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【バラの育種史】清らかな白バラの銘花~ブッシュ&シュラブ編

【バラの育種史】清らかな白バラの銘花~ブッシュ&シュラブ編

花の女王と称され、世界中で愛されているバラ。数多くの魅力的な品種には、それぞれ誕生秘話や語り継がれてきた逸話、神話など、多くの物語があります。数々の文献に触れてきたローズアドバイザーの田中敏夫さんが、バラの魅力を深掘りするこの連載で今回解説するのは、どこまでも清純な美しさを持つ白バラの銘花たち。19世紀以降に生まれたブッシュローズ(木立性バラ)やシュラブローズ(半つる性バラ)を中心に、モダンローズに至るまで、無垢な花色が人々に愛される白バラの品種と逸話を、年代を追ってご紹介します。

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目次

白バラの花言葉

白バラの花言葉は「純潔」「純粋」。また、1本の白バラを贈ると「あなたに一目惚れしました」、5本だと「あなたに会えたことが無上の喜びです」と、贈る本数によってもメッセージを込めることができる花です。

2005年に制作された、ドイツのマルク・ローテムント(Marc Rothemund)監督によるドキュメンタリータッチの映画『白バラの祈り~ゾフィー・ショル、最期の日々』は、第2次大戦下のドイツでナチスに対抗して非暴力抵抗運動を行った若者たちの集団“白いバラ”の悲劇を、痛切に描いた傑作でした。

このように、白バラは時に怖いほどの潔癖さを感じさせる象徴となっています。今回は、そんな白バラにスポットを当ててご紹介していきましょう。

15世紀から伝わる白バラ

15世紀には知られていた園芸種としての白バラは、アルバです。多弁花の“マキシマ”とセミ・ダブル咲きの“セミ・プレナ”が今日まで伝えられています。

アルバ・マキシマ(Alba Maxima)‐春一季咲き、1400年代以前?

アルバ・マキシマ(Alba Maxima)
Photo/田中敏夫

アルバ・マキシマは由来は不明ですが、15世紀にはその存在が知られていた、非常に古くからあるバラです。

まだ定説となってはいませんが、英国のバラ研究家ピーター・ビールス氏(Peter Beals)は、原種のロサ・カニナ(R. canina)とガリカの交配により生じたと見なしています(”Classic Roses”, 1985)。

ロサ・カニナ
ロサ・カニナ Photo/田中敏夫

アルバ・マキシマは、イングランドで王位を争ってランカスター家とヨーク家の間で勃発した薔薇戦争(1455-1485)で、ヨーク家の象徴である”白バラ”と同一視されたことから、ホワイト・ローズ・オブ・ヨーク(White Rose of York)とも呼ばれます。また、17世紀にスチュアート朝の復位を目指してスコットランドで起こったジャコバイトによる叛乱の際、白バラがシンボルとされたことから、ジャコバイト・ローズ(Jacobite Rose)と呼ばれることもあり、歴史に彩られた数多くの別称を持っています。

しかしながら、バラのクラスとしてのアルバ(白バラ)は、19世紀にバラの育種が活況を呈する時代に入っても、園芸種として主流になることはなく、ケンティフォリアやガリカのような多弁花の陰に隠れてしまっていました。

19世紀前半を彩った美しい白バラ

バラのクラスとしてのアルバは爆発的な人気を得ることはありませんでしたが、19世紀に入るとドイツのシュヴァルツコフ、フランスのデスメやヴィベールなどの育種家によって、他のクラスに属する“白バラ”が生み出されるようになりました。

マダム・アルディ(Mme. Hardy)-ダマスク、春一季咲き、1832年

マダム・アルディ
Photo/田中敏夫

ときに薄いピンクが入ることがある白バラ。

花心に緑の芽が生じ、浅いカップ形、ロゼット咲きまたはクォーター咲きとなる花形。

甘く、強く香ります。

1832年、フランス・パリのルクサンブール宮の庭長であったウジェンヌ・アルディ(Eugene Hardy)により育種・公表されました。アルディは、このバラを夫人に捧げ、‘マダム・アルディ’と名付けました。

