【秋咲き球根】ネリネはキラキラ輝く花弁が特徴の美しい花! 育て方のコツと特徴解説

Chris Lawrence Travel/Shutterstock.com
10月中旬から12月中旬ごろに咲くネリネという植物を見たことがありますか? 小さなユリのような形の可愛らしい花で、日に当たると花びらがキラキラと輝いて美しい球根花です。この記事ではネリネの特徴や育て方のポイントについて解説します。
ネリネの主な特徴とは

まずはネリネとはどのような植物なのか、主な特徴についてご紹介します。
基本情報

ネリネは、ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属、Nerine属)に属する多年草の球根植物です。南アフリカ原産で、花弁がキラキラ輝くことからダイヤモンドリリーという別名があります。園芸品種としては、ネリネ・サルニエンシスをもとに改良されたものが多く流通しています。草丈は30〜40cmほどで、秋に赤やピンクの花を咲かせます。暑さに強い植物ですが、寒さに弱いため、冬は霜や凍結に注意する必要があります。
花言葉や名前の由来・歴史

ネリネは、ギリシア神話の水の妖精、ネリネ(ネーレーイス)にちなんで名付けられた花です。水の底に暮らす妖精の不自由さから、「また会う日を楽しみに」「忍耐」「箱入り娘」という花言葉がつけられました。
日本には大正期に渡来しましたが、ヒガンバナに似た姿から縁起が悪いとされ、初めはあまり普及しませんでした。一方、イギリスでは17世紀後半から品種改良が盛んに行われ、現在でもアメリカやニュージーランドでも多くの品種が作られています。
花の特徴

ネリネの開花時期は10月中旬から12月中旬までです。
花びらの表面にラメのようなキラキラがあることがネリネの特徴。花色は白や赤、ピンク、オレンジ、紫など多彩で、複色のものもあります。
また花もちがよく、3週間ほどきれいな花姿を楽しむことができます。
ネリネの育て方のポイント6つ

ネリネは、冬の寒さに注意すれば比較的育てやすい植物です。キラキラした美しい花をご自宅で楽しめるように、育て方のポイントについて解説します。
1.栽培環境・用土

一般にネリネとして流通している品種であるサルニエンシス系は寒さに弱いため、冬は霜のあたらない場所に移動する必要があります。そのため、基本的に地植えには不向きなので、鉢植えにして育てるとよいでしょう。
栽培の際は日当たりのよい場所で管理し、用土は水はけがよく通気性に優れたものを使いましょう。例えば、赤玉土小粒に川砂や腐葉土を混ぜたものなどが適しています。
2.水やり・肥料

ネリネは多湿を嫌うので、土が十分に乾いてから水やりします。水やりは晴れた日の午前中にしましょう。
25℃を越える日が続くと葉が黄ばみ休眠期に入るので、水やりをやめて雨の当たらない涼しい場所で夏越しします。ただし、夏でも休眠せず緑の葉をつけている品種は水やりを止めないでください。花後の11月中旬〜2月上旬まで月に1回程度、液肥を施します。
3.植え付け・植え替え

サルニエンシス系の植え付けは8月下旬~9月中旬が適期です。
球根は湿らせた土に浅植えし、水やりはせず、2週間ほど光の当たらない涼しい場所で管理します。3週間目に土を湿らせる程度に軽く水を与えます。10月頃につぼみが出て大きくなったら、徐々に水の量を増やします。
4〜5年に1度、根が鉢の下から出てくるくらい育ったら一回り大きな鉢に植え替えましょう。
4.日常のお手入れ

花が咲き終わったら花首の下で折り取るか、茎の下方で切りましょう。早めに切って切り花として部屋に飾っても楽しむのもおすすめです。
冬の間は鉢を室内に取り込み、室内の日当たりのよい窓辺で管理します。4〜5月に葉が枯れ始め、6〜8月に完全に枯れたら雨に当たらない半日陰に移動します。
5.増やし方

数年間植えっぱなしにしていると子株ができるので、分球して増やすことができます。分球するときは、株を掘り上げて子株を手で分けます。子株は2〜3年ほどで開花します。
6.注意すべき病害虫

ネリネは丈夫で、注意すべき病害虫はほとんどありません。ただし、水やりのしすぎで根腐れすることがあります。また、過湿の環境になってしまうと白絹病や菌核病にかかることがあります。これらの症状が出てしまったら、被害株は除去して処分し、殺菌効果のある薬剤の散布を行うことが必要です。
ネリネの代表的な種類

ネリネにはさまざまな種類があります。
ここでは代表的な種類についてご紹介しますので、ぜひお好みの品種を見つけてください。
サルニエンシス系

サルニエンシスは、ネリネの多くの園芸品種を生み出した原種にあたります。一般にネリネとして流通しているのはサルニエンシス系の品種です。
花が大きく花立ちがよいのが特徴です。夏〜秋に植えると秋に花を咲かせ、冬に成長し、夏に休眠します。
ネリネ・ボーデニー

耐寒性があり、地植えでも育てることができます。花色は主にピンクと白です。サルニエンシス系とは逆に、春植えで夏によく育ち、冬に弱いです。
ネリネ・ウンデュラータ

ネリネ・クリスパとも呼ばれます。
耐寒性があり、南関東より西なら地植えでも育つことができます。花も株もやや小型で、ほぼ常緑を保ちます。花色は主にピンクと白です。春に植えて夏に育ちます。
ネリネと近縁種リコリスとの違い

ネリネとリコリスは同じヒガンバナ科の植物で花姿がよく似ていますが、それぞれ別の属に分類されます。ネリネは南アフリカ原産で、リコリスはアジア東部に分布しています。
ネリネは花芽と葉が同じころに出てくるのに対し、リコリスは夏に葉のない状態で花が咲き、花後に葉が出てきます。ネリネは寒さに弱いですが、リコリスは耐寒性があります。
キラリ輝く花、ネリネで秋の庭を明るく!

ネリネは花びらがキラキラと輝き、小さく可愛らしい花が魅力の植物です。
冬の寒さ対策をすれば比較的育てやすいので、ぜひ実際に庭や花壇で育てて、花びらが光を受けて輝く様子を楽しんでみてください。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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