うちの自慢のコーデックス、あの人の家の立派なサボテン、多肉がいっぱいのステキなお庭などなど、街の気になる多肉植物を編集部員Kが拝見しにうかがっちゃいます! 今回はメキシカンなインテリアと多肉植物の織りなす超エキゾチックでユニークなインテリアの個人宅を訪れました!
目次
あなたの多肉植物みせてください! とは
「あなたの多肉植物見せてください!」は、街で噂の多肉植物や、ご自慢の多肉植物について、編集部員Kが直接見に行ってお話を伺うという、連載「多肉植物狂い」のスペシャル企画です。読者から寄せられた情報だけでなく、編集部員Kが自らの足と嗅覚を使って探し当てたお宝多肉植物も紹介しちゃいます!
今回紹介するのは多肉植物を使ったエキゾチックインテリア
今回お邪魔したのは渋谷区某所のマンションの一室。ごく普通の玄関が連なる廊下を歩いていると、ひときわ派手な玄関を発見!
迎え入れていただいた高橋久里子さんはフラダンス(正式にはフラ)の先生。さぞトロピカルでハワイアンな部屋が待っているかと思えば、中はなんとまさかの南米ワールド! メキシカン雑貨とサボテンの共演がエキゾチックな部屋をご紹介します。
まずは動画で全景を体感
まるでパーティー会場に迷い込んだかのようなハッピーな空間
まるでパワースポット、それが高橋さんのお宅
頭上をカラフルにパペルピカドが彩り、ガイコツやマリア像などメキシコを象徴するインテリアグッズが満載の高橋さんの部屋。メキシコには500種以上のサボテンが自生しており、サボテンもメキシコイメージには欠かせないインテリア。というわけでオブジェの柱サボテンが部屋の随所に置かれるとともに、窓辺には本物のサボテン&多肉が並ぶコーナーがありました。
面白いのは、サボテン&多肉と自然石のコラボ。水晶やアメジストなどが植物たちと並べられ、何やら不思議なムードになっています。地球誕生と同時に出来たこれらの鉱物は、不思議なパワーを秘めるパワーストーンとして、古代のさまざまな文明で崇められてきた歴史があります。
この部屋にある水晶たちも、地球の中心付近で、1mm成長するのに100年という、気の遠くなるような時間をかけて作られた、いわば地球の作り出した芸術作品。同じ空間にいる植物たちも、何か不思議なパワーを感じているのかもしれませんね。
多肉植物とインテリア、高橋さんご自身についてお話を伺いました
最初はオブジェから。でもやがて物足りなくなり本物へ
編集部K(以下K):まずは、多肉植物に興味を持たれたきっかけを教えてください。
高橋(以下T):メキシコが好きでメキシコ雑貨を部屋に飾っていたんですが、メキシコといえばサボテン! と思って、最初は本物のサボテンではなくサボテンのオブジェを集め始めたんです。でも集めていくうちに本物が欲しくなって、家の近所の100円ショップで小さいサボテンを購入したのが多肉植物に興味を持つきっかけになりました。
K:オブジェから入るというのは珍しいですね。初めて聞きました。
T:オブジェだと枯れないしいいかな、と思っていたんですが、時間の経過と共に、水をあげたい! お世話したい! という願望が強くなってきて、ほかの観葉植物に水をあげている時に、無意識にオブジェのほうにも水をあげようとしている自分がいて…(笑)。これは本物を買わなきゃな、って思ったんです。
K:神の啓示みたいですね。
T:導かれた感じです(笑)。
K:100円ショップのサボテンから始まり、ここまで増やすことになったきっかけはなんだったのですか?
T:それはバルコニーで栽培しているアガベとの出会いですね。たまたま入ったお花屋さんで一目惚れして連れて帰ったんですが、その時に根元付近から別の芽が出ていて、それがみるみるうちに大きくなり、思いきって切ってみたら、その根元からまた芽が出ていたんです。こうして切っては株分けすることを繰り返しているうちに、育てるのが面白くなっていったんです。
K:メキシコ雑貨からサボテン、そしてアガベ、なかなか面白い流れですね〜。
T:アガベで自信がついたので柱サボテン(鬼面角)に挑戦しました。植え替えを何度も重ねて、あそこまで大きくなったんです!
K:あれは立派ですね〜。ちなみに高橋さんは現在はいくつくらいの多肉植物を育てていらっしゃいますか?