馥郁たる香りゆえでしょう、一般的にはダマスクにクラス分けされています。交配親は不明ですが、花形の美しさはダマスクらしくない、ケンティフォリアからもたらされたのではないか、いや、花もちのよさはガリカの影響が感じられると、さまざまに語られています。

凛として他を圧する気品あふれる白い花。甘くなごむ香り。卵形の優美な葉。なにひとつ欠点のない“完璧”なバラであると断言してよいと思います。

「いまだ、どんなバラにも凌駕されていない…」(”Graham Stuart Thomas Rose Book”, 1994)という短い賛辞がすべてを物語っているのかもしれません。

マダム・ズートマン(Mme. Zöetmans)-ダマスク、春一季咲き、1836年

マダム・ズートマン
Photo/田中敏夫

フラットな咲き方ですが、花弁が内側にカールするため、全体としては丸みのある花形となります。しばしば花心に緑芽が生じます。前出の名花‘マダム・アルディ’との類似が感じられる、美しいダマスクローズです。

2品種はとてもよく似ていて、一見同じ品種ではないかと感じられるほどです。開花時にはわずかにピンクが入ることが多く、しだいに色が薄れ、クリーミィ・ホワイトの花色へと変わっていくところまで同じです。

花形については、‘マダム・アルディ’は開き気味、‘マダム・ズートマン’はやや丸みを帯びため、‘マダム・アルディ’と比べると緑芽が見えにくいという、わずかな違いがあります。

1836年、フランスのマーレ(Marest)が育種・公表したとされるのが一般的な説ですが、1830年には公表されていたとされる解説も見受けられます。それが正解であれば、1832年の‘マダム・アルディ’の公表に先んじることになり、両品種の類似から、ひょっとしたら同じ交配によるのではないかという想像も湧いてきます。交配親は不明です。

グラハム・トーマスは、花色の違いはあるものの、むしろ美しいガリカ‘デュセス・ド・モントベロ’によく似ていると述べています(“The Graham Stuart Thomas Rose Book”, 1994)。

マーレはルクサンブール公園(当時は王宮庭園)近くに圃場を持っていました。園芸店を運営する傍ら、バラの育種も行っていたのかもしれません。この‘マダム・ズートマン’のほか、ピンクのHP‘コンテス・セシル・ド・シャブリラン(Comtesse Cécile de Chabrillant)’、ピンク・アプリコットのティーローズ‘スヴェニール・ド・デリス・ヴァルドン(Souvenir d’Elise Vardon)’などを育種したことでも知られています。

ブランシェフルール(Blanchefleur)-ケンティフォリア、春一季咲き、1835年

ブランシェフルール
Photo/Pascale Hiemann [CC BY SA-3.0 via Rose-Biblio]

淡いピンクに色づくつぼみは、開くとクリーム色となったり、中心部がピンクに染まったりします。花心に緑芽が生じることが多く、甘く強い香りと相まって、オールドローズの美しさここに極まりと言っても過言ではありません。

1835年、フランスのJ.P. ヴィベール(Jean Pierre Vibert)により育種・公表されましたが、交配親は分かっていません。

クラス分けについては一時期混乱が生じ、白花のガリカとされていた時代が長かったのですが、今日ではケンティフォリアにクラス分けされています。妥当な結論だと思います(”La Rose de France”, François Joyaux, 1998)。

“ブランシェフルール” (白い花)は、フランスの騎士道物語に登場するヒロインです。

古い伝説譚ですのでいくつか違う筋書きのものがありますが、いちばんポピュラーなのは、イスラム教王国の王子フロリス(花)とキリスト教信者の娘ブランシェフルールの許されない恋物語『フロリスとブランシェフルール』でしょう。

スペインにイスラム教国がいくつもあった時代、王子フロリスと王妃の侍女の娘ブランシェフルールは幼馴染みでした。美しく成長した2人は恋仲になりますが、イスラム教者である王子がキリスト教信者の娘を妻に迎えることを恐れた王と王妃は王子フロリスを国外へ、娘ブランシェフルールを商人に売り飛ばしてしまいます

