都会の庭で、母と一緒に小さなローズガーデンを丹精する女優のサヘル・ローズさん。がれきの除去から始まり、土壌改良をし、一本一本植えつけたバラは、今ではなんと140種にもなりました。バラを我が子のように可愛がるサヘル・ローズさんの庭から、2021年5月の様子をレポートいただきました。

Print Friendly, PDF & Email

みなさん、お久しぶりです!

今年もバラの妖精たちが踊り出しました。

いかがお過ごしでしょうか?

コロナによって奪われてしまった日常が多いと思います。

おかしな言い方になるかもしれませんが、こんなにも日常がありがたかったのだと、いまさらながらに痛感します。

ガーデン

当たり前の日々なんて存在しない。そう学びながらも、きっといろいろな葛藤や苦しみで、どんどん心が圧迫されている方もいると思います。

深呼吸できていますか? たまには空を見上げていますか?

ガーデン

でも、『苦しい』ときは無理をせずに、うつむいてもいいと思います。

足元に広がる美しい花たちの視線を感じることも、大事な癒やしです。

 

奪われたことが本当に多いコロナ2年目。去年もバラが咲き誇るこの時期が緊急事態宣言中でした。今年も同じく。

バラの花

でも、バラたちは力強くこちらをみています。そして素晴らしい笑顔で

「おはよう。また、会えたね。」

と言ってくれるのです。

私は幸せな親です、こんなにも愛おしいこども……いや、兄妹たちがいて幸せ。

まだ『親』にはなれません(笑)

 

コロナでマスク生活になり、花の香りをかげないのが寂しくなります。

「花の言葉は香り」と、私はよく表現しています。その言霊に触れられないのが、ちょっぴり切ないです。しかし、去年と同様に庭はコロナなんて感じさせないほどパワーアップしています。

バラ

じつは、我が庭では140種類のバラを植えている事が判明(自分でもこれまでちゃんと数え切れていませんでした)。正直、あの小さなスペースにこの数はよくないとは思います。風通しも、日差しも、水はけも、本当に条件が100%バラのために整っているとはいえません。でも、一生懸命こちらの思いに答えてくれるバラたちに、ただただ感謝しています。

それに、それだけの愛情とエネルギーを、この庭を手入れする母は注いでいます。母はバラが大好き。私にサヘル・ローズ(砂漠に咲くバラ)という名を授けてくれたのも母です。母が買ってくれる私の服もバラ柄ばかり(笑)。

そんな母が何よりも喜ぶのが、ご近所や地域の方々が『今年も華やかで美しいね。素晴らしいバラ園をありがとう』とおっしゃってくださる言葉です。

サヘル・ローズさんのローズガーデン

私の住んでいる地域にはご高齢の方も多く、車椅子や松葉杖を使いながら散歩されている方も少なくないのです。歩くことや動くことにも苦痛が伴い、出かけるのも容易ではないかもしれないのに、『このお庭のおかげで、外に出たくなるの』と素敵な笑顔を向けてくださいます。そんな言葉を少なからずかけていただくなかで、私のなかで植物に対してまた新たな気づきがありました。

そっか、バラや花はただ美しいだけではなく、誰かの生きがいにもなれるんだ。言葉を交わさなくても人と植物は『命の対話』で勇気をもらったり、励まされたりするんですね。

サヘル・ローズさん

そんな言葉をかけていただくと、「よかった、ちゃんと庭づくりを続けてきて」と思うのです。本当のところ、バラは植え付けも一苦労ですし、トゲだらけの枝の隙間をぬって虫をとったり、花殻を摘んだり、いろいろと手間が多いのも事実。水も肥料も大好きで、ややお嬢様気質のバラさんですが、そうやって手間をかけた以上の喜びを私たちに返してくれます。

花は人生の友であり、私の一部です。母にとっても私にとってもバラは生きがいになっています。

 

よくバラは育てるのが難しいと思われがちですが、よい土とお日様と水があれば基本的には大丈夫! あとは育てながら学んでいけばいいのです。専門家になる必要は全然ないのです。私も専門家ではないので、失敗も悔しい思いもし、病気で枯らすこともあります。枯らしてしまうと悲しい気持ちにもなりますが、失敗からは多くの学びもあります。バラに限らず植物を育てていると、新しい発見がたくさんありますよ。

サヘル・ローズさん

そして、やっぱり美しい花が咲くのは何度経験しても私自身が感動しますし、それを見て喜んでくれる人の笑顔を見るのも最高の幸せです。

そのためならいくらでも頑張れます。

サヘル・ローズさん

でも、本当はマスクなしで皆様にはこの素晴らしい花々、バラたちの香りを感じてほしいと思います。近い将来、そんな日がくるよう心から願います。

 

今年は写真ではありますが、2021年版のサヘルと母、フローラのローズガーデンをお楽しみくださいね。

ローズガーデン

次回はバルコニー編をお届けしますよ。

Credit

写真・文/サヘル・ローズ
1985年イラン生まれ。7歳までイランの孤児院で過ごし、8歳で養母とともに来日。高校生の時から芸能活動を始め、舞台『恭しき娼婦』では主演を務め、映画『西北西』や主演映画『冷たい床』はさまざまな国際映画祭で正式出品され、イタリア・ミラノ国際映画祭にて最優秀主演女優賞を受賞。映画や舞台、女優としても活動の幅を広げている。また、第9回若者力大賞を受賞。芸能活動以外にも、国際人権NGOの「すべての子どもに家庭を」の活動で親善大使を務めている。世界中を旅しながら難民キャンプや孤児・ストリートチルドレンなど子どもたちに寄り添っている。
YouTube『サヘル・ローズチャンネル』
https://www.youtube.com/channel/UCE3h8QRgs4GS_ClgReaAMVA

Print Friendly, PDF & Email