多面体のガラス球に太陽光が分光し、虹色に輝くサンキャッチャーは、「幸運を呼ぶインテリア」、「風水の縁起物」として人気のインテリアアイテム。この飾りをガーデンに取り入れているのは、神奈川県横浜市で小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さん。「じつは、わたしもその輝きにすっかり魅了されて、手作りのサンキャッチャーを庭と室内に一年中飾って楽しんでいます」。そんな前田さんに手作りのきっかけや飾り方を教えていただきます。

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手作りのサンキャッチャー

手作りのサンキャッチャー

通常、サンキャッチャーは、日当たりのよい窓辺に飾りますが、わが家では、庭の樹木の枝にも吊しています。

というのも、10年ほど前に、家族で訪れた軽井沢高原教会の雑木林で、春の木漏れ日に揺れる無数のサンキャッチャーを目にしたことがきっかけでした。みずみずしい若葉の緑にキラキラ輝く光景があまりに美しく、庭の樹木にもこんなふうにサンチャッチャーを吊したいと思ったのです。

ヴェルサイユ宮殿の鏡の間
プレシオサ社のボヘミアグラスは、フランス・ヴェルサイユ宮殿の鏡の間のシャンデリアのパーツにも使われているそう。

早速、サンキャッチャーを手に入れようと、ネットやインテリアショップなどを覗いてみましたが、クリスタルガラスのサンキャッチャーは高価で、樹木に幾つも吊すとなると値が張るし、ちょっともったいないと…。そこで、何とか手作りできないかと考えました。こんな時、やはり役立ったのがインターネット。調べてみると、クリスタルガラスのシャンデリアパーツとビーズで作れることがわかりました。

クリスタルガラス

クリスタルガラスといえば、スワロフスキー社製が有名ですが、ボヘミアガラスを製造しているプレシオサ社製のシャンデリアパーツを販売しているサイトも見つけました。プレシオサ社製は、スワロフスキー社製とさほど見た目に変わりはないものの、値段は半値以下。樹木に吊すサンキャッチャーはこちらで十分でした。

それから直ぐに取り寄せ、見よう見まねでサンキャッチャーを作ってみると、意外と簡単! 初めて手にしたクリスタルガラスのシャンデリアパーツの重みと輝きに、制作中もずっとワクワク。予想以上の仕上がりに嬉しくなりました。

四季折々の庭の景色に溶け込むガーデンアイテム

庭のサンキャッチャー

いくつか作ったサンキャッチャーは、テラスの夏椿の枝先に吊していますが、ここは、ガーデンテーブルとイスを置いて、家族や友人と食事をしたり、静かに読書を楽しむ寛ぎの場所です。イスに腰掛けるとちょうど頭上でキラキラ輝くので、まるで小さなシャンデリアのよう。虹色の輝きが、食卓を華やかに演出してくれます。嬉しいことに、友人たちは、口を揃えて「わ〜、素敵! きれいね〜」と。やはり、女子はキラキラ輝くものに惹かれるようですね。

庭のサンキャッチャー
雨粒がクリスタルに伝う雨の日も美しい。

さらにその輝きは、季節の移ろいとともに微妙に変化して見えます。

例えば、芽吹きの春は若葉とうららかに、夏は深緑と涼やかに、秋は色づく草木と穏やかに。そして、冬は木枯れ茶色の景色を照らす太陽のように。こんなふうに、一年中庭の景色にさりげなく溶け込み、寛ぎの時間や庭仕事の合間に、ふと目にするだけで幸せな気分になるサンキャッチャーは、最高のガーデンアイテムです。

室内にはリッチなクリスタルガラスの輝きを

庭用のサンキャッチャーが想像以上に素敵だったので、室内用にちょっとリッチなサンキャッチャーも作ってみました。

使用したのは、スワロフスキー社製のクリスタルガラス。カットの繊細さと優美な輝きは言うまでもありません。そのうえ、シャンデリアパーツの種類も色も豊富で、定番のボール球以外に菱形やしずく型、星型など、どれも心ときめくものばかり。特に惹かれたのが、シャープでシックな印象の菱形のパーツでした。

スワロフスキーのサンキャッチャー

作り方は、庭用のサンチャッチャーと全く同じですが、大小のクリスタルビーズも入れて、より装飾的に仕上げました。

ビーズの配置で、出来上がりの雰囲気が変わるので、楽しくて何個も作りたくなります。

じつは、友人たちも、何度もわが家でサンキャッチャーを作りました。中には、ローズピンクやパープル、ペリドット、エメラルドグリーンのパーツで作った友人も。

カラフルなサンキャッチャーは、とても華やかで、窓辺に飾ると、まるで宝石の花が咲いたようでした。自分の好きな色や形を選んでデザインできるのも手作りだからこそ。季節ごとにインテリアを変えるように、サンキャッチャーも色を変えて楽しむのも素敵ですね。

サンキャッチャー効果で心によい「気」を

手作りのサンキャッチャー

とはいえ、わが家のインテリアには、やはりクリスタルのサンキャッチャーが一番馴染みます。

飾っているのは、朝日が当たるダイニングの窓辺。朝起きると最初にブラインドを開ける窓なので、毎朝目にすることができます。

お天気のよい日は、清々しい朝日を受けていっそう輝き、窓を開けると、風に揺れてプリズムの球が室内を照らします。その光景を目にすると、「今日はいい1日になりそう」と、何だかハッピーな気分に。

手作りのサンキャッチャー

そういえば、風水的にも、朝日とサンキャッチャーの相乗効果は抜群なのだとか。確かに、室内はもちろん、心もよい「気」で満たされるような気がします。

また、曇りや雨の日のサンキャッチャーも素敵です。薄暗い窓辺で光を放つクリスタルガラスの輝きは、透明で静寂。しっとりと雨粒をまとった庭の緑とよく似合います。

こんな日は、一日中、雨音を聞きながら家時間を静かに過ごしたくなります。

クリスマスシーズンを彩るクリスタルガラスの輝き

クリスタルガラスのクリスマスオーナメント

サンキャッチャー作りの楽しさと喜びを知ってから、もう一つ、シャンデリアパーツを使用して作ったものがあります。

それは、クリスマスオーナメント。ここ数年、わが家ではクリスマスシーズンになると、ツリーの代わりにフライングリースを飾ります。フライングリースは天井から吊るすので、下部にオーナメントを飾ると見栄えもよく華やか。そこで「雫型のシャンデリアパーツを使ってオーナメントを作ったら素敵かも」と、思いつきました。

クリスタルガラスのクリスマスオーナメント

材料も手順も、ほぼサンチャッチャーと同様ですが、オーナメントにはサテンのリボンをあしらいました。クリスタルガラスと光沢のあるサテンは好相性。その年のテーマカラーに合わせてリボンの色を変えたり、サテンをベルベットに変えるだけで雰囲気も変わるので、毎年、同じオーナメントを飾っても見飽きることがありません。シンプルでエレガントなクリスタルオーナメントは、きっと、クリスマスツリーに飾っても素敵ですね。

クリスタルガラスのオーナメント

窓から差し込む僅かな冬の陽光を集めて、光を放つサンキャッチャーとオーナメント。その輝きは、不思議と太陽の温もりを感じます。

冬の寒い時期、室内に虹色の欠片が広がる様を想像してみてください。寒くても、何となく心はポカポカと温かくなる気がしませんか。

Credit


写真&文/前田満見
高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。
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