果たして2人は再び会うことができるのでしょうか…

マダム・ルグラ・ド・サンジェルマン(Mme. Legras de St. Germain)-アルバ、春一季咲き、1846年以前

マダム・ルグラ・ド・サンジェルマン
Photo/田中敏夫

しばしば緑芽が花心に形成される、ロゼット咲きまたは丸弁咲き。

花色は白。センター部がわずかにクリーム色に色づきます。

高性のシュラブとなります。トゲはほとんどなく、大株になるのでシュラブとしてよりも小さめのクライマーとして扱うのが適切のように思われます。

ウィリアム・ポールの著作『ザ・ローズ・ガーデン(The Rose Garden)』(10版、1848)にその名があることから、1848年以前まで遡れる品種ですが、交配親などの情報は失われてしまいました。育種者も不明ですが、アルバとダマスクの交配から生み出されたのでないかという説が有力です。強い耐病性があり、また耐寒性もある強健種です。アルバにクラス分けされることが多いです。

名前の由来となったルグラス・ド・サンジェルマンは、“L’art de trouver des trésors réels dans les campagnes(田園にて本当の宝物を見出す手法)”の著者です。バラはその夫人に捧げられました。

グラハム・トーマスは「最も美しい、早咲きする品種のひとつだ…」と賞賛しています(”Graham Stuart Thomas Rose Book”, 1994)。‘シュロップシャー・ラス’(Shropshire Lass;1968年公表)など、初期のイングリッシュローズの交配親としても利用されました。

‘シュロップシャー・ラス’
‘シュロップシャー・ラス’ Photo/田中敏夫

ボツァリス(Botzaris)-ダマスク、一季咲き、1856年

ボツァリス
Photo/Rudolf [CC BY SA 3.0 via Rose-Biblio]

長いガクに包まれたつぼみは、40弁を超える少しフラット気味なロゼット咲きとなります。花心に緑芽ができることが多い花形。花色は白。しかし、わずかにピンクが中心部に出ることもあります。強い香りを放ちます。

1856年、フランスのヴィベール農場を引き継いだフランソワ・A・ロベールが育種しました。

交配親は不明です。

花形、葉や枝ぶりの形状からダマスク種の一つとされていますが、グラハム・トーマスやクルスマンなど著名な研究家は、白花であること、本来のダマスクの香りとは微妙に異なることなどから、交配にはアルバが関わったと考えていたようです(“Graham Stuart Thomas Rose Book”, “The Complete Rose Book”) 。

ギリシャ独立戦争に参戦した英雄、マルコス・ボツァリス(1790-1823)に捧げられました。ボツァリスは1822~1823 年の第1次ミソロンギ包囲戦の救援に重要な役割を果たし、ギリシャ革命政府から西ギリシャ将軍の称号を授与されましたが、同年、カルペニシの戦いで戦死しました。

Markos Botzaris
‘Markos Botzaris’ [Public Domain via Wikimedia Commons]

19世紀後半を彩った美しい白バラ~育種家の時代

19世紀後半になると、育種家たちは競って春から秋にかけて返り咲きするバラの育種に力を注ぐようになります。

マリー・ド・サン・ジャン(Marie de St. Jean)-ハイブリッド・パーペチュアル(HP)、返り咲き、1869年

マリー・ド・サン・ジャン
Photo/田中敏夫

つぼみはピンクに色づいていることも。開花すると純白となることが多いですが、ときに花弁外縁部にピンクが残るときもあります。強い香りがあります。

1869年、フランス・リヨンに圃場を持っていたF. ダメジン(Frédéric Damaizin)により育種・公表されました。交配親は不明です。

公表時にはダマスク・パーペチュアルとされていましたが、葉姿、開花時の様子などからHPにクラス分けされることが一般的となりました。

ブランシュ・モロー(Blanche Moreau) -パーペチュアル・モス、弱い返り咲き、1880年

ブランシュ・モロー
Photo/ Kurt Stüber [CC BY SA-3.0 via Wikimedia Commons]

“モローの白”というシンプルな品種名です。

モス品種の中では比較的大きめの花形。花色は純白、しかし、時に花心にわずかにピンクが入ることがあります。濃厚なダマスク系の香り。弱い返り咲き性があり、パーペチュアル(返り咲き)・モスにクラス分けされています。

