植物を育てる人のごくごく個人的なガーデンストーリー。今回は、山林を自ら造成し、裏の森へとけこむような土地で花と緑に囲まれて暮らす、北海道の山崎亮子さんから届いた秋冬のストーリーをご案内します。庭に咲いたカレンデュラ(和名、キンセンカ)を使って、家族みんなで愛用する自家製ナチュラルオイルづくりをご紹介します。
目次
夏の庭の思い出も一緒に閉じ込める手づくりオイル

今年の晩夏は、台風や地震など落ち着かない日もありましたが、私もやっと、いろんな状況が一段落した秋。夏の間に集めておいたカレンデュラの花びらで、そろそろオイルをつくろうかなぁと思います。
庭というより、森の自然と共に生きてる我が家。野原そのものの庭もすっかり秋らんまんです。夏の思い出を詰め込んだ、毎年の恒例行事になっているオイルづくり、その工程をご紹介します。
冬のお肌をしっとりさせるカレンデュラの効果

我が家は全員、乾燥肌で敏感肌。空気が乾燥して肌がヒリヒリする冬の間に、安心して使える無添加オイルが生活の必需品になります。オイルには、お肌しっとりの嬉しい効果があるカレンデュラをプラスしています。
ふわりと咲き広がったカレンデュラの花びらを、通気がよいように広げておきます。花はタネがつかない方が長く咲いてくれるので、惜しげなく摘み取ります。

カレンデュラには、淡いレモン色やコーヒー色などオシャレな花色もありますが、薬効があるのは昔ながらのヒマワリ色だけ。ヨーロッパでは古くから花びらを浸したオイルが、傷や火傷に使える民間療法薬になっていました。
手で摘めば、ほのかに粘りのある汁が肌に触れます。「昔の人は乳液のような汁に肌を守る力があるのではと直感で思ったようですよ」とハーブについて学んだ先生がおっしゃっていました。

家の周りに明るい花を植えて、家族みんなの元気を祈った花が、今は科学的にもカロチロイドやフラボノイドが含まれると分かって、オーガニックな化粧品などに重宝されていることにロマンを感じます。

私はトレイのような平たいカゴに布を敷いて、木の枝にかけておきます。布目に花びらが軽く引っかかるので少しくらいの風なら大丈夫。あっという間に小さく細く縮んで、朝に摘んだ花は夕方にはもうカラカラです。集めた花びらが夏の思い出。
カレンデュラの花が乾燥したらオイルに漬けます

漬け始めたら、ハチミツ色のオイルができるまでに2週間。今年はお茶用に干したミントとポプリのローズも試しに漬けてみました。果たして色や香りがつくのか…ワクワクします♪ もし失敗したら、家具や床のワックスにしようと思います。

カレンデュラの花びらが乾燥したら、次に用意するのは無添加のオイル。オイルに対して5%の重さの花びらと清潔な瓶、紙のコーヒーフィルターも使います。
作り方はとっても簡単。花びらを入れた容器にオイルを注ぐだけ。2週間、たまに振りながら漬けておき、最後に紙のフィルターで漉して完成です。
使うオイルは「キャリアオイル」の表示がある、無添加のオイル。今はネット通販や雑貨店で手軽に手に入るようになりました。オリーブオイルやホホバオイルなど、さまざまなオイルから、肌に合うものを選ぶのも嬉しい悩みです。

つくるとなると、レシピが気になりますよね。ですが重さがなくなった? と思うくらい小さく縮む花びらを、花壇でたくさん採集するのは大変です。ほんの少ししか集まらず、小瓶の中で踊るような花びらの量でも、ガッカリしないで。
ハチミツ色のオイルは見ているだけでも癒やされます

花びらの色が滲み出ているなら、成分はオイルにしっかり滲み出ています。2週間漬け込んでいる間、眺めているのも心癒やされますよ。家族や友人に「キレイだね」なんて言ってもらえたら心ウキウキ。

できたオイルは明るいハチミツ色。元気が注入できそうな色だなあ…といつも思います。

紙のコーヒーフィルターを先が三角になるように折って、花びらを漉しながら、小瓶に入れます。保存の目安は冷蔵庫で約3カ月間。北海道の長い冬の間中使うには、もう1回つくらなくちゃ♪

夫や息子が持ち歩いて恥ずかしくないように、シンプルな旅行用の詰め替え容器を選びました。
ラベルに書いたのはカレンデュラの学名「カレンデュラ・オフィキナリス」。“オフィキナリス”とは、“薬用”の意味なんですって。肌荒れが軽くすみますようにという、私からの「おまじない」です。
花びらは、手づくりコスメの材料として購入することもできます。ヒマワリ色の素朴な花畑、風に揺れる花々の風景……。ヨーロッパの昔の暮らしに思いを馳せて、ナチュラルコスメをつくる秋冬の夜長も、よい時間の過ごし方かなと思います。

先日、雨上がりの庭に出てビックリ! 「キノコの山」になっていました。食べられるかどうかキノコ図鑑を見たら、「不明」ですって。うーん、残念!
今年の初雪はいつなのか。外の空気が1日1日変わっていくのを感じつつ、残りわずかの秋の日を楽しみながら冬支度を始めています。
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