Tantau Jr.【咲き方】四季咲き/半剣弁高芯咲き【香り】強香【大きさ】花径 約11cm/樹高・伸長 約1.4m 編集部Pick up 禅(Zen) 紫色がのるシックな茶色が魅力的な、バラの育種家・河合伸志さん作出の「禅ローズ」シリーズのバラ。紫外線の強い春には紫色が強く現れ、秋には茶色一色に近い花色になります。数輪の房になって咲き、花つきも非常によい。開花サイクルが短く、適切に管理をすれば秋まで何度も楽しめるのも特徴。 第2位 白(花言葉:「純潔」「清純」「心からの尊敬」「相思相愛」など) 代表的・有名な白色のバラ アイスバーグ(Iceberg) zzz555zzz/Shutterstock.com 【作出年】1953年【作出国】ドイツ【作出者】Reimer Kordes【咲き方】四季咲き/丸弁平咲き【香り】中香【大きさ】花径 約7cm/樹高・伸長 約1.2m スノー・グース(Snow Goose) ElenaPiv/Shutterstock.com 【作出年】1997年【作出国】イギリス【作出者】David C. H. Austin【咲き方】四季咲き〜返り咲き/ポンポン咲き【香り】中〜強香【大きさ】花径 約3cm/樹高・伸長 約2m ジャクリーヌ・デュ・プレ(Jacqueline du Pré) Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com 【作出年】1989年【作出国】イギリス【作出者】Jack Harkness【咲き方】四季咲き〜返り咲き/セミダブル咲き【香り】強香【大きさ】花径 約8cm/樹高・伸長 約2.5m 編集部Pick up つる アイスバーグ(Iceberg, Climbing) js js/Shutterstock.com 銘花‘アイスバーグ’の枝変わり品種。誘引しやすい細くしなやかな枝で、シュートは約3m伸長します。花つきがよく、壁面やフェンス、アーチ、パーゴラ、オベリスクなどさまざまなシチュエーションで楽しめるバラです。 第1位 ピンク(「可愛い人」「上品」「美しい少女」など) 代表的・有名なピンク色のバラ クイーン・エリザベス(Queen Elizabeth) Natalia Kokhanova/Shutterstock.com 【作出年】1954年【作出国】アメリカ【作出者】Walter E. Lammerts【咲き方】四季咲き〜返り咲き/丸弁平咲き【香り】微香【大きさ】花径 約9cm/樹高・伸長 約1.4m ニュー・ドーン(New Dawn) T. Miettinen/Shutterstock.com 【作出年】1930年【作出国】アメリカ【作出者】Somerset Rose Nursery【咲き方】返り咲き/剣弁高芯咲き【香り】中香【大きさ】花径 約7cm/樹高・伸長 約3.5m プリンセス・ドゥ・モナコ(Princesse de Monaco) zzz555zzz/Shutterstock.com 【作出年】1982年【作出国】フランス【作出者】Marie-Louise Meilland【咲き方】四季咲き/丸弁高芯咲き【香り】中香【大きさ】花径 約12cm/樹高・伸長 約1.2m 編集部Pick up イヴ・ピアジェ(Yves Piaget) supayoda/Shutterstock.com シャクヤクのような花形と、芳醇なダマスク香が特徴のバラ。大輪で切れ込みの入った花弁が重なり合う豪華な花姿はガーデンでひときわ目を引く存在になります。もともとガーデン用のバラで、現在では切り花としても人気の高い品種です。 「Instagram バラのフォトコンテスト2025」開催中! 毎年好評のガーデンストーリー主催【Instagram バラのフォトコンテスト 2025】を2025年4月25日(金)〜7月31日(木)まで開催中。ぜひ、今シーズンに撮影したあなたの「推しバラ」の写真をInstagramに投稿してご応募ください。受賞者には、英国SPARTA STATUES社のガーデンオーナメントや、新ブランド「GARDEN STORY Series」のアイテムのほか、バラ栽培の強い味方、住友化学園芸の「マイローズ」シリーズなど、ガーデニング、バラ、植物を愛する方におすすめの素敵な賞品をプレゼント!
