花も色も、意外性から生まれる演出が新鮮です!『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』|パリ発、季節の花だよりVol.6

パリ1区のフォーブール・サントノレ通りとコンコルド広場を結ぶ、ボワシー・ダングラ通り。エルメス本店を始めとするハイブランドのメッカと、歴史的モニュメントに挟まれたこの静かな通りにあるのが、5つ星ホテル『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』です。周囲にはアメリカ大使館など政治的機関が多く、政治的にも商業的にも、まさにパリの中心部。向かいには、『オテル・ド・クリヨン』があります。
目次
トップフローリストが手掛ける、おもてなしの「花」

『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』のように、賑やかなお出かけと、落ち着いたステイの両方を叶えてくれるホテルは、パリでもなかなかありません。館内の「花」を担当するのは、人気フローリスト、エリック・ショヴァンさん! ディオールをはじめ、一流メゾンのショーを長年担当しているフローリストです。モードを意識したここ、『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』の専属フローリストとして、彼以上の適任者はいません。

その『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』のバー、「ル・バー・デュ・フォーブール」での、ある日の花を紹介しましょう。
「ル・バー・デュ・フォーブール」は、ファッションメゾンが軒を連ねるフォーブール・サントノレ通りにちなみ、モードに敏感なゲストたちを意識した内装が特徴です。花を見てみると、なんと、黄色のキクを使ったアレンジ! 漆黒の空間によく映えています。

大輪やポンポン咲きなど、最近は洋風なスタイルのキクがよく出回っています。とはいえ、キクと聞くと、和のイメージをもつ方がまだ多いかもしれません。

「ル・バー・デュ・フォーブール」のアレンジの、新鮮なこと! フェンネルや可憐な小花を、黄色の大輪ギクに合わせています。和の格式張ったキクの印象を、気持ちいいまでに一変しています。
シャンペトルの要素を加味する、スタイルが定番です
次は、「ル・バー・デュ・フォーブール」からレストランを抜けて、ロビーへ。運よくフローリストの作業風景に出会いました。

この日はメンテナンスだったため、エリック・ショヴァンさん本人は来館せず、彼のアトリエスタッフ2名が作業を担当していました。こちらも「ル・バー・デュ・フォーブール」同様に、黄色いキクがメインのアレンジです。
彼らにキクが斬新だと伝えたところ、意外な反応が返ってきました。
「大輪ギクは1輪でも存在感がありますし、加えてとても花もちがいいんです。つまり、ホテルのロビーなど、広いスペースを飾るアレンジにぴったりの花材なのです。私たちは、結構よく使っていますよ」

「大輪ギクは整った花形をしているので、アレンジする際は、すぐにスタイルが決まります。存在感があるキクに、シャンペトルの要素を演出する野の草花と、自然でロマンティックな枝ものをプラスすることを忘れてはいけません。このスタイルは、エリック・ショヴァンの定番です」

ガラス張りの天井のロビーのほか、エントランスにも、見事な花のインスタレーションがありました。

バーも、ロビーも、エントランスも、黄色ベースのアレンジがとても明るく、華やかですね。フローリストの方々は週に3回、メンテナンスに来るそうです。
四季折々、意外な花演出が楽しめる『ソフィテル・パリ・ル・フォーブール』。パリを訪れる際は、ぜひいちど、エリック・ショヴァンさん手掛けるホテル内の花々を堪能ください。

ソフィテル・パリ・ル・フォーブール Sofitel Paris Le Faubourg
ホームページ/https://www.sofitel-paris-lefaubourg.com
住所/15, rue Boissy d’Anglas 75008 Paris
Credit

角野恵子 Keiko SUMINO-LEBLANC
在仏日本人ジャーナリスト、コーディネーター。日本の企業に就職後、東京在住フランス人ジャーナリストのアシスタントを経て、1997年よりパリに移住し、在仏歴21年に。食とライフスタイルを中心に、日仏の雑誌およびwebで活躍中。共著に「DIYでつくるパリのインテリア」(エクスナレッジ)「パリでうちごはん そして、おいしいおみやげ」(小学館)など。プライベートでは、ふたりのパリジェンヌの母。
HP
Instagram
新着記事
-
育て方
今がチャンス! 梅雨に楽しむ紫陽花やアナベルの挿し木|初心者も成功しやすい手順と注意点…PR
梅雨のしっとりとした空気は、植物の「挿し木」にとって理想的な環境。特に紫陽花(アジサイ)はこの時期に挿し木すると成功率が高く、初心者にもおすすめです。この記事では、紫陽花の挿し木に必要な道具から適し…
-
園芸用品
【梅雨対策】雨で増えるバラの病気。プロも使う“土の処方箋”って?PR
近年、全国のバラ園や庭で発生が増えている「ベト病(べと病)」。葉に褐色の斑点が現れ、やがて落葉してしまう、バラにとって厄介な病気です。特に湿度が高まる梅雨時期は注意が必要。病気の連鎖を防ぐには、日々…
-
園芸用品
【初心者必見!】観葉植物が枯れる理由トップ5と枯らさないために今すぐできる新習慣PR
「また枯らしちゃうかも…」と不安が理由で観葉植物をあきらめていませんか? じつは、観葉植物がうまく育たないのには“よくある原因”があるんです。それさえ押さえて回避すれば、初心者でも元気に育てられます! …