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「私の庭・私の暮らし」紅葉が美しい木々の庭 東京・前島邸

「私の庭・私の暮らし」紅葉が美しい木々の庭 東京・前島邸

花や緑に親しみ、季節感に溢れる暮らしを訪ねる「私の庭・私の暮らし」。今回は、住宅街の一軒家で90株以上の樹木を育てながら、季節の移ろいを毎日眺めて暮らしている前島さんの庭を訪ねました。

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カラフルな花々が咲くガーデンも魅力的ですが、花の背景に樹木があり、夏には日を遮って木陰をつくってくれる落葉樹が育つ庭もまた魅力的です。庭に木を初めて植えてから40年がたち、ますます樹木の魅力に引き込まれているという東京都の前島光恵さんの庭は、今では90株以上の樹木が育っています。

90株もの木を植えるなんて、広いスペースがなくては難しいと思いますよね。でも実は、前島さんの庭の面積は120㎡(約36坪)と住宅街では一般的なサイズです。いろんな種類の木を育てたいからと、大木にまで育ったシャラやカシノキ、コナラ、ヤマモミジ、ソヨゴ、アブラツツジなどの間に、ゆっくり育つ樹種で、さらには華奢で美しい枝ぶりの苗を探しては植えてきたことで、実現できたのです。

このカラフルな葉は、前島さんの庭で11月に色づいた紅葉です。赤や黄、オレンジ、橙と、色幅も広く、葉の形もそれぞれ違い、見ていて飽きませんね。「お気に入りの紅葉樹を教えてください」とお願いしたら、前島さんは、庭の奥から順番に1本1本、木の名前を呼びながらお気に入りの29種を教えてくれました。

少し葉が大きめの赤く色づく樹種8種。左から、ムシカリ、ネジキ、ジューンベリー、ウリハダカエデ、シラキ、メグスリノキ、コハウチカエデ、フウリンガマズミ。近年、シンボルツリーとしても植える人が多いジューンベリーは、6月に食用できる小粒の果実をつけ、野鳥も集まってきます。

葉が小ぶりでも、濃い赤色が庭に映える紅葉樹11種。左から、ミツバツツジ、カマツカ、チチブドウダン、ナツハゼ、ツリバナ、アブラツツジ、コマユミ、ズイナ、コバノガマズミ、オトコヨウゾメ、バイカツツジ。

葉が小ぶりな紅葉の中に名前があがっていたアブラツツジは、春にスズランに似た小花が房状に咲き、秋には小さな実を下げる美しい木。前島さんが特にお気に入りで、部屋から一番見やすい場所へ植えています。

黄金色が美しい樹種10種。左から、アメリカハナズオウ‘フォレスト・パンシー’、アズキナシ、クロモジ、シロモジ、ダンコウバイ、ハウチバカエデ、シロバナマンサク、カナダコナラ、ウリハダカエデ、アブラチャン。一番左にあるアメリカハナズオウ‘フォレスト・パンシー’は、葉が芽吹く前にピンクの花が房状に咲きます。それから赤紫色の葉が芽吹き、次第に緑色に変化して、秋には写真のように黄色く紅葉するという個性的な木です。

バイカツツジは紅葉しているときから、すでに葉のつけ根部分に、春の新芽を準備していました。

最初は呪文のようでなかなか覚えられなかった木の名前も、毎日近くで眺めて、その変化に感動をもらっているうちに、自然と口をついて出るようになるのもガーデニングの面白いところです。

すっかり葉が落ちた2月の庭では、木々の株元に植わる福寿草やイチゲ類、クリスマスローズなどが陽をうけて、新しい年を祝うように花を咲かせます。そして、葉が茂り木陰をつくる初夏になると、暑さが苦手なクリスマスローズなどが日陰で夏を越します。

みずみずしい新緑のグラデーションが庭を明るくする初夏。木にかけた鳥小屋にシジュウカラなどの野鳥がやってきたり、ジューンベリーが実るなど、賑やかで嬉しい季節がまたやってきます。

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Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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