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ドライフラワーと多肉植物の組み合わせがイマドキ。『レ・ベル・プラント』|パリ発、季節の花だよりVol.5

ドライフラワーと多肉植物の組み合わせがイマドキ。『レ・ベル・プラント』|パリ発、季節の花だよりVol.5

パリ5区にある、フランス国立自然史博物館。パリ植物園をはじめ、温室、動物園、いくつかの博物館で構成された魅力的なスポットです。2018年、広大な植物園内のレストランが、新しく生まれ変わりました。その名も『レ・ベル・プラント〜美しき植物たち』! 植物園には無料で入ることができるので、レストランにも気軽に足を延ばすことができます。

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色を抑え、ナチュラルテイストでまとめた癒やしの空間

ホテル『レ・ベル・プラント』

レストランは、コロニアルスタイルの内装が特徴的。大きな窓や、窓の向こうに広がる緑色の景観、差し込む自然光が美しく、そのよさを最大限に生かしています。壁紙は、モノトーンで大胆に描かれた植物モチーフ。全体的に色を抑えた空間に、グリーンのソファーと花器、花が効果的に映えています。籐の家具と照明はリラックス感いっぱいで、心地よい雰囲気が漂っています。

ホテル『レ・ベル・プラント』

飾られた花に注目してみましょう。ドライフラワーと多肉植物を、照明やオブジェと組み合わせて並べています。

花や器も含め、緑色と柔らかな茶色を中心に抑えた色使いでまとめられた空間は、いまどきのインスタグラマーが夢中になるスタイルといえるかもしれません。あえてゴージャスにしないところが、センスよく、おしゃれです。SNS映え抜群!

ホテル『レ・ベル・プラント』

上の写真は、レストラン入り口のコーナー。淡いピンクの壁と南国風の壁紙が、パッと目を引きます。花はメインダイニングと同じように、ドライフラワーのアレンジと多肉植物。花器もグリーンのグラデーションを選んでいます。

オブジェのように存在感のある花器を選ぶことで、花はスタイリッシュなインテリアに調和し、空間に欠かせない名脇役になっている、とでもいえるでしょうか。また、ドライフラワーや多肉植物は、籐のインテリアによく馴染みます。

ホテル『レ・ベル・プラント』

花のアレンジを担当したのは、パリ1区にある老舗フローリスト『パリ・フルリ』です。2代目店主のヤニック・ル=ソーさんに、「なぜドライフラワーなのか?」、聞いてみました。

ホテル『レ・ベル・プラント』

「インテリアの世界では、ここ1年ほど前から、籐の家具や植物柄の壁紙といったナチュラルテイストがとても人気です。ドライフラワーや多肉植物は、そんなナチュラルインテリアにとてもよく合うので、今回、花を担当することが決まったとき、迷わず取り入れようと決めました。店内の花をナチュラルにアレンジすることで、店内の印象と屋外のテラスの印象を調和させる目的もあります」と、ル=ソーさん。

ホテル『レ・ベル・プラント』 ホテル『レ・ベル・プラント』

籐の家具とドライフラワーの組み合わせは、フランス人にとっては1940年代を彷彿とさせるスタイルなのだそう。その当時人気のアイテムだったダム・ジャンヌ(ぼってりとした形の分厚い瓶)をフラワーベースに採用し、意識的に1940年代のスタイルを取り込んだとのことでした。

ホテル『レ・ベル・プラント』

こちら↑は、紹介した各コーナーの全体です。

ホテル『レ・ベル・プラント』

「こういったナチュラルテイストのアレンジは、突然、人気に火がついたわけではなく、ブーケにシダやユーカリを使うことが流行した延長線上にあります。ドライフラワーやサボテン、多肉植物が人気なのも、ナチュラルテイストの流行からくるものです」

ドライフラワーや多肉植物のアレンジは、メンテナンスに手間がかからないのも魅力。ゆえに、『レ・ベル・プラント』のメンテナンスは週1回のみ、それもほとんど中庭のプランターの手入れがメインとのことでした。

ホテル『レ・ベル・プラント』

何度でも通いたくなる、パリ植物園の多彩な魅力

パリ植物園は何度通っても飽きない場所だと思います。パリっ子たちにも大変人気で、ファミリーで動物園を見に行ったり、カップルでピクニックしたり、ひとりで植物を写生したり、ジョギングしたり、と、いつでも大勢の人で賑わっています。

ホテル『レ・ベル・プラント』 ホテル『レ・ベル・プラント』

下の写真↓はパリ植物園でいちばん人気の桜です。枝ぶりの内側に入りこむと、まるで万華鏡のような花世界が広がります。

ホテル『レ・ベル・プラント』

また、大温室や自然史博物館、進化の大ギャラリーでは、フランスらしいアイデアに富んだ展示法に、きっと感心することでしょう。そして、休憩は『レ・ベル・プラント』へ。夏ならハーブのプランターに囲まれたテラスで、冬なら温室のように自然光溢れるダイニングルームで、ゆったりとくつろぐことができます。

ホテル『レ・ベル・プラント』

ここで、『レ・ベル・プラント』の花を担当している『パリ・フルリ』を紹介しましょう。『パリ・フルリ』は、レストランに飾るドライフラワーを、パリのブティックでホームメイドしています。バラやカーネーションなど、たくさん仕入れた花材が余ったときは束ねて逆さに吊るし、店内でドライにしています。

『パリ・フルリ』は『レ・ベル・プラント』のほか、名店の花デコレーションを数多く手掛けています。シャンゼリゼ大通りにある、おしゃれなデンマークレストラン『フローラ・ダニカ』、『エルメス』や『ルーブル美術館』など、数々のレストラン、老舗メゾン、文化施設やイベントの花を長年担当しています。

サントノレ通りにあるショップでは、日本の花店と同じように買い物ができるので、パリ旅行の際にはぜひ立ち寄ってみてください。『パリ・フルリ』は、比較的手頃な価格でブーケを作ってくれます。

ホテル『レ・ベル・プラント』

レ・ベル・プラント Les Belles Plantes
ホームページ/https://www.restaurant-lesbellesplantes.com

パリ・フルリ PARIS FLEURI
ホームページ/http://www.parisfleuri.com

Credit

記事協力

角野恵子 Keiko SUMINO-LEBLANC
在仏日本人ジャーナリスト、コーディネーター。日本の企業に就職後、東京在住フランス人ジャーナリストのアシスタントを経て、1997年よりパリに移住し、在仏歴21年に。食とライフスタイルを中心に、日仏の雑誌およびwebで活躍中。共著に「DIYでつくるパリのインテリア」(エクスナレッジ)「パリでうちごはん そして、おいしいおみやげ」(小学館)など。プライベートでは、ふたりのパリジェンヌの母。
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