滋賀県の湖南地方で30年にわたって活躍している平野住建。滋賀県は京都や大阪への通勤圏で「滋賀に住みたい」という地元愛が深い地域だという。同社が提案するのは「この家を建てたからこそできる、幸せな暮らし」である。
四季を感じられる緑豊かな外構

平野住建の代表取締役・平野勝氏は、幸せな暮らしのあり方について考え、本物志向に行きついた。20年以上も前から自然素材や高性能使用を取り入れてきている。一見シンプルな間取りには55項目もある“平野スタイル”の設計手法が取り入れられている。
秋冬で花を咲かせる品種を選び、50種類以上の「在来種」の山野草と雑木を植えた。
長い人生を見据えた家造り

「家を中心に毎日楽しく暮らして欲しいので、何のために家を立てるのか、建てた後の人生までじっくり考えてほしい」という同社の家造りは、住む人全員の生活スタイルや趣味、好き嫌いなどを詳しく書き出す「構想ノート」から始まる。
大量に書く図案や、綿密な打ち合わせ時間は、家ができるまでを楽しんで欲しい気持ちの表れ。そして竣工後の人生の楽しみ方も増やして欲しいからだ。
緑を取り入れることで新しい趣味ができる人も

「『手間だから樹木は植えないで』とおっしゃっていた方も、庭をつくったら、庭いじりが趣味になった方もいますよ」という平野氏は、庭や緑が建物の魅力を引き出すだけでなく、楽しく暮らすためにも欠かせない要素だと考えている。
家と緑が合わさることで生まれる家の魅力

同社では基本設計と同時に植栽や外構をプランニングする。敷地を読み、最大限の良さを引き出すためだ。樹木が目線を制御し、緑が季節感や空間に落ち着きをもたらし、木陰が家を守る。外装は落ち着いた色合いを選び、町並みや樹木に溶け込み、ほっとするわが家に仕上げる。
家からの眺めも計算して作られた美しい庭

高台にあるF邸のアプローチの庭は、①帰宅時や来客者は外から②和室から③浴室から-三方向からの長めを意識してつくられた「眺める庭」だ。和室の窓は下半分だけを開口にして、モミジと蹲踞(つくばい)で遠近感のある庭をつくり、座して落ち着く、静かな空間に仕上がっている。
爽やかな風を感じられる、使って楽しむ庭

一方、使って楽しむ庭は、ダイニングに続く広いウッドデッキの屋外テラスだ。平野氏の考えでは、リビングは落ち着く場所、ダイニングは生活を楽しむ場所、テラスをダイニングにつなげるのは、動線を短くすることで、日常的かつ気軽にテラスを使えるからだ。夏季の西日を抑え、木陰をつくるため、テラスの傍や南西方向には広葉樹を植えることが多い。
雑木林の中に建つ家をイメージ

樹種は「きれいな雑木林の中に建つ家」をイメージし、モミジやヤマボウシ、ヒメシャラ、カツラなど手入れしやすい雑木が多い。また、湖南地方は冬季の北風が強いため、前出のような冬枯れしにくい樹種を選び、板塀を風よけにしている。
さらに平野氏自ら愛知県稲沢市や三重県の芸濃町にある樹木の生産地まで買い付けに足を運ぶこともあるほどの、こだわりぶりである。時間と共に味わいの深まる住まいづく
『HomeGarden&EXTERIOR vol.3』より
写真・図版提供/平野住建
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