1880年、フランスのモロー=ロベール(Moreau-Robert)により育種・公表されました。

種親:ホワイトのモス・ローズ‘コンテス・ド・ムリネ(Comtesse de Murinais)’
花粉:ホワイトのモス・ローズ‘パーペチュアル・ホワイト・モス(Perpetual White Moss)’

花形、香り、萼筒や若枝を覆うモスの様子など、モス・ローズの美しさを典型的に示す、最高レベルのものと評価されています。しかしながら、花は雨などにより濡れるとボール化(つぼみのまま開かない)する傾向にあります。

ホワイト・ジャック・カルティエ(White Jacques Cartier)-返り咲き、ダマスク・パーペチュアル、1868年オリジナルからの枝変わり、2001年

ホワイト・ジャック・カルティエ
Photo/Rudolf [CC BY SA-3.0 via Rose-Biblio]

本来は淡いピンクとなる花色である‘ジャック・カルティエ’から色抜けして白花となった品種です。

オリジナル種は1868年、フランスのモロー=ロベール(Moreau-Robert)により公表されましたが、この白花の枝変わり種は、2001年、デンマークにおいて発見されました。

近年、オリジナルの‘ジャック・カルティエ’は、じつはすでに失われてしまい、現在流通している“ジャック・カルティエ”と呼ばれている品種は“マルキーズ・ボッセーラ(Marquise Boccela:1840年、デスプレ育種)と呼ばれるべきだという説が主流となりつつあります。それに従えば、この白花種も”ホワイト・マルキーズ・ボッセーラ“と呼ぶべきかもしれません。

ブール・ド・ネージュ(Boule de Neige)-返り咲き、ノワゼット、1867年

ブール・ド・ネージュ
Photo/田中敏夫

ブール・ド・ネージュ(”雪の玉”)という名前の通り、中輪、花弁がいっぱいに詰まった丸弁咲き、すこし大きめのポンポン咲きといった花形となります。数多いオールドローズの中にあっても、コロリところがりそうな花形はそれほど例がありません。花形こそがこの品種を最も特徴づけているのではないでしょうか。

紅色の玉のようなつぼみは開くと純白となります。花弁の縁に紅色の覆輪が残ることもあります。

強い香りがあります。

しなやかな枝がアーチ状になり、花咲く季節には風に揺れて、爽やかな印象を与えてくれます。比較的高性の樹形となることからノワゼットにクラス分けされることが多いですが、HPだ、いやブルボンだ、と異なる見解を述べる研究者もあります。

1867年、フランス・リヨンのラシャルム(Francois Lacharme)により育種・公表されました。

種親:ホワイトのブルボン‘ブランシェ・ラフィット(Blache Laffitte)’
花粉:ダマスク‘サフォー’(Sappho:すでに失われたとされている)

モダンローズの白バラ

1867年に育種・公表された最初のハイブリッド・ティー(HT)である‘ラ・フランス(La France)’。それ以降のクラスに属する品種は、モダンローズとなります。

HTの時代になっても数多くの白バラが育種されていますが、ここではHTやフロリバンダを除く、すこし野趣あふれる白花のシュラブ・ローズをご紹介することとします。

ブラン・ドゥーブル・ド・クベール(Blanc Double de Coubert)-弱い返り咲き、ハマナス交配種、1892年

ブラン・ドゥーブル・ド・クベール
Photo/田中敏夫

セミ・ダブルの花が乱れがちに開きます。

花色は純白。バラには数多くの白花種がありますが、「輝くようなホワイト」と呼べる品種は決して多くはありません。この‘ブラン・ドゥーブル・ド・クベール’は、そんな数少ない品種の一つです。鮮烈な芳香。

ちりめんのような縮みが表皮にでる、特徴的なつや消し葉。トゲが密生する、薄茶から褐色の硬い枝ぶりになります。

1892年、フランスのコシェ=コシェ(Cochet-Cochet)により育種・公表されました。

種親:白花ハマナス
花粉:クライミング・ティーの名花‘ソンブレイユ(Sombreuil)’

作出者コシェ=コシェは、18世紀初めに創業し、代々家業を継いで栄えた園芸一家の一員。コシェ=コシェは原種ハマナスを交配親の一つとすることで、バラに耐寒性、耐病性をもたらそうと試みたパイオニアといえる人物です。