T:多肉だけだと30株くらいです。観葉植物を含めるとさらに多くなりますね。観葉植物の中では、ベランダにあるオーガスタが一番好きですね。夏場はその前で子供たちがプール遊びをするのですが、オーガスタのバナナの葉みたいな大きな葉が、その場を南国感満載にしてくれるんです。
K:アガベといい、割とボリューム感のある植物がお好きなんですね。
T:そうですね。小さい株を徐々に鉢をサイズアップして植え替えながら、ボリュームのあるところまで持っていくのが好きですね。植え替える作業自体が好きなので、鉢にはあまりこだわらずに販売時のプラスチック鉢のままで、それが狭そうだな、と思うまで動かさずに管理しています。植え替えは5月か9月にやることが多いかな。その時期は、もう休日はずっと植え替えしてるって感じになりますが、それがまた楽しいんですよね!
K:それ、激しく同意します! 成長真っ盛りな子に新しい家をあげるみたいな感覚、楽しいですよね。
アガベは我が家のマザーツリー
K:ちなみにその30株ほどある多肉の中からベスト3を選んで、それらにまつわるエピソードがあれば教えてください。
T:トップは間違いなくアガベですね。私が多肉にはまるきっかけを作ってくれたので。アガベに関してはもう家族! うちのマザーツリーと思っています。
K:マザーツリー、いい言葉ですね。
T:あの子をお迎えして間もない頃に、同じ園芸店でハーフサイズくらいのアガベを買って同じ環境で育てていたんですが、そちらは半年で枯れてしまって…。それを思うと、やっぱり今いるあの子は強いんだなって。余計にあの子を大事にしなきゃって思うようになりました。
2つ目に選ぶとしたら、5〜6年前の母の日に子供たちからもらった大雲閣かな。母の日にもらったというのもありますが、最初の1年くらいは机の上に置いて栽培してたのを、バルコニーに出した途端に急に大きくなって。1,000円くらいだったものがこんなに大きくなるんだ! ってお得感もあって好きですね(笑)。
ただ大雲閣って、切ると白い液が出てきて、あれが目に入ると失明に至るって聞いたので、アガベみたいに切って増やすというのは、まだ怖くてできないですね。
K:あの白い液体は発ガン性があるとアメリカの医師の論文に書いてあったので、賢明な判断かもしれませんね。
【大雲閣の白い乳液の正体】
大雲閣を切ると出てくる白い乳液には、人体が触れると皮膚に炎症がおき、目に入った場合は角膜潰瘍を起こすおそれのある、ホルボールエステルとインゲノールエステルという成分が含まれています。両成分は発ガン物質であることも確認されています。皮膚に触れた場合は十分に石けんで洗い流し、万一目に入った場合は入念に洗眼のうえ、速やかに眼科を受診してください。また、ペットに対しても十分注意してください。
K:では続いて3つ目は?
T:3つ目は、これもバルコニーにある「金のなる木」ですね。近所のスーパーのお花コーナーで400円だったんです。名前がいいですよね! 絶対金運を呼んでくれそうだなって(笑)。
でも、名前よりも魅力的なのは、その生命力でしょうか。地面に落ちた多肉質の葉からどんどん根が出てくるので、落ちた子を絶対無駄にしない! みたいなところが、すごい子だなと思いました。
K:今までの三つに共通するのは、どんどん増えていくということなので、成長が早くてダイナミックに増えるものがお好きなんですね。
T:でしょ〜。やっぱ増えると気分もアガりますよね。金のなる木にはお金も増やしてほしいし(笑)。
K:(爆)。
多肉植物、自然石、メキシコ、この3つの要素が共鳴する部屋
K:多肉植物と雑貨のコーディネートについて、何かコンセプトやテーマがあれば教えてください。
T:天然石とコーディネートすることかな。天然石がもともと好きで、地球の奥深くで育まれた天然石が持つ波動みたいなものが、植物と共鳴し合うように私は思っているんです。科学的に解明されていたり数値化されていたり、というようなものではないので、言葉にするのは少し難しいんですが、肥料を与えるような感覚で天然石を多肉植物の近くに置いていると、天然石も植物もお互いがとても気持ちよさそうなんです。なので、コンセプトとしては多肉植物と天然石を一緒に置くようにしています。
K:なかなか神秘的なお話ですね。科学的に立証されていることだけが全てではないですからね。天然石以外にも、メキシカン雑貨も多く飾られていますね。
T:これはただ私がメキシコが好きなだけです(笑)。インテリアをメキシコの感じにしたいと考えた場合、やはりサボテンは不可欠ですよね。
K:飾ってあるメキシコ雑貨がどれも素敵で私もかなり惹かれました。これらを購入したおすすめのショップなどあったら教えて下さい。
T:下北沢にある『PAD』というお店が気に入っていて、よく買いに行きます。マリア様の像や吊るし物なんかはそこで買っています。あとはメルカリとか、ネットかな。
【高橋さんお気に入りのお店『PAD』】
東京の下北沢と大阪の北堀江の実店舗のほか、下記Webショップでも購入できる。お店のURL https://www.pad-mexico.com
次の目標はサボテンの開花かな
K:多肉植物たちの管理はどうされていますか?
