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サヘル・ローズさんが実践するベランダガーデンの楽しみ

サヘル・ローズさんが実践するベランダガーデンの楽しみ

女優のサヘル・ローズさんは植物を育てるのが大好き! 園芸高校で栽培を基礎から学んだ経験を生かし、今もマンションのバルコニーでたくさんの花と野菜を育てて楽しんでいます。サヘル・ローズさんが都会のマンションで実践するベランダガーデンの工夫や楽しみ方をご紹介します。

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サヘル・ローズさんが実践する
ベランダガーデンの野菜栽培

ベランダガーデン
Suwit Rattiwan/Shutterstock.com

我が家では毎年、夏に向けてベランダでキュウリとプチトマト、トマト、ピーマン、唐辛子、ハーブ類(バジル、パセリ、パクチー…などいろいろ!)スイスチャードなど、たくさんの野菜を育てています。家族は私と母の2人なので、ベランダの菜園で十分、夏中のサラダをまかなうくらいの収穫はあるんですよ。摘みたてのものをいただくのでフレッシュだし、自分たちで育てていると、完熟したものを味わえたり、ちょっと変わった野菜が食卓を彩るのも楽しいものです。

育てる楽しさと苦労を知り
プロの農家のスゴさも実感!

色とりどりの野菜
Goran Bogicevic/Shutterstock.com

だけど、やっぱりプロの農家さんはすごいなぁとも思います。一生懸命に育てても、売っているものに味が追いつかないものがあって、なんでこんなに味が濃くなるんだろうって。きっと美味しくするための土作りとか、いろんな工夫や改良を重ねていらっしゃるんだろうなぁって思います。ナスも大好きなので育てていたのですが、以前、虫がたくさんついて苦労したので、もっぱらスーパーで買っています。ジャガイモも花がすごく可愛いので育てたいのですが、やはり虫がつくので害虫対策を考えてから、もう一度チャレンジしてみたいなと思っています。どなたか、よい方法があったらぜひ教えてくださいね。こうやって自分の手で育ててみると、一つの野菜ができるまでにどのくらいの時間と労力がかかるのか身をもって知ることができるので、スーパーで並んでいる野菜を買うときも楽しくなります。

『サヘル・ローズさんが語るガーデニングの原点、土の癒しパワー』

ベランダガーデンを楽しむ
サヘルさんちのバルコニーの条件

サヘル・ローズさん

我が家のバルコニーは横長で奥行きの浅い、いわゆる普通のマンションのバルコニーです。そこに鉢を並べて野菜や花を育てています。母は見た目が可愛いほうが好きなので、レリーフのついた鉢やハンギングバスケットを多用しています。水は洗濯機の水道の蛇口の一つをベランダ専用にして、そこにホースをつないで部屋からバルコニーへ引っ張っているので、普通のお庭の水やりと変わりません。ジョウロに水を入れて何度も運ぶには鉢の数が多いので、このほうが楽です。ラッキーなことに、日当たりはとてもよいのです。バルコニーは東向きで、午前中の明るい陽射しが当たり、西日が避けられるのは、植物にとってはよい環境です。

サヘルさんが実践するベランダの
限られたスペースを有効活用する工夫

① 階段状の台を使う

ガーデンシェルフ
Ingrid Balabanova/Shutterstock.com

マンションのバルコニーという限られたスペースを上手に生かすには、いくつかのコツがあります。地面の面積はどうしても限られるので、縦に空間を使いこなすことが大事。我が家では階段状の台を置いて、そこにいくつもの鉢を並べています。こうした台を利用すると、より多くの鉢を置くことができるというメリットのほかにも、鉢の高さが上がった分、風通しもよくなり、日照も得やすくなります。

私たちは動くことができるので数十cmの環境の差をあまり感じませんが、動けない植物にとっては、わずかな風通しの違いがとても重要。生育に大きな違いが出たり、ときには同じように世話をしていたつもりでも、ちょっとした場所の違いで枯れてしまう鉢もあります。夏場は場合によってはバルコニー床の温度が50℃近くになることもあるので、コンクリートに直置きにするより、台を使って鉢の下にも風が通り抜ける空間を作ってあげたほうが、植物も快適に過ごせます。鉢を置くときは植物のサイズを考えて、下の段に大きいものを、上の段に小さいものを置くと、陽射しを妨げず健やかに育ってくれます。

