手作りで理想の庭を目指す! ⑤ 小さな庭のDIY〜小道のメンテナンスリフォーム〜

庭づくりは、自分の手で少しずつ理想の形に近づけていくのも楽しみの一つです。これまでガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた庭を持つ千葉在住の橋本景子さんは、長年の庭づくりを通してDIYの腕も上げ、毎年ひらめきと手仕事で庭のクオリティーをアップさせています。ここでは、橋本さんが実際に行った庭づくりのプロセスをご紹介。今回は、デッキからレンガ敷きに変える、小道のメンテナンスリフォームをご紹介します。
ローコストで作ったデッキ風通路

千葉にある我が家の庭のDIYについて、これまで母屋の裏手にあるテラスの2代目パーゴラの完成と、レンガを敷き直したプロセスのご紹介までを綴ってきました。
DIYは楽しくやりがいのあるものですが、木材を使った構築物には必ず寿命があり、また、ペンキ塗りなどのメンテナンスも必須となります。寿命を伸ばそうと思えば、防腐性や防虫性に優れたセランガンバツやイペなどの資材を使えばよいのですが、SPF材に比べるとコストがかなりかかります。そして、ウリン材などは密度が高いために、硬くてカットなどの加工が大変なうえ、ビス打ちも一度しっかりと下穴をあけてからという手間も必要になります。

私はプロではなくアマチュアで一般主婦なので、コスト面を最優先し、ローコストで簡単に作れる方法を選んでしまったことと、構築物のメンテナンスや作り直すことも楽しみの一つだと考えて作ったのが、このデッキ風通路でした。

小道のデザインは年とともに変化

まさか今のように、この狭い敷地のほぼすべてのスペースを庭として使うことになるなんて、当時は想像もしていませんでした。敷地の一番奥にテラスを作ったので、そこまでの通路として、最初の頃は芝生を敷き、ステップとしてレンガを並べていました。
しかし、西からの太陽が照りつける小道は、オープンガーデンに訪れたお客さまがステップに気づかずに芝を踏んで行き来したことにより、芝生が擦り切れて傷んでしまいました。その後数年で、さらには雑草だらけの情けない状態になってしまい、芝の代わりの案として思い浮かんだのが、デッキに変えることだったのです。
防腐加工のSPF材は私にとっては高額でしたが、少しでも耐久性に優れたものをと選びました。施工するにあたり、デッキの下に砂利をたくさん入れて、木材と地面ができるだけ接しないようにと気をつかい、さらには再塗装も何度かしました。ですが、10年近く経つと、歩くだけで「腐っているな」と分かるまで傷みがひどくなったので、デッキを撤去し、テラスのレンガ敷きにつながるようにレンガを敷くことにしました。

デッキを撤去する作業も一苦労!

いざデッキ材の撤去を始めてみると、何年か前に植えたホップが、防草シートの上にも下にもゴボウのような根を伸ばしているじゃないですか! これらをすべて撤去するのは、本当に大変な労力でした。
また、同様に植えていたプミラとヘンリーヅタも絡んでいて……。
どれも旺盛に生育する植物なので、こんな狭い場所に気軽に植えてはいけなかったのです。「もう二度と植えないで!」と過去の自分に怒りながら、やっとの思いで撤去を終了しました。

小道を作る素材集めのコツ

テラスにレンガを敷いた時は、石やレンガ、コンクリートブロックなど、形も大きさも厚みも多種多様な素材を使って、モザイクのように置いて砂ぎめをする方法でした。それと同じ技法で通路をつなげるために、まずは手持ちの素材の在庫を確認。さらに買い足す必要があったので、出掛けついでに通りがかったあちこちのホームセンターで少しずつ素材を買い足していきました。モザイク状にするなら、たくさんの種類を使えば使うほどパターンが複雑になって面白いので、素材集めのお買い物も楽しいものです。

“好きだなぁ、いいなぁと思ったら、素材も形もサイズも気にしないで買い込む”。これが私のスタイルです。
石材には定番ではないものもあるので、気に入ったレンガは見つけたら買っておき、庭の隅に積んでおいたり、並べておくのがよいでしょう。そうして庭で自然に汚れたものをDIYに使えば、作ったばかりとは思えない味が出ます。また、アンティークのレンガはなかなか出合えないので、お財布が許す限り大人買いがおすすめ。
あまり大きなサイズのものは狭い通路には使いにくいですが、小さなものは隙間に使えるので重宝します。
モザイク張り小道作りスタート


小道作りに大切なのが地面の水平を出すことですが、ここで登場するのが「アルミ製1,995mm丸パイプ」。この2本のパイプの上に水平器を置いて地面の高さを調整します。アルミ製なら材木などと違って歪みがなく、長いものなら広い範囲の水平を確認できます。
まずはじめは、砂利の高さを決めます。“すでに出来上がっている部分”と、“いちばん高いレンガと敷く砂利の高さを足した高さ”が水平になっている必要があります。



さて、いよいよレンガを敷く作業です。不揃いの石材をパズルのように組み合わせながら敷き詰めてみて、そこから最後に水平などを調整していきますが、ここでも重要なのは高さです。
一番厚みのあるレンガの上に水平器を乗せて、すでにでき上がっているテラスの敷石と水平を取りながら、小道の石材を並べていきます。薄いレンガは、後から砂利や砂を入れて高さを出しますので、素材の高さが違えば違うほど微調整が面倒な作業になります。でも、この一苦労が、モザイクのような面白いパターンを成功させる秘訣です。

レンガの高さを微妙に調整していくのは根気が必要な細かい作業です。


完成しました!
小道とテラスが一続きになりました

完成して1カ月後にオープンガーデンがあり、たくさんの人に踏まれたことで、レンガは多少沈みました。
すぐにメンテナンスしましたが、大雨が降ったり、霜で持ち上がったり、寒さで凍って割れたりと、天候の影響で補修が必要なこともあります。
しかし、コンクリートで固めていないので簡単に補修ができますし、飽きてきたら違うパターンにしたりと応用が効くのも、アマチュアDIYの楽しさです。自分で作ると、多少の歪みも「味だから」と愛おしく思えます。
10年で芝生、デッキ、レンガと変遷した通路は、もうしばらくはこのままだと思いますが、次の懸案事項は、階段庭のレンガ敷き。

このエリアのレンガ敷きも同じパターンにしようかなと思っているのですが、さていつできることでしょうか(笑)。
Credit
写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto
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