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【ドイツ流】春を味わう野草&ハーブ キッチンガーデンにおすすめ10選&レシピつき!

【ドイツ流】春を味わう野草&ハーブ キッチンガーデンにおすすめ10選&レシピつき!

Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

少しずつ春の気配が漂ってくる季節、生命力を増す野草やハーブは、その味わいからも春のエネルギーを感じさせてくれます。今回、ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんがご紹介するのは、春の野草と、この時期から育てるのにおすすめのハーブ類。見ても可愛く、食べても美味しいハーブを、キッチンガーデンで育ててみませんか?

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待ちに待った春の訪れ

早春の花
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

まだ急に寒くなる日もありますが、春の最初の兆しがいくつも見られるようになってきました。爽やかで甘いウメの香りが漂い始め、サクラのつぼみも次第に膨らんで、花開く日を待っています。もちろん気候や地域によって、季節の進みは異なりますし、植物も、地域によって生育に差が出ることもあります。

私の故郷、ドイツの2月は、地面が凍っていたり雪で覆われていたり、地面が見える場所もなぜか水を含んで土が重くなっていたりするため、ほとんどガーデニングができません。実家のあたりはローム層の重たい土壌だったので、濡れたまま掘り返せば背中を痛めてしまうことでしょう。

それに対し、日本の関東以西の地域では、早くもガーデニングをスタートできそうです。もし枝が飛び出している木などがあれば、剪定はまだ間に合いますので切っておきましょう。

春の野草・ハコベ

ハコベ
Lipatova Maryna/Shutterstock.com

一年草や宿根草の花壇では、雑草が元気に育ち始めています。我が家の庭で特に目立つのはハコベで、繁茂しているよう。植物を育てていない場所で茂っているときは、何かを植えるときまでそのままにしておきます。

どうしてそんなことをするのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、グラウンドカバー代わりにむき出しの地面をカバーしてくれますし、邪魔になったらクワを使えば簡単に取り除けます。爽やかな緑色の葉に可愛い花が咲き、成長が早く、種を付けては増えるので、鳥や動物たちのちょうどいい食事にもなります。ハコベは食用もできるので、ヘルシーな食生活を心がけている人なら、スムージーの材料にプラスするのもいいですね。

ハコベとリンゴやバナナ、はちみつを少し入れてミキサーにかければ、ヘルシードリンクの出来上がり。好きな材料を足してOKです。

野草サラダ
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

ハコベはサラダに加えても、野生味のあるフレッシュな味わいに。パンにのせるディップも作れます。作り方は簡単で、次の材料をよく混ぜるだけです。

  • ハコベ(細かく刻む) 1つかみ
  • ヨーグルト 100g
  • クリームチーズ 大さじ2杯
  • ワサビ 小さじ1/2杯
  • ラディッシュ(細かく刻む) 小2個
  • 塩・胡椒 少々

もっと簡単に、フィラデルフィアクリームチーズをパンにのせて、スライスしたラディッシュとハコベの葉を飾るだけでも、春らしい色合いの1品になります。また、ハコベだけでなく、タンポポの若葉も同じように、スムージーやサラダ、トッピングにと、いろいろ利用できます。春の野草で自然の味を楽しみましょう!

寒い中でも育てやすいネギ科のハーブ

まだ気温の低いこの時期にも育てやすい、おすすめのハーブがチャイブ。ここでは、チャイブと仲間のハーブを2つ、ドイツ語での名前とともにご紹介します。

チャイブ Schnittlauch (Allium schoenoprasum)

チャイブ
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

ドイツでは、チャイブを細かく切って、黒パンにバターと一緒にのせたものが人気。塩をふったラディッシュともよく合い、スープやパスタに散らしても美味しいです。たくさん植えていくつかは観賞用にし、赤紫色のポンポンのような可愛い花も楽しみましょう。半日陰でも育ちます。乾燥にはやや弱いので、十分に水を与えます。病原菌に感染して引き起こされるさび病が発生しやすいので注意。さび病に感染すると、葉に赤褐色の斑点が現れます。発病した葉は、切り取って処分しましょう。水やりの際は葉に水がかからないように注意しましょう。

