冬は、ロザリアンにとって、バラの枝を整理し、誘引や元肥を施し、本剪定を行うなど、バラのお手入れの最も忙しい、そして大切な季節でもあります。数は少ないものの、冬の枝にもまだ開花している花や蕾が残っていることがありますが、やるべきことが多すぎて、つい見逃したり、ただ切って捨ててしまってはいませんか? バラ文化と育成方法研究家で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんに、そんな冬の名残のバラの活用法をご紹介していただきます。
冷たい空気にさらされた冬のバラは、花開く時間も遅く、こわばった表情をしていますが、春や夏に多く発生していた害虫の姿もほとんど見られず、色の濃淡を滲ませながら、凛とした独特の佇まいを見せてくれています。
バラの冬の作業を進める中で、剪定した枝にまだ残っていたバラの花や蕾を暮らしに活かし、花のない時期でもバラが楽しめる工夫をご紹介します。





活けて間近に愛でる

まず、寒さの中で健気に咲いていた冬のバラを活けて、冬のバラならではの魅力を堪能しましょう。他の季節には見ることができなかった美しさに気づくこともあります。
乾燥気味の冬は、ドライフラワーづくりに最適な季節

バラを小分け(約5~6輪ほど)にし、ゴムと紐で結びます。

逆さにして室内に吊るし、自然乾燥させます。
*窓際の場合は、結露がつかないよう注意しましょう。


飾りながら乾燥させ、ルームインテリアの一部として楽しむこともできます。
冷え症対策にローズ・バスソルトを活用

成分の抽出効果の高い荒塩に、エッセンシャルオイル(精油入り)を混ぜ、約1カ月間バラの花弁をサンドすれば、簡単に家のバラで、ローズ・バスソルトが出来上がります。
*目安として、荒塩250gにエッセンシャルオイル20滴。
*エッセンシャルオイルは肌に刺激の少ないものをお選びください。

寒い冬の時期、血行促進効果に優れ、体を芯から温めてくれるミネラル成分豊富な荒塩に、目にも嬉しく保湿効果やリラックス効果に優れたバラとエッセンシャルオイルもプラスされたローズ・バスソルトは、冷え症対策に大活躍です。ローズ・バスソルトの1回の使用量は、大さじ2を浴槽のお湯に溶かします。
*ローズ・バスソルトは、アレルギー及び敏感肌の方は、ご使用の際は十分ご注意なさるか、ご使用をお控えください。

瓶に入れて室内に置けば、春までの花のない間も、色褪せの少ないバラの花弁を楽しむことができます。
ほんの少しの工夫で、さまざまな形でバラを活用できます。ガーデンに花の少ない寒い時期でも、心豊かにローズライフを楽しんでくださいね。
Credit
写真&文 / 元木はるみ - 「日本ローズライフコーディネーター協会」代表 -

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。近著に『薔薇ごよみ365日 育てる、愛でる、語る』(誠文堂新光社)、『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)、『ときめく薔薇図鑑』(山と渓谷社)著、『バラの物語 いにしえから続く花の女王の運命』、『ちいさな手のひら事典 バラ』(グラフィック社)監修など。TBSテレビ「マツコの知らない世界」で「美しく優雅~バラの世界」を紹介。
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