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聖なる夜は美しい花と共に! クリスマスイメージの花たちをご紹介

聖なる夜は美しい花と共に! クリスマスイメージの花たちをご紹介

Victoria Kurylo/Shutterstock.com

クリスマスは、一年の中でも特別な日としてお祝いをするご家庭も多いのではないでしょうか。せっかくですから、美しい花を飾って雰囲気を盛り上げるのもいいですね。この記事では、クリスマスにちなんだ花3種についてご紹介します。

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ポインセチア

クリスマスに飾る花として一番に思い浮かぶのは、やっぱりポインセチアですよね。赤い花とグリーンの葉のコントラストが目に鮮やかですが、ポインセチアとはどんな植物なのでしょうか。クリスマスに飾られる由来も併せて、ご紹介します。

ポインセチア
nnattalli/Shutterstock.com

植物名:ポインセチア
学名:Euphorbia pulcherrima
英名:Poinsettia
和名:ショウジョウボク(猩々木)
科名:トウダイグサ科
属名:トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
原産地:メキシコの山地
分類:常緑性低木 

ポインセチアとは?

ポインセチアは、トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の植物です。メキシコの山地が原産地で、現地の人々はポインセチアの白い樹液を解熱剤として、赤い苞を染料として利用してきたそうです。19世紀にアメリカの初代メキシコ公使だったJ.R.ポインセットがこの美しい植物に魅せられてアメリカへと持ち帰りました。ポインセットは植物学者でもあったので、品種改良を重ねて発表したことで世間に広く知れ渡ることとなり、彼の名前にちなんで、「ポインセチア」と名付けられたとされています。現在では世界中へ広まり、日本へは明治時代に伝えられました。比較的新しくもたらされた植物のようでもありますが、日本での栽培の歴史は100年超えということになります。

ポインセチアの花

ポインセチア
Heidi Brand/Shutterstock.com

ポインセチアは花鉢として冬に販売されていることが多いため、草花のようなイメージがありますが、じつは低木です。一度購入すれば毎年観賞できるライフサイクルの長い植物といえます。開花期は12〜2月。花として楽しんでいる部分はじつは苞で、実際は中央に黄色い小さな花があります。苞の色は赤、ピンク、白、紫があり、クリスマスシーズンの贈答用としても人気です。

寒さに弱いので、基本的には冬は室内に置いて観賞します。冬に入手した開花株は、日当たりがよく暖かい窓辺などで管理しましょう。エアコンの風が直接当たらない場所に置くこともポイントです。多湿を嫌うので水やりは控えめにし、乾燥気味に管理しましょう。終わった苞はまめに摘み取り、株の消耗を防ぐとともに株まわりを清潔に保ちます。

2〜3月にはほとんど生育が止まりますが、乾燥気味に水やりを続けてください。無事に冬越しして新芽が動き始めたら、3〜5月に、1/3くらいの高さまで大きく切り戻し、根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直します。5〜9月は戸外に出し、日当たりのよい場所に移動しましょう。9〜11月に17時頃から翌朝8時頃までダンボールなどを被せて暗くする短日処理を行い、花芽をつけさせます。ただし、近年は短日処理を行わずとも、花芽がつく品種も出回っています。

ポインセチアにつきやすい害虫は、カイガラムシです。カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

ポインセチアの花言葉は「祝福する」「聖夜」「幸運を祈る」「私の心は燃えている」など。花色ごとの花言葉もあり、ピンクのポインセチアは「思いやり」「清純」、白は「慕われる人」「あなたの祝福を祈る」などです。

なぜクリスマスの花?

