一級建築士である小野善規さんの事務所兼自宅でもある「自由が丘のアトリエ」。居心地の良さにこだわってデザインをしているという小野さんのこだわりが詰まった家はどんな工夫がされているのでだろうか?早速見ていこう。
既存の物を活かした増築デザイン

既存の家屋に増築を施し、1階をアトリエ、2階を住居としている。増築に際しては、既存の樹木を残して建物を配置し、この両者をつなぐ開口部が居心地の良い空間となるよう工夫がなされている。
玄関脇のモミジは、敷地の一番外側に植えられていたもので、増築にあたっては、小野さんが幼い頃から想い入れのあったこの木が身近に感じられるよう、その配置や開口が計画されている。
窓のデザインで見せる風景を変える

玄関を入った打ち合わせのスペースの4つの壁にはそれぞれ異なったデザインと大きさの開口が設けられている。
写真は玄関から見る増築部の打ち合わせスペースで、北側にはテーブル脇に縦長の窓が、また西側には腰を下ろして庭を眺められる出窓が配置されている。
外からの視線が気になる部分には格子を採用

こちらは、打ち合わせスペースから玄関側を見た様子。
南側は玄関脇のモミジの老木を眺めるためにガラスの大開口を採用しており、春には柔らかな緑が、また秋には鮮やかな紅が眼前に広がる。道路に面しているが、この木が葉を茂らせることで、道路と室内を適度に隔てる役割を果たしている。
また、隣家に接する東側の小窓には網入りガラスとアルミサッシを採用し、木の格子を入れることで、部屋に光を導きつつ、直接視線が合わない配慮をしている。
引用元/『HomeGarden&EXTERIOR vol.2』より
写真撮影・提供/中川敦玲
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