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【冬のガーデニング】植物でインテリアをおしゃれに! カラフル・デコアイデア

Friedrich Strauss Gartenbildagentur / Strauss, Friedrich
多くの植物が休眠期に入る冬は、寒い屋外ではなく、暖かい部屋の中で植物を楽しみませんか? ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんが、この季節の部屋の彩りに欠かせないポインセチアやアマリリスを引き立てるデコレーションのアイデアを解説。お正月明けの七草がゆでおなじみの野草、ハコベの思い出もご紹介します。
目次
冬も室内で植物を

何かと気忙しい年末も終わりが近づき、料理や掃除など、新年を迎える準備が着々と進んでいる頃でしょうか。
寒い冬は、暖かな室内が一番ですね。幸せを感じるためには、それほどたくさんのものは必要ありません。暖かい家、美味しい食事、そして幸せな家族。そして、植物も忘れてはいけません。日本で暮らすようになってから、本物のモミの木は葉が落ちるのが早すぎるために諦めざるを得ませんでしたが、代わりにダイニングをWEIHNACHTSSTERN、つまりポインセチアと、フェイクツリーで飾って楽しんでいます。
冬に欠かせないポインセチア

ポインセチアは、私にとって古くから頼れる植物。子どもの頃から親しんできた、冬の彩りには欠かせない花です。その頃は、ポインセチアといえば赤色しかなく、まさにクリスマスの赤のイメージでした。
11月に入ると、どこの花屋やガーデンセンターには、たくさんのポインセチアが並びます。ミニチュアサイズや、50cmほどの高さのスタンダード仕立てにしたものなど、大きさはさまざま。印象的でエレガント、そして丈夫なポインセチアは、玄関やオフィスの入り口にぴったりの鉢花です。もっとも、寒風が吹きつける場所には置けません。耐寒性も低いので、室内に置いて、水やりなどの管理をきちんと行いましょう。我が家では、ポインセチアの定位置は玄関ホール。一日中日が当たるわけではありませんが、明るく、16~20℃程度に保たれる場所です。
かつては赤色のみだったポインセチアも、今では数えきれないほどたくさんの品種があります。色幅は純白からクリーム、シャンパンカラー、ソフトピンク、そして古き良き真っ赤なものまで、さまざま。斑入りの品種もあります。葉色のグリーンも幅広いトーンがあり、鮮やかな苞(ほう)の色とのコントラストがより楽しめます。
ポインセチアのドレスアップアイデア
単体でも華やかなポインセチアですが、ほかのアイテムと組み合わせて、コーディネートを楽しむこともできます。鉢カバーに、コーヒーカップや大きめのグラスボウルを使ったり、コニファーやマツボックリで鉢を覆ったり。好きな色の毛糸で編んだ手作りの鉢カバーを作る、なんて手もあります。ポインセチアのデコレーションアイデアを、いくつかご紹介しましょう。
ナチュラル&カントリースタイル

例えば、コニファーの枝やマツボックリでリースを作り、その中央にポインセチアを置いて、アイキャッチャーとするのはどうでしょう。純白のポインセチアならコントラストが爽やかですし、クリーム色ならより柔らかい印象になります。部屋の壁など、周りの色と合わせるのも大切です。ナチュラルなスタイルなら、モスやバークチップ、ヒイラギやマツ、スギなど常緑樹の枝、麻ひもや赤い実ものなどがよく似合います。
艶のある素材でエレガントに
ゴールドのプランターや陶器の鉢に植え、銀紙などでラッピングして金色のリボンで結べば、ぐっとエレガントな印象に。白やシャンパンカラーのポインセチアにぴったりです。私は、温かみのある金色やアイボリーなどの色合いをよく選びます。鉢色をいろいろ変えると、さまざまなスタイルを楽しむことができますよ。
天井から吊して ポインセチアのハンギングディスプレイ
もし天井にハンギング用のフックがあれば、部屋の印象がガラリと変わるハンギングを試してみてはいかがでしょうか。いつものコーナーが面白い空間になりますよ。
テーマカラーを決めて統一感を

プリンセチア‘ホットピンク’をラベンダー色のガラスコップに入れ、同色のガラスボールとキャンドル、ナプキンを合わせ、ラベンダー色にまとめたコーディネートアイデア。このようにテーマカラーを設定すると、統一感が生まれます。
アリ? ナシ? ブルーやキラキラにアレンジ

