トップへ戻る

ロータス‘ブリムストーン’は可愛い葉と花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

ロータス‘ブリムストーン’は可愛い葉と花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説

PicStyle/PIXTA

エバーグリーンでカラーリーフとして観賞できる美しい小さな葉や、可憐な花が楽しめる、ロータス‘ブリムストーン’。この記事では、その基本情報や特徴、花言葉・名前の由来、種類、育て方などについて、詳しくご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

ロータス‘ブリムストーン’の基本情報

ロータス‘ブリムストーン’
トモトモ/PIXTA

植物名:ロータス‘ブリムストーン’
学名:Lotus hirsutus ‘Brimstone’(Dorycnium hirsutum ‘Brimstone’)
英名:Canary clover、Hairy canary-clover
和名:ロータス‘ブリムストーン’、
その他の名前:ロータス・ヒルスタス‘ブリムストーン’、ロツス・ヒルスツス
科名:マメ科
属名:ドリグニウム属(ミヤコグサ属)
原産地:地中海沿岸地域、西アジア
分類:常緑性亜低木

ロータス‘ブリムストーン’は、マメ科ドリグニウム属の亜低木で、多年草のように扱われますが、生育に従い徐々に茎が木質化していきます。原産地は地中海沿岸で、乾燥した気候を好みます。寒さには強い反面、高温多湿の日本の夏はやや苦手です。学名はLotus hirsutus ‘Brimstone’(ロータス・ヒルスタス‘ブリムストーン’)で、ロータス・ヒルスタスの園芸品種です。常緑性なので一年中みずみずしい茎葉を楽しめ、寄せ植えやハンギングバスケットなどで活躍します。草丈は40〜60cmで、広がるようによく枝葉を伸ばします。

ロータス‘ブリムストーン’の花や葉の特徴

ロータス‘ブリムストーン’
にゃんたっちゃぶる/PIXTA

園芸分類:草花
開花時期:6~7月
草丈:30〜60cm
耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
花色:白

早春の芽吹きの頃の葉色は淡いクリームイエローで、季節が進むと株元に向かうほどグリーンが濃くなり、グラデーションが楽しめます。細かな産毛をまとった葉は触り心地がよく、爽やかなシルバーグリーン。常緑性で、小さな葉が密について繊細な雰囲気を持っています。開花期は6〜7月。花茎を伸ばした先に、白い小さな花がまとまって咲きます。開花後には実がつきます。

ロータス‘ブリムストーン’の名前の由来や花言葉

ロータスは、学名のLotus hirsutusから。品種名のブリムストーンは硫黄を意味し、新芽の柔らかな黄色を硫黄に見立てて名付けられたとされています。ロータス‘ブリムストーン’の花言葉は「完璧な美しさ」です。

近縁の仲間

ロータス
Tamara Kulikova/Shutterstock.com

ロータス‘ブリムストーン’の原種ロータス・ヒルスタスは、日本ではほとんど出回りません。近縁の仲間として、濃い茶色の花を咲かせるロータス‘ブラックムーニー’や、シルバーリーフに黄花が咲くロータス・クレチカス、シルバーグレーの葉に白い小花をたくさん咲かせるドリクニウム・ジャーマニカムなどがあります。

ロータス‘ブリムストーン’の栽培12カ月カレンダー

開花時期:6〜7月
植え付け・植え替え:3〜5月、10月
肥料:3〜4月、10月

ロータス‘ブリムストーン’の栽培環境

ロータス‘ブリムストーン’
dual180/PIXTA

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を選びます。極端に日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】もともと乾燥した気候のもとで自生してきた植物で、やや乾燥気味を好み、日本の高温多湿の環境を嫌うので、水はけのよい土壌づくりをしておくことがポイントです。梅雨の時期は蒸れて傷みやすいので、鉢植えの場合は軒下などの雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。地植えにする場合は、落葉樹の下など夏に涼しい半日陰になるような場所を選びましょう。

耐寒性・耐暑性

寒さには強く、マイナス10℃程度まで耐えるため、屋外で越冬しますが、冬越しさせる場合は株元にバークチップなどをマルチングし、霜対策をしておくとよいでしょう。また、寒冷地では冬は葉が少なくなることもあります。高温多湿には弱いので、夏は蒸れないよう注意しましょう。

ロータス‘ブリムストーン’の育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土中粒4、鹿沼土3、腐葉土3を混合し、さらに元肥として緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。

水やり

水やり
Zoom Team/Shutterstock.com

ロータス‘ブリムストーン’は細かな産毛を株全体にびっしりとまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので注意してください。株全体にかけるのではなく、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。

真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。

土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やり忘れに注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。

肥料

肥料
Singkham/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。越年後は、4月と10月頃にそれぞれ1回、緩効性化成肥料を周囲にばらまいて軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。

注意すべき病害虫

アブラムシ
muroPhotographer/Shutterstock.com

【病気】

ロータス‘ブリムストーン’の栽培では、病気の心配はほとんどありません。

【害虫】

ロータス‘ブリムストーン’の栽培では、害虫が発生する心配はほとんどありませんが、アブラムシがつくことがあります。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ロータス‘ブリムストーン’の詳しい育て方