ニラ Knoblauch-Schnittlauch/Knolau (Allium tuberosum)

ニラ
Avoferten/Shutterstock.com

日本に来た当初、驚いたことの一つが、ニラを生のままで食べるのが一般的でなかったこと。私の頭の中では美味しいはず、と思ったのですが、日本の友人はみんなそのアイデアは予想外のようでした。何度か試し、結局日本風に調理して食べることにしたのですが、最近またフレッシュのままで食べることにトライしています。

ラムソン Bärlauch (Allium ursinum)

ラムソン
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

3~4月頃、ドイツの春の森で収穫されるのがラムソン。まだ柔らかな若葉の頃から花が咲くまで、ほんの短い期間しか味わえない季節の味で、日陰のエリアで育ちます。白い花を咲かせ、ドイツでは森の中のラムソンが茂っている場所では、初夏になると白い絨毯のような景色に。

以前、故郷のバイエルンから友人を訪ねてドライブした際に、休憩のために立ち寄った高速道路脇の場所では、ちょっとした木立の中を、真っ白なラムソンの花が埋め尽くしていました。ラムソンの花の絨毯のスケール感を初めて体感した、5月半ばの思い出です。

ネギ科のハーブと合わせるのにおすすめのハーブ&野菜

ボリジ Borretsch (Borago officinalis)

ボリジ
EQRoy/Shutterstock.com

私は毎年秋に苗を屋外に植え付けていますが、少し寒さよけをしてあげれば問題なく冬越しし、2~3月に愛らしいブルーの花を咲かせてくれます。産毛の生えた大きな葉は、ほかの小さな植物を寒風から守ってくれます。昨年秋には、風が当たらない南向きに開けたレンガの壁の前に置いてある「ベジトラグ」に、10cmほどの苗を植えました。現在は30cmほどまで育ち、たくさんの花を咲かせています。

ボリジはエディブルフラワーで、青い花はチーズのサンドイッチやサラダなど、食べられる飾りとしていろいろに利用できます。ただし、ボリジにはピロリジンアルカロイドという肝毒性のある成分が含まれているため、大量に摂取するのは避けましょう。

ディル Dill (Anethum graveolens)

ディル
Sirle Kabanen/Shutterstock.com

ボリジやチャイブのコンパニオンプランツとして、ディルはぴったり。苗はもちろん、種まきからでも育てられます。ディルの美しい細やかな葉は柔らかく、大きく育って、セリ科らしい散形花序の香りのある黄花を咲かせます。パセリやニンジンに似た花はデコラティブで、目でも楽しめ、小さなブーケにしても素敵。花後もそのまま待てば、種子を採ることもできますよ。

たっぷりとしたふわふわの葉は、サラダやスムージーに。ドイツではサーモンとディルが定番の一品です。クリームチーズやディップともよく合いますよ。スープの香りづけや、ピクルス、特にキュウリのピクルスには欠かせないハーブです。

チャービル Kerbel (Anthriscus cerefolium)

チャービル
Tammyiho/Shutterstock.com

パセリの仲間のチャービルも、散形花序の可愛い花を咲かせます。サラダやスープ、ソースによく使われ、アニスに似た香りがあります。また、パセリ、チャイブ、エストラゴンと共に、伝統的なフランスのハーブブレンド「フィーヌ・ゼルブ」に使われる4つのハーブの1つでもあります。

オレガノ Majoran (Origanum vulgare)

オレガノ
Yukikazu/Shutterstock.com

オレガノは小さな楕円形の暗緑色の葉で、何にでも使える便利なハーブ。丈夫で生育旺盛なので、地植えではなく鉢植えにして、ハーブガーデンに置いておくのがおすすめです。

セイボリー Bohnenkraut (Satureja hortensis)