② ハンギング鉢を使う

ハンギングトマト
トマトもハンギング栽培可能。写真はハンドレッズ・アンド・サウザンズという品種。
Del Boy/Shutterstock.com

また、吊り下げて使うハンギング鉢も空間を有効活用できるベランダガーデンの必須アイテムです。ハンギングバスケットは初心者にとてもオススメ。観葉植物をセレクトすれば、部屋もおしゃれに演出できます。枝垂れる植物を3つくらい選んで高さに差をつけながら吊り下げると、急におしゃれ感が出るんですよ。家具を吟味してセンスのよい空間をつくるより、ずっと簡単に、しかもリーズナブルにお部屋を素敵に演出できるので、新生活を始めてお部屋づくりをしている方にはぜひ取り入れてほしいです。地面に置いてある鉢だと、意識していないと水やりなどのお世話を忘れがちですが、ハンギングで常に目に入る位置にあると、変化にも気付きやすいし、植物がすごく身近な存在になります。植物を育てるって、慣れていない人にとっては、しゃがんで何かするというのが、いかにも「園芸」って感じでハードルが高くなりがちのような気がするんです。だから最初は植物のほうの高さを上げて、「育てる」っていうんじゃなくて「見る」という感覚で気楽に取り入れればいいと思います。

ハンギングに合う植物

ハンギングに選ぶ植物は、枝垂れる葉をもつもので、初心者の方は葉の肉厚なものがオススメです。多肉植物のような肉厚の葉をもつ植物は、自分の体内に水分を貯蓄しておくシステムがあるので、水やりは少なくて済みます。光と風は必要なので、戸外か室内なら陽の当たる場所に置いて、風通しに気をつけてさえやれば、すくすく育ってくれますよ。

グリーンネックレス

グリーンネックレス
norinori303/Shutterstock.com

ポトス

ポトス
yoshi0511/Shutterstock.com

シュガーバイン

シュガーパイン
KPG_Payless/Shutterstock.com

リプサリス

リプサリス
Miss.Suchada/Shutterstock.com

ディスキディア

ディスキディア
iamtui7/Shutterstock.com

③ つる植物を育てる

ブドウ
アーチに仕立てたブドウ。紅葉も美しい。
Chrislofotos/Shutterstock.com

それから、アーチやフェンスなど構造物を使って仕立てられるつる植物も、ベランダガーデンにはとても有効。我が家は母の名前でもあるジャスミンとブドウ、ブラックベリーを育てています。ブドウはワインに使われるシャルドネなど、3種類。アーチやベランダのフェンスにつるを絡ませて、グリーンカーテンのように仕立てています。果実もちゃんと実って、鳥も食べにくるんですよ。私たちが生で食べるには、やっぱり売っているものにはかなわないのですが、それでも美味しくいただくよい方法を発見したんです。それが干しブドウ! 樹上で水分が飛ぶくらいまで果実が熟成してから収穫し、ザルの上でさらに干すと、すごく味の濃い干しブドウになるんです。ブドウは葉の形も果実もとても美しい果樹で、ベランダでも育てられるのでオススメです。

カレンダーをめくるように
花を飾って暮らす

サヘル・ローズさん

植物との暮らしを外から始めるのが大変そうだったら、家に花を飾るっていうところから始めてもいいと思うんです。季節の花を知るというだけで、とても豊か。カレンダーをめくるように、季節ごとに花を変えるのを習慣にしてみてはいかがですか。日本には生け花という素晴らしい文化があるのですから、ぜひ若い方にも花のある暮らしを楽しんでほしいなと思いますね。我が家では、母がベランダで咲いている花を集めてきて飾るのですが、鉢で育てている花だけだって、可愛いブーケにできるものですよ。

『サヘル・ローズさんが語るガーデニングライフとバラに託す大きな夢』

植物との暮らしは
発見と学びがいっぱい!

バラと少女
1階のバラの庭に遊びに来た女の子と。

そうそう! 先日、お仕事でバラのブーケをもらったんですけど、とても美しいバラで。それを花瓶に入れて飾っていたら、ある日、根っこが生え始めたんですよ! すごいですよね、この生命力。とても感動しました。だから、それを土に植えたらどうなるかなって、今ベランダの鉢植えで実験しているところなんです。‘サムライ’という切りバラの品種で、真紅のすごく素敵なバラなんです。苗が流通していないので、このまま育ってくれたら嬉しいなぁって、ベランダでチャレンジ中です。

植物と暮らしていると、こんなふうに大人になってもいろんな発見や学びがあって、常にワクワクしていられる! 最近、私はバラを勉強中なのですが、同じバラでも品種ごとに生育の個性があるっていうことが分かってきて、すごく面白い! 失敗もあるけれど、そこから学ぶこともたくさんあり、人との出合いもあって幸せです。

写真(上記以外)/albert_sun3

取材・まとめ/3 and garden

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