このブルーのポインセチアは、人工的に色をつけたもの。花弁に煌(きらめ)くラメをのせたポインセチアなどもよく見かけます。人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんが、このような選択肢もありますよ。間違いなく目を惹くディスプレイになります。個人的には、ラメが家の中に落ちてしまわないか、少し心配になります。
イルミネーションで明るく楽しむ
イルミネーションでアレンジを彩るのは、暗いコーナーを明るくする素敵なアイデア。鉢はコードが無理なく届くようコンセントの近くに置くか、電池式のものであれば電池が見えないように隠しましょう。もし小さな子どもやペットがいる場合は、安全な場所に置く必要があります。また、植物を傷めないよう、熱の出ないLEDのイルミネーションなどを利用しましょう。
デコレーションは、自分の好みに合ったスタイルにすることが一番です。先日、友人の一人のデコレーションを見てみたら、すべてブルー&ホワイトで統一されていて、とても洗練された印象でした。
ドイツでは、最近、アレンジ素材としてフェルトが人気を集めています。カラフルなリボンと一緒に、鉢の周りを巻いたり、クリスマスのアレンジに使ったり。フェルトの代わりにレースを使ったものも人気です。日本だったら、和紙で鉢をくるんでみても面白いフォーカルポイントになるのではないでしょうか。

また、ポインセチアは仕立て方でも印象がガラリと変わります。まっすぐ伸ばした主幹の下部の枝葉を落とし、上部だけに茂らせたスタンダード仕立てのポインセチアは、スッキリと上品に。ピラミッド形に仕立てればエレガントな雰囲気です。
この季節に咲くお気に入りの花

ポインセチアと合わせる植物は、私はクリスマスローズがお気に入り。厳しい寒さの中でも花を咲かせる丈夫な宿根草で、ドイツでもとてもポピュラーな花。どこのガーデンショップでも手に入ります。ちなみにドイツでは、CHRISTROSEと呼ばれています。そんなクリスマスローズとポインセチアを組み合わせれば、冬らしい印象に。本来は屋外で育てるので、この時期にだけ室内に入れて楽しんだり、切り花を購入してポインセチアと合わせます。

クリスマスや冬の時期の鉢花には、アマリリスもぴったりです。大きくて華やかなアマリリスの花は、素晴らしいアイキャッチャー。花もちもよく、管理も簡単なので、冬のアレンジやプレゼントによく利用されています。花色は鮮やかな赤や白のほか、ストライプ模様もあります。すっと伸ばした長い茎の先に花を咲かせます。
アマリリスの球根は11月頃から購入でき、少しずつ成長していく様子を見ることができます。18~20℃に温度管理された室内で、開花までは数週間かかります。
七草の一つ! ハコベはドイツでもおなじみの野草
日本では、1月7日に七草がゆをいただく風習がありますよね。
七草は「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草(ななくさ)」と和歌にも詠まれています。すずなはカブ、すずしろはダイコンのことです。
その中で、私にとっても思い入れが深いのが、はこべら、つまりハコベです。

ハコベはドイツでもあちこちに繁茂している雑草です。私がハコベを初めて認識したのは、子ども時代に手伝いをしていた実家の家庭菜園とガーデン。早春にあっという間に地面を覆い、数えきれないほどの星形の可愛い小花を咲かせるハコベは、素晴らしい、けれど望まれないグラウンドカバーです。まだ種が付いていなければ、ひたすら引き抜いてコンポストへ。当時、ドイツでは誰もハコベを食用にしようなんて考えていなかったと思います。
数年後、農業を学び始めた兄が受けた試験の一環で、私もハコベの名前を覚えることになりました。その試験は、動植物についてはもちろん、世界遺産、有名な作曲家や画家など、幅広い一般知識が必要とされるもので、さらに植物についてはドイツ語での名称だけでなく、学名も覚える必要があり、兄がその試験のために勉強している間、何度も植物やハーブの名前について尋ねたものです。その中の一つがハコベ、学名ではStellaria mediaといいます。兄のお陰で、ハコベの学名については、今日までしっかりと記憶に刻まれています。

そのようなわけで、七草の一つがハコベだと知った時には、とても驚き、同時に嬉しく思いました。ちょうどその頃、ドイツでも野草ブームが到来し、健康的な暮らしがファッショナブルな存在に。ハコベもヘルシーな自家製サラダやディップに使われるようになりました。スピナッチ(ホウレンソウ)のように、オムレツやスムージーに利用されることもあります。
自然が私たちにもたらしてくれる豊かな食材への感謝は、いつも忘れずにいたいですね。とりあえず、私の新年の目標は、もっとたくさんのハーブを育てること。そして美味しい七草がゆを食べることです。
Credit
話 / Elfriede Fuji-Zellner - ガーデナー -

エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。
Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood
まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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