セイボリー
Dani Vincek/Shutterstock.com

昨年はセイボリーがとてもよく育ち、夏から11月頃まで、毎週のように切り戻しては料理に使っていました。ローズマリーに似た淡いピンクバイオレットの花がまとまって咲き、とてもデコラティブです。プロヴァンス地方のスパイスミックス「エルブ・ド・プロヴァンス」の主要なハーブでもあります。

イチゴ Erdbeere (Fragraria)

イチゴ
Anett/Shutterstock.com

イチゴは、ハーブ/フルーツ/ベジタブルガーデンや、プランターに素敵なアクセントになります。植える際は端に植え、十分に日が当たり、ランナーが外へと伸びられるようにしましょう。このランナーは装飾用としてはおすすめですが、エネルギーを取られるため、美味しいイチゴを収穫しようと思うなら切ってしまったほうがよいでしょう。長く小さな実が楽しめる四季なりイチゴがおすすめです。

これらのほかに、ふわふわとした葉のオキナヨモギや、夏の定番のキュウリもいいですね。どちらも背が高くなり、スペースを必要とするので、地植えにするとよいでしょう。

2022年に私が初めてトライした野菜は、ハヤトウリ。私の庭では1シーズン限りでしたが、シソにつるを巻き付けながら伸びていました。いくつか実を収穫できたので、この方法でよかったようです。洋ナシに似た味わいで、ドレッシングをかけて生でいただきました。

今年は新しいハーブに挑戦してみませんか?

ドイツ伝統の7種の野草のソース

FRANKFURTER GRÜNE SOSSE
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

前回の記事で、七草がゆについて言及しましたが、ドイツでも野草のソースのレシピがあり、その一つ“FRANKFURTER GRÜNE SOSSE”では、やはり7種の野草を使います。春の野草のエネルギーに満ちたレシピで、ゆでたジャガイモやゆで卵と一緒にいただきます。

材料

  • パセリ*
  • チャイブ*
  • ソレル(スイバ)*
  • ボリジ*
  • クレソン*
  • チャービル*
  • サラダバーネット*
  • サワークリーム 200g
  • 卵 1個
  • 酢 大さじ1
  • オイル 大さじ1
  • 塩・胡椒 1つまみ

作り方

  1. まず卵をゆでて、ゆで卵を作ります
  2. *の野草を洗って水気をよく切ります
  3. パセリは固い部分を取り除き、柔らかい若葉だけを使います
  4. 刻んだ野草とサワークリームを、ミキサーやブレンダーなどでよく混ぜ合わせます
  5. 殻をむいたゆで卵をみじん切りにし、酢、オイルを加えます
  6. 再度混ぜ合わせ、塩・胡椒で味を調えて出来上がり

今回ご紹介したのは、お手軽なバージョンですが、料理人によってはハーブをミキサーにかけるのではなく、それぞれみじん切りにして混ぜ合わせたほうがよいという人もいます。

7種全てのハーブを庭やお店で探すのはなかなか大変ですので、自分流にアレンジしてもいいですね。5種しかなければ、それでもOK。マスタードやヨーグルトを加えたり、少し砂糖を入れたりと、好みに合わせて味を調えましょう。

ハーブ
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ハーブプランターでこれらの野草を育てれば、好きな時に楽しめます。ただ、ソレルに関しては、私は長く育てるのではなく、都度種まきをして、柔らかな葉のみを使うようにしています。ハーブについてはどれも若葉が美味しいので、少しずつ食べて、豊かな風味を味わってくださいね。

屋内でガーデンを楽しむための実践術

春の花
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

戸外のサクラが咲くまで、もうしばらくの間、レンギョウやユキヤナギ、サクラを飾ってみませんか? ガーデンに植えてあれば、一枝切って花瓶に活け、しばらく待つと咲いてきますよ。開花までの期間は、室温や切るタイミングによって異なります。

我が家のキッチンでは、何日もの間レンギョウの明るい黄色が元気をくれました。現在は河津桜を飾っています。今月末ぐらいからは、ユキヤナギとサクラを飾ろうと考えています。

これから始まる成長の季節を、目いっぱい楽しみましょう!

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