T:夏は、基本的に室内にある多肉植物は全部ベランダに出しちゃいますね。水やりは、定石通り「用土が乾いたらたっぷり」を意識しているんですが、なかなか早いペースでカラッカラに乾いていくので、ほぼ毎日あげているような感じですね。
K:毎日! おそらく保水力が極端に低い用土をお使いなのだと思いますが、ユーフォルビア(大雲閣)はともかく、サボテンに関しては少しずつ乾き気味に慣らす方向にもっていったほうがいいかも…。
乾いたな、あげようかな、と思った日から3日くらい経ってからあげる、というサイクルに変えてみると、成長の勢いが増すかもしれません。種類にもよりますが、サボテンは夏は吸水サイクルが落ち、休眠してしまうタイプも多いので、成長を促すにはこんなふうにメリハリをつけたほうがいいと思います。
冬はどうですか?
T:冬は、屋内に取り込める子は取り込んで、そうでない子は防寒対策をしてバルコニーに置いています。両方とも水やりは渇水気味にしています。あげるのは週一くらいかな。うちは二重窓なので、冬は暖房をつけないでも室温が20℃以上あり、室内の子たちは成長も止まっていないので、水やりの感覚もちょうどいいのかなと思っています。
K:なるほど、やっぱり二重窓はすごいんですね〜、いいなぁ、憧れです。
じつはですね、サボテンに限っては、部屋に取り込んでいる子も、あえて屋外に置いて「冬越し」させたほうが、株の成長のためにも、また開花を期待できるという面でもおすすめなのです。詳細はこの記事をぜひ見てみてください。
・サボテンの冬越し参考記事
T:あ、だから私、うちのサボテンが花咲かせるところを見たことがないんだ!
K:いや、それだけとも限らないんです。開花株にまで成長していなければ、花は咲きませんし、日頃の栄養状態もありますし…。いずれにしても心を鬼にして、ややスパルタになったほうがサボテンは強くなります。ただし急激な変化は避けてください。徐々に、がベストです。
T:なるほど、冬越しの記事をチェックして勉強します! 次の目標は開花かな。
K:いいですねぇ〜、開花したらぜひ教えてください。
家にいるときはライフワークのフラとは違う文化圏の匂いに囲まれたかった
K:ところで、高橋さんご自身についてお聞きしたいのですが、フラダンスの先生なのですよね? お部屋がまったくハワイ感がないのは意外でした。
T:そうでしょ(笑)? 子供の学校の先生が家庭訪問でいらっしゃっても、「あれ、お母さんフラの先生ですよね?」って不思議がられます。でも、家にいるときはライフワークのフラとは違う文化圏の匂いに囲まれたかったので、その自分の気持ちを反映してか、家は自然と大好きな南米テイストになっていったんです。
K:フラダンスに関して教えてください。
T:まず「フラダンス」という呼称ですが、確かに一般的ではあるのですが、じつは「フラ」というのがハワイ語でダンスを意味するので、フラダンスだと、ダンスダンスになっちゃうんですよ。
K:“フラ”と言っているのは略して言っているのではないのですね!? 知りませんでした。
T:フラは古来よりハワイの人たちにとっては、常に生活と直結したものだったんです。例えば、言葉であったり、歴史であったり、祈りであったりと、フラにはそういう要素があるんです。あと、昔のハワイアンは文字を持たなかったので、その日のニュースを踊りで伝え合ったりもしていたんです。そういう意味ではカルチャーでもあり、自然と一体化したものでもあり、それらを伝承しているのがフラなんです。
K:これはまた意外な一面を知りました。ハワイのエンターテインメントとしか見ていなかったです。
T:いや、そういう方のほうが多いですよ。でも、歴史も長くて、300年前の人たちが作った曲が、現代に伝わっているなんて、なんかロマンを感じませんか?
