30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了された遠藤昭さん。帰国後は、オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で100種以上のオージープランツを育ててきました。60㎡の庭づくりを続けて25年、ガーデニングコンテストを数々受賞してきた遠藤さんによるガーデニングエッセイ。

オージーガーデニングのすすめ
愛犬と暮らす庭

犬のいるガーデン風景って素敵だ。やはり犬に動きと表情があるからだろう。植物にも表情はあるが、どちらかといえば静の美しさであり、犬の動きが静の世界に活力を与えてくれる。僕は毎日、愛犬の写真を20年間撮り続けてきたが、背景には庭があり、さまざまな思い出が蘇る。

一枚一枚の愛犬の写真に我が家の庭の背景があったからこそ、その時の状況を思い出し愛おしく感じてしまう。写真は2011年のデルフィニウム、エキウム、ジギタリスが満開の頃。メルもシャーロットもカメラを構えると、必ずお座りをしてポーズをとる。

僕にとってガーデニングと愛犬は、極めて近い距離にあり、その思い出は重なる。そもそもガーデニングと愛犬に興味を持ち始めたきっかけはメルボルン駐在時代に広い庭つきの家に住んだことである。当時、子どもたちは小学校と幼稚園に通っていた。しかし、いきなり現地校に通わせたので英語が解らず、なかなか友達ができないので、家に帰っても寂しそうだった。そこで飼い始めたのがイングリッシュ・コッカースパニエルだった。名前をメルボルンにちなんで、メルと名づけた。お陰で子どもたちは広い庭の芝生でメルと遊び、友達のいない寂しさを紛らわせることができた。やがて子どもたちもメルボルンの生活に慣れ、友達もたくさんできた。

帰国後は、しばらくマンション住まいだったが、メルボルンの庭つきの家の生活が懐かしく、幸い近くで猫の額ほどの庭つきの一軒家を得た。早速オーストラリアスタイルの生活を復活させたのだ。僕はオーストラリアからオーストラリア原産の花木のタネを輸入して育て、子どもたちは、イングリッシュ・コッカースパニエルを飼い始めた。名前は、メルボルンでの飼い犬と同じメル。


メルは11歳の時にガンで亡くなってしまったが、次に飼った犬もイングリッシュ・コッカースパニエルで、名前はシャーロットだ。シャーロットは里親犬で引き受けた。イングリッシュ・コッカースパニエルは、元々、狩猟犬なので活発でやんちゃで陽気だ。僕の生活は、早朝の犬の散歩に始まり、散歩を終えてから庭の手入れをする。この間、愛犬は庭で放しておくことが多い。庭の写真を撮って毎朝ブログにアップすることを日課にしているが、この時に愛犬の写真も1枚撮ってアップするので、愛犬たちの写真もこの20年間で7,000枚を超える。そして、ほとんどの写真の背景には庭が映っている。愛犬と共に歩んだ20年のガーデニング生活だ。


休日に、庭仕事をする時も、犬は庭に出しておくことが多い。犬は庭が大好きである。幸か不幸か狭い庭なので、庭に愛犬を放しておいても目が行き届くので、あまり心配はないが一度だけメルが道路に飛び出して車に跳ねられたことがある。軽い怪我だったがそれ以来、門扉は二重にしている。またアガベなどの鋭い葉は高い場所において愛犬たちがケガをしないようにしている。

犬は胸やけをおこすと草を食べて吐き出すが、我が家では笹やグラスを食べられたことがある。歴代の犬に共通してイネ科の植物を食べたがるようだ。植え込みに入って穴を掘ってしまうこともあるが、植えた草花が被害にあったことはなく、犬たちもわきまえているようだ。発酵油かすなどの匂いがある肥料は食べてしまうので使用できない。

花づくりと愛犬の共存は難しいといわれるが、我が家は、いわゆる花壇がなく草花は鉢で育てているせいか、特に難しさを感じていない。通路とテラスは花崗岩の平板とレンガで平らにして周りに砂利やバークを敷いているが、犬たちは歩きやすい平らなところを歩き、砂利やバークの中には入らない。

愛犬たちの寿命は短く、必ず別離の時がやってくる。我が家は庭に「バイオリンを弾く犬」の像を置き、墓石としている。傍らで季節ごとの花が咲き、いつまでも愛⽝たちは天国から庭の季節の花を楽しみ、僕らを⾒守っている。
Credit

写真&文/遠藤 昭
「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。
ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
季節のおすすめアイテム
ホースガイド ジョウロ -GARDEN STORY Series-
庭にホースを伸ばして水まきをする際、ホースが大切な植物をなぎ倒してしまうのを防ぎます。地面にスッと差し込むだけで、花壇の縁やアプローチ横など、ホースが通るルートに手軽に設置できます。ジョウロのモチーフが庭の風景によくマッチ!
新着記事
-
ガーデン&ショップ

虹色アンブレラと花々の絶景!横浜で見つけた初夏の最強フォトスポット「横浜イングリッシ…PR
全国各地にあるアジサイの名所とはひと味違うと評判の、神奈川県横浜市「横浜イングリッシュガーデン」は現在、遅咲きのバラと早咲きのアジサイが同時に楽しめる貴重なシーズンを迎えています。300品種ものアジサイ…
-
園芸用品

夏野菜の収穫量は5~6月の対策で決まる⁉ 初心者でも簡単にできる「病害虫バリア」の作り方PR
日差しが一段と強くなり、気温も上昇する5月。庭やベランダ、そして家庭菜園の植物たちがぐんぐん育つ嬉しい季節ですが、じつは「害虫たちの繁殖」もピークを迎える時期であることをご存じでしょうか? 「昨日まで…
-
ガーデン&ショップ

365の季節をもつガーデンとは? 名古屋に誕生した「メグラスガーデン ナゴヤ」を徹底解説PR
2026年春、名古屋港に誕生した「メグラスガーデン ナゴヤ」。一歩足を踏み入れると、花咲くガーデンが目の前に広がり、歩みを進めると春限定公開の「秘密の花園」や緑陰が美しい「こもれびの小径」など、6つの異な…

























