日本一暑い街・熊谷市で、エアコンに頼らず、自然な暮らしをしたい! という野望を掲げた「花音の森」の今をお伝えする、第11弾のレポートです。今回は、冬の過ごし方。心までほっこり幸せになれる気がする、薪ストーブの出番です。
目次
日本一暑い街だけど、植物があれば、エアコンなしでも暮らせないか?
花音の森は、植物のある暮らしで健康寿命を延ばす自然療法“ガーデンセラピー”をコンセプトに、植物の楽しみ方が学べるレッスンを行っている施設で、埼玉県北部・熊谷市にあります。熊谷市というと、日本一暑い街として、夏のニュースで耳にする機会も多いかもしれませんね。
私は生まれも育ちも熊谷なのですが、夏の間だけでもどこかに引っ越したい…と本気で思うほど。しかも、私、もともとエアコンが得意ではないので一日エアコンを使っていると、冷えた室内と屋外との気温差が大きく、体調を崩す…という悪循環が悩みの種でした。
これをきっかけに、家の性能と植物をうまく工夫をすることで、エアコンに頼らなくても暮らすことはできないか? を模索していき、花音の森はできました。
こちらはできたばかり2020年1月の様子。木は1本もない更地でした。
こちらは2022年1月の様子。家を囲うようにあるコナラの木々が、一回り成長していますが、背丈が大きくなったというよりは、枝葉が出てきて、緑の量が増えた印象です。冬の枯れた庭もいいものだな、と日々感じています。
エアコンの代わりに導入した薪ストーブ! メリットは?
日本一暑い街でエアコンがないなんて…と驚かれますが、これが不思議! エアコンの苦手な私は、今までのような、体のだるさや体調不良がなくなり、汗をしっかりかいて清々しさすら覚えます(笑)。暑い日はありますが、今のところ、冷房がなくても不自由なく、暮らせています。
その暑さをしのぐ工夫はこちらをご覧ください。
一方、冬はどうするのかというと、薪ストーブの出番です。
家中の暖をこの薪ストーブ一つで補います。しっかり薪を燃やせば、小さな家ですし、寒さはそこまで感じません。
加えて、家の気密性と断熱性の高さのおかげで、朝起きてもほんわか暖かく、真冬でも、室温が10度を切っていることがありません。これは前の家と比べると、雲泥の差!
また、窓からの日差しが入ってくる午前中は、薪ストーブをつけなくても、小さな石油ストーブ1つで、充分過ごせます。暖房効率のよさのおかげです。
ちなみに、熊谷市は暑い街だから、冬も暖かいのかというとそうではなく、冬は赤城山からの強烈な風が吹き付け、2021年1月の平均最低気温は-1.1度。朝起きると、寒くて布団から出られない…というのは普通のことだと長年思っていましたが、この家ではそれが一度もないことに驚きます(笑)。
気になる光熱費ですが、冬の1カ月の電気代を、エアコン使用の以前の家と比べると、料金は1/3程度。これに1カ月にかかる薪代と灯油代を加えても、2/3程度です。これは、家の気密性と断熱性の高さのおかげでしょうか。エネルギー消費を減らすことにも繋がっているのかもしれませんね。
薪ストーブのデメリットは?
いい面もありますが、手間がかかるという面でのデメリットはあります。薪の調達から始まって、薪の保管、薪を室内に運び入れ、火をつけるまでの一連の動作に、それなりの時間と労力がかかります。特に、朝から外出する日など、短時間しか家にいない日は、薪ストーブに火をいれるのは非効率な気がするので、そんな時には小さな石油ストーブを使っています。
そして、虫が絶対無理! という方にはおすすめできません。自然のものですし、薪の管理は外なので、結構な数の虫と遭遇します。3年目になり、慣れてきたのか、あまり驚かなくなってはきましたが、最初はこの薪棚が恐怖でした(笑)。
薪ストーブでおいしく暮らす
続いて、薪ストーブのお気に入りポイントは、おいしい料理ができること。ガスで火を入れ沸騰した後の、コトコト煮込みは薪ストーブの上ですることが多いです。
野菜たっぷりのスープ。
定番焼き芋。
りんごにたっぷりスパイスを詰めて焼いてみたりと、毎日、特別な食材はなくても、おいしいものが食べられることに、小さな幸せを感じます。
結論! 薪ストーブは入れてよかった
じつは、薪ストーブを導入する時に、薪の調達もメンテナンスも大変だからおすすめしないという声も結構あり、とても迷いました。でも、今は、導入して本当によかったと思っています。デメリットをメリットが上回る…それくらい、虜です! 薪ストーブの火は本当に暖かく、穏やかな気持ちにさせてくれます。
仕事部屋ではなく、結局、火のそばに集合して、仕事をしていることが多いです。
我が家の犬たちも、ストーブの前がお気に入り。
昨今の状況もあり、家にいる時間がとても長くなりましたが、植物のある暮らしを実践していく中で、どんなところで、どんな暮らしをすることが、自分にとって心地がいいことなのかを考え、実践してきた2年間でもありました。
特に薪ストーブの火を眺めていると、心までほぐされているような…そんな気もしてきて、人生初! と言っていいくらい、穏やかな時間の流れを感じています。自然に沿ったライフスタイル、これからも続けていきます。
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