そのうちハワイにも西洋文化が入ってきて、文字を書き記すのも、インターネットを使うのも当たり前になりましたが、フラは、古来のものが生活と密着して語り継がれてきた文化なので、そこがまた奥が深いんです。極論を言えば、もしフラがなかったら、西洋文化が入ってくる以前のハワイの文化が伝承されなかったわけですから、フラを大切に育んできた先人たちの努力にも感謝です。
ちなみにフラは2種類あり、西洋文化がハワイに流入したのを境に、「古典フラ」と「現代フラ」に分かれているんです。ショーなどで音楽をバックに華やかな衣装で踊るのは主に現代フラで、打楽器とチャンター(打楽器を演奏しながら歌う人)のチャンティング(歌唱)に合わせて踊るのが古典フラという位置付けになっています。
K:なるほど、フラを通じてハワイを学ぶというのも粋なものですね。
人生を180°変えてしまったサンディーさんとの出会い
K:ところで、高橋さんがフラを学ぼうと思ったきっかけはなんだったのですか?
T:きっかけは、多分想像されているのとまったく違いまして(笑)。私の師匠にサンディー先生という方がいまして、私はサンディーさんの音楽が大好きで、高校時代、彼女の追っかけをやってたんです。
K:え、サンディー先生って、ひょっとしてあのサンディー&ザ・サンセッツのサンディーさんですか?
T:そう! ご存じですか?
K:もちろんです! 世代として、バンドのサンディー&ザ・サンセッツは知っていますし、何よりもサンディーさんはルパン三世の有名なエンディング曲「ラブ・スコール」を歌われていましたから、今でもサンディーさん=峰不二子ですよ(笑)。
【高橋さんの師匠サンディーさんはこんな方】
Sandii official: https://sandii.info/profile/
T:ご本人に伝えたら喜ぶと思います(笑)。
私が高校生の頃にサンディーさんの存在を知って一発でファンになりました。皆が進路を決めている時に、私は何の根拠もないんですが、たった1枚のCDが私に無限のインスピレーションを与えてくれて「あ、この人のところに行こう!」って思ったんです。当時サンディーさんはインドネシアの曲をたくさん歌っていたので、だったらインドネシア語を勉強したら近づけるのかなと思い、インドネシア語の専門学校へ通ったりしながら、思い切って事務所に電話して「高校生なんですが、何でもしますから働かせてください!」って頼み込んだんです。
K:驚きのバイタリティーですね! で、その結果は?
T:もちろん働かせてなんかくれるわけがなく、でも「LIVEにおいで!」ってお誘いを受けて、そうして私のおっかけ人生が始まり、それから2〜3年した頃に、突如サンディーさんの音楽の方向性が“ハワイ”になったんです。
彼女は10代をハワイで過ごしていたので、ルーツに回帰したのかな。『サンディーズ・ハワイ』ってアルバムをリリースしたり、フラを踊っているビデオもリリースしたりして。
そして間もなく彼女がフラスタジオをオープンしたので、なら私もフラダンサーになる! そこに行けばサンディーにフラを習える! ということで私のフラ人生がスタートしました。
K:ビックリマンチョコもビックリのビックリですね!
T:で、そこの会員になり、実際にレッスンに行ったら目の前に本人が座っていて、歌詞を書いていて、そりゃあもう「ひい〜〜!!」ですよ(笑)。ライブなんかより全然近い距離にいるんですよ! 参りました。
K:え、じゃあフラ自体に興味は…
T:当時はまったくなかったですね(笑)。サンディーにだけ興味があったんです! でも、フラと相性がよかったのか、だんだん面白くなっちゃって。ハワイも知らず、運動神経もない私をここまで惹きつけるのって、何!? って。だって、ダンスって自分の中で一番嫌いなジャンルだったんですよ! しかも超人見知りだったし。
K:いやぁ、何がどこでどうなるか、わかったもんじゃないですね!
T:そう! しかも、ダンスが上手にできるようになるとサンディーが褒めてくれるから、メチャテンション上がるじゃないですか!
K:そりゃあ大好きな人に褒められるんだから上達もさぞ早かったんでしょうね。それで先生にまで登り詰めちゃうんだから、よほど相性がよかったんですね。じつは、編集部のスタッフAzもそのスタジオに通っているということで、今日は一緒にまいりました。
編集部スタッフAz:今、私もサンディーズ・フラスタジオに通っているんですが、去年、高橋先生がサンディーさんの後を継ぐということで、継承のための格式ある「儀式」が行われたんです。
K:最初はCDの中でしか声を聞けない雲の上にいた人と、ようやく同じ空気を吸えるようになったかと思ったら、それが師弟関係にまで発展し、今やその後を継ぐところに居る。これTVドラマ化できますね! でも、全ては高橋さんの情熱とバイタリティーの成せる技なのかなと思います。
T:確かに情熱の全てをそこに注ぎましたが、でもスポコンドラマ的なものではなく、意外とそこは自然な流れもあったように思います。
フラは植物と密接な関わりがある
K:教える側に立つきっかけも自然な流れで行き着いたものだったのですか?
T:そうですね、まだ生徒だった時のある日、サンディーさんに「フラをライフワークにしてね!」って言われたんです。その一言がこの道への決定打になったんです。1日10時間くらい練習もしたし、自分に舞い込んでくるチャンスには貪欲にチャレンジして来ました。その過程で、「教えてみる? 手伝ってみる?」、「はい!やります!」ってなったんです。当時はフラブームだったこともあり、爆発的に生徒さんの数も増えていき、サンディーさん一人で全員にレクチャーするのも大変だったので、教えるのをお手伝いさせていただくのも自然な流れだったのかもしれません。
K:高橋さんの濃厚な人生は、コロナ禍で閉塞的な時代を生きている人たちに聞かせたいお話でもありますね。人との縁(えにし)が夢に向かうパワーをくれるということを伝えたいですね。そしてまた、植物もパワーをくれますよね。
T:フラって身の回りにある自然と密接なんです。儀式などをするときは、フレッシュなグリーンで編んだレイを身につけるんですが、それは森から命をいただき、命が宿ったものを身につけることにより、そこに神様が宿り、それがお守りになっている、というような想いで儀式に臨むんです。つまり、フラは植物と密接な関わりがあるんです。
儀式を行う際に祭壇を組むのですが、そこには聖なる植物も置かなければならないので、多肉かどうかはともかく、植物と密接な関わりがあるのは確かなんです。
私がこうして多肉植物を愛し、そして地球の自然が育んだ自然石をそばに置くところも、どこかでそんなフラの文化と、大なり小なり繋がっているように思うからではないかと思います。
K:フラと大自然、大自然が育む多肉植物! 全ては一連托生ということですね。
さて、最後になりますが、ガーデンストーリーはさまざまなスタイルで園芸を楽しむ読者の皆さんにご愛読いただいています。読者の皆さんに一言いただけますか?
T:え〜、私が!? そうですね…私、園芸に関しては本当に毎日が試行錯誤の連続なんですけど、植物に関する情報って、メディアを通じて容易に手に入るものですが、本当に植物との関係性を構築する上で重要なのって対話だと思うんです。毎日状態を見てあげて、話しかけてあげて、そんなふうに園芸を楽しめたら素敵だと思います。
皆さんも植物たちとの対話を楽しんでください!
K:本日はお忙しい中ありがとうございました。
取材後記
高橋さんのなかなかロックンロールな半生にちょっと共鳴してしまい、多肉植物よりそっちのほうが気になってしまった今回の取材。帰り道に思ったのは、情熱を注ぐものがあると、人生はかくも豊かになるのだな、と。
今まで植物を通じて出会った人全てに言えるのですが、植物を愛する人って、豊かな人生を送っている方が多いような気がします。お金では買えない価値観を育んで来た人、とでも言ったほうがいいのかな。つまり、話をしていると引き込まれるとても魅力的な人が多いということです。この企画を通じて、今後もどんな出会いがあるのかとても楽しみですね。
高橋さんの多肉植物ライフが今後ますます面白い展開になることを祈っています!
Information
サンディーズ・フラスタジオ
2001年3月に渋谷に開校したフラ教室。10代からフラとハワイアンに親しみ、ハワイの伝統文化を深く学び愛するサンディーが、「アロマセラピー」をテーマにフラの心を伝えている。
レッスンは、現代フラ(アウアナ)、古典フラ(カヒコ)、タヒチアンなど多岐にわたる。渋谷本校、横浜校のほか、沖縄、広島、愛媛にも教室を展開している。
写真
ガーデンストーリー編集部
※Except for the photos below.
Hula of abroad:Ron Ardis/flickr.com
Other hula:Kuriko Takahashi
Credit
文 / 編集部員K - ライター・エディター -
フリーランスのロックフォトグラファーの傍ら、サボテンを愛し5年、コーデックスに魅せられ3年を経て、2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。精力的に取材、執筆を行う。飼い猫「ここちゃん(黒猫♂4歳)」に日々翻弄されている。
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