苗の選び方

苗を購入する際は、節間が間のびしていたり株元がぐらついたりしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
AlenKadr/Shutterstock.com

植え付け・植え替えの適期は4〜6月か、10月頃です。ただし、花苗店などではほかの時期にも苗が出回っているので、購入したら早めに植え付けてください。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、一回り大きな穴を掘って根鉢をくざさずに苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、約40〜50cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。

地植えの場合は、環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。マメ科の植物は移植を嫌うので、植える場所は前もって十分吟味しておくとよいでしょう。

【鉢植え】

ロータス‘ブリムストーン’を単植する場合は、購入した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、根鉢をくずさずに植え替えてください。

ロータス‘ブリムストーン’の剪定時期とポイント

剪定
Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com

ロータス‘ブリムストーン’は、適した時期に剪定を行う必要があります。ここでは、剪定のポイントについてご紹介します。

【適切な時期】

雨の多い梅雨期に入ると蒸れやすくなって、株が弱ることがあります。梅雨の前に、込み合っている部分があれば、間引くように剪定して風通しをよくしておきましょう。

気候が厳しくて株に負担がかかる真夏と真冬を除けば、剪定は時期を選ばず行えます。株姿が乱れていれば、切り戻して整えましょう。

【剪定のポイント】

ロータス‘ブリムストーン’は旺盛に生育し、よく分枝して枝葉を広げていくので株姿が乱れやすくなります。放置すると蒸れて枯れ込んだり、株姿が乱れて見た目が悪くなったりするので、真夏や真冬を除いて定期的に剪定をします。込み合っている部分は、間引くように透かし剪定をして、風通しをよくしましょう。その際は、長く伸びすぎている枝や枯れ込んでいる枝、内側に向かって伸びている枝などを選び、分岐点から切り取ります。あまりに形を乱しているようであれば、草丈の半分くらいまで切り戻してもかまいません。

夏越しや冬越し

ロータス‘ブリムストーン’
にゃんたっちゃぶる/PIXTA

●夏越し

【地植え】

夏の強い日差しにさらされると葉焼けすることがあるので、木漏れ日がチラチラと差すような落葉樹の株元などを選んで植えるのがベターです。日当たりのよい場所に植え付けた場合は、遮光ネットを施すとよいでしょう。

【鉢植え】

夏に強い日差しを浴び続けると、葉焼けすることがあるので、半日陰で風通しのよい場所に移動します。午前のみ日が差す東側や、日差しが届かない軒下などがよいでしょう。

●冬越し

【地植え】

寒さに強く、マイナス10℃くらいまで耐えるので、一般地であれば、庭植えにしたままで越冬できます。凍結すると根が傷むことがあるので、バークチップなどを株元に施す、マルチングをしておくとよいでしょう。

【鉢植え】

マイナス10℃くらいまで耐えるので、一般地であれば戸外で越冬できます。日当たりのよい場所で管理しましょう。冬は乾きにくくなるので、水やりは控えめにします。

ロータス‘ブリムストーン’の増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

ロータス‘ブリムストーン’は、挿し芽と種まきで増やすことができます。ここでは、その方法についてご紹介します。

挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ロータス‘ブリムストーン’は挿し芽で増やせます。

挿し芽の適期は、5〜6月です。新しく伸びた茎葉を10cmほど、切り口が斜めになるように切り取ります。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理します。発根したら日当たりのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【種まき】

種まきで増やす場合は、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種を採取して密閉容器に入れ、適期まで保管しておきましょう。

種まきの適期は一般地で4月頃、発芽適温は20℃前後です。

まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子を播いて覆土します。最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは雨の当たらない明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水やりします。

発芽後は日当たりのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついたら苗を取り出し、黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて根鉢をくずさずに植え付けます。育苗を続け、本葉が4〜5枚ついたら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けましょう。

ロータス‘ブリムストーン’が枯れる・徒長する原因と対処法

ロータス‘ブリムストーン’の栽培では、急に枯れた、徒長して困ったということがあるようです。その原因を探ってみましょう。

ロータス‘ブリムストーン’
にゃんたっちゃぶる/PIXTA

枯れる原因と対処法

ロータス‘ブリムストーン’が枯れる原因として一番に考えられるのは、水の与えすぎです。もともと乾燥した気候を好むため、多湿になると枯れることがあるので注意します。鉢栽培の場合は、鉢土がしっかり乾いてから水やりしてください。また、蒸れにも弱いので、茂りすぎて過密になっている部分は間引くように剪定して風通しをよくしましょう。

徒長する原因と対処法

ロータス‘ブリムストーン’が徒長する原因は、水や肥料の与えすぎや、日照不足が考えられます。あまり過保護にしないことがポイントで、早春から初夏にかけては日当たりのよい場所で管理しましょう。株姿が乱れてきたら切り戻し、密になっている部分は間引き剪定をして、株元にまで光が当たるようにします。

ロータス‘ブリムストーン’のさまざまな表情を楽しもう

ロータス‘ブリムストーン’
wonwon eater/Shutterstock.com

ロータス‘ブリムストーン’は、葉色の表情の変化を楽しめるカラーリーフとして活躍します。白い可憐な花も素敵で、寄せ植えにもおすすめです。ぜひ庭やベランダで育ててみてください。

Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO