咲かせて、眺めて、飾って嬉しい、花のある暮らしにオススメの植物と飾り方アイデアを、小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さんがご紹介。自宅の30坪の庭に咲く小さな花に春到来の兆しを感じ、生活空間にも春を呼び込む前田さんのガーデニングエッセイ。

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暖かな陽射しに、新緑がほころぶ3月。

小さな庭のあちこちでスミレの花も咲き始めます。もともと、この土地に自生していたタチツボスミレ、いつの間にか根づいていた西洋スミレ、そして、あまりの愛らしさにポット苗を買って植えたヒゴスミレとミスズスミレ。落葉樹の足元や、水仙やプリムラにそっと寄り添うように咲く健気さに、心が和みます。

鉢に植え替えてハンギング仕立てに

スミレの中でも強健なタチツボスミレと西洋スミレは、こぼれ種でどんどん増えるので、間引きを兼ねて鉢に植え替えて楽しみます。例えば、ランタンのフレームに合う浅鉢に株を寄せ植えしてハンギング仕立てに。表面に苔を敷いてナチュラルに仕上げます。夏椿の枝先に、紫色の小さな灯りが揺れる春のランタン。とても可愛らしく、わたしのお気に入りです。

小ぶりの器に挿して楽しむ

指先ほどのスミレの花を切り花で楽しむ時は、食器棚にある小ぶりの器が大活躍。花丈に合ったリキュールグラスや小ぶりのピッチャーなどが活けやすく、形の可愛らしさも花の雰囲気にピッタリです。「スミレの花束」のような花あしらいは、目にするだけで、自然と笑みがこぼれます。

また、水を張ったお皿にスミレの花を浮かべると、可憐な花の美しさが際立ち、とてもロマンティック。庭や道端で目にする野草の風情とは違う、甘美な花姿にうっとりです。

ティータイムが華やぐスミレの砂糖漬け

そんなスミレの花を、より優雅に堪能できるのが砂糖漬け。摘みたてのスミレの花と葉を軽く洗い、水気を切って乾かします。一輪ずつ卵白をつけたらグラニュー糖をたっぷりと。バットに並べて冷蔵庫で数日乾かします。

砂糖をまとったスミレの花は、キラキラとガラス細工のよう。紅茶に浮かべたり、ケーキや焼き菓子に添えると、季節を味わう華やかなティータイムになります。来客時のおもてなしとしても喜ばれるので、たくさんつくって冷蔵庫に保存しています。

スミレの花言葉は、「小さなしあわせ」。待ちわびた春の暮らしに、小さなしあわせをたくさん咲かせましょう。

Credit

写真&文/前田満見

高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。

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