咲かせて、眺めて、飾ってうれしい、花のある暮らしにオススメの植物をセレクトしてご紹介。神奈川の自宅で小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さんが、冬のインテリアに取り入れるアロニアの実と飾り方アイデアなどをご紹介します。アロニア(セイヨウカマツカ/ Aronia_arbutifolia)は、育てやすく、四季の変化が楽しめるオススメの落葉樹です。
目次
庭で育てやすい樹木、アロニア

数年前、秋から冬にかけて赤い実のなる木を植えたくて庭に迎えたアロニア(別名セイヨウカマツカ)は、北アメリカ原産の落葉低木。食用の黒い実もありますが、残念ながら赤い実は観賞用です。けれども、耐暑性、耐寒性に優れ、生長も緩やか。細くしなやかな枝ぶりも魅力です。開花、紅葉、実り、落葉と一年を通じて変化する姿を楽しめます。
晩夏から秋へ、色付き始める実

朝夕の風に、ようやく涼しさを感じる晩夏。
庭では、秋の訪れを告げるホトトギスが咲き始め、パーゴラに絡んだ一才ヤマブドウが、みずみずしい黄緑色の実を揺らしています。ちょうど同じ頃、アロニアにも緑色の実が。爽やかなその色は、酷暑で火照った庭に心地よい秋の空気を運んでくれます。

シュウメイギクが咲くと、アロニアの実は緑から黄、橙色に。このカラフルな色が、庭を生き生きと秋らしい表情に変えてくれます。球根の植え付けや剪定が何かと忙しいこの時期、木漏れ日とじゃれ合うシュウメイギクのピンクの花びらと、愛らしいアロニアの実は、庭仕事の何よりの癒しです。
晩秋から初冬へ、ルビー色に染まる美しい実と紅葉

庭の小菊たちが可憐に咲き揃う晩秋。
アロニアの実は、日に日に赤みを帯び、秋の深まりと共に艶やかなルビー色に染まります。思わず手を伸ばして食べてみたくなるほど美味しそうに見えますが、「息が止まるほど渋い」のだとか。そういえば、ジューンベリーやサクランボの赤い実が大好きな野鳥たちも見向きもしません。彼らは、そのことをちゃんと知っているのですね。そのおかげで、毎年宝石のような実を長く堪能できます。

そして、この実の美しさに勝るとも劣らないのが紅葉です。緑にまじる黄、橙、赤…、色とりどりの紅葉は、軽やかなオーナメントのよう。花の少ない庭に、華やかな色味を添えてくれます。
アロニアの実と秋花の花あしらい

美しいアロニアの実は、切り花にも最適です。庭咲きのシュウメイギクやカイラルディア‘グレープ・センセーション’、小菊を合わせてすず竹のカゴに活けると、可憐な花々に小さな赤い実がアクセントに。季節の庭の恵みを集めた菊の香り漂うこの花あしらいは、わたしのお気に入りです。

また、白磁の器に、白い八重咲きのシュウメイギクと紅葉した山モミジを合わせると、光沢ある実の美しさが際立ち、凛とした印象に。和室や玄関に設えると、すっと背筋が伸びるような心地よい緊張感を与えてくれます。
アロニアの実とローズヒップのキャンドルリース

小菊が咲き終わり、庭が冬支度を始める12月は、つるバラのローズヒップが色鮮やかに。
アロニアの実とローズヒップで、キャンドルリースを作ります。リースといっても、水を張ったコンポートの縁にアロニアの実とローズヒップを沿わせるだけの簡単なもの。円を描くように実を短く挿したら、アロニアとつるバラの葉も添えます。モスグリーンのキャンドルを真ん中のガラスベースにしのばせて、クリスマスカラーに仕上げます。
寒さが一段と厳しくなる季節、キャンドルの灯りと小さな赤い実の彩りは、部屋の空気も心も温めてくれます。

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Credit
写真&文 / 前田満見

まえだ・まみ/高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。
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