自然と一体になって、植物のある暮らしをすることは、ストレスをコントロールし、心と体を健やかに保つ作用が期待できます。そんな植物を使った自然療法を総称して、「ガーデンセラピー」と呼んでいます。
ガーデンセラピーは、庭空間などの屋外だけでなく、室内でできることもたくさんあります。
その中の一つが、植物から抽出された精油という香り成分を利用した「アロマテラピー」。アロマテラピーの楽しみ方は無限大。たまに行くエステで楽しむだけ、芳香させるだけ…ではもったいないです!
私は、シャンプーや化粧水など、日々使う生活アイテムに精油でお気に入りの香りをつけて、アロマテラピーを楽しんでいます。
今回は、市販のハンドソープのもとに精油を加えるだけ! 簡単アロマハンドソープの作り方をご紹介します。どなたでも簡単に作ることができて、使う度に、植物のいい香りに癒されます。ぜひ実践してみてくださいね。
アロマテラピーって何?

アロマテラピーで使われる香りのもと、精油は、こんな小瓶に入っていて、エッセンシャルオイルとも呼ばれます。精油は、植物の花・果皮・果実・根・葉など、さまざまな部位から抽出された、天然の揮発性物質です。アルコールや水などは一切添加されていない、純度100%のものを精油と呼びます。
精油は、数十~数百種類の化学成分から成り立っていて、その成分があるからこそ、「除菌作用」や「消毒作用」などの心身へ働きかける作用が存在します。
「アロマオイル」「フレグランスオイル」など、合成して作られた香りや、アロマとつく商品名もたくさんありますので、購入される際には、必ず100%天然香料であることを確認してください。
精油って、どのくらい加えたらいいの?
精油は、植物から採れるチカラ。実は使用する濃度を守らないと、皮膚刺激を起こしたり、アレルギーの原因になったりもします。多ければ作用が倍増するということはありませんので、ご注意くださいね。
何かに精油を加える場合、精油の量は、全体の1%までにしましょう。日本人の希釈濃度は、最大2%までといわれていますが、私は安全面を考慮して、常に1%程度で留めています。
精油にはドロッパーという専用のふたがついていて、そこから、ポタポタと垂れる仕組みになっています。実は、そのドロッパーから落ちる精油の量は、0.05㎖と決まっています。

塩やこしょうのように振り下ろしたりしてしまうと、何㎖出てきたのか把握できません。自然に垂れてくるのを待って、滴数をカウントすることが大事です。
そのような理由から、精油を使う時には、常にこの希釈率を計算して、精油をどのくらいまで入れていいかを考える必要がありますので、計算してみましょう。
例えば、ハンドソープのもとが200㎖だったとします。精油は、全体の1%の量まで入れられますので、2㎖入れてもいいということになりますね。
精油の口から出る1滴が0.05㎖ですので、2÷0.05=40滴。
200㎖に対して1%濃度の精油の量は、40滴という計算ができました。精油を安全に楽しむためにも、この希釈濃度のルールは、必ず守ってくださいね。
アロマハンドソープの作り方
<用意するもの>
○ハンドソープのもと(無添加)

香料が入っていないものを選びましょう。裏の成分表を見ると、カタカナで書かれているものがたくさんありますね。精油で手作りする場合、材料はシンプルなものがベストです。
無添加の商品は、アレルギーの方やナチュラルなものを好む方も増え、最近は、ホームセンターやドラッグストアでもよく見かけるようになりました。ない場合にはインターネットで購入してくださいね。
私は泡タイプが好きですが、液体タイプでも同じように作れますので、お好みでご用意ください。
○お好みの精油1~2種類
精油は100%のものをご用意くださいね。
○ハンドソープ容器
<作り方>
1. ハンドソープの量を把握して、希釈濃度1%になる精油の量を計算する(200㎖なら40滴。100㎖なら20滴です)
2. ハンドソープをビーカーに入れて、その中にお好みの精油を垂らし、竹串などでよく混ぜる

3. 容器に移し替えて完成

<注意点>
・紹介している濃度は大人用になります。6歳以下のお子様には使用しないでください。また、15歳未満のお子様が使う場合は、精油の量を大人の半量~1/3程度に変更してください。
・自然の恵みが詰まった精油ですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。
・ご紹介したレシピの作用や反応には、個人差があります。ご利用の際には、身体に合うかどうかパッチテストを行い、違和感がある場合にはすぐ使用を中止するなど、ご自身で責任を持ってお試しいただくようお願いします。
・精油を用いて作ったものは、
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Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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