ポインセチア
Pixel-Shot/Shutterstock.com

ポインセチアは、なぜクリスマスシーズンに飾られるようになったのでしょうか。主な由来とされるのは、その苞の色です。葉が緑、苞が赤、樹液が白のポインセチアは、クリスマスカラーそのものです。赤は「キリストの血」、緑は「永遠の象徴」、白は「純潔」を象徴する色で、メキシコにたどり着いたフランシスコ修道会の宣教者がポインセチアを見いだして「ノーチェ・ブエナ(聖夜)」と名付けました。当初はキリストの誕生祭の行列に登場していたようですが、徐々に世界中に広まって、クリスマスの花として親しまれるようになったとされています。また、フォルムがキリスト教にまつわるベツレヘムの星に似ているからという説もあるようです。

クリスマスローズ

クリスマスローズという名前、なんとなくロマンチックですね。品種が多く、花色や花姿がバラエティーに富んでいるうえ、毎年新品種が発表されることから、コレクターズアイテムとしてガーデナーに大人気の草花です。では、クリスマスローズとはどんな植物なのか、詳しくご紹介しましょう。

ヘレボレス・ニゲル
ヘレボルス・ニゲル。BlackRabbit3/Shutterstock.com

植物名:クリスマスローズ
学名:Helleborus
英名:hellebore、Christmas rose
和名:レンテンローズ
その他の名前:ヘレボルス、雪起こし、寒芍薬
科名:キンポウゲ科
属名:クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
原産地:ヨーロッパからトルコ、シリア、ジョージア(ヘレボルス・チベタヌスのみ中国)
分類:常緑多年草

クリスマスローズとは?

日本でクリスマスローズと呼ばれている花は、キンポウゲ科ヘレボルス属の多年草です。名前に「ローズ」とついていますが、バラの仲間ではありません。花の形が一重咲きのバラに似ていることから、クリスマスローズと呼ばれるようになったとされています。ではなぜ「クリスマス」の名前がついているのでしょうか。「クリスマスローズ」という名前は、イギリスでクリスマスの頃に咲く、原種のヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)に付けられた英語名なのです。ヨーロッパでは、この一種のみをクリスマスローズと呼んでいるのですが、日本では原種や園芸品種を問わずに、ヘレボルスがクリスマスローズとして普及しました。そのため、今では12月には咲かない原種や園芸品種のほうが多くなり、ちょっとややこしくなっています。

クリスマスローズの花

クリスマスローズ
yuri-ss/Shutterstock.com

クリスマスローズは常緑性の多年草(宿根草)で、一度根付けば毎年花を咲かせてくれる、寿命の長い植物です。寒さに強く、半日陰の環境でも育ちます。本来の英名のクリスマスローズ(ヘレボルス・ニゲル)の開花期は12月下旬のクリスマスの頃ですが、日本で広く普及しているクリスマスローズ(ニゲル以外の原種や園芸品種)の開花期は1〜3月です。花色は白、ピンク、紫、黄、茶、黒、複色などがあります。一重咲き、半八重咲き、カップ咲き、平咲き、星咲きなど咲き姿も品種によって多様で、選ぶ楽しみがある、人気の植物です。

クリスマスローズの植え付けの適期は10〜3月です。草丈は10〜50cmで、花壇の前〜中段向き。地植えの場合は、落葉樹の足元など明るい半日陰に、水はけのよい土壌をつくって植え付けます。鉢栽培の場合は6〜7号鉢を用意し、市販の草花用培養土を利用して植え付けるとよいでしょう。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。真夏は生育が止まるので、鉢栽培の場合は風通しのよい明るい日陰に移動して管理します。植え付けから数年経って大株に育ったら、掘り上げて数芽つけて株分けし、若返りをはかりましょう。

クリスマスローズに発生しやすい害虫は、アブラムシです。アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

クリスマスローズの花言葉は「追憶」「私を忘れないで」「私の不安を取り除いてください」「なぐさめ」など。これは、戦地へ行くことが決まった男性が、愛する人にクリスマスローズを贈ったという言い伝えから派生したものです。

なぜクリスマスの花?