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イベント・ニュース
遊びもあり、学びもあり! スマホアプリで植物ライフをより豊かに 〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜
特集:スマホアプリで「みどり好き」を増やす photoAC 今号の特集は、「スマホアプリで『みどり好き』を増やす」。 手軽に使えるスマホアプリは、みどりの魅力発信やコミュニティづくりに適しています。画像診断での植物判定やチャットでの疑問解決、栽培サポートなどさまざまな機能が使えるアプリが存在します。 本特集では、代表的なスマホアプリを5つ取り上げ、それぞれの特徴やおすすめポイントをご紹介しています。 「GreenSnap」-GreenSnap株式会社 「GreenSnap」は、1日最大4万人ものユーザーの投稿や専門家が監修する公式コラムなど、みどりに関する情報が盛りだくさんの植物・花好きさんが集まるアプリ。「みどりのコミュニティをつくる」というコンセプトで、2014年にウェブサイト版からスタートしました。園芸などのブロガー100人に声をかけて利用してもらい、翌年にはアプリをリリース。これまでに投稿された写真は2,000枚以上。他のユーザーと交流しながら、自分に合ったみどりの楽しみを見つける場となっています。 使える機能は、写真をアップロードするだけで植物の名前判定ができる「教えてカメラ」や、植物図鑑で品種ごとの育て方や施肥の時期などを調べられる「育てる」、他のユーザーの投稿が見られる「タイムライン」など多岐にわたります。 中でも注目すべきは、投稿を通したユーザー同士の交流。植物について語り合い、一緒に楽しめる仲間が集う場となっています。また、GreenSnapユーザーを中心に多くの人が集まるリアルイベント「GreenSnapMarche」も各地で開催され、花や植物に限らず音楽なども盛り込んで、植物に関心がないような人がみどりに触れる機会をつくっています。 「GreenSnap」のおすすめポイント ①タイムラインで自分好みの写真を探す 自分好みの投稿に「いいね」やコメントをしていけば、趣味に適したタイムラインが完成する。自分でも気がついていなかった好みを見つけるきっかけになるかもしれない。 ②植物の名前を質問 「教えてカメラ」機能でも特定しきれなかった植物は、「名前を教えて!」で他のユーザーに質問できる。 ③「育てる」で植物の特色を知る 「育てる」では品種ごとの植物図鑑がチェックでき、どの作業をいつするのかを学べる。同じ植物を育てるユーザーの投稿もまとまっており、生育の助けとなる。 「KEEP GREEN SMART」-株式会社DAISHIZEN 「KEEP GREEN SMART」は、株式会社DAISHIZENが2025年1月にリリースしたトータルグリーンサービスアプリ。前出のGreenSnap株式会社が開発したAIエンジンを活用し、3つの機能で幅広い人がみどりに触れるきっかけづくりをしています。 3つの機能とは、写真を撮るだけで植物の名前を判断し、育て方のアドバイスをする「AI SEARCH」、植物に関するさまざまな疑問に答える「AI SUPPORT CHAT」、部屋などの写真をアップロードすると施工例を提示してくれる「AI DESIGN」(トライアル版)。「AI DESIGN」についてはまだまだ改良が必要な状態であるものの、まずは植物がある空間に興味を持ってほしいとの思いから、トライアル版として公開しました。 各機能とも、今後も対応品種数を増やすなど、よりユーザーが使いやすい形へのアップグレードを目指し、また、他社でも「これがあったら」と思うものを作って、ユーザーが楽しめるように業界全体で使えるアプリを目指しています。 「KEEP GREEN SMART」のおすすめポイント ①気になった植物がすぐ分かる 「AI SEARCH」では、まちなかで興味を持った植物にカメラを向ければ、すぐに品種や特徴、育て方を知ることができる。 ②いつでもどこでもチャットで質問 「AI SUPPORT CHAT」なら、時間や場所を選ばずにいつでも質問できる。実際に店舗で質問される情報が多く入っているので、疑問解決につながりやすい。 ③写真一つで簡単緑化 「AI DESIGN」では、写真を撮るだけで、自宅やオフィスの緑化イメージが簡単に完成。「植物を配置したいけれどイメージがわかない」という人におすすめ。 「トマサポ!」-カゴメ株式会社 初めての家庭園芸で選ばれることが多いトマト。その栽培を失敗させたくないという思いから生まれたのが、トマト栽培サポートアプリ「トマサポ!」です。 アプリ開発のきっかけは、カゴメ株式会社のお客様センターなどに寄せられた悩みの声。トマトの栽培に失敗したり悩んだりしている人が多く、「プロとしてなんとかしたい」と考えた総合研究所の若手社員の発案により、2019年にプロジェクトがスタートしました。 トマトの一般的な育て方は、インターネット検索でも簡単に見つけられます。それでも失敗するのは、品種や地域、置き場所によって実際に必要な手入れが大きく変わるから。そこで、カゴメはトマト栽培事業で培った他社にはないノウハウを生かして、ユーザーそれぞれに適したアドバイスができるシステムを構築しました。 「トマサポ!」のおすすめポイント ①成果を実感できるランキング 収穫量のランキングは、他ユーザーと競いながら成果を実感できる機能。