花や緑に親しみ、季節感に溢れる暮らしを訪ねる「私の庭・私の暮らし」。SNSで全国のガーデニング仲間とつながりながら、自身も千葉の自宅でDIYと庭づくりを楽しむ橋本景子さんが、お気に入りの庭をご案内。今回は、広いテラスのある住宅と庭の魅力に加え、宿泊可能なキャビンを備えて“WWOOF(ウーフ)”を実践する茨城県・堺正江さんの取り組みをご紹介します。

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植物をふんだんに使ったおもてなし

「ぜひ一度遊びにいらしてくださいね〜」とお誘いを受けて、堺さんのお宅に初めてお邪魔したのが2020年のクリスマスイブでした。

クリスマスランチ
「簡単なランチをどうぞ」と案内されたテーブルには、庭の植物をふんだんに使いアレンジされたクリスマスの雰囲気いっぱいのご馳走が並んでいて、びっくり。

クリスマスシーズンだからと、庭から集めたグリーンでデコレーションしてくださった、手作りランチ。その温かいおもてなしに大感激のひとときを過ごしました。そして、その時に交わした、次の春のガーデンを見せていただく約束が、2021年に叶ったのです。

バラが咲き、新緑が眩しい5月の庭訪問

バンブルビーガーデン
国道から脇道に入って少し走ると「B・G」の看板が。

「Bumblebee Gardens」と名付けられた堺さんのガーデンに通じる道路は、うっそうとした5月の緑に囲まれ、真冬とは全く違う印象。ナビをしっかり確認しながらゆっくりと車を走らせました。

ガーデン
左/シェッドに誘引されている‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’が満開でお出迎え。右/バラの株元には、コバノズイナやリシマキアの銅葉が植えられて。

無事に到着して車を停めると、まず目に入ってきた景色は、家屋の隣に作られたシェッドに誘引されているバラ。見事な咲き姿です。その向こうに見える2つの三角屋根が住居です。

つるバラの‘ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンド’
駐車場からのアプローチは、つるバラの‘ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンド’とコバノズイナ、足元にはラミウムが茂る花の壁面に。

赤毛のアンをイメージした住宅と庭

テラスのある家
ガーデンから住居を見上げて。

堺さんのお宅は茨城県南東部、国内2位の大きさで知られる湖、霞ケ浦に近く、遥か西方に筑波山を望む静かな田園地帯にあります。建物は『赤毛のアン』に出てくるグリーンゲイブルズをイメージしたデザインで、緑の屋根と白い壁が印象的な輸入住宅。

庭木
別角度から眺める住宅と樹木。

ご主人の仕事で九州に住み、この土地に戻ってから、奥さんは園芸関係の仕事についたあと、バラや宿根草中心のオーガニックにこだわったガーデンづくりをしながらプランツギャザリングの講習会を開催。ご主人の木工教室やオープンガーデンも開催しています。

猫のいる庭

まず、テラスへ入っていくと頭上には真っ白なオーニングが日差しを和らげていました。そして、お迎えしてくれたのは猫のグリズリー。ここでは3匹の猫が仲よく暮らしています。

庭を見渡す手作りのテラス

テラス
左/テラスの奥から玄関方向を見て。

テラスに設けられた窓は開閉自在で、寒さや雨を凌ぐためにとても便利です。頭上の白いオーニングとシャンデリアの飾りが、お洒落なカフェにでもいるような気分を盛り上げています。

そして、この日いただいたデザート(上写真右)は、お庭の草花で飾られたヨーグルトとアイスクリームの一皿。庭で育ったベリーもトッピングされたスペシャルなおもてなしを、絶景を独り占めして楽しみながらいただきました。

庭
テラスから見下ろす庭の眺め。左奥に見えるのは、フォーカルポイントのガゼボ。右手には白い花をつけたヤマボウシの木がアクセントに。

DIYが趣味のご主人お手製のデッキのテラスからは、少し低い場所にあるガーデン全体が見渡せるようになっています。ここでは木工教室を開催したり、カウンターでお客様にお茶を出したり、また年に一回のオープンガーデンではカフェとして利用するなど、テラスのおかげで、庭の使い勝手が広がりました。

キャビンを庭に備えて堺さんご夫婦が取り組む「WWOOF」

ガゼボ
左/庭のフォーカルポイントとなる大きなガゼボを覆っているのは、つるバラの‘安曇野’や‘ボニー’。右/広いガゼボの中に腰掛けると、視線の先にはテラスが。
ガゼボに咲くバラ
ガゼボに覆い咲く薄ピンクのバラ‘ボニー’越しにテラスを眺める。
キャビン
庭には、ゲスト用のキャビンも。これもご主人のDIYです。

ゲスト用のキャビンの外観は、イエローとラベンダー。残っていたペンキを使ったとは思えないインパクトのある色使いです。緑溢れる庭の中で、とても絵になる場所になっていました。

キャビンの内装

キャビンの中には、2つのベッドとご主人手作りの小さな机が。その上には庭のバラたちが飾られていて、ゲストのためにいつもスタンバイしています。

断熱材に新聞紙を使ったというキャビン内は、とても静かで寝心地抜群なのだとか。

堺さんはガーデンを、「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」をお金のやり取りなしで交換する『WWOOF(ウーフ)』という会員制の組織のホストとして登録し、世界各地から「ウーファー」と呼ばれるボランティアの受け入れをしています。

もともとはWorking Weekends On Organic Farms (有機農場での週末作業)として、週末だけ農家に行って手伝うことから始まったWWOOF(ウーフ)は、1971年イギリスで始まり、オーストラリア、ニュージーランドで発展して、今や世界60カ国に事務所がある会員制の仕組み。滞在してホストの家に関する手伝いをし、ホストと楽しく交流しながら、「何か」を得ようという意気込みを持つさまざまな国籍のウーファーたちが世界中でWWOOFの活動に参加しています。

ガーデン
テラスからの庭の眺め。左/左上にガゼボの屋根が見え、右には休耕田が続いています。右/園路に沿って、小さな植え込みがあり、写真右上にはグリーンのベンチが見えています。

堺さんも、外国人ウーファーに宿泊場所と食事を提供し、その代わりにガーデンでの作業の手伝いをしてもらっていました。

コロナ禍で、行き来が不自由になり、ウーファーの滞在はここしばらくありませんが、早く行動の制限が無くなり、またこの場所でウーファーたちと、オーガニックなガーデンづくりを楽しむ日が来ることを、堺さんご夫婦は待ち望んでいます。

堺正江さんのインスタグラム rosasakai

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.6万人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどうつくろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。

YouTube Kay garden
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

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