春からのガーデンシーズンに向けて! 植栽プランを立てて苗&種子の買い物リストを作ろう
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich
春からのガーデニングシーズンに向けて、そろそろ準備を始めている方も多いはず。ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんもその一人です。冬から早春にかけては、一年のガーデンプランを立てたり、ガーデンシーズンに向けてのお買い物が楽しい季節。バルコニーの植栽アイデアや、苗の購入時のポイントをご紹介します。
目次
ガーデンプランを練るのにぴったりの季節

早春は天候が落ち着かず、急に暖かくなったと思えば強風が吹き荒れる春の嵐がやってきたり、はたまた急に冷え込んだり。ドイツでは、こうした予測不能な天気が4月下旬まで続きます。現在私が暮らす神奈川県の湘南地域では、もう少し早く、3月半ばにはきっと落ち着いてくれるでしょう!
さて、それまでの季節は、来るガーデンシーズンに向けて計画を練るのにぴったり。ガーデンや植物のカタログも、手に取られるのを待っています。
ガーデンに植える植物を購入しよう

ガーデンプランを練る時間は、どんな植物を育てようかと考えるのもワクワクしますよね。ガーデンに植える植物を選ぶのは楽しいですがなかなか大変で、数日、時に数週間がかりの仕事になります。苗や種子はそれなりに高価なので、欲しい品種をすべてカゴに入れていくと、予算オーバーになることも。
そこで、一人では使いきれないような種袋などは、近隣のガーデナーさんとシェアするのもおすすめです。一袋に含まれる種子の数は、大抵の場合、商品情報として明記されています。種子には有効期限もありますので、こうしてガーデナー仲間と協力すれば、効率的にいろいろな植物を栽培できます。植物のシェアは、ガーデナーのコミュニティで新しい友人を作る機会にもなりますよ。
近所に仲のよいガーデナーさんがいれば、アイデア交換をしたり、一人では二の足を踏むことにもチャレンジしやすくなります。もちろん、自分だけで進めるよりも時間はかかりますが、楽しみはぐっと広がります。私の場合、植物を育てたり、新しいことにチャレンジすることが大好きな友人がいるので、種子を交換したり分け合ったり、後から結果を比べたりして、よりガーデンライフを満喫しています。ハーブティーと自家製ケーキでお茶をしながらガーデン談義や植物のシェア会をすれば、とても楽しいひとときになります。
ちなみに、私のお気に入りの自家製ハーブティーは、ビワの葉、レモンバーム、レモングラス、ペパーミントのブレンド。どれも我が家の庭にある植物で、夏に育ったものを秋に収穫し、ドライにして冬の間楽しんでいます。
バルコニーの寄せ植えアイデア

ガーデンプランを立てる際には、ガーデンのエリアごとにテーマを決めておくとまとめやすいです。例えばバルコニーなら、バルコニーボックスの一つはハーブ専用に、別のボックスは夏の花の寄せ植え、またはエディブルフラワー&野菜にしてみるなど。また、球根と宿根草を組み合わせたボックスもおすすめです。
バルコニーボックスのアイデアを、いくつかご紹介しましょう。
球根入り! 春のフラワーボックスの組み合わせ例

黄色のスイセン、青のムスカリ、さまざまな色のクロッカス、ピンクのヒヤシンス、白のスノードロップなどの球根類を、ラナンキュラスやプリムラといった春の花と合わせてカラフルなボックスを作ってみるのはいかがでしょう。春に咲く球根は、咲いてみるまで分からない、新鮮な驚きをくれる存在です。球根の大きさはさまざまで、植える場所が気に入らなければ、ワンシーズンだけ咲いてあっさり消えてしまうこともあります。
そこでガーデンでは、球根はクレイポットに植え、そのポットを3/4ほど土に埋めることにしています。こうすることで、球根を植えた場所を見失わずに済み、またスノードロップやムスカリ、チューリップ、クロッカス、ヒヤシンス、フリチラリアといった小球根をまとめ植えするにも便利です。
一年草タイプのハーブボックスの組み合わせ例
暮らしの中で使いやすく、育てやすいパセリ、オレガノ、バジルなどに、花のきれいなボリジやナスタチウムを合わせてハーブボックスに。パセリはカーリーパセリとイタリアンパセリのどちらを使ってもいいですね。バジルも品種が豊富にあり、色やサイズ、味わいにさまざまなバリエーションがあります。
エディブルフラワーボックスの組み合わせ例
オレンジや黄色の色彩を持つナスタチウムやカレンデュラに、白のカモミール、カラーバリエーション豊富なパンジーを合わせて。見た目も可愛らしく、食用にもできるエディブルフラワーは、バルコニーで育てるのにぴったりです。
一般に、一年草と宿根草は別々に植えたほうが、開花期が終わった後、寄せ植えを片付ける際に便利ですよ。一年草を植えていたボックスは空っぽにしてOKですが、宿根草は冬越しに備える必要があるため、両方が混ざっている場合、一年草を処分する際に宿根草の根を傷つけてしまうこともあります。また、前年から植えている宿根草は状態を確認し、育ちすぎている場合は、切り戻しや株分けなどで株の勢いをコントロールしましょう。
時にサプライズもある植物販売