クリスマスローズ
Natalia Greeske/Shutterstock.com

クリスマスローズという名前は、クリスマスの頃に咲く(ヘレボルス・ニゲルに限る)ことが由来となっていますが、次のようなストーリーも残されています。キリストが生まれたとき、多くの人々がさまざまな贈り物を携えて祝福に訪れました。マデロンという貧しい羊飼いの少女もお祝いを伝えに訪問したいと望んでいましたが、贈り物を買うお金がありません。それを嘆いて少女が流した涙が地面に落ちて種となり、芽が出てバラのように美しい白い花(ヘレボルス・ニゲル)を咲かせました。少女はその花を摘んで聖母マリアと生まれたばかりのキリストに捧げ、幸福に満たされたそうです。

シクラメン

シクラメンは冬の花鉢として人気で、以前から贈答に利用されてきました。クリスマスの頃にも、プレゼントとして花好きの方々へ贈られることが多くなっています。では、シクラメンとはどのような花でしょうか。ここからは、シクラメンについて詳しく紐解いていきます。

シクラメン
Sunny_Smile/Shutterstock.com

植物名:シクラメン
学名:Cyclamen persicum
英名:Cyclamen
和名:カガリビバナ
その他の名前:ブタノマンジュウ
科名:サクラソウ科
属名:シクラメン属
原産地:北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域
分類:球根

シクラメンとは?

シクラメンは、サクラソウ科シクラメン属の多年草です。原産地は地中海沿岸から小アジアにかけてで、10種類ほどが分布しています。一般に鉢花として栽培されているのはシクラメン・ペルシカムから改良された園芸品種で、日本ではシクラメンといえばこの品種群のことを指すことが多くなっています。草丈は品種にもよりますが、20〜40cmです。寒さに弱いので、基本的に鉢栽培にして冬は室内で冬越しさせましょう。開花中、終わった花をまめに摘み取ると、次々とつぼみが上がってきます。

シクラメンが花鉢として主に流通している一方で、ガーデンシクラメンの人気も高くなっています。ガーデンシクラメンとは、耐寒性のある原種のシクラメンを元にしてつくられた、寒さに強く屋外でも栽培できる品種群です。といっても耐寒性は0〜5℃くらいなので、地植えにするなら温暖地限定。鉢栽培にするなら霜の降りない軒下やベランダなどで管理するとよいでしょう。ガーデンシクラメンの草丈は10〜20cmとやや小ぶり。日当たりがよく、水はけ・水もちのよい土壌に植え付けます。鉢栽培では入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備し、草花用培養土を利用して植え付けます。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。水やりは乾燥したら与える程度に。多湿にすると根腐れすることがあるので注意します。

シクラメンに発生しやすい害虫は、ヨトウムシです。ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。食欲が旺盛で、大きくなった幼虫は、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の跡が認められたら、夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。

シクラメンの花

シクラメン
Tibesty/Shutterstock.com

開花期は10月中旬〜4月中旬で、花色は赤、ピンク、紫、白、複色など。咲き姿も一重咲きや八重咲き、花弁にフリルが入るフリンジ咲きなどがあります。シクラメンの花は、花茎を地際から長く伸ばした先に、1輪ずつ開花。花弁が上に反り返るようにして咲きます。このような花姿からカガリビバナ(篝火花)という別名ももっています。

シクラメンの花言葉は「遠慮」「内気」「はにかみ」「気後れ」など。花弁を反らせてうつむき気味に咲くため、このようなやや内向的なイメージに結びついたとされています。

なぜクリスマスの花?

シクラメン
Galina Grebenyuk/Shutterstock.com

シクラメンには、クリスマスにまつわるストーリーがありません。では、なぜクリスマスの定番の花鉢として知られるようになったのでしょうか。それは、花が少ない冬にシクラメンが贈答などに利用されてきた歴史があるからと推測されます。さらにクリスマスシーズンと重なって、花好きな家族や知人へのプレゼントとして選ばれるようになったという経緯があるようです。和洋どちらの雰囲気も持つ上品な花姿をしていることから、クリスマスはもちろん、お歳暮やお正月の贈り物としても需要があります。冬に華やかに咲く花は少ないので、クリスマスの頃にはクリスマスベルやリボン、オーナメントを飾り、お正月には扇子や水引などをあしらって長く楽しむのもいいですね。

飾ってよし贈ってよしのクリスマスイメージの植物

クリスマス
Rusana Krasteva/Shutterstock.com

ここまで、クリスマスにちなんだ花には、どんな種類があるのかご紹介してきました。楚々とした花姿のものや、豪華な雰囲気をもつ華やかな花などが揃っていますね。これらのクリスマスを盛り上げる花を飾って、家族や友人たちと祝福のひとときを過ごしてはいかがでしょうか。

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