総合順位だけでなく、品種別・地域別の順位も確認できるため、自分と近い生育環境のユーザーの収穫量を知ることができる。 ②天気に合わせた水やり目安量を通知 水分量は初心者が失敗しやすいポイントの一つ。トマサポでは毎日天気を考慮した目安量を通知するため、水分量に悩まず水やりができる。 ③5つのステージで育て方を説明 定植、開花、着花、色づき、収穫・調理の5つのステージで栽培過程を説明。それぞれで必要な作業の要点もイラストや動画で見られるようにしている。収穫までの道筋と自分の現在地が分かることで、先が見えずに挫折する人を減らしている。 「Biome」-株式会社バイオーム アプリユーザーからの投稿写真 通勤途中や近所の公園には、意外と多くの植物、虫、鳥が生きています。それに気づくだけでも、生き物に関心を持つ人が増えるのではないだろうか……。そんな発想から、身近な植物や虫、鳥などの生き物を写真で集めて楽しむアプリ「Biome(バイオーム)」は生まれました。 撮影した生き物は、独自のAIで名前判定ができ、種名が分からない場合はユーザー同士で質問や提案ができるため、知識がなくても始められます。 「みんなで作る図鑑」機能では、それぞれの生き物の概要と、観察できる時期、生態、他のユーザーが撮影した写真などが見られ、学びの要素もあります。 アプリ内の期間限定イベント「いきものクエスト」では、指定の生き物を見つけることや、特定の地域で見つけた生き物を投稿するなどのミッションが設けられ、ゲーム感覚で生き物探しが楽しめます。 さまざまな仕掛けが散りばめられていて、ユーザー層は老若男女を問わない一方で、ユーザー同士の直接の交流を減らし、あくまで生き物を主体に自然体験を楽しめるようになっているのもポイントです。 ※希少種の位置情報は自動的に非公開になります。 「Biome」のおすすめポイント ①コレクションして、調べて、学ぶ 見つけた生き物を撮影してコレクションしたり、AIで生き物の名前を調べたりできる。公式ブログによる生き物情報は、生き物の見分け方や生態などを学べると人気。 ②データを生物多様性保全に活用 Biomeに集まったデータは、収集・分析し、環境保全のために自治体や企業に活用されている。生物多様性を評価するのは個人や一企業の力だけでは難しいが、全国のBiomeユーザーが投稿した情報をまとめれば可能になる。 ③イベントの楽しみを増幅 全国都市緑化かわさきフェア(秋)では、各会場で見つけられる生き物探しなどを、企業の社員向け研修ではバーベキューの食材をかけた生き物探しを企画するなど、Biomeを使えばイベントをさらに楽しくできる。 「TOKYO PARKS PLAY 〜パープレ〜」-公益財団法人東京都公園協会 健康づくりや防災、生物多様性など、公園にはさまざまな役割があります。遊びを通じて都立公園を知ってもらおうと考えてできたのが、「TOKYO PARKS PLAY〜パープレ〜」です。都立公園のうち東京都公園協会が管理している43カ所に対応し、各公園のイベント情報や公園マップなどの基本情報、公園で遊べるコンテンツのほか、水上バスや葛西臨海公園の大観覧車のクーポンなど、公園に行きたくなる工夫が詰まっています。 遊びの要素は「プレイ」というタブに集約されていて、6つのカテゴリーに分けられています。 中でも人気が高いのは「なぞとき」。対象の公園内にアプリと連携したクイズやミッションが設置されていて、公園の歴史を学んだり、ストーリーを楽しんだりすることができます。クイズ制作のプロを招いて作られていて、難易度調整にこだわっています。 そのほか、「防災クイズ」「自然にふれる」「おそとであそぶ」「スポットめぐり」「かいけつゾロリ」のカテゴリーがあります。 「TOKYO PARKS PLAY 〜パープレ〜」のおすすめポイント ①公園での遊び方を提案 クイズや植物探し、ウォークラリーなど、公園の楽しみ方を提案するコンテンツがたくさん。園内をぐるりと巡る「なぞとき」は、サクサク進めても1時間ほど楽しめる。 ②防災を学ぶ 防災スポットを回ってクイズに答えることで、楽しく公園の防災機能について学べる。小学生向けの防災イベントにも活用されている。 ③公園の情報を一元化 都立公園のお知らせや、開園情報や園内マップなど基本情報が確認できる。イベントはプッシュ通知でリマインドされるため、公園に足を運ぶ機会が増えるかも。前述の観覧車や水上バスの乗船券などのクーポンも配信している。 各アプリに込められた思いや活用例の詳細は、『グリーン情報』本誌をご覧ください。 業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』 このほか、『グリーン情報』2025年5月号には、シンガポール・ガーデンシティ視察ツアーの様子や「Fukuoka Flower Show プレイベント」のレポート、園芸店や生産地紹介、業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング・グリーン業界の幅広く深い情報が満載。ぜひお手にとってご覧ください。 『グリーン情報』のお求めはガーデンストーリーウェブショップへ 『グリーン情報』はガーデンストーリーウェブショップからご購入いただけます↓↓ショップページはこちら。https://www.gardenstory.shop/shopbrand/ct8/