都会の緑がもたらす豊かな時間〜植物の文化を運ぶ vol.14 plants culture caravan
日常に緑ある豊かさと公園のような心地よさを提案しているparkERsが、観葉植物を日本の四季のある暮らしに取り入れ、新しい植物の楽しみ方をご紹介するこの連載。今回は、parkERsの花田美晴さんに、アムステルダムの公園にみる都会の緑がもたらす豊かな時間などについて語っていただきました。

目次
公園で過ごす秋時間
古くから文化や技術を交換し合い、関係を深めてきた日本とオランダ。そんなオランダの首都アムステルダムの中心地のすぐそばにあり、150年の歴史と最大の面積を誇る公園「フォンデルパーク」を訪れました。
園内は東西に細長く延び、有機的なラインで芝・森・川などの自然風景を表現するイギリス式につくられています。


秋から冬へと表情を変えてゆく10月のある金曜日、15時。
まだ太陽が高く、日向の芝生は暖かいものの、大きな木の下では影が濃く少し肌寒い時間です。
水辺に座ってギターを弾く人、車椅子やベビーカーを押し散歩をする人、リードを外して思いっきり犬と遊ぶ人、大きな前かごに子どもを乗せて走る自転車、学校帰りに友達と喋っている子どもたち…。スマホを見ている人はほとんど見当たらず、皆が思い思いに公園ならではの時間を過ごしている姿が見られました。
これが、誰にでも平等に開かれている公園のあるべき姿なのかもしれません。
移り変わる変化を楽しむ

公園内を歩き進めていると、芝生の広場から針葉樹が立ち並ぶ森のエリア、紅葉した木々が茂るエリア、フラットな高さに水面がある水辺のエリアなど目の前の景色がどんどん変わっていきます。それと同時に、地面に落ちた緑や黄色のシナノキの葉、赤や茶色のナラノキの葉などカラフルな落ち葉が足元を彩ります。
クリやトチの実たちはゴロゴロと、大きなプラタナスの葉はバリバリと、芝の上や土の上、砂利道などさまざまな地面の変化が足の感覚を刺激し、一歩一歩の歩みが心をワクワクさせてくれるのです。

視界に入る景色の変化や足の感覚で楽しませてくれることはもちろんのこと、水辺の鳥や駆け回る犬の鳴き声、枯れ葉の上を歩く音、風にそよぎ葉と葉がこすれ合う音など、エリアによって変化する周りの音を感じるのも楽しみの一つです。
小さな季節の変化は、五感を澄ますと気づきに変わり、その時間が気持ちの豊かさとなるのではないでしょうか。


室内でも感覚を刺激する



日常に公園のここちよさを提案しているparkERsでは、室内でも外の公園で感じられるような感覚への刺激を体感できる空間をつくっています。
水の什器やアロマ、古材の家具製作、内装設計などを行うときも、そこにいかに自然の要素を感じていただけるか、どう気づかせるかということを大事にしています。

なにげない感覚や音、景色や植物などにも気づけるきっかけづくりをすることが新たな発見につながり、より身近に植物のある豊かさを感じていただけるかと思います。
今月の植木屋:森と人をつなぐ東京チェンソーズ

東京の檜原村で、「美しい森林を育み、活かし、届ける」を理念に林業を営む東京チェンソーズさん。
森林整備を進め、山の中のリアルな情報を発信しストーリーを伝えていくことに付加価値を見いだし、伐採した木を1本まるごと使い切ることにチャレンジしています。普通なら捨てられていた樹皮や形の悪い丸太や枝葉、根までも生かし、新たな商品として消費者に届けることで森の魅力を伝えています。
材として形が悪いといわれるものも、彼らの商品を通して見ると、深い味わいやその木特有の魅力が感じられます。枝葉や間伐材は切ったばかりの木の匂いが濃く、ダイレクトに森の空気を感じさせてくれるものです。
東京チェンソーズの間伐材のチップは私たちのオフィスの床にも敷き詰められていて、スギやヒノキが放つ森の香りと踏んだ時のザクザクとした感覚で檜原村の森を思い起こさせてくれます。
東京チェンソーズ
https://tokyo-chainsaws.jp/
森デリバリー
http://tokyo-chainsaws.jp/ippon/
Credit

花田 美晴(Miharu Hanada)
東京農業大学造園科卒業。在学中より青山フラワーマーケットでアルバイトを始め、その後parkERsに入社。大学で学んだ造園的な知識と、メンテナンスをはじめとするさまざまな現場経験を武器に、植物を通じて人が幸せになるような空間づくりを目指しています。
https://www.park-ers.com/

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