まだガーデナーを職業とする前、ドイツで暮らしていた頃は、まだまだ育てたことのある植物は少なく、実際に育て方や大きさなどを体感できたものはあまりありませんでした。そんな当時は、種苗会社のカタログなどの情報が頼り。植物選びにも何週間もかかり、実際に苗や種子を受け取っても、思ったよりも小さくて夏の間に1mほどまで育つという説明を疑ったり、イメージ写真のようにたっぷりとは咲かなかったり、いろいろな発見があったことを覚えています。カタログによっては、現実ではありえないような色に補正されていることもありました。いまはカタログのクオリティーは随分向上していますし、いろいろな植物を眺めているだけでも楽しいものです。
それでも、カタログやラベルを全面的に信用するのはやめたほうがいいかもしれません。例えば先日、柑橘の苗木、できればミカンを植えたいと思い、ナーセリーに苗木を探しに行ったときのこと。品揃えのよいナーセリーでしたが、翌年には収穫できるような、すでに実がなっていてそこそこ大きさのあるものという厳しい条件に合致するものはなかなか見つかりません。そこで売り場の店員さんに尋ねてみたところ、専門の販売員を呼んでくれ、その方がほかの苗木も見せてくれていたのですが、苗を見ている間に「これはミカンではなくてポンカンの苗木だ。こちらのポンカンの木もラベルと違う」と言い出しました。結局、自分が購入したのが何の苗木なのか、いま一つ分かっていません。おそらくミカンではなく、ポンカンに近いのだと思いますが…一体どんな実がなるでしょうか。

植物の業界では、ラベルが示す名前が間違っているということはしばしば起こります。本来はダメなのでしょうが、まあ、そういうこともあると想定しておいたほうがよいかもしれません。売り場で子どもがいたずらしたり、手に取った客がラベルを取り違えて棚に戻したりすることもありますし、まだ経験の浅いスタッフが間違えてしまうこともあります。
もし本当に探している植物があるときは、名の通ったナーセリーに行き、知識のあるスタッフにお目当ての品種を探してもらうのが一番よいでしょう。また、評判のよい通信販売のショップでも、正しい名前で植物を扱っている可能性が高いです。
もっとも私は、サプライズも大好き。今回購入した柑橘の苗木にも、1つだけ大きな実がなっていて、すすめてくれた販売員の方は、ミカンよりも甘いことを保証してくれました! 来年の1月に、名前の分からない甘い実を収穫できることを心待ちにしています。
お気に入りの購入ショップを見つけよう

植物を購入する際は、自宅から無理なく訪れることができる範囲にある、よく管理されてしっかりしたナーセリーやガーデンセンター、園芸店を見つけておくのがおすすめです。まだお気に入りのお店がない方は、植え付け適期に間に合わせるためにも、早めに探しておきましょう。通信販売も便利ですし、私もよく利用しますが、植物を購入する際はフィーリングも大切にしたい派。我が家にある植物たちにはどれも、手に入れる際のちょっとしたエピソードがあります。
もし郊外で暮らしている場合は、「○○市場」とか「○○マーケット」なんて名前がついた小さなファーマーズマーケットがあるかもしれませんね。こうした場所では、生産者が直接野菜や苗を販売していて、状態のよいものをゲットでき、価格も花屋さんや園芸店で購入するよりリーズナブルなことが多いです。
ちなみに、私のお気に入りのお店は、たくさんの野菜苗や、種類豊富なハーブや花の苗を販売しているナーセリー。温室に入って生産者から直接購入できる場所です。何が並んでいるかをチェックするのが、この季節の楽しみです。

庭準備の時期には、一年のざっくりとした植栽プランを立てて、購入リストを準備しておきましょう。それから、有機肥料を施しておくのもお忘れなく!
ガーデニングには欠かせない、春のショッピングを楽しんでくださいね。
Credit
話 / Elfriede Fuji-Zellner - ガーデナー -

エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。
Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood
まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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