ガーデンデザイナーであるラッセル・ページ氏(Russell Page)は著作『ガーデナーの学び(The Education of a Gardener)』の中で、

「その素晴らしいモス・グリーンの葉は5月から10月の間、開花していない時期でも満足できるものだ。花はチョーク・ホワイトで花弁はシルキーでほとんど透けているほど、類似する品種に共通な刺激的な馥郁たる香りがある…」と絶賛しています。

スヴェニール・ド・フィレモン・コシェ(Souv. De Philémon Cochet)-返り咲き、ハマナス交配種、1899年

スヴェニール・ド・フィレモン・コシェ
Photo/田中敏夫

乱れがちな丸弁咲きの花が房咲きとなります。

花色は純白というより、わずかにクリームが入ったような優雅なもの。

ティーローズ系の強い香りがあります。

フランスのコシェ農場のフィレモン・コシェが育種したものの未公表であったものを、1899年、農場の後継者であるコシェ=コシェが育種したフィレモン・コシェにちなんで命名し、市場へ提供して世に出ることになりました。

‘ブラン・ドゥーブル・ド・クベール’の実生から生じたとされていますが、ほかのハマナス交配種よりも返り咲きする性質が強いこと、またハマナスとは異なる香りであること、ハマナスには見られない房咲きとなる性質などから、チャイナローズの影響が色濃く感じられます。

今日、トゲが密生する性質からあまり人気のないハマナス交配種ではありますが、この‘フィレモン・コシェ’の優雅な美しさはもっと評価されていいのではないかと思います。

ジャクリーヌ・デュ・プレ(Jacqueline du Pré)- モダン・シュラブ、返り咲き、1988年

ジャクリーヌ・デュ・プレ
Photo/田中敏夫

大輪、セミ・ダブル、カップ形の花が、株全体にばら撒かれたように一斉に開花します。

花色はわずかにクリームが入ったようなアイボリー・ホワイト。はじめはピンク、次第に栗色になる花心のシベが強いアクセントとなり、数多いバラの中にあって特に個性的に感じられます。

ムスク・ローズ系の香り。

縁のノコ目が強い、明るい色調の照り葉。180cmから250cm高さほどのシュラブとなります。強剪定を繰り返して小さな樹形に止めたり、また、枝をおおらかに伸ばしてクライマー仕立てとすることも可能です。

種親:ピンクのフロリバンダ‘ラドックス・ブーケ(Radox Bouquet)’
花粉:イエローのラージフラワード・クライマー‘メイゴールド(Maigold)’

1988年、イングランドのハークネス社が公表しました。交配の系統を遡ると、北部ヨーロッパに自生する原種、ロサ・ピンピネリフォリア(R. pimpinellifolia)に至ります。野趣あふれる樹形はそこからきているように思います。

ジャクリーヌ・デュ・プレ
‘Jacqueline DuPré during her wedding’ Photo/ Beno Rothenberg [CC BY SA-4.0 via Wikimedia Commons]

フランス風の姓ですが、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)は英国のオックスフォード生まれです。5歳のときにチェロ演奏を学び始め、10歳のときには国際コンクールに入賞、12歳のときにBBC主催の演奏会に出演するなど、天才と賞賛され、若くして世界的なチェロ演奏者としての名声を獲得しました。

21歳のとき、やはり天才として賞賛されていたピアノ演奏家のバレンボイムと結婚。ともに演奏活動に励みましたが、やがて多発性硬化症という難病に犯され、28歳のときには演奏活動をやめ、42歳で夭折しました。

エドワード・エルガー(Sir Edward Elgar)作曲のチェロ協奏曲など、熱情的な演奏で聴衆を魅了しました。個性の強い演奏スタイルには批判もありましたが、同時に熱烈な賞賛も集めました。

エミリー・ワトソンがジャクリーヌを演じた伝記映画『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(1998年)は、ジャクリーヌの姉ヒラリーと弟ピアースによる共著をベースに制作されました。あふれるばかりの才能に恵まれ成功しながら、病魔に犯され苦悩するジャクリーヌの姿を赤裸々に描いて話題を呼んだ作品を、ご記憶の方も多いと思います。

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