庭がカラフルになる葉野菜! スイスチャード(フダンソウ)の栽培方法と食べ方を解説
Andi Berger/Shutterstock.com
スイスチャードは、葉軸のカラフルさが目を引く葉野菜で、庭やプランターを華やかにしてくれます。ほぼ一年中栽培でき、美味しく食べられるため、いつでも採れたてを料理することができるのは嬉しいですよね。この記事では、スイスチャードの栽培方法とおすすめの食べ方についてご紹介します。
目次
スイスチャードの基礎知識を解説

スイスチャードは、アカザ科のフダンソウ属に分類される葉野菜です。和名はフダンソウ(不断草)で、ほぼ一年中収穫できることからこの名がついたとされています。そんなスイスチャードの特徴は、葉軸が赤や黄、白などさまざまな色をしていること。この葉軸のカラフルな色は、含まれるベタライン色素(ポリフェノールの一種)のバランスによって決まります。
スイスチャードの栄養成分

スイスチャードは栄養バランスのよい野菜です。特にβカロテンが非常に多く含まれており、抗酸化作用の強いビタミンEも豊富。さらに、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルも豊富に含まれます。スイスチャードを料理に積極的に取り入れると、日々の食事の栄養バランスがよくなることが期待できます。
スイスチャードの栽培方法

見た目もカラフルで華やかなスイスチャードは、自宅で育てることもできます。家庭菜園で野菜として栽培するのはもちろん、キッチンガーデンやガーデンの彩りとして、カラーリーフのように栽培するのもおすすめです。
ここからはスイスチャードの育て方について、土づくり、種まき、間引き、収穫のそれぞれの方法や、気をつけたい病害虫について解説します。
土づくりは2週間前から

スイスチャードは酸性土に弱いため、土づくりの際は注意が必要です。種まきの2週間前から、1㎡当たりひとつかみ程度の苦土石灰を混ぜて、中性から弱アルカリ性に酸度調整しておきます。1週間前には、野菜用の肥料を規定量施しておきましょう。畝は10〜15cmの高さがよいですが、水はけが悪ければ高畝にします。
スイスチャードの種まき

スイスチャードの種まきの適期は4〜10月です。種子は一晩水につけてから播きます。種まきの際は、条間を15〜20cmにし、2〜3cm間隔ですじまきにします。プランターで育てる場合は、条間は10cmでもかまいません。種子を播いたら薄く土をかけた後、水やりをします。
間引き

本葉が4〜5枚出たら、10〜15cm間隔になるように間引きを行います。間引いた葉も、ベビーリーフとして食べられます。その後も、大きくなる頃には株間が20〜30cm間隔になるように間引きながら育てましょう。
収穫

スイスチャードは1枚の葉が15〜20cmくらいまで成長したら収穫しましょう。大きくなりすぎると、葉が硬くなり、えぐみも出てしまいます。大きくなった外側の葉から随時取るようにすると、収穫する期間が長くなります。長期収穫を望む場合は、内側の葉が大きくなるよう、追肥を施しましょう。
スイスチャードに見られる病気や害虫

スイスチャードによく見られる病気の一つが、立ち枯れ病です。この病気は、発芽後の土の水分が多すぎるとかかりやすくなります。
害虫では、ヨトウムシがつきやすいです。この虫はスイスチャードの葉を食べてしまうため、注意が必要です。ヨトウムシに食べられているのを発見した場合は、防虫ネットなどを使って対策します。
スイスチャードの美味しい食べ方をご紹介
スイスチャードはクセの少ない葉野菜なので、さまざまな料理に活用できます。ここではおすすめの食べ方についてご紹介します。
硬い外葉は炒めものに

スイスチャードの硬めの外葉は炒めものにするのがおすすめです。葉軸の部分を先に炒め、葉を後から炒めましょう。葉軸が太い場合は縦に切ると火の通りが均一になります。また1分ほど蓋をして蒸らせば、硬い部分に火が通ります。サッと炒めることで、シャキシャキの食感を生かせます。さらにカロテンは油との相性がいいため、油で炒めると栄養を効率よくとることができ、またより色鮮やかになるので、食卓を華やかに彩ってくれます。
茹でておひたしなどにも

スイスチャードは長く茹でると色が落ちるので、1分ほどで引き上げるようにします。熱湯に葉軸から葉の順に入れ、特に葉は手早く茹でることをおすすめします。
また、スープなどに入れる場合は、別茹でしたものを最後に加えるのがおすすめです。
生のままサラダや浅漬けに

スイスチャードは生のままでも食べられます。間引きの際に出るベビーリーフや内側の柔らかい葉はサラダにするのがおすすめです。葉軸がカラフルなので、色鮮やかなサラダになります。
また、カロテンは油と合わせると吸収がよくなるので、ドレッシングはノンオイルよりもオイル入りがおすすめです。
浅漬けでも美味しく食べられます。スイスチャードはえぐみが少ないので、さっぱりとした味付けによく合います。
スイスチャードの保存方法は?

スイスチャードは、生のままでも、また冷凍保存することもできます。
生のまま保存する場合は、新聞紙に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。ポリ袋は口をあけたまま、可能であれば立てて保存することをおすすめします。
冷凍保存する場合は、サッとゆでて冷水にとり、水気を切って絞り、保存袋に入れて冷凍しましょう。
ほぼ通年栽培できる! スイスチャードで食卓を豊かに

ほぼ一年中栽培できるスイスチャードの育て方や食べ方についてご紹介しました。カラフルな色が、育てても食べても楽しい葉野菜です。
比較的病害虫にも強く、家庭菜園初心者の方にもおすすめの野菜ですので、ぜひお家で育ててみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
ガーデン&ショップ

都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【ファイナル審査を迎え…
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストは、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に2024年12月の作庭後、さまざまな植物が日々成長…
-
宿根草・多年草

毎年咲かせるラナンキュラス・ラックスの秋ケア完全ガイド|植え替え・株分け・夏越しの見…PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンの多い宿根草「ラナンキュラス・ラックス」。春早くから咲き始め、1株で何十輪という花が咲き、誰しもが虜になる魅力的な植物です。年々新し…
-
ガーデン&ショップ

【秋バラが本格的に開花!】煌めくクリスマスの雰囲気を先取り「横浜イングリッシュガーデ…PR
希少なアンティークローズから最新品種まで、国内外でも屈指のコレクション数を誇る「横浜イングリッシュガーデン」は、秋に色香を増すバラも続々開花が進んでいます。11月4日(火)からは、季節を先取りしてクリス…


























